「才色兼備」の意味とは?
「才色兼備」という言葉を聞いたことがありますか?「あの人は才色兼備だ」と言う時、相手を誉めている言葉だということはわかるでしょう。さらに、この言葉を男性に対してはあまり使わないといった感覚はないでしょうか?「才色兼備」とはどういう意味なのでしょうか?
このような日本語特有の四文字熟語を英語に言い直すことはできないでしょうか?「才色兼備」の意味がわかれば、英語で同じ意味の言葉の使い方ができます。英語で「才色兼備」の使い方ができれば、英語表現に幅が広がります。英語で日本文化を伝えることができます。
この「才色兼備」という言葉は、英語で外国人に教えるのに適当な言葉なのでしょうか?「才色兼備」という言葉を、最近使わないようにしている傾向にあることを知っていますか?なぜ「才色兼備」があまりいい言葉ではないとされる風潮があるのでしょうか?
「才色兼備」を英語圏の人に説明する時、英語で細かなニュアンスまで伝えられるでしょうか?「才色兼備」という言葉がいい言葉ではないとされているとしたら、この言葉が背負っている日本古来の負の文化についても英語で説明できるようになりたいものです。
意味は「才能と美貌を兼ね備えていること」
「才色兼備」の読み方は「さいしょくけんび」です。また「さいしきけんび」「さいそくけんび」という読み方もあります。こうした四文字熟語には、古い文献などに記された由来のようなものがあることが多いですが、この「才色兼備」にそういった由来はありません。
「才色兼備」は「才」「色」「兼」「備」の一字ずつがくっついた言葉です。「才」は才知、能力を意味する言葉です。「色」は容姿、美貌を意味する言葉です。「兼」は兼ねている、併せているという意味の言葉です。「備」は備える、持っているといった意味の言葉です。
要するに「才色兼備」とは、「才知と美貌を兼ね備えていること」という意味です。さらに言うならこの「才色」とは、「女性の才知と美貌」を意味しています。すぐれた才能を持ち、顔も綺麗で姿も美しい女性のことを言います。古来から女性に対する最高の誉め言葉でした。
この「才色兼備」という言葉は当たり前のように、女性に対して使われてきました。それには「男は男らしく、女は女らしく」あることが一番といった考え方が根底にあったからです。
最近は、男性でも「美しい」という形容をすることもありますが、この「才色兼備」という言葉を男性に使うのは違和感がある人も多いのではないでしょうか?
「才色兼備」の類語
「才色兼備」は「頭が良い上に美貌にも恵まれている女性」のことを意味しています。この状態の女性を誉めるのに、他の言葉、類語はないものでしょうか?「才色兼備」にはどんな類語があるのでしょうか?「才色兼備」と同じ意味の類語を知って、「才色兼備」の言い換えに使ってみましょう。
類語を多く知っておくと、言葉のバリエーションが増えます。話す相手が知らない類語に言い換えたら尊敬されるでしょう。博識を誇る人に「才色兼備」の類語で言い換えたら、一目置かれるかもしれません。「才色兼備」を類語で言い換えて、周囲を驚かせましょう。
「秀外恵中」の意味
「才色兼備」の言い換えをできる類語の1つ目は、「秀外恵中」です。これは「しゅうがいけいちゅう」と読みます。「秀外恵中」はどういう意味なのでしょうか?この意味は「外に秀でて中に恵あり」というものです。「外」は「容姿」の意味です。「中」は「内心」の意味です。
「恵中」には「心が優しいこと」や「賢い」といった意味があります。つまり「秀外恵中」の意味は、「容姿が美しく、内心も賢いといった2つの魅力を兼ね備えていること」です。「秀外恵中」は「才色兼備」の類語として最も近い意味にある類語と言えるでしょう。
「秀外恵中」の例文を見ていきましょう。「わたくしの理想は秀外恵中な女性なので、人から理想が高いと言われます」といったものがあります。また別の例文では「あの人は秀外恵中だと学生の頃から言われてきて、同性からは疎まれていたよ」という言い方もできます。
さらなる例文として「私の周りには秀外恵中な友人がいたので、良い刺激を与えてもらっていました」といったものもあります。使いやすい類語なので、ぜひ使ってみてください。
「才貌両全」の意味
「才色兼備」の言い換えをできる類語の2つ目は、「才貌両全」です。「才貌両全」は「さいぼうりょうぜん」と読みます。「才貌」の意味は「才知に溢れた美貌」というものです。「両全」の意味は「両方とも完全だ」というものです。2つの言葉が合わさったのが「才貌両全」です。
したがって「才貌両全」の意味は「才能もあり、容貌も素晴らしく、両方が優れている」というものになります。「内面」と「容貌」の2つの意味があるので、「才色兼備」の言い換えの類語として、意味が近いものと言えるでしょう。「才色兼備」の類語として言い換えにぴったりです。
ではどういった使い方をしていけばいいのでしょうか?例文を挙げてみましょう。「有名な科学者〇〇女史は、昔から才貌両全で有名でした」という使い方をします。また次のような例文もあります。「才貌両全な大人に憧れているので、自分磨きを頑張っています」という使い方もできです。
また「あなたほど才貌両全の人は、あんな人ではなく、もっと良い人と結婚できたでしょうに」といった使い方もできます。ここまでの類語は、2つの魅力を併せ持つという意味になり、「才色兼備」の類語として完全に言い換えをすることができます。
頭の良い女性の意味
次に紹介する類語は、「才能がある女性」という意味になります。「才媛」という類語を知っているでしょうか?「才媛」は「さいえん」と読みます。意味は「才知に長けた女性」というものです。教養があり、物事を考えたり、取捨選択する能力に優れた女性という意味です。
「才女」という類語もあります。「さいじょ」と読みます。意味は「才媛」と同じで、「才知に長けた女性」というものになります。これらの類語の中には「容貌の美しさ」の意味が入っていません。つまり「才色兼備」を完全に言い換える使い方はできません。
例文を見ていきましょう。「私の母は有名大学を卒業した才媛だったが、その頭脳は私に遺伝しなかった」というものです。この場合、母の容貌については触れていません。「才色兼備」の類語としては、力不足のきらいがあります。
美しい女性の意味
この他に「才色兼備」の類語として、容貌が美しいことを表すものがあります。「容姿端麗」も四文字熟語の類語です。「ようしたんれい」と読みます。この類語の意味は「女性の顔や姿が美しいこと」というものです。この類語は「中身」についての意味合いは含まれていません。
そのため、「才色兼備」の完全なる言い換えの使い方はできません。似た類語で「眉目秀麗」もあります。「びもくしゅうれい」と読み、「顔立ちが美しい」といった意味になります。「眉目」とは「眉と目」だけを指しているのではなく、「顔全体」を指します。
「容姿端麗」と同じく、中身についての意味はないので、「才色兼備」を言い変える使い方はできません。ただもう1つ特徴として、「眉目秀麗」は男性に対しての使い方もできるということがあります。これらと同じ意味として「傾国」という類語もあります。
「傾国」とは「絶世の美女」の意味です。なぜ「傾国」と書くのかというと、「国の王が夢中になり、国が傾いてしまうほど」の女性という意味だからです。しかし国が傾いてしまうということから、悪女の意味も強くなってしまいます。
「才色兼備」の対義語
ここまで「才色兼備」の意味と類語について見てきました。同じ意味の類語もあれば、逆の意味になる対義語もあります。「才色兼備」の逆の意味とはなんでしょうか?「才色兼備」の逆の意味になる対義語にはどういったものがあるのでしょうか?こちらも例文と共に見ていきましょう。
「天は二物を与えず」の意味
「才色兼備」の対義語の1つ目は、「天は二物を与えず」です。この対義語の意味は、「神さまは1人の人間に2つのものを与えない」というものです。では「物」とはなんの意味でしょうか?「才能」「容姿」「物質」といった意味です。
「2つの物」とは「容貌は美しいが、頭が悪い」といった例文を使えばわかりやすいのではないでしょうか?どういった使い方をすると、何のとりえもない凡人が、知識人や美貌の人を見て妬んで言うというケースが多いと言われています。
「蛙の子は蛙」の意味
「才色兼備」の対義語の2つ目は、「蛙の子は蛙」です。意味としては「親の性質は子供に似る」というものです。蛙の子はおたまじゃくしです。親と子は容貌が全く違います。しかし成長すると結局は親の姿と同じになってしまいます。
このことから、「結局子供は親に似てきてしまう」という意味になります。ニュアンスとしては「蛙の子は蛙にしかならない」ということから「子供は親を超えることはできない」といったマイナスの意味での使い方をされる場合もあります。
「角ある獣に上歯なし」の意味
「才色兼備」の対義語の3つ目は、「角ある獣に上歯なし」です。「角のある獣には牙がない」という意味から「1人でいくつもの優れたものを持つことはない」という意味です。2つの長所を兼ね備えている「才色兼備」とは逆の意味の対義語になります。
「無為無能」の意味
「才色兼備」の対義語の4つ目は、「無為無能」です。読み方は「むいむのう」です。意味は「何もしないし、何もできない」というものです。「無為」は「何もせずにぶらぶらしている」という意味で、「無能」は「能力がない」という意味です。
「才色兼備」の意味は2つの取り得があるというもので、「天は二物を与えず」は1つしか取り柄がないというものです。しかしこの「無為無能」は1つも取り得のないことを言います。2つも兼ね備えている「才色兼備」の意味とは逆の、まさに対義語と言えるでしょう。
「独活の大木」の意味
「才色兼備」の対義語の4つ目は、「独活の大木」です。読み方は「うどのたいぼく」です。この対義語の意味は、「身体ばかり大きくて、他に何の取り柄もない」というものです。ウドという植物は、茎が木のように伸びます。
しかし何かの材としても役に立たない上に、食べるのにも適していません。この対義語は、完全なる悪口の意味になります。大きいことを誉める意味で使う時には、「独活の大木」の使い方は相応しくありません。
「才色兼備」の特徴
才色兼備と呼ばれている女性に共通する特徴は何かあるのでしょうか?才色兼備な女性は頭が良く、美しいという大きな特徴を持っています。そうした素晴らしい面を2つ持ち合わせている女性の性格や行動にはいくつかの特徴があります。以下に詳しく見ていきましょう。
美意識が高い
「才色兼備」の特徴の1つ目は、美意識が高いというものです。最近は「美魔女」がブームです。美魔女の意味は「才色兼備の35歳以上の女性で、年齢を感じさせない大人の女性」です。
こうしたブームは美意識の高い40代、50代が増えたことが原因でよう。何歳になっても高い美意識を持っているということは、才色兼備の特徴と言えるでしょう。
チャレンジ精神がある
「才色兼備」の特徴の2つ目は、チャレンジ精神があるということです。様々な女性に才色兼備の女性についてどう考えるかを尋ねた時、自分を持っていて、芯があり、ポジティブで、チャレンジ精神の旺盛な人だという答えが多く返ってきました。
逆に言えば、才色兼備でない女性たちは、そういった部分が欠けていたり、こういう人間になりたいと考える部分であると言えるでしょう。チャレンジ精神を持った、弾む心の持ち主こそ才色兼備と言えるでしょう。
責任感が強い
「才色兼備」の特徴の3つ目は、責任感が強いというものです。才色兼備の女性は常にきちんとしています。外見が素晴らしい人が、だらだらと過ごしていると、周囲はがっかりでしょう。
才色兼備の女性はそういう空気を敏感に感じ取ります。人を失望させないよう、幼い頃から自分を鍛錬してきました。つまり責任感があるということです。
振る舞いに品がある
「才色兼備」の特徴の4つ目は、振る舞いに品があるというものです。品の良さは育ちの良い悪いに左右されがちです。何不自由なく育った人は、どこかおっとりしたゆとりがあります。
才色兼備の女性を目指すなら、落ち着きのなさを隠すようにしておきましょう。演技力も必要です。次第に品が良い振る舞いができるようになるでしょう。
ピュアとセクシーさを兼ね備えている
「才色兼備」の特徴の5つ目は、ピュアさとセクシーさを持ち合わせているということです。よく、清楚な中にも華がある人もいるのではないでしょうか?まさにそういう人は才色兼備の女性です。それはピュアさとセクシーさを併せ持っているということです。
性格が真面目
「才色兼備」の特徴の6つ目は、性格が真面目だということです。才色兼備の女性は不誠実なイメージはありません。真面目な性格で、何事にも真摯な姿勢で取り組みます。信頼に値する人物ではありますが、時にのめり込み過ぎることもあります。
男慣れしている
「才色兼備」の特徴の7つ目は、男慣れしているということです。才色兼備の女性は男性にコントロールされず、自分が主導権を握ることが多いと言えるでしょう。しかし何をやっても許されるといった美人は、才色兼備の女性とは言えません。本当に男のことをわかっているのが才色兼備の女性です。
理想が高い
「才色兼備」の特徴の8つ目は、理想が高いというものです。才色兼備の女性は周囲から認められているので、自分のレベルの高さを理解しています。そのため、自分より下の男性には興味がありません。頭の良さと美貌が抜きんでていればいるほど、理想は高くなります。
「才色兼備」の使い方・例文
ここまで、才色兼備の意味から類語、対義語、さらには才色兼備の女性の特徴まで見てきました。ここで、「才色兼備」という言葉の使い方について見ていきましょう。「才色兼備」という言葉の使い方を、例文を出しながら、紹介していきます。
例文①ミス・コンテスト
例文の1つ目は、ミス・コンテストに関わるものです。「ミスコンに優勝するためには、美貌だけでなく、才色兼備であることが求められている」というものです。例文の通り、実際、世界的ミスコンに出場している女性たちは、美しさだけを競っているのではありません。
人間としての豊かさや、才知が冴えわたる部分がないと、勝ち残れない世界です。ミスコンに応募する女性がいたら、その人は自他ともに認める「才色兼備」な女性であると考えていいでしょう。
例文②キャスター
例文の2つ目は、テレビで活躍する女性キャスターに関するものです。女性キャスターの多くが大学出で、美貌の持ち主です。「顔が綺麗なキャスターはいっぱいいるけど、あの女性キャスターこそ才色兼備というんだよな」という例文があります。
かつて女子アナは男性アナウンサーの横で笑っているだけだったかもしれません。しかし現在、アンカーウーマンと呼ばれる女性も増え、美貌だけでなく、才知ある言葉遣いや考え方を披露している女性も出てきています。
華やかな世界ですが、勝ち残っていくのは大変難しい世界です。そんな世界に憧れて入ってきた女性は、才色兼備だと言われてきた人でしょう。
例文③高嶺の花
例文の3つ目は、「高嶺の花」や「天は二物を与えず」といった、別の言葉を引き合いに出した例文です。「彼女は才色兼備なので、僕には高根の花だ」というものです。「高嶺の花」は男性にとって、「素晴らし過ぎて手に入れることのできないもの」です。
もう1つの例文は「天は二物を与えずというが、彼女は才色兼備の女性だ」というものです。「天は二物を与えず」は「才色兼備」の対義語です。また先述の「高嶺の花」は「才色兼備」の同義語と言えます。
同意語や対義語を先に持ってきておいてから、「才色兼備」の言葉を使うと、より一層、美しさと聡明さを際立たせることができます。
例文④女優
例文の4つ目は、芸能界で活躍する女優に関することです。例文として次のようなものがあります。「あの女優は仕事と学業を両立していて、才色兼備な人だ」この例文では「女優」であることは、美貌の持ち主であることが大前提となっています。
美しい容貌があったからこそ、テレビやスクリーンに出ることができる仕事に就くことができたということです。女優業やタレント業を続けながら、有名大学を卒業することは、人気者であればあるほど難しくなります。しかし頑張った結果、その女優は「才色兼備」と呼ばれるのです。
「才色兼備」は男性に使えない?
「才色兼備」の意味は「素晴らしい頭脳と美しい容貌を兼ね備えている」という意味です。この言葉は「女」を意味する漢字の使い方をしていません。ならば、美しい容貌の明晰な頭脳を持ち合わせた男性に対して、「才色兼備」の使い方はできるのでしょうか?答えはできません。
理由は、かつては男性を誉める時に、美というものは相応しくないとされていたからです。しかし男性も美しさを追求する時代です。身だしなみとして軽く化粧をする男性もいます。しかし男性の誉め言葉としての使い方に「才色兼備」は使われません。
理由は、「美しい」とか「綺麗だ」といった言葉は、誉め言葉というよりも、皮肉だったり揶揄だったりに捉えられることが多かったからです。男性の容貌を誉めたりしたら、その男性を「あの優男、売りは顔だけだ」といったニュアンスになってしまいます。
男性に同じ意味で使うには
男性に対して、「天は二物を与えず」の対義語である言葉を使うとするならば、どういった言葉になるでしょうか?まず、「文武両道」といった言葉があります。読み方は「ぶんぶりょうどう」です。「文武」は「学問と武芸」という意味です。「両道」は「2方面」という意味です。
「武芸」とは兵士や武士が戦うために訓練した技術のことです。「文武両道」とは「頭もよく、運動神経も抜群だ」という意味です。女性に求められた2方面は「頭脳と美貌」であり、男性に求められる2方面は「頭脳と身体能力」だと言えます。
次に「知勇兼備」という言葉もあります。読み方は「ちゆうけんび」です。この言葉の意味は「知恵と勇気を兼ね備えている人」です。この言葉も男性に対して、「両方を兼ね備えている」と感心される2方面が、「頭脳と勇気」です。「智勇兼備」と書く時もあります。
では男性の美貌を誉める時はどんな言葉の使い方をすればいいのでしょうか?この場合、「才色兼備」の類語の項で出てきた、「眉目秀麗」を用いた使い方をしましょう。ただし、これも「美しさ」を表す言葉であり、「頭脳」に関することについては述べられていません。
「才色兼備」という意味は実に女性的な表現ということになります。「女は美しければいい」という考え方があった時代に、「この女、頭もいいじゃないか」といった男性側の驚きの心が見え隠れしています。
「才色兼備」は差別用語?
「才色兼備な人だね」と言われて、悪い気がする女性は少ないのではないでしょうか?しかし「才色兼備」は女が大学に行くのは珍しいと考えられていた時代の、古臭い言葉と捉える人もいます。時が流れ、男女平等が叫ばれるようになってきました。
誉め言葉の意味で才色兼備と言っても、女性蔑視と捉えられてしまう場合もあります。最近ではメディアで「才色兼備」という言葉が使われなくなったことに気づいていませんか?
放送禁止用語
「放送禁止用語辞典」というものを知っていますか?またの名を「放送自粛用語の基礎知識」ですが、これは差別語になるなどの理由や事情によって、マスコミ関係者が自主規制している言葉の一覧です。その中の「さ」行の中にある「才色兼備」は「使用不可」です。
「使用不可」になっている言葉は同じ「さ」行の中でも「三本指」「色情狂」などが挙げられます。「産婆」は「助産婦」、「色盲」は「色覚異常」といった「言い換え」がされています。
マスコミが「才色兼備」を使わなくなると、自然と日本語の中からこの言葉は消えてなくなるのかもしれません。言葉は時代と共に変わってきます。「才色兼備」という言葉の意味を知っている私たちはいつか貴重な存在になるのかもしれません。
才色兼備な芸能人
才色兼備の意味を簡単に言うと、「美人である上に頭がいい女性」になります。ところで芸能人、タレントというのは、かなり美しい人達の集まりという意味と考えていいでしょう。日本人の中でもトップクラスの美貌を持つ芸能人の中で、才色兼備と言われる人を挙げてみました。
中谷美紀
才色兼備な芸能人の1人目は、中谷美紀です。彼女の美しさは誰もが認めるところでしょう。結婚を発表した時、直筆で手紙を公開しましたが、その達筆さに驚いた人も多いのではないでしょうか?
美しいだけでなく、語学も堪能です。英語やフランス語ができて、着物を着た時の所作も見事です。〇〇大学を出たといった肩書ではなく、内側からにじみ出るような、知的な雰囲気を持ち合わせている才色兼備の女性です。
菊川怜
才色兼備な芸能人の2人目は、菊川怜です。菊川怜は東京大学工学部建築学科を卒業した才媛です。さらに大学生の頃から雑誌「Ray」の専属モデルをやっていたので、美しさも定評があります。
デビュー当時は特に、「東大卒」を肩書にしてきましたが、最近では肩の力が抜けて、自然体の知性と美貌を併せ持つ女性になってきたと言えるのではないでしょうか?結婚し、第一子を出産してから、仕事より家族優先の生活をしているようです。
高田万由子
才色兼備の芸能人の3人目は高田万由子です。東京大学出身で、鳴り物入りで芸能界にデビューしたので、知性に関しては疑う余地のない才媛です。さらに、抜群の美貌の持ち主です。
東大生だった当時からミノルタの広告に起用されている、素晴らしい美貌の持ち主で、まさに才色兼備です。これに加えて、高田万由子は旧財閥系の名家の出身で、本物のお嬢様でもあります。
夫は世界的音楽家の葉加瀬太郎で、現在は家族でロンドンで暮らしています。家族も円満で、絵に描いたような幸せな人生を歩んでいます。まさに、例文ではありませんが「天は二物を与えずと言うが、彼女に神さまは二物も三物も与えた」と言ってもいいでしょう。
北川景子
才色兼備の芸能人の4人目は、北川景子です。とにかく美しい女性です。「女性がなりたい顔ランキング」の常に上位にランクインしている美貌の持ち主です。美しさだけでなく、知的な女性でもあります。明治大学卒という高学歴です。
芸能人のブログは文字より写真が多い中、北川景子のブログは芸能人と思えない長文で、きちんとした綺麗な日本語を使ったブログとして評判です。夫で歌手のDAIGOとも仲睦まじく、幸せな表情が、さらに美しさを際立たせています。
「才色兼備」の英語表現
非常に日本的な古風な発想の元にある「才色兼備」という言葉ですが、英語でどう言い換えしたらいいのでしょうか?そもそも英語に「才色兼備」を言い換える単語や熟語はあるのでしょうか?英語で「天から与えられたもの」「生まれつき持っているものを」「gift」と言います。
この英語は名詞ですが「gifted」とすると「天から与えられた」という意味の英語になります。「才色兼備の女性」を英語で言い換えると「a lady gifted with wit and beauty.」となります。「wit」とは「ウイット」「機知にとんだ」という意味になります。
「才色」の部分は「wit and beauty」と言い換えています。形式ばった英語表現だと「a beautifl and accomplished lady」と言い換えることができます。もう少しフランクな言い換えはないでしょうか?いくつか言い換えの英語表現があります。
「She is as wise as fair.」「She has both wit and beauty.」この2つの英語はどれも「彼女は才色兼備だ」の言い換えになります。また「wit」の英語を「頭脳」の英語の「brains」に言い換えると次のようになります。「She has both brains and beauty.」。
その他、「brains」の他「intelligence」と言い換えることもなります。全体の意味合いとして、「She has both intelligence and beautiy.」と言うより、「be gifted with」という英語に加えたほうが、「天からの授かりもの」といった意味合いが強くなります。
注意しなければいけないのは、この英語は日本語の「才色兼備」同様、女性に対して使われる英語であるということです。日本では男性の場合、「才色兼備」ではなく「知勇兼備」でしたが、英語でも「知勇兼備」に言い換える言い方があります。
それは「He has both brains and brawn」です。「brawn」は「腕力」や「体力」といった言葉の英語の言い換えです。この場合、「be gifted with」は使われません。「腕力」は生まれながらのものではなく、鍛えた結果であるとみなすようです。
「才色兼備」は美貌と聡明さを兼ね備えているという意味
「才色兼備」は明晰な頭脳と美しい容貌を兼ね備えている女性の意味です。この言葉が最近では使われなくなったということは、男尊女卑の時代を引きずった言葉だと認識されているからです。「才色兼備」を使う時は嫌味な気持ちではなく、心から称賛して使うようにしましょう。