冷蔵庫の野菜室を使いこなせていない人は多い!
野菜室を正しく使えていると自信を持って言えますか?冷蔵庫にあるこの場所は、意外と多くの方が使いこなせていないのです。効率的に活用することで、より多くの食材を保管することが可能な野菜室。どんなものを入れておくのがいいのでしょうか。
食材をただ上に重ねていくだけでなく、整理整頓して使うことで未使用食材を見やすくし、食材の追加購入や、使い残しを減らしていきましょう。
冷蔵庫のそれぞれの場所の機能の違い
冷蔵庫には野菜室の他にも冷凍室やチルド室などがあり、パーシャル室という機能を備えた冷蔵庫も多くなってきています。実際にどのように効果が違うのかをご存知ですか?
それぞれの機能をなんとなくで使ってる方も、各機能の役割や保管するのに適した食材を確認して、より効果的に冷蔵庫を活用していきましょう。
冷蔵室
冷蔵庫の中でも使用頻度が高く、より多く開閉するのが冷蔵室です。一番食材が入るようになっているのもこの場所です。
棚側は4度前後と低くなっているのが一般的ですが、開閉による温度の変化が生じやすい扉側は10度近くまで上がることがあるため比較的早く使い切ることの出来る食材や、保存期間の長いものを入れます。
また食材を詰め込みすぎることでも、場所によっては冷却機能が低下するため、整理しつつ使用する必要があります。冷蔵庫の中でも冷気は下に溜まるので、腐敗が進みやすい食材は棚側の下段奥に入れるのがいいでしょう。
チルド室
チルド室は冷蔵室の下部に設置されており、0度前後と食材が凍らないギリギリの低温で保たれています。この温度は食材の発酵が進みにくくなるため、チーズやバターなどの発酵食品の保存に向いています。
パーシャル室がない冷蔵庫では、魚介類や肉類の生鮮食品もチルド室で保存したほうが良いでしょう。「鮮度が落ちやすいけれど凍らせることが出来ないもの」の保存に最適な機能を備えた場所がチルド室となっています。
パーシャル室
製品にもよりますが、チルド室に隣接されていることも多いパーシャル室は、チルド室よりも更に温度が低く設定されています。-3度前後まで下がるため「食材が完全に凍ることがなく、微冷凍の状態」で保存することが可能です。
魚介類や肉類といった生鮮食品はもちろん、加工食品などもこちらで保存するのが最適です。解凍しなくても処理できる程度に凍っているため、お刺身などそのまま切って食べられます。お刺身好きには嬉しい機能です。
野菜室
野菜の多くは低温での保存に向いていないので野菜室は冷蔵室に比べると気温が高く設定されています。また、乾燥に弱い野菜のため適度な湿度を保った状態での保存を可能としています。
重い食材が多く入ることから、最近では冷蔵庫の真ん中に野菜室が設置されているものが増えています。一番下に設置されているものに比べて、食材がより取り出しやすく便利になっています。
冷凍室
-18度以下に設定されている冷凍室は、冷凍食品やアイスなどを保存するのに適しています。冷蔵室との大きな違いは、冷凍室は食材を詰め込むほど冷却効果が高まる点です。
一般的な冷凍室では買ってきた食材を凍結保存しようとすると、細胞や組織が壊れてしまいます。そのため解凍した際に元の品質に戻すことが難しかったのですが、最近は-40度程の冷気で急速冷凍が可能でホームフリ―ジングができるものも販売されています。
冷蔵庫の野菜は保管場所を分けると良い
野菜室はすべての野菜を入れればいいというわけではありません。ではどのような野菜を野菜室で保管すべきなのでしょうか。また、野菜室に入れない方がいい野菜とはどういうものなのでしょうか。
今までなにも考えないで野菜を入れていた方は、保管場所を見直すことでより長持ちするようになります。意外と知られていない野菜室での保存方法を詳しく見ていきましょう。
冷蔵庫の野菜室に入れたほうが良い野菜
野菜室に入れるべき野菜とはどんなものがあるのでしょうか。土から空に向かって縦に成長する長ネギやアスパラガスは野菜室の深さを利用して、葉先を上に向けて保存するのが最適な保存方法です。深さのある野菜室だからこそ、食材を立てて保存することが出来ます。
夏野菜など
夏野菜とは一般的に、暑い時期に収穫を迎える野菜のことをいいます。スーパーでよく目にするナスやキュウリ、スイカやメロンなどはこれに該当します。長期で保存の際は野菜室に入れないほうがいい食材です。
トマトやスイカ、メロンなどは食べる時には冷えていた方がいいという方も多いでしょう。こういった果実的野菜の多くは、収穫時点ではまだ完全に熟していないので、常温で保存して食べる数時間前に野菜室に入れて冷やすと甘みが増しておいしくなるのでおすすめです。
しかし、カット後は野菜室で保存したほうが良かったりと、食材の状態によって保存箇所が異なるので注意が必要です。
野菜室に入れないほうが良い野菜
夏野菜の他に、野菜室での保存には向かない野菜にはどういった種類があるのでしょうか。レタスやキャベツ、白菜に小松菜やほうれん草などの葉物野菜は適温が低いため、野菜室よりも冷蔵室での保存に向いています。
野菜室は冷蔵庫の中でも一番高い温度に設定されているため、葉物野菜を野菜室で保管してしまうと栄養価であるビタミンCが失われてしまうのです。また乾燥に弱い食材が多いため、新聞紙などで包んで冷蔵室に入れるのが良いでしょう。
野菜室に入れてしまいがちなジャガイモなどのイモ類や、玉ねぎは低温を嫌う食材なので暗所での常温保存をおすすめします。
原産地が熱帯や亜熱帯地方の野菜
夏野菜としても紹介したナスやキュウリ、サツマイモやカボチャなどは熱帯、亜熱帯地方の野菜です。こういった温かい地域が原産の野菜は、野菜室での保存にはあまり向いていないと言えます。
キッチンペーパーや新聞紙に包んで保存することで直接冷気に触れることを防ぐことが可能なため、一週間ほどの保存であれば野菜室で保存してもいいでしょう。
リンゴ
最適な環境下に置いていないと、周りの野菜の腐敗を促進するガスを発生させる野菜や果物があるのをご存知ですか。このガスはエチレンガスといい、リンゴがその代表的な食材の一つです。
野菜室で保存すること自体には問題がないリンゴなのですが、エチレンガスによる他の食材の鮮度の劣化を防ぐため、野菜室で保存の際はビニール袋や保存袋などに入れてリンゴを密閉してください。
冷蔵庫の野菜室整理のコツ
野菜室をより使いやすくするためには、カゴや紙袋を使った整理がおすすめです。整理することなくどんどん食材を詰め込んでいき、気付いたら底の方がベタベタ、なんてこともなくなります。
種類ごとに食材を分けることで、使いたい食材がひと目でわかりすぐに取り出せるので、もともと温度が高めのこの場所の気温上昇を防ぐことにも繋がります。
紙袋で収納
100円ショップやお店で渡される紙袋を野菜室に並べて、野菜室を整理することができます。形が自由に変えられるので、野菜室に沿った陳列が可能です。食材の腐敗が進んでしまった際などは、紙袋そのものを取り替えるだけで良いという点もおすすめポイントです。
カゴで収納
深さや大きさの違うカゴを使って整理するのもおすすめです。紙袋に比べて食材による広がりなどは抑えることができるため、重ねにくいものや転がりやすい食材などはカゴを使ったほうがスッキリと収納できます。細長いカゴを活用すれば立てて保存する食材にも対応できます。
ジップロックを使用する
使用用途に合わせて予め食材を切ったものをジップロックに入れて保存することにより、透明な袋に入った食材がひと目で分かります。使いたい時に使いたい分だけサッと取り出せるのが魅力的な整理方法です。加工済みの野菜を保存するのに適しています。
掃除をこまめにする
本格的な掃除をしようとなると、食材を全て取り出して掃除を施す必要があります。時間がなかなか確保できない場合は難しいかもしれませんが、チルド室やパーシャル室は生もののにおいが付きやすい場所でもあるため、こまめに掃除することはとても大切です。
野菜室を掃除をする際は、水拭きや乾拭きだけでいいのでしょうか。食材を保存する冷蔵庫は掃除と一緒に全体を除菌することで、食材の菌の繁殖を防ぐことができるため、保存期間を伸ばすことにも繋がります。
冷蔵庫の野菜室掃除法
野菜を全て取り出したら、キッチンペーパーなどで野菜の皮などの乾いたゴミを取り除きます。次に中性洗剤を染み込ませた布で全体を拭いていくのですが、食材を保存する場所なので洗剤は野菜や食器用のものを選ぶと良いでしょう。水拭き、乾拭きをして汚れごと洗剤を取り除きます。
最後に消毒用のエタノールを使って全体を拭き上げ、野菜室全体が乾いたのを確認して食材を戻しましょう。この時、一緒に紙袋やカゴを使って整理していくと、次回からの掃除の手間が省けます。
冷蔵庫の野菜室をうまく活用して野菜を長持ちさせよう!
野菜室で保存すべき食材と、そうでない食材をご紹介してきましたが、いかがでしたか。食材をそのまま保存するのではなく、新聞紙やラップをうまく活用していくことで、より長く食材を保存することが可能な野菜室。開封済みの調味料などの保存にも適した場所となっています。
野菜室というからには野菜なら何でも入れていい、というわけではないという事実に驚かれた方もいるのではないでしょうか。上手な使い方で、野菜を無駄なく使っていきましょう。