ソフトドリンクは日本語と英語で意味が違う
レストランのメニューや映画館などで、ソフトドリンクという言葉を目にすることは多いです。「soft drink」と英語にしても違和感がないことから、英語と同じ意味として認識しても問題ない言葉のように感じられます。
しかし実際には、日本後のソフトドリンクという言葉の定義は英語圏で使われる時とは微妙に異なるため、英会話などでも同じように使用してしまうと意味が違って伝わっていたということになりかねません。
今回は、日本でソフトドリンクと呼ばれる飲み物の英語圏における定義や、表現及び使い方の違い、飲み物の種類ごとの表現方法などについてご紹介します。
日本の「ソフトドリンク」
ソフトドリンクは和製英語のように思われる方もいるかもしれませんが、英語でも「soft drink」という表現は存在します。そして、「アルコールを含まない飲み物である」という点では同じです。
しかし、その中に含まれている具体的な飲み物の種類で述べると、日本語と英語では違いが生じます。日本語のソフトドリンクの場合、コーラ、ジンジャエールなどの清涼飲料水以外にも、お茶、コーヒー、果菜のジュース類など、ありとあらゆるノンアルコール飲料が含まれます。
英語の「ソフトドリンク」
しかし英語の「soft drink」には一般に清涼飲料水しか含まれていません。そのため、例えば「soft drink」をくださいという人にお茶を出したら受け取った方は違和感を感じるいうことになります。
またコーラやジンジャエールなどの他にもコーヒーを取り扱っていますということを示したければ、上記のように「コーヒー、そしてソフトドリンク」というように追記しないと伝わりません。
ジュースの定義も日本と違いがある
また日本語のソフトドリンクの定義に含まれているジュースですが、日本語の「ジュース」と英語の「juice」にもこれまた違いがあります。こちらも和製英語とまではいきませんが、日本語の方がより広範囲の飲み物を指しています。
日本語の「ジュース」は、一般的には冷たくて甘い飲料を指します。つまりコーラも果物のジュースも、日本語では「ジュース」と表現できるわけです。しかし、英語で言う「juice」の場合は、果汁(もしくは野菜汁)100%のみを指します。
なので、100%に満たない果汁や野菜汁入りの飲み物や、香料で果物などの風味を出した飲み物の場合は、例えばオレンジ10%飲料の場合「orange drink」、オレンジ風味の飲料の場合「orange-flavored drink」のように、「juice」ではなく「drink」を用いて表現します。
英語でのソフトドリンクの使い方
前述の通り、英語での「soft drink」は一般的にはコーラ、ジンジャエールなどの清涼飲料水を指します。コーラなどを意図して使用する場合は日本の「ソフトドリンク」と同じように使用できますが、お茶やコーヒーなどを想定している場合は通じないので注意しましょう。
英語でノンアルコール飲料を頼むときは具体的に伝えるべき
特に清涼飲料水については英語と日本語で大きく名称が異なっていたり、全く違う飲み物を指していたりする場合があるので注意が必要です。
例えば日本でいう「サイダー」は北米では「pop」「soda pop」と言い、イギリスなどでは「fizzy pop」と言いますが、単に「soda」というと甘くないただの炭酸水「soda water」と間違えられる可能性もあります。
「サイダー」をそのまま「cider」というとリンゴなどを発酵させた、日本でいう「シードル」というお酒を指します。アルコール飲料になってしまうので注意しましょう。
また日本でいう「コーラ」は英語でも「cola」ですが、通常は注文する際には「coke」(コカ・コーラの愛称)や「Pepsi」などの商品名を用いるのが一般的です。
英語での飲み物の表現
英語で飲み物を表現する際には、日本語とは異なっている点が多く、実は和製英語だったという事も多いので注意が必要です。具体的に、良く飲まれることの多い飲み物のジャンルごとの表現方法の違いや注意点を見ていきましょう。
水の英語表現
水は英語で「water」というのはよく知られていますが、もしレストランなどで注文する場合は、もう少し具体的に表現する必要があります。
通常は英語圏の国々では「water」というと、炭酸無しの水「plain water」、炭酸水「sparkling water」、天然水「mineral water」、ペットボトルの水「bottled water」など選択肢が多岐にわたります。
日本では甘味の無い炭酸水がレストランのメニューにあることは稀ですが、諸外国では炭酸水は一般的な飲み物です。天然水でも炭酸の有り無しが選べることが多いです。
無料の水道水は提供していない場合も多く、用意があった場合でも水に当たる可能性があるので、旅行の際などには注意してください。
ジュースの英語表現
先にお伝えした通り、日本語の「ジュース」の定義上の和製英語と言え、英語での「juice」とは使い方が異なるので注意が必要です。果汁や野菜汁100%の飲料のみが、英語でいう「juice」となります。
また最近日本でも人気の「スムージー」は英語でも「smoothie」と言い、「juice」が果物や野菜を絞っているのに対し、こちらやミキサーなどですりつぶしたものをそのまま供する場合に用いますので、和製英語ではなく日本語とほぼ同じ使い方です。
お茶の英語表現
お茶は英語で「tea」ですが、こちらも定義が異なります。日本では単に「お茶」というと緑茶を指し、「ティー」というと紅茶を指すことが多いですが、英語では「tea」という単語をそのまま用いることはほとんどなく、他の単語と組み合わせて種類を指定します。
緑茶は「green tea」、また「black tea」は紅茶、「herbal tea」はハーブティー、中国茶は「Chinese tea」と言います。また、アッサムティー「Assam tea」、ミントティー「mint tea」、烏龍茶「Oolong tea」のように、より具体的な種類で表現するのが一般的です。
飛行機の機内で「coffee or tea?」と聞かれるときの「tea」は紅茶を指しますが、それ以外ほとんどの場合は具体的なお茶の種類で伝える方が無難です。
コーヒーの英語表現
日本語の「コーヒー」は英語で「coffee」ですが、こちらもレストランやカフェによっては多くの種類がある場合があります。
海外での定番のメニューはブラックコーヒー「black coffee」コーヒーをお湯で割ったアメリカーノ「Americano」です。日本でいう「カフェラテ」は和製英語ではなくイタリア語の「caffe latte」からきており、英語では「latte」と言います。
また海外ではコーヒーに入れるミルクの種類が多く、自分の好みにカスタマイズする事が一般的です。一般的な全乳「whole/regular milk」の他に、無脂肪乳「non-fat milk」、低脂肪乳「low-fat milk」、脱脂粉乳「skim milk」など。
その他にアーモンドミルク「almond milk」、豆乳「soy milk」など牛乳以外飲料が選べる場合もあります。
またコーヒーに入れるお砂糖は白砂糖「white sugar」のほかに、人工甘味料「sweetener」が用意されている場合もあり、自分にぴったりの組み合わせを見つけることが出来ます。
英語で飲み物を頼む方法
英語での飲み物の表現方法は日本語と異なっているものがあり、また和製英語や定義が異なっている言葉もあることが分かりました。次はレストランなどで注文する際の実際の英語の使い方や表現方法についてご紹介します。
注文時のフレーズ
飲み物を注文する際には、通常次のように伝えます。「Can I get sparkring water?」これで「炭酸水を頂けますか?」つまり「炭酸水をください」という意味です。このsparkling waterの部分を他の飲み物の名称で置き換えることで、色々な飲み物に応用可能です。
またgetの部分をhaveに置き換えて「Can I have sparkling water?」としても同じ意味になります。欧米や北米などは目でコミュニケーションをとる文化なので、注文の際は相手の目をしっかりみて伝えます。
飲み物の数え方
飲み物の数え方についてもお伝えします。液体である飲み物は通常は数えられない名詞(不可算名詞)に分類されるため、不定冠詞(名詞の前のaやanなど)はつきません。日本語でも、「水」を「二つの水」と言うと、あいまいな印象があり通常の使い方ではありません。
数を数える際には、通常「コップ一杯の水」や「瓶1本のコーラ」などのように、容器を表す名詞を伴って表現します。英語の場合、「a glass of water」、「a bottle of coke」のような使い方で、容器名の前に不定冠詞が付きます。
ソフトドリンクは和製英語ではないが注意が必要
いかがでしたでしょうか。「ソフトドリンク」は和製英語ではないものの、定義が英語の「soft drink」とは異なるので使い方に注意が必要な言葉です。
またノンアルコール飲料の具体的な種類についても、和製英語があったり日本語と英語で定義や使い方に違いがある言葉が多いです。英語圏で注文したり会話する際には注意してください。
さらに簡単なフレーズと数え方などを一緒に覚えておけばスムーズに注文や会話ができますので併せてご紹介しました。是非皆さんの生活にお役立てください。