エーデルワイスの花言葉の意味
エーデルワイスは7月~9月の夏に咲く花です。白い花が特徴的と思いきや、実は白い部分は花ではなく葉です。そんな美しくも不思議な花、エーデルワイスの花言葉の意味や由来を見ていきましょう。また、エーデルワイスの種類や色、特徴についても紹介します。
全般的な花言葉
まずはエーデルワイスの全般的な花言葉から見ていきましょう。エーデルワイスは見た目がきれいな花ですが、花言葉も同じくらい素敵な意味を持っています。エーデルワイスの花言葉として有名なのは、「大切な思い出」「勇気」の2つです。
あの白い花のように見える葉にぴったりな、「純潔」「高貴」「崇高」といった気高さを感じさせるような花言葉もあります。「初恋」「初恋の感動」という甘酸っぱい花言葉や、「思い出」「尊い記憶」という花言葉も持っています。変わり種だと「忍耐」という花言葉もあります。
海外での花言葉
次に、海外でのエーデルワイスの花言葉を見ていきましょう。海外では、エーデルワイスには「noble courage(高潔な勇気)」「daring(大胆不敵)」という花言葉があります。日本の花言葉よりも凛々しい印象です。
エーデルワイスの花言葉に関する逸話
エーデルワイスの花言葉には、「大切な思い出」や「尊い記憶」といった意味があります。これらの意味の由来となった逸話を2つ紹介します。また、ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』に関する逸話もあわせて見ていきましょう。
登山家と天使の逸話
1つ目はスイスの言い伝えです。地上に興味を持ち、天から降りてきた1人の天使がいました。しかし、予想だにしなかった苦労に疲れてしまった天使は、人の世を離れて山に住みます。そんな天使を見かけた1人の登山家は、なんと天使に恋心を抱くのでした。
登山家は天使に合うために何度も山を登ります。天使にとっては迷惑でしかなかったため、天使は登山家に冷たくします。天使の態度から恋が叶わぬことを悟り、「恋の苦しみから救ってほしい」と天に祈る登山家。それを知った天使は、エーデルワイスの花を残して地上を離れました。
この天使と登山家の逸話から、エーデルワイスは「大切な思い出」という花言葉を持つようになったとされています。なんとも切ない話です。
仲の良い夫婦に関する逸話
2つ目は仲の良い夫婦にまつわる逸話です。ある日、夫が登山するものの、いつまで経っても戻ってきませんでした。夫の身を案じた妻は、夫が登った山に行きました。そこで判明したのは、夫が転落事故ですでに亡くなっていたことでした。
愛する夫を亡くした妻は、嘆き悲しみます。妻は「ずっと夫の側にいたい」と神に願いました。その願いを聞いた山の神の力により、妻はエーデルワイスの花に転じました。妻の願いどおり、夫妻はずっと一緒にいられるようになったのです。
愛する夫をなくし、その思い出を大事にする妻の逸話。これがエーデルワイスの花言葉の1つ、「尊い記憶」の由来になったと言われています。
サウンド・オブ・ミュージックでの逸話
花言葉とは関係ありませんが、エーデルワイスはミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』の劇中歌のタイトルにもなっています。『サウンド・オブ・ミュージック』のミュージカルや映画を見たことはなくても、音楽の授業で『エーデルワイス』を習った人は多くいるはずです。
名曲『エーデルワイス』は、トラップ大佐の祖国オーストリアへの思いが込められた歌です。エーデルワイスはオーストリアの国花です。この歌では、エーデルワイスはオーストリアの象徴です。ドイツに併合される祖国への思いを歌ったのが、この『エーデルワイス』という曲なのです。
エーデルワイスの特徴
日本でもエーデルワイスという名前が有名ですが、和名はセイヨウウスユキソウ(西洋薄雪草)と言います。真っ白なエーデルワイスにぴったりな和名です。そんなエーデルワイスの特徴について、何かご存知でしょうか。
エーデルワイスはヨーロッパで有名な高山植物です。アルプス山脈が生息地として知られています。白い花に見えるのは変形した葉で、苞葉(ほうよう)と言います。本当の花は、苞葉の中心にある黄色い部分です。
ここからは、エーデルワイスの種類・色などの特徴について、詳しく見ていきましょう。誕生花としてのエーデルワイスについても説明します。
日本にある種類は3種類
「セイヨウウスユキソウ(西洋薄雪草)」という和名のとおり、エーデルワイスそのものは日本にはありません。しかし日本にも、同じウスユキソウ属に区分される植物があります。日本では、この種類の高山植物をエーデルワイスと呼ぶことがあります。
日本で自生しているエーデルワイス、すなわちウスユキソウ属は全部で3種類です。岩手県早池峰山(はやちねさん)の「ハヤチネウスユキソウ(早池峰薄雪草)」、東北地方の「ミヤマウスユキソウ(深山薄雪草)」、南千鳥原産の「チシマウスユキソウ(千島薄雪草)」の3つです。
日本では、特に「ハヤチネウスユキソウ」をエーデルワイスと呼ぶことが多いです。また、「ミヤマウスユキソウ」には「ヒナウスユキソウ(雛薄雪草)」という別名もあります。
エーデルワイスの色は白のみ
エーデルワイスの色は白のみです。正確に言えば、色が白いのは花のように見える苞葉(ほうよう)の部分です。苞葉は変形した葉です。エーデルワイスの本当の花は、白い苞葉の中心にある黄色い部分です。しかし、エーデルワイスと言われて思い浮かぶのは、やはり苞葉の白い色です。
プレゼントする時はカゴにアレンジするのがおすすめ
ヨーロッパでは、エーデルワイスは男性から女性にプロポーズのために贈られる花とされています。花言葉は「初恋」「大切な思い出」「尊い記憶」という意味なので、思いを伝えるのに適していると言えます。
しかし残念なことに、切り花のエーデルワイスはあまり売られていません。ドライフラワーのエーデルワイスは売られているので、贈り物にするならドライフラワー一択です。
ドライフラワーの花束も素敵ですが、カゴにアレンジするのがおすすめです。エーデルワイスだけでなく、他のドライフラワーも一緒にカゴに飾りましょう。
エーデルワイスの誕生花は3日間
エーデルワイスは、2月13日、5月1日、8月18日の3日間の誕生花でもあります。誕生花は1つの日に2つ以上設定されています。2月から順番に、エーデルワイス以外の誕生花についても見ていきましょう。
2月13日の誕生花
2月13日の誕生花は、エーデルワイス、ローダンセです。ローダンセの花言葉は「変わらぬ思い」「終わりのない友情」という意味を持っています。ローダンセはドライフラワーとしても人気があります。「憧れ」の花言葉を持つ紫のフリージアも同じ日の誕生花です。
5月1日の誕生花
5月1日の誕生花は、エーデルワイス、スズラン(鈴蘭)、ミツバツツジ(三葉躑躅)です。スズランの花言葉は「再び幸せが訪れる」「純粋」「純潔」「謙遜」で、「純潔」はエーデルワイスと共通する花言葉です。ミツバツツジの花言葉の意味は「節制」「抑制のきいた生活」です。
8月18日の誕生花
8月18日の誕生花は、エーデルワイス、コリウス、クレオメです。コリウスの花言葉は「かなわぬ恋」「善良な家風」「健康」です。クレオメの花言葉は「秘密のひととき」「あなたの容姿に酔う」です。どちらの花も、エーデルワイスと同じく恋にまつわる花言葉を持っています。
エーデルワイスの花名の由来
エーデルワイスの和名はセイヨウウスユキソウ(西洋薄雪草)です。ウスユキソウの特徴は、葉や花を白い綿毛が覆っていることです。この白い綿毛が薄雪のようにみえることが、ウスユキソウの由来です。それなら、「エーデルワイス」の由来は何なのでしょうか。
ドイツ語の高貴な白が由来
ドイツ語では、エーデルワイスは「Edelweiß(エーデルヴァイス)」と表記します。「edel(エーデル)」は「高貴な」「気高い」という意味を持っています。「weiß(ヴァイス)」は白という意味です。すなわち、ドイツ語で「高貴な白」という意味になります。
ちなみに、エーデルワイスの学名は「Leontopodium alpinum(レオントポディウム・アルピヌム)」です。
「Leontopodium(レオントポディウム)」はギリシア語で「ライオンの足」を意味しています。「alpinum(アルピヌム)」は「高山に産する」といった意味で、高山植物であることを示しています。
エーデルワイスの花言葉はプロポーズにぴったり
今回は、エーデルワイスの花言葉や、種類や色などの特徴を見てきました。エーデルワイスは、やはり『サウンド・オブ・ミュージック』の挿入歌として有名ですが、他にも素晴らしい恋愛にまつわる逸話があります。
エーデルワイスの花言葉は「初恋」「大切な思い出」「尊い記憶」という意味で、プロポーズにぴったりです。もし思いを伝えたい人がいるのであれば、エーデルワイスに思いを託してみるといいかもしれません。