年末調整の還付金はいつ戻る?計算方法やもらえる条件などを紹介!

年末調整の還付金はいつ戻る?計算方法やもらえる条件などを紹介!

年末調整の還付金はいつ戻ってくるのでしょうか。還付金の額を計算していつ戻ってくるのかと楽しみにしている人も多いことでしょう。ここでは、年末調整ので戻ってくる還付金の額の計算式や、戻ってくる時期・条件などを詳しくご紹介致します。

記事の目次

  1. 1.年末調整の還付金はいつ戻る?
  2. 2.年末調整の仕組み
  3. 3.年末調整の還付金がもらえる条件
  4. 4.年末調整の還付金はいつ払われる?
  5. 5.年末調整の還付金の計算
  6. 6.所得控除と税額控除
  7. 7.年末調整の還付金はいつ戻るか知っておこう!

年末調整の還付金はいつ戻る?

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年末が近くなると、会社に年末調整に関する書類を提出しますが、年末調整の還付金はいつ戻ってくるのでしょうか。まとまったお金が還付金で戻ってくる場合もあるため、欲しかった物の購入資金に充てようと考えている人も多いのではないでしょうか。ここでは、年末調整の仕組みや、還付金がもらえる条件、返還時期、計算式などを詳しくご紹介します。

年末調整の仕組み

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年末調整とはどのような仕組みなのでしょうか。年末調整で還付金を受け取っている人も多いため、漠然と自分にとって良いものであると考えている人も多いでしょう。しかし、勤務先の会社が代わりに行ってくれるため、年末調整の仕組みは詳しく知らない人が多いのではないでしょうか。ここでは、年末調整で還付金が返ってくる仕組みをご紹介します。

税金の支払い額に応じて差額を調整

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会社から給料をもらう際、源泉徴収額として、所得税の「予定額」が差し引かれています。この金額は、個々人の給与額によって算出され、徴収されています。しかし、その時点では会社が把握できない所得控除や保険料控除などがあるため、年末調整で控除額を考慮して計算された「確定額」を算出しています。

差額分が還付金として返却される

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年末調整では、所得税の予定額と、年末調整で確定した所得税額の差額が、還付金として返却されます。例えば、源泉徴収で年間でに6万円支払っていたとします。そして、年末調整で配偶者控除や住宅ローン控除などの所得控除を申告し、最終的に所得税額が1万円になった場合、5万円多く払いすぎているため、還付金として返却されることになります。

年末調整と確定申告の違い

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年末調整という言葉と共によく耳にするのが確定申告ですが、この2つはどのような違いがあるのでしょうか。どちらも年末から年度末にかけて話題に上がる言葉であるため、正確に区別できていない人も多いのではないでしょうか。

年末調整も確定申告も、所得税をいくら収めなけらばならないかを税務署に申告することである点は同じです。サラリーマンの場合は、年末調整で所得税の計算を会社が代わりにしてくれており、税務署への申告も行ってくれています。そのため、基本的にサラリーマンが確定申告する機会は少ないと言えます。

しかし、フリーランスなどの自営業者には、年末調整というものがないため、自分で所得税を計算して税務署に確定申告する必要があります。サラリーマンは年末調整、自営業者は確定申告と覚えておくと良いでしょう。

年末調整の還付金がもらえる条件

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年末調整の還付金がもらえる条件として、会社に申告していない控除が存在することが必要です。所得税の控除は、源泉徴収の時点では会社は全て把握していないため、年末調整で控除を受けることが出来るということは、多くの場合、還付金が受け取れるということになります。ここでは、どのような条件の人が所得控除を受けることができるのかご紹介します。

所得控除がある人

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前述のとおり、年末調整で会社が把握していない所得控除を申告します。所得控除により、税率を掛ける課税所得額が低くなります。そのため、源泉徴収で支払った所得税額より、年末調整で確定した所得税額の方が低くなり、還付金が返却されるパターンが多くなるようです。では、所得控除にはどのようなものがあるのでしょうか。

結婚した人

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配偶者の収入が一定額以下ならば、配偶者控除もしくは配偶者特別控除という所得控除を申告できます。配偶者の給与収入が103万円以下の場合、配偶者控除で38万円控除することが可能です。配偶者の給与収入が103万円を超えてしまった場合は、配偶者控除は適用外となりますが、配偶者特別控除により、最高38万円の控除を申告することが出来ます。

配偶者控除と配偶者特別控除は、平成30年分から仕組みが変わっています。それまでにはなかった、控除を受ける側の所得制限が設けられることになりました。具体的には、年収900万円を越えると、控除額の減額対象になるため、年収900万円以上の人は注意が必要です。

離婚した人

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離婚し、シングルマザーもしくはシングルファザーとなった場合、寡婦控除(もしくは寡夫控除)が受けられます。寡夫控除には、条件によって一般と特別の区分があり、一般の寡婦に該当するならば27万円の控除を受けることが出来、特別の寡婦に該当するならば35万円の控除を受けることが出来ます。

一方、寡夫控除には一般と特別の区分は無く、寡夫控除の条件を満たした場合、27万円の控除を受けることが出来ます。

本人・家族が障害者

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本人、または家族が障害者である場合、障害者控除という所得控除を受けることが出来ます。障害者控除は、障害の度合いや、生活状況によって「障害者」「特別障害者」「同居特別障害者」に分けられています。

障害者の条件に該当する場合は27万円、特別障害者の条件に該当する場合は40万円、同居特別障害者の条件に該当する場合は75万円の控除を受けることが出来ます。

場合によって追加徴収もあり

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還付金が返却されると思っていたら、年末調整で、追加徴収を受ける場合があります。事前に申告していた扶養控除などが、途中で受けれなくなった場合や、控除額が減額されてしまった場合に追加徴収を受ける可能性があります。

扶養控除を受けれることを前提に源泉徴収されているため、その控除が無くなったり減ったりするということで、支払うべき所得税額に満たない可能性が出てきます。そのような場合は、年末調整時に追加で所得税を支払わなくてはいけません。

医療費は確定申告扱い

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年間10万円を超える医療費を支払った場合、10万円を超える部分を医療費控除として控除することが出来るため、所得税を抑えることが出来ます。しかし、配偶者控除などの所得控除とは違い、年末調整では申告できないため、自分で確定申告をする必要があります。

年末調整後に、会社から源泉徴収票を受け取りましょう。その源泉徴収票に医療費通知を添付して税務署に申告することで控除を受けることが出来ます。しかし、自分で確定申告を行ったことのない人の多くは、自分で申告することを面倒に感じるかもしれません。

しかし、所得税は、課税所得に対して約10%課税されるため、1万円控除が受けれた場合は1000円、10万円控除が受けれた場合は1万円、還付金が増えるため、医療費控除がある人は確定申告をするべきでしょう。

年末調整の還付金はいつ払われる?

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結婚して配偶者控除を受ける条件に当てはまるだけで、38万円の所得控除が受けることができるようになります。配偶者控除だけでも、数万円もの還付金が返却されることが期待できるため、年末調整の時期を楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。

しかし、年末調整で還付金が払われる時期はいつなのでしょうか。企業の場合はいつ払われることが多いのかや、確定申告での返却時期もご紹介します。

いつ支払われるかは企業による

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企業は、年末調整で作成した書類を1月末までに税務署や市区町村に提出しなければなりません。それまでに、従業員に書類を提出してもらい、計算をして提出書類を作成します。年末調整の完了時期が早ければ、還付金の返却時期も早くなります。そのため、還付金がいつ支払われるかは、企業によって異なるようです。

いつ支払われるかの時期の目安

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会社は、12月の給料が確定してから、1月末までに年末調整を完了させなければなりません。そのため、早ければ12月中に還付金が返却されます。遅くても、1月末までに年末調整を完了させなければいけないという決まりがあるため、1月末までには還付金を受け取ることが出来ます。

12月の給与で支払われる場合が多い

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還付金は、給料に上乗せされて支払われる場合が多いですが、企業によっては、還付金だけ別で振り込む場合もあります。また、還付金は現金で支払うという企業もあるため、どのように返却されるかは一概には分かりません。そのため、還付金の返却時期や、どのように返却されるかをまだ知らない人は、会社に確認してみると良いでしょう。

確定申告の場合はいつ頃か

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確定申告の場合、還付金の返却時期は書類の提出が完了してから、約1カ月から1カ月半かかると言われています。確定申告の申告時期は、2月16日から3月15日までとなっていますが、還付金の申請はそれ以前の1月1日から可能となります。そのため、確定申告前に還付申告を終えた方は、早ければ1月中に還付金を受け取ることも出来るかもしれません。

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しかし、いくら早く申告をしたとしても、書類に不備があった場合は再提出が必要となるため、還付金の返却時期はその分遅くなってしまいます。また、還付申請には企業が作成する支払調書が必要であるため、いくら1月1日に還付申告をしたくても、企業がまだ支払調書を作成できていなければ、申告することが出来ません。

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年末調整の還付金の計算

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同じくらいの給与を貰っているはずなのに、同僚と還付金の額がかなり違う、という経験をした人も多いかもしれません。還付金の額は、控除額の多寡によって変わってきます。ここでは、還付金の計算に必要となるものや、還付金の計算式を具体例を挙げてご紹介致します。

還付金の計算に必要なもの

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還付金の計算には、収入と源泉徴収額が載っている給料明細と、どのような控除を受けるのかを把握する必要があります。年末が近づくと、会社から「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」「給与所得者の配偶者控除等申告書」「給与所得者の保険料控除申告書」の提出を求められます。会社はそれに基づいて所得税の計算式を立てて、還付金の額を計算します。

還付金の計算は雇用主が代行

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還付金の計算は、提出した3つの書類を元に、会社が代行して行ってくれています。そのため、還付金の詳しい計算式が分からなくても、還付金を受け取ることに問題ありません。しかし、どの程度還付金が戻ってくるのかを早く知りたい人も多いでしょう。

還付金の計算式や、計算の具体例もご紹介します。それを参考に、今年の還付金の金額をざっくり計算してみてはいかがでしょうか。

還付金の計算方法

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還付金の具体的な計算式をご紹介致します。まず年間の給与総額から、給与所得控除額を差し引きます。次に、所得控除と保険料控除の合計を差し引きし、課税所得金額を出します。課税所得金額に所得税率を掛けることによって、年調所得税額を出します。住宅ローン控除がある人は、年調所得税額から住宅ローン控除額を控除します。

最終的な年調所得税額と、年間で支払った源泉徴収額を比較した差が還付金として返却される金額となります。

具体的な計算例①

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具体的な数字で例を挙げていきましょう。給与所得612万円、所得控除合計167万円、住宅ローン控除17万円、源泉徴収額22万円の場合、還付金はいくら戻ってくるのでしょうか。まず給与所得から給与所得控除を差し引きます。給与所得控除は、年収によって金額が変わるため、国税庁のホームページで確認しましょう。

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612万円の場合、収入金額×20%+540,000円が給与所得控除の額となるため、176万4000円差し引きます。次に、所得控除合計である167万円を引いて出た課税所得金額に税率を掛けて所得税の金額を出します。税率は、課税所得金額によって変わるため、国税庁のホームページで確認しましょう。

今回の場合、課税所得金額が268万6000円となるため税率は10%となり、控除額として9万7500円差し引くと年調年税が出ます。さらに、住宅ローン控除があるため、年調年税から17万円差し引きます。結果的に、復興税を省いた年調年税は500円となります。

源泉徴収額の22万円と比較すると、21万9500円所得税を払いすぎているということになるため、還付金のとして返却されます。

具体的な計算例②

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もう一つ具体例をご紹介します。給与所得576万円、所得控除合計210万円、源泉徴収額17万円の場合、還付金はいくら戻ってくるのでしょうか。給与所得控除及び所得控除の合計を差し引くと、課税所得金額は、196万8000円となります。税率5%を掛けると9万8400円が年調年税となります。

源泉徴収額の17万円と比較すると7万1600円払いすぎているため、還付金として返却されます。

詳細な計算式は計算ツールを利用

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還付金の金額は、年収や、どのような控除額があるかなどによって大きく変わります。そのため、年収400万円なら還付金はこのくらい、というパターンには当てはめることが出来ません。そのため、還付金の額が知りたい場合は、詳細な計算を行ってくれる計算ツールを利用すると良いでしょう。

所得控除と税額控除

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個人の事情に合わせて税金の負担を減らすために、様々な控除が整備されています。その計算式や具体的な計算をご紹介しましたが、特に住宅ローン控除がある場合、還付金の額も多くなっていることに気づいた方も多いかもしれません。ここでは、配偶者控除などの所得控除と、住宅ローン控除などの税額控除についてご紹介します。

税額控除は所得税を大きく抑えられる

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所得税の計算式をまとめると「課税所得金額(収入-経費-所得控除)×税率(-控除額)-税額控除」となります。所得控除が、税率を掛ける前に差し引かれるのに対して、税額控除は税率を掛けた後の金額から差し引かれるため、所得税の額に大きく影響します。

税額控除に代表される住宅ローン減税は、多くの人が耳にしたことがあるのではないでしょうか。住宅ローン控除は、確定申告で申告しなければいけませんが、還付金の額がグンと増える場合が多いため、是非活用していきましょう。

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年末調整の還付金はいつ戻るか知っておこう!

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年末調整の還付金はいつ戻ってくるのかや、還付金の計算式・具体例をご紹介しました。年末調整で提出している書類が、還付金の計算にどのように役立っているのか理解できた人も多いでしょう。

所得税を軽減する控除は、利用できるならば一つでも多く申告するべきです。この記事を参考に、利用できる控除を洗い出して自分でも一度計算式を立ててみて、どの程度戻ってくるのか計算してはみてはいかだでしょうか。

光橋 ヒロキ
ライター

光橋 ヒロキ

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