大学のレポートの書き方で評価が変わる!
大学生にとってレポートの出来不出来は成績を左右する大切な要素なのです。教授から良い評価を得るための重要なポイントは、如何に質の高いレポートの書き方をマスターするかによるといっても過言ではありません。
ではそのスキルをどのように身に付ければよいでしょうか。そのためにはまずレポートを作成上心がけなければならない大切なポイントがあります。それを押さえれば誰でも一定水準のレポートの書き方を身に付けることが可能です。
今回は大学生は今後社会人になった後も役立つレポートの書き方をまとめました。スキルとして、見た目を整えるために注意するべきポイントや、構成の上手なまとめ方などを例文をまじえて解説していきますので参考にしてください。
レポートの書き方のポイント
ここではレポートの上手な書き方のポイントを具体的なスキル別にご紹介していきます。まず最初に見た目を整えるためのスキルを解説します。
レポートは担当教授に読んでもらうために、まず内容以前に読みやすくきれいな仕上がりでなければなりません。そのための書き方とはどのようなスキルなのでしょうか。
もちろん内容についても重要な書き方のポイントが数点あります。こちらもぜひ勉強して頂きたい書き方のスキルです。レポート作成上、多くの学生が陥りやすいワナについて触れていますので、こちらを注意すればレポートの内容がアップすること間違いなしです。
ポイント①見た目を綺麗に
大学教授は数多くのレポートに目を通さなければなりません。従って見た目が汚いレポートはそれだけで弾かれてしまいます。まず人に見てもらうということを念頭に置いてレポートを作成するよう心がけましょう。
見た目がきれいなレポートの書き方のコツは、これから述べるいくつかのポイントを押さえてスキルとして使いこなせれば誰でも読みやすいレポートの書き方が身に付きます。
体裁の整え方や参考資料からの引用の方法など具体的に述べていきますので、今までレポートの書き方に慣れてない人でも全体の構成の決め方までも理解できるようになります。
表紙をつける
見た目のきれいなレポートのポイント1番目は「表紙を付けること」です。これはレポートの中身を一目で読み手に伝えるための常識です。表紙に記載する項目は「レポートのタイトル」「講義名及び担当教授名」「提出日」「学部・学科・学籍番号・名前」などです。
その際にレポートのタイトルは太字のフォントで印字するなど目立つようにすると良いでしょう。要は表紙の印字にメリハリをつけることです。そうすると見る人にとってレポートのタイトルがまずすっと目に入ります。
複数枚の場合は固定
見た目のきれいなレポートにする二番目のポイントは「複数枚のレポートはホッチキスで固定すること」です。クリップや針無しステープラーはあまり使わない方が良いでしょう。万一レポート用紙がバラバラになるのを防ぐ為です。
クリップでもダブルクリップやホルダー式クリップのようなしっかり固定できるものならばありですが、事前に教官に使用してよいか確認することを忘れずに。レポート用紙を固定する場所は一般的に左上とされています。
1枚ずつレポートをめくって読むときに固定場所が左上ならば読みやすいからです。ただし別途教官から指摘された固定場所があるならばそれに従ってください。それとレポートの角を折ったりするような余計な加工は禁物です。
シワ汚れはつけない
3番目のポイントはレポートにしわを付けたり汚したりしないことです。これは読む大学の教官の立場に立てば理解出来るでしょう。見た目が汚いレポートはそれだけで原点対象になってしまいます。
今日の学生のレポート作成はパソコンのワードファイルなどで書いていくことが殆どだと思いますので、もししわや汚れがついてしまったらそのページは新たに印刷しましょう。プリント代をケチって採点を下げられたら元も子もありません。
レポート用紙にしわや汚れを付けないためには日ごろから書類はクリアファイルに入れて持ち運ぶことをお勧めします。文房具屋に行けばPOPで楽しいクリアファイルもありますので、選ぶのに楽しくなります。
参考となる引用の明記
見た目のきれいなレポートに仕上げるポイントの4番目は「参考資料からの引用を明記する」です。引用はコンプライアンスに関わる重要なポイントです。コピペしたと疑われないためには引用であることを明確にしておく必要があります。
また引用個所が無かったとしてもレポートを書くにあたって参考にした資料があれば明記しておくことです。たとえ参考にした資料や文献が無くてもレポート内容に関連する資料を選んで記載した方が良いのです。
理由は大学教授から見れば学生の知識はまだまだ未熟ですので、そこを補うためにこのような資料を勉強して真面目にレポートを仕上げたのだなという印象を持たれて評価が上がる可能性があるからです。資料や文献はキーワードでネットを検索すれば見つかります。
ポイント②お題は浅く深く
ここからは肝心のレポート内容を上げるための書き方のポイントを紹介していきます。レポートを大学教授に読んでもらうためには、書き方に工夫が必要です。やたら知識をひけらかす内容よりも、出来るだけ主題を絞ったポートの方が説得力が出るのです。
なぜならテーマを絞れば内容を掘り下げて深く書くことが出来るからです。自ずとレポートの構成も組み立てやすくなるはずです。大見出しから中見出し、本文に至るまで一貫性が保てるので書き方にぶれが生じ難くなります。
逆にテーマが抽象的なものにしてしまうとテーマがあちこちに飛んでしまうような散漫なものになってしまい、このレポートは一体何を一番言いたいのかという疑問を読み手に生じさせてしまいます。よってまずお題は「絞って深く」を心がけましょう。
広いお題は内容が薄くなりがち
抽象的なお題を選んでしまうと問題範囲が広くなり、内容が散漫で薄くなりがちになります。本論を展開する際に行き詰まったり、引用を多用したりとレポートの書き方に苦労します。
大学生の課題レポートは内容的に自由度が高いものが出されます。例えば「大学の存在意義とは」というテーマについて自由に4000文字で論ぜよという具合です。それを真正面から大学教育について書こうとするととてもハードルが高くなります。
大学教育について限られたスペースでレポートを書こうとすれば、大学の学部の話や授業内容、ゼミの話などの概要を書いて終わりということになってしまいかねません。それではレポートの内容が薄いものなってしまうのです。
浅いお題で書きやすく
レポートの課題が広いものならば自分で狭いお題をつけて、書くテーマを絞れば良いのです。漠然とした課題の下にサブタイトルとして具体的な狭いお題を付けるという具合です。
そのようにすると大学のレポートは広いお題より書き易くなります。それは調べる参考資料の量が少なくて済むからです。つまり「奨学金」とか「文系教育」「就活」といったお題ならばそれに関する参考資料だけを勉強すれば良いのです。
しかしお題は浅くてもレポート内容は深く、出来るだけ自分の考えを反映させた書き方でなければなりません。先にあげた課題例「大学の存在意義とは」に対して、具体的なお題は「大学の就職予備校化問題」「大学の都市集中化の問題点」などという具合に自分でお題を設定するのです。
大学の教育や勉強という内容を、自分の知識だけでレポートに仕上げようとすると行き詰ってしまいます。それならば無理せずにお題を狭めてもっと身近なテーマから内容を深堀すれば、内容の厚いレポートの書き方が可能です。
自分なりのお題の決め方がレポートの書き方に繋がっていきますので、ここが重要なポイントなのです。他の学生との差別化を図るためにも、自分が日頃から大学について問題視していることをテーマに取り上げると良いでしょう。
タイトルも狭いお題
「タイトルも狭いお題にする」という意味は「何が書いてあるか分かり易いタイトルを付ける」ということです。つまり大学の教官の立場からすれば、何百人もの学生レポートを読まなければならず、漠然としたタイトルでは読む気が失せてしまうのです。
例えば「大学の存在意義とは」というタイトルだけではNGなのです。存在とか在り方という言葉はあまりにも広範囲です。大学には様々な学部もあれば、大学自体の乱立に対する少子化問題とか大学教育を取り巻く状況には様々な問題があります。
一冊の本にするならともかく4000文字程度のレポートならば、お題を狭くし具体的な書き方で進める方が構成もまとまり易くなります。お題を「大学の就職予備校化を防ぐためには」とした場合、与えられた課題「大学の存在意義」をレポート課題として明記しておけばOKです。
レポートの書き方の構成とは?
レポートの書き方を学習するにあたり、最も重要なことは構成を考えることです。構成とはレポートのお題をどのように膨らませて、導入から本論に展開させていくか、そして結論に結び付ていくかを形にしていくもので、いわばレポートの骨子と言えます。
こう書くととても難しく感じられるかもしれませんが、大学などの課題で出されるレポートの構成には決まりや型と言えるルールがあります。それは「序論・本論・結論」の3つのポイントを押さえて書くことです。
この3つのポイントがレポートの構成なのです。この構成の型を念頭に置いてレポートの書き方を検討すれば、誰でも筋道の立った読みやすい文章が組み立てられます。そして文章を肉付けするよう工夫すれば質の良いレポートの書き方が身に付いていくのです。
書き方の構成①序論
書き方の構成として重要なことは、レポートの文章構成の定型として「序論・本論・結論」に分けて書くことです。この3つの部分から構成されたレポートは、内容が把握しやすく教官から高い評価を得やすいのです。いわばレポートの書き方の鉄板と言えます。
序論とは本論に入る前の助走でありレポート全体の10%から25%ほど使うと構成上うまく纏まります。お題から何を考察していくのか、このお題を選んだ理由や論点を簡潔に記載します。序論の書き方として本論にスムーズに入れるよう概略も記載しておくと効果的です。
例えばお題が「大学の就職予備校化問題」の場合、大学から教育や研究の機関としての役割が失われつつあるという意見を紹介し、そこに現役学生の視点からアンチテーゼも加えて論点を展開していく書き方にします。
文系の学生と理系の学生の違いについて具体例を挙げて、予備校化問題は主に文系学生に当てはまることを書き、なぜ文系の学生は学問に打ち込めないのかという問題提起をして本論へつなぐ書き方します。
書き方の構成②本論
本論はレポートの中心となる部分です。全体の80%を使ってしっかりと書き込んでいきます。序論で提起した問題について自分の考えや主張を展開していく書き方にします。自分がなぜこの考えに至ったのかという理由や裏付けも提示します。
本論を展開していく上で注意する点は、主張が独りよがりにならず客観的な視点を持たせることです。そのためにお題に関する資料や参考文献からの引用部分を明記し客観的事実を示していく書き方が必要です。
また自分の考えに対して反対する人も当然考えられますので、アンチテーゼとしての意見を紹介しながら、その意見に対する自分の考えを盛り込んでいくという書き方をすればレポートの内容は厚みが増していきます。
書き方の構成③結論
結論の大切な書き方は本論で展開した自分の考えを要約して再度主張することです。つまり結論の役割はお題に関する自分の考えを簡潔に示して読み手にリマインドさせる効果を持たせることなのです。
したがって通り一遍の書き方ではレポート全体の出来具合にも影響してきます。結論の書き方はレポートの統括的意味としてまとめていくことが第一です。さらにお題に関して今後の展開見込みを自分なりの考えで加えておくと完ぺきな結論の書き方と言えます。
レポートの書き方の本論の例文
レポートの書き方の中でも最も難しいものが本論の書き方です。自分の考えを如何に分かり易くまとめていくかという点が、多くの人にとって難しいと思われる点です。しかしコツを飲み込めば誰でも質の高いレポートの書き方を習得できます。
ここでは本論の例文を示しながら書き方のコツを解説していきます。自分の考えの裏付けとしての参考文献や資料の書き方や引用の方法なども紹介していきます。
レポートの主役としてしっかりと書き込む
本論はレポートの主役です。お題を十分に掘り下げて自分の考えを展開するために参考文献や資料をよく読んで消化していく必要があります。「大学の就職予備校化を防ぐためには」というお題を例に本論の一部を紹介しますので書き方の参考にしてください。
「大学が学ぶ場ではなく就職のための資格取りと就活ありきの場と言われて久しいが、その原因の第一は日本の企業が新卒の一括採用をいまだに適用しているからではないのか。そのためにゴールが決まっている就活時期に向けて学生も大学も一斉に行動起こしているのである。」
キーワードは新卒の一括採用です。書き方としてこの制度が大学を予備校化推進の原因であることを事実や体験を交えて展開します。例えば「実際、私の通う大学ではビジネスマナーや企画書の作り方といった実学が授業としてカリキュラムに組まれているのだ」というように。
続いて理系と文系の違いを述べて「文系教育が軽んじられている」という書き方にしていきます。理系学生には推薦制度という就活に有利な制度があるので学部の勉強やゼミに打ち込めますが、文系にはそのような制度は存在せずインターン参加率も理系より低いという問題点を主張します。
以上の問題点を解決し大学の就職予備校化に歯止めをかける対策を自分の言葉で展開します。「大学の就職予備校化を止めるために第一に検討すべきことは新卒一斉採用というしきたりを企業側が取っ払っていただくことである。」という書き方です。
「欧米のように一定のインターン期間を経て採用という制度になれば各学生も自分の都合で就職時期や会社を選べるようになり、もっと余裕をもって本来の大学教育を満喫できるはずだ。」と日本企業の制度の在り方に問題提起する書き方にします。
続いて「もう一つの対策として文系学生の推薦制度を充実化させることを提案したい。理系が専門分野ごとの推薦制度があるのに文系は総合職という一括りで企業側から見られていることは文系教育の軽視につながる問題である。」という書き方で進めます。
「大学側も最近は文系教育を見直し、国際的なコミュニケーション能力を養う方向に力を入れてきている。そこで文系学生の採用も海外営業や法務、経理などといった部署ごとの採用へ方針転換すれば専攻科目を生かせる採用が実現し大学の就職予備校化に歯止めがかかるはずである」
以上が本論の例文の一部として紹介した書き方です。なお参考文献や資料は「本やサイトのタイトル、著者名、出版社名、出版年度」などをレポートの最後にまとめて記載しておきます。引用した個所は「」で括り、引用元を必ず明記します。
レポートの書き方の注意点
ここではレポートの書き方について大学生やビジネスマンでも陥りそうな注意点を解説していきます。それは調べ学習になっていないかどうかという点です。
資料や文献を参考にして引用も適宜使って充実した内容にしたつもりでもそれはレポートとして不合格とされることがあります。調べ学習とレポートの書き方の違いとはどういう点なのか具体的に解説します。
調べ学習にしない
調べ学習とは小中学校の理科や社会の自由課題として行われるものを指します。例えば「東京と大阪の主な食生活の違いとは」を調べてレポート化する場合です。このような調査では事実を正確に集めて統計化したり図形化して違いを分かりやすく示すことが大切です。
調べ学習は調査の過程にとても時間がかかり、且つ調査データのボリュームが重要なので大半の場合、参考資料を集めたり引用をまとめる過程で達成感を得てしまうことが多いのです。しかし大学などで出されるレポートはこの先に自分の考えを示さなければなりません。
資料をもとに自分の考えも書き出す
むしろこの自分の考えが中心でなければレポートの書き方としては不合格なのです。資料や参考文献から事実を示したり引用したりしながら自分の主張を導き出さなければなりません。そのためにはまずお題に対する自分の主張を予め明確にしておく必要があります。
レポートの書き方の参考本
ここではレポートの書き方を学ぶ上で参考になる本を3冊ご紹介します。今まで述べてきたことだけでもレポートの書き方は身につくはずですが、さらに深堀したい方向けに基本が学べる本、書き方が学べる本、構成が学べる本をそれぞれご紹介します。
論文・レポートの基本
まず1冊目は日本実業出版社から2012年に出された石黒圭著『論文・レポートの基本・副題この1冊できちんと書ける!』です。こちらは大学生向けに書かれたレポートの基本から応用まで学べる本です。
構成の立て方を体系的に分かりやすく解説されています。また文章作法も例文をまじえて解説されているのでレポートの書き方に不慣れな学生には大変役に立つはずです。
伝わるレポートの書き方
二冊目は有斐閣から出された都築学著『大学1年生のための 伝わるレポートの書き方』です。こちらは主に伝わる文章の書き方について詳しく解説されている本です。したがって説得力があって大学生らしい知的な文章を書きたい人向けです。
特に問題の掘り下げ方や論理的レポート書き方について「調査・思考・書く」と3部構成で段階を経て書かれていますので、内容の濃い本論を書くために一読する価値はあります。
レポートの組み立て方
三冊目はちくま学芸文庫から出された木下是雄著『レポートの組み立て方』です。こちらは如何に伝わりやすいレポートを書くかという書き方のノウハウを論理的に解説された本で、この本自体が一流のレポート見本となっていると評判です。
情報の取捨選択の方法や事実と意見の違いについて書かれていますので、構成と論理的文章の書き方を上達させるためには大学生は必読の書といえます。
理系が専門の著者らしくレポートの構成を「仮説から理論、そして法則」へ結び付けるやり方はとても新鮮で知的好奇心にあふれています。
レポートの書き方は大学以外にも社会人で役立つ!
大学でレポートの書き方をしっかり学んでおけば、そのノウハウや論点の見つけ方などは社会人になった後も必ず役に立つ時が来ます。ビジネスの世界では情報や数字など事実の裏付けが重視されます。
ある問題に対して調査した結果を示し、その結果に自分はどのような問題意識を持ち対策を取るかという考え方はビジネスの上でも問題解決の手法に必ず活かすことができます。
今回解説したレポートの書き方を参考にし、参考資料や引用を正しく活用して常に問題意識と批判的視点をもってレポート作成に取り組んでいけば、レポートの評価は間違いなく上がっているはずです。