ユリの全体的な特徴
ユリの全体的な特徴を6つ「多彩な種類」「花のつくり」「花の大きさと色」「球根のようす」「根のようす」「ユリのふやし方」をピックアップしました。まずは「ユリ」とはどのような花なのか、全体的な特徴を把握しましょう。ここからは、ユリの全体的な特徴について紹介します。
多彩な種類
1つ目に紹介するユリの全体的な特徴は「多彩な種類」です。現在100種類ほどあるといわれているユリは、花の形や色、香りなどさまざまです。日本では15種類ほどのユリが自生しており、庭植えや切り花など人気の花です。
花のつくり
2つ目に紹介するユリの全体的な特徴は「花のつくり」です。花弁は6枚あるようにみえますが、実際は外花被(ガク)3枚と内花被(花弁)3枚から成り立っています。中央にめしべが1本、その周辺におしべが6本あります。
花の大きさと色
3つ目に紹介するユリの全体的な特徴は「花の大きさと色」です。一番小さいユリは「マルタゴンリリー」の直径5cm程度で、一番大きいユリは「ヤマユリ」で20~25cm程度あります。色は白・ピンク・赤・紫・黒・黄色などさまざまあります。
球根のようす
4つ目に紹介するユリの全体的な特徴は「球根のようす」です。葉が変形した肉厚な小さい鱗片が複数重なり合った鱗茎を地下に作ります。球根の中心部分が成長し新しい鱗片が増していき、外側の鱗片は枯れていきます。
根のようす
5つ目に紹介するユリの全体的な特徴は「根のようす」です。ユリは、球根の上と下から根を出します。上に出す根を「上根(うわね)」といい、水分や養分を吸収する役目があります。下に出す根を「下根(したね)」といい、太い根で根を張る役目があります。
ユリのふやし方
6つ目に紹介するユリの全体的な特徴は「ユリのふやし方」です。ユリの品種により違いがありますが、「実生」「鱗片」「分球」「木子」「珠芽(むかご)」による繁殖や鱗片培養などの方法があります。
ユリの代表的な種類・特徴と見分け方
ユリの代表的な種類6つ「ヤマユリ」「テッポウユリ」「ササユリ」「リーガル・リリー」「スカシユリ」「オニユリ」をピックアップしました。ここからは、ユリの代表的な種類・特徴と見分け方について紹介します。
ヤマユリ
1つ目に紹介するユリの代表的な種類・特徴と見分け方は「ヤマユリ」です。野生のヤマユリ亜族に分類されます。開花時期は7~8月で、漏斗状の花を横向きに咲かせます。花の直径は20cm以上とユリの中で一番大きい大輪の花になります。
白い花弁の中心に黄色いラインがあり、赤い斑点が特徴です。ヤマユリの球根は「ユリ根」として食べることができます。
テッポウユリ
2つ目に紹介するユリの代表的な種類・特徴と見分け方は「テッポウユリ」です。野生のテッポウユリ亜属に分類され、ラッパ銃のような見た目から名づけられました。開花時期は4~6月で、ラッパのような筒状の花を横向きに咲かせます。花の直径は5cm程度とユリの中では小さいです。
ササユリ
3つ目に紹介するユリの代表的な種類・特徴と見分け方は「ササユリ」です。野生のテッポウユリ亜属に分類されます。開花時期は5~7月で、ラッパのような筒状の花を横向きに咲かせます。花弁は淡いピンク色で、花粉はオレンジ色です。
リーガル・リリー
4つ目に紹介するユリの代表的な種類・特徴と見分け方は「リーガル・リリー」です。和名は「オウカンユリ(王冠百合)」という野生のテッポウユリ亜属に分類されます。開花時期は6月中旬~7月中旬で、ラッパのような筒状の花を横向きに咲かせます。
スカシユリ
5つ目に紹介するユリの代表的な種類・特徴と見分け方は「スカシユリ」です。野生のスカシユリ亜族に分類されます。開花時期は5~8月で、直径10cm程度のオレンジや黄色の花を咲かせます。花の形が盃状(カップ)で上向きに咲かせます。
オニユリ
6つ目に紹介するユリの代表的な種類・特徴と見分け方は「オニユリ」です。野生のカノコユリ亜属に分類され、赤鬼のような見た目から名づけられました。開花時期は7~8月で、花弁が外側に丸く巻いて開きます。オレンジに赤褐色の斑点やピンクに赤紫の斑点など個性的な見た目が特徴です。
ユリの園芸品種の種類・特徴と見分け方
ユリの園芸品種の種類7つ「アジアティック・ハイブリッド」「マルタゴン・ハイブリッド」「キャンディダム・ハイブリッド」「アメリカン・ハイブリッド」「ロンギフローラム・ハイブリッド」
「トランペット・オーレリアン・ハイブリッド」「オリエンタル・ハイブリッド」をピックアップしました。ここからは、ユリの園芸品種の種類・特徴と見分け方について紹介します。
アジアティック・ハイブリッド
1つ目に紹介するユリの園芸品種の種類・特徴と見分け方は「アジアティック・ハイブリッド」です。スカシユリやオニユリなどのアジアンティックユリ同士を交配した園芸品種です。
「スカシユリ」や「エレガントリリー」と呼ばれており、香りはありません。丈夫で栽培しやすく花の色も豊富で、庭植えに適しています。「ランディーニ」「モナ」「エンチャントメント」「グランドクルー」などの品種があります。
マルタゴン・ハイブリッド
2つ目に紹介するユリの園芸品種の種類・特徴と見分け方は「マルタゴン・ハイブリッド」です。マルタゴンリリーとタケシマユリを交配した園芸品種で、日本ではあまり出回っていません。
小ぶりな花を下向きに咲かせ、花弁は上向きに広がります。茎が太く、上根がない珍しい品種です。「マルタゴンリリー」「クルマユリ」と呼ばれることもあります。
キャンディダム・ハイブリッド
3つ目に紹介するユリの園芸品種の種類・特徴と見分け方は「キャンディダム・ハイブリッド」です。マドンナ・リリーとヨーロッパ原産の品種を交配した園芸品種で、日本ではあまり栽培されていません。
アメリカン・ハイブリッド
4つ目に紹介するユリの園芸品種の種類・特徴と見分け方は「アメリカン・ハイブリッド」です。北アメリカ原産の品種同士を交配した園芸品種です。日本ではあまり栽培されておらず、咲き方などの見た目はマルタゴン・ハイブリッドに似ています。
ロンギフローラム・ハイブリッド
5つ目に紹介するユリの園芸品種の種類・特徴と見分け方は「ロンギフローラム・ハイブリッド」です。中国原産タカサゴユリや日本原産テッポウユリなどを交配した園芸品種で、現在は「シンテッポウユリ」という品種が各地で栽培されています。香りがあり、横向きに咲かせます。
トランペット・オーレリアン・ハイブリッド
6つ目に紹介するユリの園芸品種の種類・特徴と見分け方は「トランペット・オーレリアン・ハイブリッド」です。タカサゴユリやリーガル・リリーなどの中国原産の品種同士を交配した園芸品種です。
ラッパのような筒型や星型の花を横向きに咲かせます。「ゴールデンスプレンダー」「アフリカンリリー」などの品種があります。
オリエンタル・ハイブリッド
7つ目に紹介するユリの園芸品種の種類・特徴と見分け方は「オリエンタル・ハイブリッド」です。オリエンタルリリーと呼ばれることもあり、日本原産の品種同士を交配した園芸品種です。大輪の花を咲かせ、香りが強いです。
「オリエンタルリリー」「マルコポーロ」「イザベラ」「シアラ」「カサブランカ」「ル・レープ」などの品種があります。
ユリの色ごとの代表例
ユリの色ごとの代表例を6つ「白いユリ」「ピンクのユリ」「赤いユリ」「紫のユリ」「黒いユリ」「黄色のユリ」をピックアップしました。代表的な花の種類と特徴を参考にしてください。ここからは、ユリの色ごとの代表例について紹介します。
白いユリ
1つ目に紹介するユリの色ごとの代表例は「白いユリ」です。「清楚」「清潔」「純白」などのイメージがある白いユリは、花嫁さんが持つブーケに使われることもあります。
「カサブランカ」は、オリエンタル・ハイブリッドに分類されます。開花時期は6~8月で、直径は20~30cmとユリの中でも最大となる大輪花が特徴です。
「ムスカデット」は、オリエンタル・ハイブリッドに分類されます。開花時期は7月頃で、白い花びらに赤い斑点が特徴です。多花性なので、1本の茎でたくさんのユリの花を楽しむことができます。
ピンクのユリ
2つ目に紹介するユリの色ごとの代表例は「ピンクのユリ」です。「ソルボンヌ」は、オリエンタル・ハイブリッドに分類されます。オールシーズン楽しめる花で、中大輪種です。球根サイズが14~16cmのものは3~5輪、16~18cmのものは4~8輪の花を咲かせる多花性です。
「プリンセスカサブランカ」は「ピンクパレス」という別名があり、オリエンタル・トランペットハイブリッドに分類されます。濃いピンク色と濃淡がなく花の中心部分まで色が入っている見た目が特徴です。
赤いユリ
3つ目に紹介するユリの色ごとの代表例は「赤いユリ」です。「スカシユリ・ネロ」は、アジアティック・ハイブリッドに分類されます。エゾスカシユリとイワトユリを交配させた園芸品種です。開花時期は初夏~盛夏で、厚みのある朱色の花弁が特徴です。
「スターガザール」は、オリエンタル・ハイブリットに分類されます。花弁の縁取りが淡いのが特徴です。花径は15~17cm程度で強い香りがあります。
紫のユリ
4つ目に紹介するユリの色ごとの代表例は「紫のユリ」です。「ロビナ」は、オリエンタル・ハイブリッドに分類されます。草丈は2m以上に成長するため、地植えに適しています。花の直径は25cmを超える巨大輪です。
「パープルプリンス」は「パープルカサブランカ」という別名があり、OTハイブリッドに分類されます。開花時期は6~9月で、草丈は80~120cm程度に成長します。
黒いユリ
5つ目に紹介するユリの色ごとの代表例は「黒いユリ」です。「ブラックチャーム」は、テッポウユリとアジアティック・ハイブリッドとの交配によるスカシユリに分類されます。開花時期は6月下旬で、草丈は70~80cm程度まで成長します。真っ黒というより紫よりの黒色です。
「ランディーニ」は、スカシユリに分類されます。開花時期は5~6月で、草丈は90~110cm程度まで成長します。花の直径は8~15cm程度です。高級感のある色合いから、クリスマスやお正月などのイベントに重宝されています。
黄色のユリ
6つ目に紹介するユリの色ごとの代表例は「黄色のユリ」です。「イエローウィン」は、OTハイブリッドに分類されます。開花時期は7月中旬で、草丈は100cm程度まで成長します。
「コンカドール」は、OTハイブリッドに分類されます。開花時期は7月上中旬で、草丈は70~120cm程度まで成長します。淡いレモンイエローカラーの大輪が特徴です。
ユリのそれぞれの見分け方
ユリのそれぞれの見分け方を2つピックアップしました。ユリは、大きく分けて「野生・原種」「園芸種」に分けることができます。野生・原種と園芸種の見分け方をマスターしましょう。ここからは、ユリのそれぞれの見分け方について紹介します。
野生・原種の種類と見分け方
1つ目に紹介するユリのそれぞれの見分け方は「野生・原種の種類と見分け方」です。人の手によって交配されていない原生・原種のユリは、「ヤマユリ亜属」「テッポウユリ亜属」「スカシユリ亜属」「カノコユリ亜属」の4種類の属性に分類されます。
「ヤマユリ亜属」の花の形は漏斗状の大輪で、横向きに咲かせます。日本原産で、「ヤマユリ」「ササユリ」「オトメユリ」「カノコユリ」などの品種があります。
「テッポウユリ亜属」の花の形はラッパのような筒状で、横向きまたは上向きに咲かせます。日本の沖縄や奄美地方に自生しています。「タカサゴユリ」「テッポウユリ」「リーガル・リリー」などの品種があります。
「スカシユリ亜属」の花の形は盃状(カップ)・星型で、上向きに咲かせます。「スカシユリ」「エゾスカシユリ」「ヒメユリ」などの品種があります。
「カノコユリ亜属」の花の形は鐘状・星型で、下向きに咲きます。「クルマユリ」「カノコユリ」「オニユリ」などの品種があります。
園芸種の種類と見分け方
2つ目に紹介するユリのそれぞれの見分け方は「園芸種の種類と見分け方」です。園芸種は英国王立園芸協会により9種類に分類されています。
1群は「アジアティック・ハイブリッド」、2群は「マルタゴン・ハイブリッド」、3群は「キャンディダム・ハイブリッド」、4群は「アメリカン・ハイブリッド」、5群は「ロンギフローラム・ハイブリッド」、6群は「トランペット・ハイブリッド」
7群は「オリエンタル・ハイブリッド」、8群は「そのほかの交配品種(下位分類)」9群は「その他の野生種・変種など」になります。それぞれの見分け方は、「ユリの園芸品種の種類・特徴と見分け方」の項で紹介した通りです。
ユリは種類の多い華やかな花
ユリは日本を含め各国で生育している種類の多い花です。野生・原種や園芸種などがあり、1輪でも華やかで個性的な魅力ある花です。紹介した以外にもさまざまな種類があるので、野生・原種・園芸種など興味のある方は調べてみてください。