コケティッシュの意味とは
コケティッシュとは英語で、「色気があってセクシーな人」を表す言葉です。ここでいう色気、セクシーには性的な意味も含まれており、男性を誘惑してしまうほど魅力的な女性、という意味があります。
コケティッシュは英語でも女性に対して使われる形容詞であり、原則として男性には使われません。それは、コケティッシュの表す色気が女性的なフェロモンを意味するためであり、男性に使われることはほとんどありません。
コケティッシュの本来の意味は「男性を誘惑する色気をもつ」ということであり、英語でコケティッシュといえば、男性を自在に翻弄してしまうほど性的魅力にあふれた女性、という意味になります。
日本語でコケティッシュというと、単に色気がある、セクシーだ、という意味が強くなり、「コケティッシュな女優」というふうに使われています。
コケティッシュの語源
コケティッシュは英語で「coquettish」と表記します。現在は女性への形容詞として意味的にも定着しているコケティッシュですが、意外なことに、もともとはcoq(オンドリ)を語源とする言葉でした。
周囲をキョロキョロと見渡し、どこかもったいぶったような動きで歩きまわるオンドリの様子が「もったいぶった色気を感じさせる」ということから、「コケティッシュ=色気のある女性」という意味になりました。
コケティッシュの語源がオンドリにあるとは少し意外な気もします。オンドリだからコケコッコー、ということでもないのでしょうけれど、英語の語源を詳しく見ていくと意外な意味が発見できたりします。
英語でコケティッシュといえば大人の女性を意味する褒め言葉になり、かしこまった社交場などでさりげなく使うと喜ばれますので、正しい意味と使い方をしっかりとおさえておきましょう。
コケティッシュの類義語
英語と日本語で若干意味、ニュアンスの異なるコケティッシュの類義語には、どのようなものがあるのでしょうか。言葉の適切な使い方を把握するためにも、コケティッシュのコケティッシュの意味を類義語の使い方から見ていきましょう。
セクシー
コケティッシュの代表的な類義語といえば、英語ではセクシーが挙げられるでしょう。語源としても「オンドリのようにセクシーな」という意味があり、セクシーな女性といってもほぼ同じ意味になります。
ここでいうセクシーには性的な意味も含まれており、内面的な魅力はもちろんのこと、肉体的な魅力によって男性を誘惑し、自分のものにしてしまう、というやや強い意味が込められています。
ちなみに、セクシーは男性にも使われる形容詞ですが、コケティッシュは英語でも女性にしか使われません。このあたりも大きな違いと言えます。
周囲をうかがうように歩きまわるオンドリの様子が体をくねらせる女性の動きに近い、という意味もあり、このことからコケティッシュが女性のみの形容詞として定着した、と語源のうえでは説明されています。
妖艶
日本で「あの人は妖艶だ」というと、英語のセクシーよりもやや強い意味をもちます。妖しく艶めく、という漢字の意味を見てもわかるように、ダイレクトに性的魅力をアピールする女性、という意味もコケティッシュには含まれています。
また、コケティッシュには本来、「男性が放っておけない」という意味もあります。ただ、女性のほうも男性に簡単になびくわけではなく、何人もの男性を手玉に取りつつ自在に誘惑する、という意味もあります。
日本で妖艶な女性といえば、女優なら仲間由紀恵さん、中谷美紀さんが挙げられます。いずれも黒髪の美しい女性であり、同時に凛とした内面的魅力を感じさせるコケティッシュな女性でもあります。
小悪魔的
日本でも最近は、若い女性に対してコケティッシュという言葉が使われるようになりました。その場合は類義語として小悪魔的という意味が強くなり、笑顔や奔放さで男性を振り回す女の子、というニュアンスがこめられます。
また、英語圏でもティーンエイジャーをコケティッシュと表す風潮があり、たとえば、セクシーなフェロモンで売り出している若い女優をコケティッシュ女優と形容するなど、語源から派生して意味が広がりつつあります。
日本で小悪魔的というと少女のあどけなさを残している、という意味になりますが、英語圏では「すでに大人の入口に立っている女性」という意味になり、このあたりからも日本と海外の文化の違いがうかがえます。
エロスがある意味にもなる
コケティッシュな女性とは、直接的に言うと、男性から見て誘いたくなる女性を意味します。つまり、性的な意味でも魅力があるということであり、コケティッシュな女性は男性の心をとらえて離しません。
日本でコケティッシュというと時としてセクハラになりかねませんが、英語圏ではそのような差別的な意味はありませんので、類義語を含め、国による使い方の違いには充分に注意する必要があります。
コケティッシュの対義語とその意味
色気があり、肉体的魅力も充分な女性を意味するコケティッシュ。コケティッシュ本来の意味や類義語がわかったところで、ここからは対義語について詳しく見ていき、それぞれの意味と正しい使い方について把握しておきましょう。
ボーイッシュ
「女性的な魅力をそなえている」というのがコケティッシュ本来の意味なら、対義語はボーイッシュということになります。ボーイッシュな女性はあえて女性的な魅力を出さないことで自分を表現しています。
スカート、メイクという女性らしさのシンボルから脱するためにボーイッシュスタイルが生まれた、という意味合いもあり、文化的にもコケティッシュのアンチテーゼと言えるのかもしれません。
サバサバしている
日本でも「サバサバ系女子」が流行しています。見た目も振る舞いもボーイッシュで、サバサバしている女子はわかりやすいセクシーさとは無縁であり、男性としても気軽に付き合える雰囲気があります。
しかし、「見た目サバサバ系女子」も最近では増えており、普段はボーイッシュに振る舞っていてもデートになると急にセクシーさをアピールする、というパターンもありますので、簡単に分けることはできません。
コケティッシュの使い方
日本と海外では意味や使い方が若干異なるコケティッシュを正しく使うために、コケティッシュの具体的な例文についてひとつひとつ見ていきましょう。例文を通して、コケティッシュ本来の意味と使い方をあらためておさえておきましょう。
例文①
「この夏はコケティッシュファッションが流行しそうだ」。世界的に、コケティッシュはファッション用語として定着しつつあります。スカートなどでファンシーな女性らしさをアピールしたコケティッシュスタイルは性別を超えて人気があります。
例文②
「あの女優は若いのにコケティッシュな魅力があるね」。コケティッシュは本来、妙齢の女性を意味する形容詞ですが、最近では比較的若い女性をコケティッシュと表すことが増えてきました。
ただ、若い女性に対してむやみにコケティッシュを使うと予期せぬ誤解の種になる可能性もありますので、例文の使い方には充分に注意しましょう。
例文③
「若いうちはどうしてもコケティッシュな女性に惹かれてしまうものだよ」。コケティッシュはもともと、男性から女性に贈る言葉でもありました。もちろん、それは褒め言葉であり、ポジティブな意味が込められています。
例文④
「これからの女性はコケティッシュなだけではダメだわ」。コケティッシュは成熟した女性を意味する言葉であると同時に、「男性にとってのお飾り人形」のような意味をもつようになりました。
実際、フェミニズムではコケティッシュを嫌う傾向があり、一部の女性に対してコケティッシュというと差別的な意味として受け取られてしまいかねませんので、例文の使い方には注意が必要です。
コケティッシュの注意点
日常の中で上手に取り入れれば女性へのスマートな褒め言葉になるコケティッシュですが、使い方次第ではまったく違う意味として受け取られてしまう可能性もあります。コケティッシュの使い方の注意点について見ていきましょう。
セクハラの意味になることもある
コケティッシュは本来、性的な意味を含む言葉であり、オフィシャルな場でむやみに使うと、使い方次第では失礼な意味になりかねません。
プライベートなシチュエーションでも、女性らしさをアピールしたくないタイプの女性をコケティッシュと形容することはむしろ失礼になりますので、使い方とTPOには充分に注意しましょう。
コケティッシュは「色気がある女性」という意味
コケティッシュとは英語の「coquettish」のことで、フランス語を語源とする言葉でした。コケティッシュには本来、「思わせぶりな色気」という意味があり、セクシーなだけでなく男性を翻弄する魔力を持つ女性に使われます。
日本と海外では意味が若干異なり、使い方によってはセクハラになってしまう可能性もありますので、例文には充分に注意しましょう。