知っておきたい集団面接のマナーや注意点!
就職活動での初期の面接は集団面接であることが多くなっています。集団面接は他の学生もいるので緊張したり、プレッシャーを感じてしまいがちで、個人面接よりも苦手意識を持ってしまう人も多くいます。
集団面接での流れや集団面接ならではの入室の順番で気をつけるべき注意点やマナーをそれぞれ解説します。身だしなみや他の学生が受け答えをしている時に気を付けるべき点を紹介しますのでポイントをしっかりと押さえて集団面接に自信を持って臨みましょう。
そもそも集団面接とは
通常であれば面接官1人から複数人と学生1人で面接する事が多くなっています。集団面接とは複数の学生が同じ部屋で同時に受ける面接となります。受験者が一人であれば自分の考えを確実に、そして良い印象を残す様に努める事で対策は事足りるのですが、集団面接では勝手が異なります。
他の学生もいるので通常の個人面接よりも緊張してしまいがちとなりますので、集団面接が苦手な人もたくさんいます。ここでは集団面接とはどういうものなのかと、集団面接の一連の流れまでを解説します。
集団面接で面接官が見ているのは他の学生との協調性や人としてのマナーや常識を意識した振る舞いをできるかを面接官は評価しています。
複数の学生が同時に受ける面接
集団面接とは複数の学生が同時に受ける面接です。同じグループになった学生には同じ質問がされ、その質問に対して各々が回答していきます。
自分以外の学生が受け答えをするのを見聞きしながら自分の順番が回って来たら質問に答えます。集団面接は多くの企業で最初の面接を行い、選考が進むにしたがって個人面接になっていくという流れが多くなっています。
集団面接は個人のアピールも大切ですが、他の人との協調性や話を聞く態度、身だしなみや一般的なマナーを守れているかを面接官は見ています。
入室から退室まで他の学生達と足並みを揃える必要がありますのでマナー以外にも気を付けるポイントが個人面接よりも多くなります。
集団面接が苦手な人は多い
集団面接が苦手な人はやはり多いです。個人面接であれば自分を最大限アピールできる回答を準備して望む事ができますが、集団面接では先に似た内容の答えを言われてしまったり、順番を待っている内に、話そうとしていた事が飛んでしまう事もあります。
また、他の学生がいるなかで発表するのが恥ずかしく感じたり、個人面接よりもプレッシャーを感じてしまいがちになったりしてしまいます。
また、自分が緊張しても他の人に緊張が伝わってしまいますし、逆に他の人が緊張したり狼狽えたりすると伝染して、準備していた通りの振る舞いや受け答えが出来なくなってしまう事もあります。
集団面接の流れ
集団面接にも個人面接と同じ様に一連の流れがありますので紹介します。集団面接は学生を入室させる前にまず、一箇所に集めて待機させます。待機時も気を抜かずにマナーを意識した行動を心がけましょう。
面接の準備ができたら入室し、全員揃った上で着席します。そこから自己紹介と自己PRを行い面接官から質問があり、順番に答えます。そして学生からの質問へと進み、質問の応答が終われば部屋からの退室となります。
集団面接では他の人と足並みを揃えられるか、一般的なマナーは守れているかを他の学生と比較されます。そこで印象に残る事ができるかが重要ですし、入室・退室を含めて全体を通してマナー違反をしないように注意が必要です。
面接官からの質問に答えられる準備も必要ですが他の学生が話している間も気を抜かずに耳を傾けておくことがポイントです。学生からの質問では一般的に挙手の上、質問をすることが多くなっています。面接官の印象に残る様な質問をするようにしましょう。
面接官はここを見ている!
集団面接は先にも言ったようにマナーや協調性を他の学生と比較して面接官は見ています。集団面接は足切りの場として使われる事が多く、個性や独創的な印象を残す場と言うよりは集団に馴染んだ行動が出来るのか、社会人として当たり前のマナーを身につけているのかを評価する面接となっています。
どれだけ優れた個性や実績を持っていても協調性のない人を面接官は評価しません。なぜなら会社という組織は個人のスタンドプレーよりも和を大切にしたチームプレーを求められる場所だからです。
集団面接の時点で協調性がなく、社会人としてのマナーも身についていないと評価されると先の面接に進んでいく事ができません。いわば常識があるかを試す場として集団面接は機能しています。
質問は一般的な事が多い
集団面接は個人面接と異なり、ひとりひとりに与えられる時間は個人面接と比べると短くなります。必然と質問は一般的な事を聞かれる場合が多くなります。
答える内容よりも他の人への配慮やマナーをできる人材であるかを見ていますので必要以上に個人をアピールしようとすると失敗します。
集団面接は一定水準の常識を持っているか・持っていないかを評価し、一定水準の常識があると判断されれば次の選考に進む事ができるということです。
質問に対する自分なりの返答パターンを想定する事も重要ですが、集団面接の基本的なマナーをしっかりと押さえて減点されない様にする事が集団面接を突破するポイントとなります。
集団面接のマナー・注意点①一番手での入室
集団面接のマナーは一番手の入室の人とそれ以降に入室する人とは少し異なります。ここでは集団面接で一番手に入室する場合に気を付けるべきマナーのポイントを入室の仕方・着席の仕方・鞄の置き方・コートの置き方に分けてそれぞれ解説します。
入室の仕方
一番手に入室する場合はまずノックを3回します。ノックしてすぐに入室するのではなく面接官から「どうぞ」や「お入りください」と入室を促されてから部屋に入るようにしましょう。
うっかり入室してしまうとマナーがなっていないと減点対象になってしまいますので注意する様にして下さい「失礼します」と元気な声で言ったあとに一礼します。
この時のマナーポイントは「失礼します」と「一礼」を分けて行うことです。緊張から同時にしてしまいがちですが声と動作を確実に分ける事で入室時の印象が良くなります。
社会人でも忘れがち
社会人でも改まった場で挨拶と一礼を同時にしてしまいがちとなっています。相手によってはなんとも思われないかもしれませんが、常識を重んじる人であれば不快な思いをさせてしまいます。
つまり集団面接で常識とされる振る舞いをできないと面接官に思われた時点で、会社の一員として相応しくないとの評価を下されていまいますので当たり前の事を当たり前にこなせるように日頃から意識して行動する様にしましょう。
着席の仕方
入室したあとはすぐに座らずに全員が入室し、声を掛けられるまで立って待ちましょう。椅子の右側にカバンを置き椅子の左側で待機します。全員が揃ったら面接官から「お座り下さい」や「お掛けになってください」と声を掛けてくれます。
声が掛かったら「失礼します」と会釈をしてから着席します。この時も入室時のポイントと同じ様に声と動作を分けて行ってください。
椅子には深く腰掛けずにし、男性は拳を軽く握り太ももの上に置きます。女性の場合は手を重ねる様にして太ももに置き、足は揃えます。背もたれと背中は少し間を開けて座り、背筋をピンと伸ばして姿勢を正しくすることを心がけて下さい。
着席までの間も自然な笑顔を絶やさない様にしましょう。入室から着席までの間が一番緊張してしまいますのでひとつひとつの動作を丁寧に意識して行う様にして下さい。
鞄の置き方
待機していた時には椅子の右側に置いていた鞄ですが、着席後は自分の立っていた場所に置き換えれば鞄の置き場所が他の学生とかぶりません。鞄と椅子を平行になるように置きましょう。この時も動作が乱雑にならないようにゆっくり丁寧にしましょう。
コートの置き方
寒い時期の就職活動ではコートも着ている事でしょう。ここでもポイントがあります。入室した後に椅子にコートをかけるのはマナー違反となり印象が悪くなります。
控室にコートを置いておけたり、預かってくれる係の人がいない限り面接はコートを持ちながらの入室となります。入室して鞄を置いた後、裏地を表に来る様に丁寧に畳み、鞄の上に置く様にしましょう。
集団面接のマナー・注意点②二番手以降での入室
集団面接で二番手以降に入室する場合のマナーを紹介します。ポイントとなるのはドアノブの引継ぎと最後に入室した場合のドアの締め方です。特にドアノブの引継ぎはスムーズにできないとバタついて緊張がより増してしまいますので、受ける時も渡す時も丁寧にする様に心掛けて下さい。
ドアノブの引継ぎ
ドアノブの引き継ぎで注意するポイントは前の人からドアノブを譲られたら目礼をし、次の人にも同じく目礼してドアノブを引継ぎましょう。
お互いに目礼する事でバタつく事なくスムーズな入室をすることができるとともに思いやりを表現する事ができます。そのあとは一番手の人と同様に挨拶と一礼をし、待機します。
最後の人のドアの閉め方
最後に入室する人はドアノブの引継ぎに加え、ドアを閉める動作が加わります。ドアを静かに締めたら直立し、深めに一礼します。
集団面接においてこの一連の流れに戸惑う事なく参加できているか、思いやりとマナーを持って他の人に気遣いできているかを入室の一連の流れで面接官は見ていますのでポイントを押さえておきましょう。
集団面接のマナー・注意点③退室の仕方
集団面接が終わり、面接官から「以上です」と告げられてから退室までのマナーと注意するポイントを紹介します。面接官や他の学生の質疑応答は会話が入り、少しリラックスできるかもしれませんが、退室時は入室時と同じくらい緊張感を持つようにしましょう。
集団面接中にいくら良い印象を付けられたとしても退室のマナーで失敗すると折角の好印象も台無しになってしまいます。集団面接、退室の仕方の注意点とポイントを紹介します。
席の立ち方と挨拶
面接官の面接終了の合図で荷物はそのまま置いた状態で席を立ちます。背筋をピンと伸ばし「本日はありがとうございました」と言ったあとに一礼します。入室した時と同じ様に挨拶と一礼を分ける事がポイントです。
挨拶の言葉は集団面接の他の学生と合わせて下さい。変に印象付けようとしてアピールするような振る舞いは協調性のなさや、マナーがなってないとの印象をつけてしまいます。
入口に近い人からドアへ向かう
集団面接の部屋で一番入り口に近い人からドアに向かいます。退室時に先頭になる人は焦って退室しようとするとバタバタしてしまい落ち着きのない印象を与えてしまいます。入室時と同じく、ひとつひとつの動作をゆっくりと丁寧にすれば焦る事なく他の人に迷惑を掛ける事もありません。
ドアの前で挨拶と一礼
ドアの前まで来たら面接官の方をしっかりと見て「失礼します」と言い、一礼します。くどい様ですが挨拶と一礼は分けましょう。一番はじめに退室した人は後ろに続く人の為にドアを開けたままにします。
最後に退室した人はゆっくりとなるべく音を立てない様に両手でドアを閉めて下さい。細かい所作ひとつひとつに意識を向けて、丁寧にゆっくりと動く様に心掛けると集団面接に限らず面接全般で面接官にマナーを守れているとの印象をつけることができます。
部屋から出ても気を抜かない
集団面接の緊張感から退室したら気が一気に緩んでしまいがちですが、社内の人は学生達の振る舞いを見ています。退室しておしゃべりをしたり、ため息をついたりすると印象を悪くしてしまいます。どこで誰が見ているかわからないので帰るまでマナーを守った立ち振る舞いを心掛けましょう。
集団面接のマナー・注意点④身だしなみ
集団面接は自分以外の学生と比較されながら評価をされます。集団面接は他の学生との質問に対する回答の違いや、回答の簡潔さが一番大切だと考えられがちです。
もちろんこれらも大切ですが、入室時の印象や、身だしなみなどの第一印象が一番大切です。身だしなみで注意するべきマナーとポイントを解説します。
清潔感を心がける
集団面接は他の学生と比較されながら評価されるので基礎的なポイントを押さえる事で他の学生よりもいい印象を面接官に与える事ができます。身だしなみのポイントは清潔感を心掛ける事です。
男性であれば髭はきちんと剃っているか、スーツを着崩していないかなどです。女性であれば化粧が濃くないか、過度にアクセサリーをつけていないかなど常識とマナーを守った清潔感のある身だしなみを心掛けましょう。
面接をする会社によって服装を合わせよう
清潔感はマストとして、面接を受ける会社によっては清潔感とともにどの様なスタイルが求められているのかを考え、服装を合わせるようにしましょう。公務員や金融関係は清潔感と共に堅い堅実な印象を与える格好をすると評価が高まります。
逆にアパレルやマスコミ関係は柔らかい印象を与えるようにと工夫してみて下さい。あくまで業界ごとの傾向となっていますので面接を受ける会社ごとに調査をした上で説明会や面接に臨む様にしましょう。
平服でお越しくださいの意味
説明会や面接で「平服でお越し下さい」や「私服でお越し下さい」と案内がある場合もありますが、ここでも面接と同じく相手に対する配慮やマナーを見ています。
企業は「リラックスして面接に望んでもらいたい」との意思もありますが、同時に「社会人としての配慮があるか」との問いかけをしています。
「平服でお越し下さい」と案内があるからと言って、本当に普段着で行くのはまずNGです。本来的な意味で言うと平服は略礼装といってグレーやネイビーなどのスーツを指す用語となっています。
ですので最低でもスーツスタイルがマストです。そこから志望する会社のスタイルによってリクルートスーツのコーディネートよりもシャツやタイを工夫し、相手を不快にさせない自分らしさを控えめに主張する事が大切な事となっています。
集団面接でマナー以外で印象を良くするポイント
集団面接で入室・退室のマナー以外で印象を良くするポイントは自分が質問したり、回答している時以外の態度や、他の学生が回答している時にリアクションをして話を聞いているのかも集団面接で印象を良くするポイントとなっています。
人の話を聞く姿勢
集団面接では自分が面接官からの質問に答え終わったあと、他の学生が話している間の態度や姿勢も面接官は見ています。自分の番が終わり、緊張が解けてボーッとしてしまいがちですが耳を傾けて話を聞いているかどうかがポイントとなります。
話に合わせてリアクション
集団面接で他の学生が面接官と受け答えしている様子に耳を傾けると説明しました。話を聞いていたとしても話に合わせて何かしらのリアクションをしなければ面接官はあなたが話を本当に聞いているのかわかりません。
他の学生の話している内容やテンションに合わせながらリアクションをする事で話をちゃんと聞ける人だという印象を面接官に残す事ができます。例えば面白い話であれば笑い、真剣な話であれば真面目な表情をしておきましょう。
実際、話の内容を聞いているか・聞いていないかよりも状況に合わせた振る舞いをできているか否かを見られていると考えて適切なリアクションを心掛けましょう。
リアクションだけではない場合も…
集団面接では先に説明したように状況に合わせた振る舞いをできるか、できないかを面接官は見ているといいましたが、他の学生の発言に対して意見や質問を求められることがあります。
人の話を聞く、それに対して意見を求められるというのは普通の事なのですが、面接という場の緊張感や不慣れで話が飛んでしまったりする事もあるかもしれません。
重要なのは誠意を持った行動を普段から心掛けているかどうかということです。話の意味を理解していないのに理解している様に振る舞う、わからないのにわかると言うなどは不誠実な印象を残してしまいます。
大袈裟なリアクションはマイナス
集団面接は個人面接よりも和やかな雰囲気になることも多くなっていますが、本当に面白い話であっても大笑いをしたり、大袈裟に振舞うとかえって印象を悪くしてしまいます。あくまでも面接中だということを念頭に置き、適切な加減のリアクションを心掛けることがポイントです。
質問は積極的にする
集団面接に限らず質問を面接で積極的にすることは自分をアピールする絶好のポイントです。黙っていることのメリットは何もありません。
集団面接は学生が複数いる為、質問時間も限られている場合があります。一人でも多く質問ができるように質問する時は簡潔にまとめる様にしましょう。
水準の高い当たり前を
ここまでマナー以外の集団面接で気を付けるべき注意点と印象を良くする為の方法を説明してきました。ひとつひとつを細かく見ていくとちょっとした事の様に感じます。
しかし、全ての注意点や印象を良くする方法を面接の緊張感の中で同時にしたり、滞りなく出来る様になる事は急にはできません。
逆に言えば普段の私生活から「人の話を聞く」「他の人に十分な配慮をする」「悪い意味で個性的な振る舞いをしない」と言う事に気を付ける事が出来ているかが大切です。
経験や慣れも必要ですが、面接だけで取り繕った配慮やマナーはちょっとした事で剥がれ落ちていきます。普段から水準の高い当たり前の行動を心掛けましょう。
マナーを意識して集団面接をパスしよう!
集団面接で注意するべきポイントと注意点を入室する一番手と最後に入室する場合に分けて解説しました。どちらにも共通するのは他の学生への気配りです。
集団面接では個人のアピールをする事も大切ですが、それ以上に他の人への気配りや話を聞く態度、常識的なマナーや身だしなみを守れているかを面接官は見ています。
ひとつひとつは難しいことではありませんが、他の学生がいる緊張感やプレッシャーで本来の自分を印象付ける事がうまくできないかもしれません。
ひとつひとつの動作や言葉をゆっくりと丁寧にするように心掛けると緊張していても失敗を防ぐ事ができます。挨拶と一礼を別々にすることを忘れない様にして下さい。
面接官が一番見ているのは他の人への気遣いができているのか、常識的なマナーを守れているのかを見ていますので当たり前のマナーを守って集団面接をパスしましょう。