「各々」の意味とは？正しい使い方や敬語表現を分かりやすく解説！

各々とは、まず「おのおの」と読みます。各々の意味とは、一人一人、個人個人、それぞれという意味です。人や物に使う言葉で、私たち一人一人を表す意味の言葉です。二人称を表す言葉で、複数の人や物に使われます。日常会話ではあまり使わない言葉です。

しかし、ビジネスシーンではよく使う言葉なので、各々の意味や使い方が曖昧な人は、ぜひ覚えておいた方が良い言葉と言えるでしょう。各々は、各自などの類語に当たるので、各々が分かりにくい人は、各々が出てきた文章を各自に置き換えると意味が分かりやすいでしょう。

では、各々の敬語は何になるのでしょうか。実際に各々の敬語と調べると、正しい敬語はありませんが、皆様や、皆様方が各々に近い敬語表現に当たります。

各々の類語は、各自・皆様方・それぞれ・めいめいといったところが同じ意味の類語に当たります。あなた方一人一人の個人について言いたい時、各々だと堅苦しい意味合いにとれます。各自という言い方をした方がこの場合、しっくりきます。

もう少し目上の人に使いたい、敬語の意味を含みたい時には、各々を皆様方に置き換えた使い方がおすすめです。皆様方と置き換えることによって、さらに相手を敬う意味の敬語になります。人でなく物を指すときは、それぞれという言葉が、適切な意味を持ちます。

各々の意味についてチェックしたので、次は各々の使い方についてチェックしていきます。各々は日常生活では使うことが少なく、どちらかというとビジネスシーンで使われることが多いです。少し重たい堅苦しい言葉だからです。

類語でもあげた各自は、各々より日常的に使う言葉で、少し軽い意味になります。では、実際にどのような場面で各々はどのような使い方をするのが正しいのでしょうか？実際に例文を4つあげていきます。

例文の1つ目です。「本日の会議の開始時間は10時です。各々で集合して下さい。」この場合、置き換えると「本日の会議の開始時間は10時です。各自で集合して下さい。」という意味です。単純に複数の人に呼びかける時に各々という言葉を使った使い方です。

このパターンはものすごく多い、各々の使い方です。他にも各々で用意して下さいなど、バリエーションも多いのが、このタイプの各々という使い方です。

次は各々の例文の2つ目です。「本日自己紹介をしていただきます。各々の特技を、ぜひ披露して下さい。」この場合の各々の意味は、それぞれや皆さんと置き換えることが出来ます。ビジネスシーンでかしこまった言い方をしたい場合は、このような意味で各々を使うのが適切でしょう。

続いては、各々の例文の3つ目です。「同じ姉妹でも、各々の性格がある。」この場合の各々の意味は、同じ親から生まれた姉妹でも、全く同じではなく、それぞれ各自の性格があるという意味です。各個人を尊重した各々の使い方をした例文です。

各々の例文の4つ目です。「3/20(金)に商品研修があります。参加希望の方は、各々でお申し込みください。」ここでの各々の意味は、各自で研修に申し込んでくださいという意味の言い方を、少しフォーマルで敬語に近いニュアンスも含め、各々という使い方をしています。

会社というところは、いろいろな人がいます。自分の部下もいれば、上司もいます。各自だと少し日常的な意味の使い方になるので、目上の方にでも使える各々という言葉を使っています。ここでは、少し敬語に近い丁寧な使い方です。

各々と各自は類語に値しますが、実際にどのような違いが、各々と各自にはあるのでしょうか？各々の意味は、一人一人や、個人個人という意味です。各自も、各々と同様に集団の中の一人一人、めいめいといった意味合いで、ほとんど同じ意味の言葉です。

1つだけ大きく違うのは、各自は人にしか使えないところです。あとは言葉を置き換えても意味が同じになります。実際に微妙な各々と各自の言葉の意味の違いについてチェックしていきます。

各々は「それぞれ一人一人が」というニュアンスの意味です。各自は、「それぞれが自分自身で〇〇した。」というニュアンスになります。ほとんど同じですが、微妙にニュアンスが変わってくるので、言葉の幅を広げるためにも、使い分けれると良いです。

各自は各々と同じ意味の類語で複数の中の一人一人を指す意味の言葉です。各自は人に対して使われます。各自の「自」は「自ら〇〇する。」という意味で、自分で行動するという意味を表しています。各々と同じ意味ですが、微妙にニュアンスが違います。

各自は、各々に比べると使いやすい日常用語です。例えば、「明日は、各自お弁当を持ってきてください。」というのを各々に置き換えると、「明日は、各々でお弁当を用意して下さい。」という意味になります。少し重たいかしこまった日本語になります。

普段使うのには、各自が良いです。しかし、ビジネスシーンなどで使うときは、各々の方が重みがあり、形式ばった感じになるのでおすすめです。各自だと目上の人には使えないけど、各々だと自然になじみます。

次は、各々を使う際の注意点です。各々は「おのおの」と読み、「かくかく」とは読みません。あなた方一人一人という意味が各々の意味です。かなり複数の人になると、各々というよりは、皆さんや全体という言い回しが適切です。

ビジネスシーンでよく使われるかしこまった言い方の各々ですが、実際には各々は敬語表現ではないので、使うときに注意して下さい。目上の複数の人に使うときは、各々ではなく、皆様方を使うのをおすすめします。

各々という言葉ですが、主に人に対して使う言葉です。物に対しても使うことが出来ますが、事柄に対しての意味にだけは使うことが出来ません。例えると、「音楽会に運動会、それぞれに活躍して頑張った。」このそれぞれの部分を各々に置き換えは、意味が少し異なるので出来ません。

なぜなら、人が起こした事柄に対して「それぞれ」という言葉が、かかっているからです。「活躍して頑張った。」というのが人や物ではなく、事柄という意味にかかっているからです。微妙なニュアンスの意味の言葉なので、注意して下さい。

今までは、各々の意味や使い方について紹介してきましたが、次は各々の由来や歴史についてです。各々は、あまり日常では使わない言葉ですが、意味を理解した上で使えると、言葉に品格が出ます。スマートにも聞こえます。

各々の正しい敬語表現はありませんが、近年では、皆様方というのが適切です。皆様方になる前までは、各々方とも表現されていました。今でも時代物の小説や映画では各々方とも表現されています。

近年の正しい使い方は、皆様方と置き換えるのが自然な意味になるでしょう。文書で記すなら、各位という言葉が適切です。それでは、そんな各々の由来や歴史について実際に紹介していきます。

各々の言葉の由来についてです。「各」は「おの」と読めます。各の意味とは、集合体の中で1つ1つの個を表す意味の言葉です。そこに重ね字「々」がついて「各々」になりました。「々」は特殊記号の1つで、前の字を繰り返すときに使われます。

次は各々の歴史についてです。各々は複数の中の個人個人を表す意味の言葉ですが、以前は各々を漢字で「己己」と表記していました。本来各々とは、「おのれ、おのれ」という意味だったのです。おのれとは、1人称で自分という意味です。その人本人を指します。

そのおのれという言葉に対して、個人から複数に変化し、おのれを強調する意味を持たせる言葉として各々が誕生しました。

次は、各々の英語表記について勉強していきます。各々を英語に言い換えると、each、respectivelyが適切です。まずはeachの意味です。各自の、各々の、めいめいの、という日本語の意味になります。

ではrespectivelyの意味です。こちらもそれぞれ各自の、各々という日本語の意味になります。eachは一般的に使う言葉に対して、respectivelyはビジネスシーンで使う方がなじみやすい言葉です。フォーマルなニュアンスの意味が含まれています。

どちらも日本語にすると「それぞれ各自の、各々」という意味になりますが、各々という言葉がビジネスシーンの利用も多いため、respectivelyの方が各々の英語表記としては適切です。eachは、日本語のニュアンスでいうと、各自といったところでしょうか。

各々の意味や敬語表現や使い方について紹介してきました。各々とは、集団の中の個人個人を指す意味の言葉で、要約すると一人一人のという意味になります。類語もたくさんあり、各自・それぞれなどたくさん似た言葉があります。

今回、類語も含め微妙なニュアンスの違いについてチェックしてきました。これを機会に、各々・各自・それぞれをニュアンス別の意味を含め、上手に使い分けてみてはいかがでしょうか？