「はっぱをかける」の意味とは?
「はっぱをかけてやったよ」「はっぱをかけるんだ!」という言葉がありますが、この「はっぱをかける」の意味にはどんな意味があるのかご存知でしょうか。今回は、「はっぱをかける」の意味や使い方、類語について詳しく解説していきます。
「はっぱをかける」と同じ意味と間違って使われている言葉として「檄を飛ばす」がありますが、「はっぱをかける」とは違うので解説していきます。まずは、「はっぱをかける」の意味からご説明していきましょう。
意味「激しい言葉で激励、応援すること」
「はっぱをかける」の意味には、「激しい言葉をかけて激励したり応援したりすること」という意味があります。「はっぱをかける」の「はっぱ」を漢字にすると「発破」という漢字になります。
「はっぱをかける」には、「君はいつもよく頑張っているけど、もう少しこうしたらいいんじゃないかな?」という優しい指摘や励ます意味での使い方ではなく、「そんな仕事ぶりでいいと思っているのか?もっとやり方があるだろう」と激しく励ます意味がある言葉でもあるのです。
「はっぱをかける」の語源
「はっぱをかける」の語源について迫っていきましょう。「はっぱをかける」の語源を知るには「はっぱをかける」の「はっぱ」の語源を知る必要があります。
「はっぱをかける」の「発破」の意味には鉱山での作業や土木工事で爆竹を使い、岩や建物を爆破する作業のことを意味していて、その作業で使う火薬の意味が語源でももあるのです。
建物を激しく爆破するように、「はっぱをかける」の意味には「激しい言葉で相手の気合を入れたり、行動を後押しする」という意味があります。これが「はっぱをかける」の語源になってるのです。
「はっぱをかける」の特徴
「はっぱをかける」と似たような言葉として間違いやすい言葉に「檄を飛ばす」があります。「はっぱをかける」と同じ使い方をしてもいいと思われがちですが、実は間違いになるのです。
そもそも「檄を飛ばす」の「檄」の漢字に注目する必要があるので、「檄」に注目してみていきましょう。「檄を飛ばす」の意味について詳しく解説していきます。
「檄を飛ばす」の意味との違い
「檄を飛ばす」の意味には「自分の考えや主張を人々に知らせ、決意や行動をさせるための文書を送る」という意味があります。演説や口で言う場合には、本来であれば使わない言葉になります。
ちなみに、「檄を飛ばす」の「檄」には「激励」の「げき」とは違う漢字になっているのでご注意下さい。「激を飛ばす」という字ではないので注意しましょう。
この「檄」という字には、「昔の中国で人を呼び出して悪いことをやめるように言い聞かせるため、政府が出したきの札に書いた文書」という意味がありました。
もう1つの意味としては「自分の考え、主張を人々に知らせて、決意や行動をさせるように仕向ける文書」という意味があります。よって、「はっぱをかける」の意味は「激しい言葉で激励する」という意味になるので、違う表現であるということになります。
「はっぱをかける」の類語
「はっぱをかける」の類語をご紹介していきたいのですが、「はっぱをかける」にぴったりの類語はあまりありません。似たような表現ではあるのですが、「はっぱをかける」と同じ意味の言葉ということでの類語はないのです。今回は、「はっぱをかける」に似ている言葉を紹介していきましょう。
類語「激励する」の意味
「はっぱをかける」の類語として「激励する」があります。「激励する」の読み方は「げきれいする」という読み方をして意味は「大いに励ますこと」「励まして気を立てること」という意味があります。
使い方として「叱咤激励」という使い方として大きな声で激しく叱るように励ますことという意味があります。他には「激励の意を伝える」という使い方があって「元気つけようという思いを相手に伝える」という意味になります。「激励の言葉」というのは「激しく励ます言葉」という意味です。
「激励する」の意味には「励ます」という意味があるので「はっぱをかける」とはニュアンスが違う意味になります。「はっぱをかける」には「励ます」という意味は含まれず「激しい言葉で激励する応援する」という意味になります。
類語「背中を押す」の意味
「はっぱをかける」の類語ではありませんが、似たような言葉として「背中を押す」があります。この「背中を押す」の意味には、「勇気付けて行動を促す」という意味合いのある言葉になります。
「彼の背中を押してやってくれないか?」「少し背中を押せば、できると思うんだ」という使い方になります。
類語「尻を叩く」の意味
「はっぱをかける」の類語ではありませんが、似たような言葉として「尻を叩く」があります。「尻を叩く」の意味には、「やる気のない人をしぶしぶ行動させる」という意味合いになるので「はっぱをかける」の意味にある激しいものとは少し違う印象の言葉となるのです。
「はっぱをかける」の使い方
それでは、「はっぱをかける」の正しい使い方をいくつかご紹介していきましょう。「はっぱをかける」の正しい使い方が分かりやすくなるように、例文でご紹介していきます。
実際に「はっぱをかける」の使い方例文を見れば、より分かりやすくなることでしょう。それでは、「はっぱをかける」の使い方例文①からご紹介していきます。
例文①
「はっぱをかける」の使い方例文①として「はっぱをかける」があります。使い方としては「社長がはっぱをかけるのは、君がこれから伸びるかどうか大事な時期だからなんだよ」という使い方になります。
この例文の意味は「社長さんが激しい言葉で応援しているのは、君がこれから伸びるためなんだよ」という意味合いでの使い方になります。
例文②
「はっぱをかける」の使い方例文②として「はっぱをかけたら」があります。「1番多く集めた人にはプレゼントがありますとはっぱをかけたら、みんな必死になって片付けました」「営業成績があまりよくない社員に、首にするぞとはっぱをかけたらパワハラになりますよ」という使い方があります。
例文③
「はっぱをかける」の使い方例文③として「はっぱをかけられないと」があります。使い方としては「君ははっぱをかけられないと、自分から動こうとしない」「彼ははっぱをかけられないと実力を発揮しません」「はっぱをかける前にできたじゃないか!」という使い方になります。
例文④
「はっぱをかける」の使い方例文④として「はっぱをかけて」があります。使い方としては「あの先輩はいつも後輩のことを気にかけてくれる先輩です。元気のない後輩がいたら、はっぱをかけてくれます」「そうやってはっぱをかけてくれる先輩はありがたいと思います」という使い方になるのです。
「はっぱをかける」の注意点
「はっぱをかける」という言葉を使う場合、注意して欲しいことを注意点としてまとめていきます。「はっぱをかける」の語源でもあるトンネルを掘ったり、ビルを解体する目的として発破は行われています。
ここが注意点のポイントになるのです。「はっぱをかける」を間違った表現で使っていないかチェックしてみて下さい。
ストレス解消という意味はない
そもそも発破というのは、トンネルを掘ったりビルを解体する目的で行われています。爆破することで、何かを破壊し新しくものを作ろうとしているのです。
「はっぱをかける」を、自分がイライラするから相手にぶつけているという使い方として「あいつのために、はっぱをかけてやってんだよ」という使い方は間違った表現です。「はっぱをかける」を使う場合は単なるストレス解消として使うことがないように注意しましょう。
目上の方には使わない
「はっぱをかける」を目上の方に使う使い方は、間違った使い方です。目上の方に使う場合は、「ご指導いただいた」というのが正しい使い方になります。「はっぱをかける」は自分と同じ立場や部下に使うのが正しい使い方になるので覚えておきましょう。
「はっぱをかける」は「激しい言葉で励ますことで奮起させる」という意味
「はっぱをかける」の意味や使い方、注意点についてご紹介してきました。「はっぱをかける」の類語はぴったりと「はっぱをかける」と同じ意味の類語はありません。
「激励する」「尻を叩く」「背中を押す」はニュアンス的にはあっていますが、「はっぱをかける」の意味である「激しい言葉で気合や励ます言葉で奮起させる」という意味ではありません。
また、「はっぱをかける」は、ストレス解消に使う使い方ではなく、決して自分のイライラを相手にぶつける時には使ってはいけないのです。そして、目上の人にも使えないので覚えておきましょう。