じゃがいもは生で食べれるが注意が必要
じゃがいもと言えば、煮る、焼く、揚げるなどの調理法を思い浮かべる方は多いでしょう。しかし、実はじゃがいもは生でも食べられるのです。じゃがいもはみなさんのごく身近にある食材です。普段何気なく食べているじゃがいも料理も、少し手をかけることで生でおいしく食べることができます。
しかし、じゃがいもは注意しないと食中毒になる危険性も持っています。これから生のじゃがいもの食べ方や、食中毒にならないための注意点などをご紹介します。おいしくじゃがいもを食べるためにも、ぜひ覚えて役立てて下さい。
芽・緑色に変化した部分には天然毒素がある
じゃがいもは生で食べても害はないのですが、じゃがいもの芽や緑色に変色した部分には、ソラニンやチャコニンと呼ばれる天然毒素が含まれています。食べてしまうと、個人差や摂取する量にもよりますが中毒の症状を引き起こす可能性があります。
じゃがいもは食べ方を間違えてしまうと食中毒を引き起こす可能性があります。実は皮にも微量ですがソラニンが含まれています。
ですから、これぐらいなら大丈夫と思わずにしっかりと皮を剥き、芽や緑色の部分を取り除いて調理しましょう。また、ソラニンは加熱してもなくならないので注意しましょう。
食中毒になる危険があるソラニンの量
では、ソラニンをどれくらい摂取すると食中毒になる危険性があるのでしょうか。農林水産省のデータによると、成人で200~400mg、子どもは20~40mgとなっています。
じゃがいもに含まれているソラニンの量から計算してみると、200gのじゃがいもで、大人で10個、子どもで1個以上摂取しなければ大丈夫ということになります。
あまり注意する必要もないように思われがちです。しかし、皮つきのフライドポテトなどの場合、子どもならじゃがいも1個分を食べる可能性は十分にあります。特に子供に食べさせる時には、皮や芽、緑色に変色した部分はしっかりと取り除いてあげるようにしましょう。
じゃがいもで食中毒になってしまった時の対処法
じゃがいもに含まれているソラニンは生でも加熱しても含有量が変わりません。ですから食べ方に注意しないと食中毒を起こす可能性があります。
じゃがいもの芽や緑色に変色した部分を食べてしまったらどうなるのでしょうか。もしも食中毒になってしまったら、いったいどのように対処すればよいのでしょうか。これから食中毒になってしまった時の対処法をご紹介します。
ソラニンの食中毒の症状は20分で現れる
ソラニンを摂取しすぎると食中毒を起こす可能性があります。その場合、摂取してから20分程で症状が現れます。症状は吐き気、腹痛、嘔吐・下痢などの胃腸の不調、頭痛、脱力感、などです。
基本的には軽い症状で済むことが多いのですが、まれに呼吸困難などの重篤な症状を引き起こす可能性がありますので、その場合には早めに医師の診察を受けるようにしましょう。
症状には個人差があるのですぐに病院に
食中毒の症状には個人差があり、症状が軽い人もいれば重い人もいます。その時の体調によっても変わりますので、もし摂取してしまった場合には体調の変化に気を付けて、症状が出た場合には速やかに病院へ行って診てもらいましょう。
特に小さい子共や赤ちゃんが摂取してしまった場合は、自分から体調の変化を伝えることができないので、親の方がよく注意して観察し、少しでも症状がでた場合にはすぐに病院へ行って診てもらいましょう。
生のじゃがいもを食べる時の注意点
じゃがいもを調理する上での注意点として、皮や芽、緑色に変色した部分にはソラニンという天然毒素があるということはお分かりいただけましたでしょうか。
実は、じゃがいもには炭水化物が多く含まれていますが、ビタミン類やミネラル、食物繊維なども多く含まれています。しかし煮たり茹でたりと加熱することによって栄養成分は失われてしまいますが、じゃがいもを生で食べることで失われることなく摂取することができます。
では、じゃがいもを生で食べる時の注意点はいったいどのようなことがあるのでしょうか。これからじゃがいもを生で食べる時の注意点をご紹介します。今までと食べ方を変えるだけで、しっかりと栄養成分を摂取することができるので、ぜひ参考にして下さい。
しっかりと皮をむく
まず1つ目の注意点はしっかりと皮を剥くことです。先ほど言った通り、芽と緑色に変色した部分以外にも若干ですが皮にもソラニンが含まれています。生で食べる時も加熱して食べる時も、もったいないと思わずに、少し厚めに剥くことで安心して召し上がって頂けます。
緑色に変色した部分でなければ、少し食べたくらいでは中毒を起こすことはありません。しかし皮を厚めに剥くことで、芽を取りやすくなるので、厚めに剥くことをおすすめします。
芽の周りまで取り除く
2つ目の注意点は芽の周りまでしっかりと取り除くことです。表面に見えている部分だけではなく、奥の根までしっかりと取り除きましょう。じゃがいもを生で食べる際に芽をしっかりと取り除いておかないと、苦味の原因にもなります。
芽の周りを少し多めに切り取ることで、芽の根まで取りやすくなります。じゃがいもの芽はソラニンの含有量が多いので、取り残さないように気を付けましょう。
緑色の部分を取り除く
3つ目の注意点は、緑色に変色した部分をしっかりと取り除くことです。じゃがいもの芽と同様、緑色に変色した部分にはソラニンが多く含まれています。
また生のじゃがいもを食べる際には、緑色に変色した部分が多いじゃがいもはもったいないと思うかもしれませんが、心配な時は捨ててしまうのも1つの方法でしょう。
生のじゃがいもを美味しく食べる準備
これから生のじゃがいもの美味しい食べ方をご紹介します。まずは鮮度の良いじゃがいもを選びましょう。新鮮なじゃがいもはどんな調理法でも美味しく食べられます。逆に鮮度が悪ければ、どんな調理法であっても美味しい料理を作ることはできません。
次に、カットしたら水にさらすことです。じゃがいもを生で食べる場合には薄くカットしましょう。ウソだと思うかもしれませんが、切り方で味がかなり変わります。それでは各ポイントを詳しく見ていきましょう。
新鮮なじゃがいもを選ぶ
じゃがいもに限らず、食材は新鮮な物ほど美味しい料理を作ることができます。まして生のじゃがいもを食べる際にはできるだけ新鮮なじゃがいもを選びましょう。
新鮮なじゃがいもの見分け方は、まず表面が滑らかであること、次に全体的にふっくらと丸みのあるものです。キズやしわ、くぼみが少ないものを選びましょう。肌がキレイなじゃがいもの方が調理も楽に行えます。
メークイーン以外のじゃがいもは、あまり大きくなく程よい大きさのものを選ぶようにしましょう。また、うっすらとでも緑色になっているじゃがいもは、ソラニンの含有率が高い可能性があるので生で食べる場合以外も避けるようにしましょう。
薄くカットして水にさらす
じゃがいもを生で美味しく食べるための食べ方は、じゃがいもを極力薄く切ることです。そしてカットしたら水にさらしましょう。じゃがいもはデンプン質が多いので、水にさらすことでシャキシャキとした食感をより一層楽しむことができます。
じゃがいもを生で食べるおすすめの食べ方は千切りです。スライサーなどを使って薄く切りましょう。生のシャキシャキとした食感楽しめます。
生のじゃがいものおすすめ食べ方・レシピ
生でじゃがいもを美味しく食べる準備は整いましたか?次は、生のじゃがいものおすすめの食べ方・レシピをご紹介します。普段何気なく使っている野菜でも、調理法を変えることで食卓へのアクセントになります。ぜひレシピを参考にして、生のじゃがいもを食べてみてはいかがでしょうか。
じゃがいものレモン風味サラダ
じゃがいものレモン風味サラダのレシピです。レモンとオリーブオイルの風味が食欲をそそります。2人分の材料です。じゃがいも2個、ブロッコリー1個、ニンジン1/2本、オリーブオイル大さじ1、レモン汁小さじ1、パセリ小さじ1/4、胡椒小さじ1/4、パルメザンチーズ小さじ2、以上です。
まずじゃがいもを千切りにして水にさらし、水が透き通ったらザルに上げます。ニンジンも千切りにし、さっと塩で揉んで水気を絞っておきましょう。ブロッコリーは一口大に切って茹でます。
ボウルにじゃがいも、ニンジン、ブロッコリーを入れ、オリーブオイル、レモン汁、胡椒を加え、混ぜ合わせます。器に盛り、パルメザンチーズをかければ完成です。
じゃがいもの中華サラダ
ラー油を使った辛めの中華風サラダのレシピのご紹介です。材料は2人分です。じゃがいも2個、きゅうり1/2本、ハム3枚、ドレッシングの材料は酢大さじ1、砂糖大さじ1、醤油大さじ1、ゴマ油大さじ1、ラー油適量、白ごま小さじ1です。
作り方です。じゃがいもは皮を剥いて千切りにして水にさらします。ザルに上げ水気をきり、熱湯で30秒ほど茹でて水気を絞ります。きゅうりは千切りにして分量外の塩でもみ、しんなりしたら水気をしぼります。ハムも千切りにして下さい。ドレッシングの材料をボウルにて混ぜ合わせます。
すべての材料とドレッシングと混ぜ合わせ、器に盛れば完成です。ラー油はお好みで加減してください。また市販の中華ドレッシングでも美味しく食べることができます。
じゃがいものナムル
じゃがいものナムルのレシピです。サラダなどと作り方は似ていますが、ゴマ油を加えることで中華風のナムルを作ることができます。
作り方はじゃがいもを千切りにして水にさらしデンプンを抜きます。熱湯で30秒ほど茹でて軽く水気を絞ります。ゴマ油、塩、胡椒、鶏ガラスープの素で和えれば完成です。お好みでラー油を加えることで、味のアクセントになります。
じゃがいもの柚子胡椒サラダ
じゃがいもの柚子胡椒のサラダは食欲をそそるゆずの香りがポイントのりょうりです。それでは作り方をご紹介します。4人分の材料です。じゃがいも5個、枝豆50g、塩昆布適量、白だし適量、マヨネーズ適量、柚子胡椒適量、以上です。
作り方は、じゃがいもを千切りにして水にさらします。ザルに上げ水をきります。枝豆は茹でて水をきります。ボウルに塩昆布、枝豆、白だし、マヨネーズ、柚子胡椒を入れお好みの味に調整します。後でじゃがいもを入れるので、少し濃いめに味付けをしましょう。
水気をきったじゃがいもを加え混ぜ合わせます。器に盛り完成です。柚子胡椒がアクセントになった大人向けのサラダです。食事としても、酒のつまみとしても活躍してくれるでしょう。
じゃがいもの酢の物
じゃがいもの酢の物のレシピです。材料は2人分でじゃがいも100g、カニカマ4本、塩少々、カツオ節少々、万能酢大さじ2、以上です。
まずは万能酢を作ります。酢大さじ5、砂糖大さじ2、醤油大さじ1、ダシの素小さじ1を混ぜ合わせ、沸騰寸前で火を止め完成です。
作り方はじゃがいもの皮と芽を取り除き千切りにし水にさらします。水が濁らなくなるまでさらしましょう。水が透き通ったら水気をきります。次にカニカマを細く割きます。じゃがいも、カニカマ、万能酢、塩を混ぜ合わせ器に盛ります。天にカツオ節をのせて完成です。
じゃがいもの芽が緑の部分の生料理は注意!
今回はじゃがいもについてご紹介しました。じゃがいもは、生でも、煮ても、焼いても、揚げても、美味しく食べることができます。ただ食べる時に皮や芽、緑色に変色した部分をしっかりと取り除かないと食中毒の危険性があります。
食べ方を間違わなければ、色々な料理に使える万能な野菜なので、今回ご紹介したレシピを参考にして、普段とは違った食卓にしてみてはいかがでしょうか。