常套句の意味とは?
「常套句」という言葉をご存知でしょうか。常套句を辞書で引くと、同じような場面で決まって用いられる言葉、決まり文句といった意味が出ていきます。簡単な挨拶として使う「元気?」や「久しぶり」といった言葉も常套句です。
つまり常套句とは、今までの生活習慣の中で必然的に作り上げられてきた決まり文句ということになります。
常套句と簡単に読むことができない割には使われることが多く、意味を調べられることが多い言葉です。三文字から成り立つ常套句を一つ一つ切り取り、その意味を紹介していきます。
常の意味
常套句の「常」にはどんな意味があるのでしょうか。常には、いつでも変わらなく同じであること、いつでも同じであること、特別でないことといった意味があります。
昔からの習慣や、長く変わらないことを意味する言葉でもあります。日常や正常など、一般的に使用されています。他には「あたりまえ」「一般と違っていない」など例外や特殊ではないことを意味しています。
套の意味
一般的にあまり使われる頻度の少ない「套」という言葉ですが、套にはどのような意味があるのでしょうか。套には同じことを重ねる、ありきたりといった意味があります。
常套句のほかにも、常套語や常套手段といったように同じような状況や場面において使われる、手段や言葉などといった意味合いの表現をするときに使用されることが多い言葉です。単体で使われることは少ないため、なかなか目にする言葉ではありません。
句の意味
「句」とはよく使用されることが多い言葉ですが、言葉の表現の一区切りといった意味があります。二つ以上の単語が連なったときに、まとまった意味を成し、一つの単語と似たような働きをするものとされています。
つまり「常套句とは」常套的な句であることから、常套句はこの三つの意味が合わさり「いつもの決まり文句」といった意味として使われるようになったのです。
常套句の由来
常套句にはどういった由来があるのでしょうか。人はいつもと変わらないありきたりな状態が続くこと、つまり、仕事や日常などのある場面で、いつも同じ言葉を言うようになります。
それを何度も何度も続けることで「ある場面で使われるいつもの決まり文句」という状況が作られ、「常套句」という意味ある言葉として使われるようになったのです。
何気なく使われている「いらっしゃいませ」や「お疲れ様です」といった言葉も常套句であり、現代では常套句はコミュニケーションを円滑にするための手段や知識として使われています。
常套句の特徴
常套句はフランス語でクリシェと呼ばれており、主にネガティブな言い回しとしての意味があります。同じ言葉を乱用した結果として、本来の意味や力、目新しさが失われてしまった語を表しています。
また、表現の仕方や手法、クリシェを使うシチュエーションによってはありふれたものになってしまった対象やサインといったものとしての意味もあります。
日本で使われる常套句には否定的言い回しのみをさす意味はないため、日本の常套句とクリシェは同様の意味はあるものの、近いようで遠い存在です。
決まり文句
常套句はある状況でよく使われる言葉を意味していますが。類義語である「決まり文句」は同様の意味ではありますが、人を限定して発言することが多い言葉です。
少々難しくなってしまいますが、詳しく説明すると決まり文句は「主に常套句を意味しているが慣用句的な言い回し」を意味しているということになります。
つまり常套句と決まり文句は同じ意味の言葉ではありますが、常套句が場面的に使われる言葉とされ、決まり文句は比較的特定の誰かが使用する場合に用いられることが多いとされています。
いつも決まって言う言葉
仕事や私生活で多くの人と出会うことが多い人には「いつも決まって言う言葉」があるのではないでしょうか。「お久しぶりです」や「お世話になっております」などの挨拶はビジネスシーンでも使用される常套句です。
現代ではコミュニケーションを円滑し、信頼度を高める際にも、日常的な常套句やビジネスシーンでの決まり文句はとても必要な言葉になっています。
また私生活では決まり文句を使う方は多くいます。人にものを伝える時や怒る時、何かをお願いする時などに毎回同じセリフを並べている場面は何かと多く存在しています。
自分や身の回りの人にも、気づかない間にいつも決まって言っている言葉があるのではないでしょうか。
常套句の言葉
実際の日常会話で使われている常套句にはどのような言葉があるのでしょうか。またその言葉の意味は知識としてしっかりと理解していますか?何気なく口にしている言葉も常套句かもしれません。
「その言葉いつも言うよね」と聞かれたことはありませんか?それは無意識に発している決まり文句かもしれません。挨拶やビジネスシーンで使われる常套句をまとめました。
挨拶での常套句
新年の挨拶につかわれる常套句として挙げられるのが「あけましておめでとうございます」や「昨年は大変お世話になりました」等です。お祝いの席での挨拶のでは「本日はお日柄もよく」といった出だしから始まることが多いです。
このように知らず知らずとして使っている言葉ではありますが、長い間使われてきており常套句として定着している言葉は数多く存在します。
ビジネスでの常套句
電話や訪問先、メールや手紙での「お世話になっております」といった言葉を使用している方も多いのではないでしょうか。これはビジネスシーンで使われる代表的な常套句です。
「恐縮です」や「恐れ入ります」など、は目上の方に対し、謝罪や感謝を述べたい時に使われる常套句です。ビジネスシーン以外でしたら「すみません」や「ありがとう」といった言葉に代わる常套句といえます。
こういったように、ビジネスシーンでもかなりの数の常套句やそれに似た言い回しが使われています。普段から何気なく使っている言葉はおそらく常套句でしょう。
常套句の使い方
常套句はその言葉がどういった意味で構成されているのか考えずに「この場面ではこの言葉」といった勢いで使われることも多いものです。しっかりとした知識を身に着け、状況に合わせて正しい常套句を使えると大変役に立ちます。
普段から知らず知らずのうちに使っていることも多い常套句の意味や由来について説明してきました。常套句に使い方についての知識はありますか?常套句はどんな場面で使われるのか、実際に例文や言葉の意味を交えて紹介していきます。
例文①
「お世話になります」この言葉を使った例文としては「いつも大変お世話になっております。A社のBと申します。」といった表現になります。すでに何度か顔を合わせていたり、実際にお世話になったことがある相手に使用する言葉です。
ビジネスシーンでの「お世話になります」は「いつも良い関係を取り持っていただきありがとうございます」などといった意味があります。
今までに顔を合わせることがなく、初対面の方に対する挨拶として使用したい場合には「初めまして」といってしまったほうが違和感のない挨拶といえます。どちらもよく使われる常套句です。
例文②
「ご無沙汰しております」という常套句の使い方としては「長い間ご無沙汰しています。本日はありがとうございます。」といった使い方をします。「ご無沙汰」といった言葉には「長い間連絡せずに申し訳ありません」といった意味があります。
その意味の通りしばらく会っていなかった相手や、久しぶりに連絡を取る場合に使われる表現です。「お久しぶりです」といった常套句と同じ意味ではありますが、それ以上に丁寧な表現といえます。
例文③
「大丈夫」という常套句はよく使われますが、これは敬語ではありませんのでどういった言い換え表現になるのでしょうか。同等の意味を持つ言葉としては「かしこまりました」や「承知いたしました」といった言葉があります。
どちらも常套句であり同じ意味を持つ言葉ではありますが、会話に相手によって使い分ける必要があります。
例文④
「人それぞれだよ」といった常套句はよく使われますが、反論や賛成の意見など様々な考え方がある場合や、少数派の意見を尊重したい場合などに使われる言葉です。
会議やSNSなどで反論されてしまった場合の慰めや、否定や肯定ではなく尊重といった意味合いとして使われることが多い常套句です。
常套句を使う際の注意点
常套句をよく使う人には、言葉の意味をしっかりと理解し知識として使用しているものの、自分の意見や考えを言葉にするの苦手な方がいます。反対に常套句の意味を理解せず、知識を持たずにその場その場で使う言葉として軽率に使っている人もいるでしょう。
私生活のみならずビジネスシーンで自分の意見をしっかりと話せる人は、他人からも好印象を持たれます。また軽率に受け答えしてしまい、失敗続きでは良いイメージからかけ離れてしまいます。しっかりと知識をつけることが大切です。
難しい読み方や意味の言葉を使うときに注意
自分が普段から話している言葉一つ一つの意味を調べたことはありますか?間違った意味のまま覚えてしまい、多用している言葉は何かと多いはずです。今回は常套句の使い方や意味について紹介ました。
ビジネスの場や社会では正しい言葉使いを気にする方も多いです。言葉の意味を調べ、しっかりと理解し知識をつけたうえで難しい言葉を使うことが大切です。
常套句は決まり文句という意味
「常套句」には決まり文句という意味があります。今回は常套句についての意味や由来、使い方について紹介しました。
誰しも言葉一つ一つの意味をすべて理解しているわけではありませんが、正しい言葉遣いや正しい意味を理解していれば、コミュニケーションを円滑に図ることにつながります。
これを機に普段から使っている「常套句」の言葉の意味や使い方など、予備知識として調べてみてはいかがでしょうか。