「妙齢」の意味とは?
小説などでよく目にする「妙齢」という言葉ですが、その正しい意味はなかなか分かりにくいものです。ここでは、「妙齢」という言葉の意味や定義について説明していきます。正しい意味や定義を覚えて正しく使いましょう。
「妙齢」の正しい意味については「妙」という言葉の意味がカギを握っています。次の項では「妙」という言葉の持つ意味に関して説明します。
「妙齢」の「妙」とは「若い」という意味
多くの方が「妙齢」の意味するものと聞いた時にまず思い浮かぶのは女性というイメージですが、思い浮かべる女性が、その中でも「年配の」女性か、「若い」女性かというのは人によって異なります。
「年配」の女性を思い浮かべる方も多いのですが、「妙齢」といった場合、正しい意味は、「若い」女性です。「妙齢」の「妙」という字には「若い」という意味があるからです。
「妙齢」の語源
「妙齢」という言葉の語源ですが、「妙齢」という言葉の「妙」という言葉の意味の中には、元々「若い」という意味があります。そして、その意味で使われるときには、広く「若い女性」という意味で使われます。
ですので、「妙齢」の語源から考えても、「妙齢」とは「若い女性のことを意味する」とするのが自然です。
「妙齢」の定義
語源から考えると「妙齢」とは「若い女性のことを意味する」といっても、「若い女性」とはどのように定義されるのかという疑問が残ります。そこで「若い女性」の定義と「妙齢」の語源の関係をここでは説明します。
語源からたどると10代の女性という意味
「妙齢」の語源をたどったときに、昔は「妙齢」とは「結婚適齢期の女性」という意味で使われることがほとんどでした。そのころの結婚適齢期は10代でしたので、「妙齢の若い女性」とは「10代の女性」を意味することが多かったのです。
現在ではもう少し幅広い意味で使われる
前述したように、語源からたどった時には、「10代の女性」を意味していた「妙齢」ですが、現在では、結婚や若さに対する価値観や意味も多様化してきており、それに従って「妙齢」の定義も変化してきています。
現在では、20代や30代くらいまでの女性に対しても「若い女性」という意味で「妙齢」の定義に含んだり、「妙齢」自体を「活躍している女性」という意味で使うことが多くなってきました。
「妙齢」という言葉の特徴
それでは、「妙齢」という言葉を使う時の使い方の特徴についてここでは説明していきます。前述したとおり、「妙齢」という言葉は、主に女性に対して使われる言葉ですが、使い方にも決まりがあります。
女性に対してなら何でも「妙齢」という言葉を使えばよいというものではありません。使い方を間違えると相手に対してひどく失礼になりますので、注意しましょう。
「妙齢」という言葉を使わないほうがよい場合
相手が女性であっても、「妙」という字の持つ意味からして「妙齢」という言葉を使わないほうが良い場合が存在します。「妙齢」という言葉を使わないほうが良い場合について、いくつか例を挙げて説明していきます。
相手の女性がまだ少女の場合
前述している通り、「妙齢」の「妙」という言葉には「若い」という意味があります。しかし、いくら「若い」女性だからといって、例えば、まだ小学生くらいの少女に「妙齢」という言葉は使えません。
「妙齢」という言葉は結婚するのにも望ましい年齢になった女性を意味する言葉ですので、まだ結婚するような年齢になっていない女性に使う使い方はしないのです。
年配の女性の場合
何度か述べているように、「妙齢」という言葉の「妙」という字には「若い」という意味があるので、年配の女性にも「妙齢」という言葉の使い方はしません。使ってしまうと間違った使い方ですので注意しましょう。
このことは、「妙齢の女性」という意味の言葉を英語で言い換えると、「young lady」という英語を使うのが一般的であることからも分かります。
男性の場合
この「妙齢」という言葉は、若い女性を意味するので、相手が男性の場合も使いません。男性の場合、若いという意味でも「妙齢」という言葉を誤って使ってしまうと、間違った使い方になってしまいますので注意しましょう。
「妙齢」という言葉は、相手が女性の場合にのみ使う言葉です。ただ、大昔には、男性にも使っていたという説もあるので、絶対に使用してはいけないとまでは言い切れません。
「妙齢」類義語と対義語
ここでは、「妙齢」という言葉を同じような意味の言葉で言い換えるとどのような言葉があるのかや、「妙齢」の反対の意味になる言葉にはどのような言葉があるのかということをここでは説明していきます。
「妙齢」を言い換えた類義語
「妙齢」を言い換えた類義語には「結婚適齢期」や「女盛り」などがあります。しかし、現代では、人々の価値観が多様化していることから、このような「妙齢」を言い換えた言葉を使う時には使い方に注意するべきです。
「妙齢」の対義語
「妙齢」を言い換えた言葉とは別に反対の意味の対義語を紹介すると、「年増」や「晩嬢」などが挙げられます。しかし、これらの言葉もまた、現代では人々の価値観が多様化していることから考えると、使い方に慎重になるべきです。
「妙齢」の英語表現
当然のことながら、英語圏にも「妙齢」と同じ意味をもつ言葉はあります。「young lady」という単語がそうです。しかしながら、英語で「young lady」といった場合は、「妙齢」よりもう少し幅広い層の女性を意味します。
ここでは、「妙齢」という言葉の英語で言い換えた英語の「young lady」という単語の意味と「妙齢」という言葉の意味との違いを説明していきます。
英語の「young lady」と「妙齢」との違い
英語で言い換えて「young lady」という場合の意味は、「妙齢」とは異なり、40代くらいまでの女性と定義されます。また、未婚か既婚かにこだわらないというのも、「妙齢」の意味との大きな違いとなります。
英語圏の場合は、女性も様々な職業で活躍していることが多く、活躍する女性を尊敬する文化が生まれていたからと考えられます。
「妙齢」という言葉の使い方
ここでは「妙齢」という言葉の使い方を、「妙齢」を使った例文をいくつか挙げて説明していきます。「妙齢」という言葉のもつ意味を考えながら、ここで紹介する例文で正しい使い方を覚えましょう。
また、「妙齢」という言葉を使う前に、現代では、人々の持つ価値観が多様化しており、「妙齢」という言葉の持つ意味も変化してきていることも考慮しましょう。
例文①
「妙齢」を使った例文で最初に挙げるのは、「あそこの家には妙齢の娘さんがいる」です。この場合の「妙齢」の意味は、使われる場面によって、「結婚適齢期の」あるいは「若い女性」両方の意味が考えられます。
ただ、現代では「結婚」に対する価値観も多様化してきており、必ずしも結婚がいいイメージとは限らないので、「結婚適齢期」という意味で「妙齢」を使うのは失礼になりかねませんので注意しましょう。
例文②
次にあげる「妙齢」を使った例文は「妙齢の女性の多い職場」です。この場合、「妙齢」という言葉の持つ意味は使われる場面や使う人によって「若い女性」という場合と「結婚適齢期」と両方の場合があります。
ただ、どちらの意味で使うにしても、現代では人々の価値観が多様化していますので、使う場合はシーンに応じて考えましょう。
例文③
続いて挙げる「妙齢」を使った例文は「妙齢の女性の1人旅は危険」です。この場合は「妙齢」は、「若い」という意味で使われています。「若い女性が1人だけで旅をするのは危険である」という意味です。
この例文のような「妙齢」の使い方をする場合は、あまり価値観の多様化について考慮する必要はありません。女性の1人旅が危険なのは、ほとんどの方が共有できる考えだからです。
例文④
続けて挙げる「妙齢」を使った例文は、「妙齢の女性の1人暮らし」です。この例文の場合は、最初に挙げた「あそこの家には妙齢の娘さんがいる」という例文と同じく「結婚適齢期」と「若い」という両方の意味を持っています。
しかし、どちらかといえば「若い」という意味の方が大きいと言えますので、相手に失礼になる可能性は少ないですが、誤解されやすいので、あまりこのような使い方はしないほうが無難です。
「妙齢」という言葉を使う時の注意点
今まで述べてきたように、「妙齢」という言葉を使う時には、考慮するべきであるいくつかの注意しなければならない点があります。ここでは、「妙齢」という言葉を使うにあたって、注意するべき点を説明します。
現代では価値観が多様化していることに注意する
昔と異なり、現代では、結婚や若さに対する価値観が多様化しており、人によって異なります。ですので、「妙齢」を「結婚適齢期」という意味で使うと相手に失礼になりかねませんので、十分に注意しましょう。
使わないほうが良い場合には使わない
「妙齢」という言葉を使わないほうが良い場合の項で述べたように、「妙齢」という言葉のもつ意味などから使うのが適切ではない場合があります。そのような場合に使ったりしないようにしましょう。
「妙齢」という言葉は「若い女性」という意味
「妙齢」という言葉は「若い女性」とか「結婚適齢期の女性」という意味を持っています。ただ、現代では人々の価値観が多様化していますので、「妙齢」という言葉を使う時には、使い方に十分に注意しましょう。