新居探しの見取り図でよく見る納戸とは?
新居探しをしているとき、間取りに「2LDK+N」のように「N」と書かれた部屋を見ることがあります。「N」とは納戸(なんど)のことで、一見、他の部屋と同じように見えますが、実は居室とは認められていない部屋のことを指します。
収納スペースとして活用する他、最近はリフォームをして書斎や個室として利用する方法もよく見られます。今回は納戸のおすすめの収納方法、実例、注意点、活用アイデアなどについて紹介しましょう。
納戸とは「居室と認められない部屋」のこと
納戸とは、建築基準法で「居室とは認められない部屋」のことで、トイレや洗面室、風呂場などと同じ分類です。見取り図では「N」と書かれていることが多く、サービスルーム、多目的ルーム、ユーティリティルーム、フリールームと呼ばれることもあります。
納戸の広さは様々ですが、一般的には人が歩き回れるくらいの広さがあります。もともと収納スペースとして作られている部屋なので広々としたスペースがあり、ラックや本棚、タンスなどを置くことができます。
納戸は居室ではないので窓がないか、あっても小さく採光には不十分です。その分、日光の影響を受けにくく、家電や食料品、スポーツ用品などを収納するのにおすすめです。
納戸に収納すると良いもの
納戸は小さな収納スペースを持つものから一部屋分の広さを持つものまで、様々なサイズがあります。納戸は普段あまり使わないものを片づけておくのにぴったりのスペースです。
また、アイロン台や掃除機など家事に必要なものを収納しておくのもおすすめです。そうすることによって、リビングや寝室が生活感むきだしになるのを避けることができます。ここでは、納戸に収納すると良いものを実例を挙げながら紹介しましょう。
オフシーズンのもの
納戸に収納するのにおすすめなのは、シーズンオフのものです。衣替えをして、しばらく着ない衣類や靴を収納をしておくといいでしょう。
実例を挙げると、クローゼットには入らないシーズンオフのコートやニット、ジャケット、ブーツなどは、納戸に収納するのにおすすめのアイテムです。
また、かさ張る冬物の布団やシーツなど寝具類、ホットカーペットやストーブ、布団乾燥機なども納戸に収納するといいでしょう。扇風機や除湿機など季節の家電も収納できます。
趣味用品
趣味用品はサイズが大きいものが多く、納戸に収納しておくのにおすすめです。実例を挙げると、ゴルフやスキー、スキューバーダイビングの道具、テニスラケットなどのスポーツ用品なども納戸に収納することができます。
その他、納戸にはテントや寝袋など家族で使うキャンプ用品、趣味で使う楽器、書道や絵画、手芸などの道具なども収納するといいでしょう。
本
納戸は本を収納するのにもおすすめのスペースです。納戸に本棚やラックを置き、読み終えた本や普段はあまり手に取ることがない蔵書などを収納しておくことができます。
本の他、雑誌やアルバム、マンガ、カタログ、参考書や不要になった教科書、ノートなども収納することができます。家の中のあちらこちらにあるこれらのものを一カ所に集めて納戸に収納すると、部屋の中がすっきりするのでおすすめです。
コレクション用品
納戸はコレクション用品を収納するのにもおすすめです。コレクションには様々なものがありますが、実例をいくつか挙げると、切手、CDやDVD、フィギュアなどがあります。
また、レコードや空き缶、ボトル、ルアーなどをコレクションにしている方もいることでしょう。これらのコレクションは、時間が経つほど増えていくので、収納しておくスペースが必要になります。そんな時は納戸に収納しておき、必要な時に取り出すようにするのがおすすめです。
来客用品
納戸に収納するものは、まだ他にもあります。普段、あまり使わない来客用品を収納しておくのもおすめです。布団やシーツ、枕などの寝具は、納戸に収納しておくといいでしょう。
また食器やスリッパ、タオルなども納戸に収納しておくのもおすすめです。後で分からなくならないよう、まとめて収納しておくのがいいでしょう。
納戸収納方法のコツ
納戸は、普段あまり使わないものを収納するスペースで、家電や衣類、日用品、コレクションなど様々な物を置いておくことができます。しかし、広いスペースがあるからと言って何でも収納してしまうと、後で何がどこにあるか分からなくなってしまいます。
そこで必要なのが納戸の収納方法です。いろいろな物を収納する前にきちんと計画を立て、ラックやシェルフ、つっぱり棒などを使ってスペースを作りましょう。ここでは、納戸の収納方法のコツについてお伝えします。
モノを詰め込みすぎない
納戸はクローゼットよりも広く、また奥行きがあることが多く、家電や家具、本棚など様々な物を収納することができます。初めは少しでも、生活していくうちに使わないものが増え、「とりあえず納戸へ収納しておこう」ということが多くなります。
しかし何でも収納していると、納戸は物であふれて来てしまいます。ラックやシェルフを備えても物を詰め込み過ぎると、探すのに時間がかかったり、仕舞ったこと自体を忘れてしまったりします。納戸に収納するときは、あまり物を詰め込まず、整理整頓を心がけましょう。
出しやすく・仕舞いやすくする
納戸の収納方法で大切な点は、出しやすく、かつ仕舞いやすく、常に整理整頓をしておくことです。納戸は個人のスペースであると同時に、家族みんなで使うスペースです。納戸の収納方法のポイントは、家族全員が何がどこにあるか、仕分けをしておくことです。
納戸の収納方法の一つは、まず最初に「誰がいつ使うか」を考えて収納する場所を決めることです。家族全員が使うもの、個人で使うものを分け、それぞれの使う頻度を考えながら置き場所を決めていくと、すっきりと納戸に収納できるでしょう。
利用者の目線に合わせた収納をする
納戸の収納方法で次におすすめしたい点は、利用者の目線に合わせて収納をするということです。収納方法の一つとして、家族全員が使うものは最も取り出しやすい場所へ収納するといいでしょう。子供が使うのであれば、子供が取り出しやすい位置に置くことも大切です。
実例を挙げれば、文房具やおもちゃなどは子供が取り出しやすいよう、引出などに入れて置くのもおすすめです。反対に刃物や工具など、子供には触ってほしくない物は、子供の手の届かない場所へ収納しておくべきです。
よく使うものにはラベリングをする
納戸の収納方法で次に大切なポイントはラベリングです。家族が多ければ、誰でもどこに何があるか分かるよう、はっきりとラベリングをしておきましょう。
納戸に収納したすべての物にラベリングをするのは少し大変ですが、一度ラベリングをすれば、何がどこにあるか分かるようになります。探す時間や他の家族メンバーに聞く時間などが省け、結果的に時間を有効活用することができます。
納戸の収納方法で、特にラベリングが大切なのは書類です。ファイルに入れてきちんとラベリングをしておくことで、家族が必要な時にすぐに取り出すことができます。
収納物は分ける
納戸の収納方法で次に大切なポイントは、収納物をきちんと分類することです。実例を挙げれば、文房具は浅めの引き出し、紙類は重さがあるので下のほうの引き出しなどに仕舞っておくといいでしょう。
また物を細かく分類して収納する方法もおすすめです。乾電池ならサイズ別に、袋類ならポチ袋、慶弔用、御礼用に分けて収納しておくと、必要な時に慌てません。
また、工具や薬など納戸の外で使う予定があるものは、まとめて箱に入れておき、箱ごと納戸の外に運べるようにしておく方法もおすすめです。
おすすめの納戸収納便利グッズ実例
納戸の収納方法のポイントが分かったところで、ここからは納戸の収納方法で役に立つグッズやその実例を紹介しましょう。
無印良品やニトリ、IKEAなどには便利な収納グッズがたくさん販売されています。また、100均にも便利グッズが多く、工夫次第で上手に収納することができます。こちらで紹介する実例を参考に、収納方法を工夫してください。
IKEAのSKUBB
最初に紹介する納戸収納法の実例は、IKEAのSKUBB(スクッブ)収納シリーズです。大小様々なサイズと形があり、ラックに並べたり引出の中を整理したりするのに便利です。また、使わない時は平らに畳んでおけるので場所を取りません。
色は白と黒の2色があり、同じ色で揃えると統一感があり納戸がきれいに見えます。中でもおすめは、SKUBBのボックスです。大きさは幅31cm、奥行き34cm、高さ33cmあり、ちょうど100cmの長さのラックに3個並べることができます。
季節の衣類を仕舞うなど、アイデア次第でいろいろに活用できます。持ち手が付いているので、高い場所に置いても取り出しやすく便利です。
セリアプレンティボックス
続いて紹介する納戸収納法の実例はセリアのプレンティボックスです。シンプルなデザインで使い勝手がよく、様々なアイデアに活用できる収納用品です。組み立ては簡単でテープ不要で作ることができ、使わない時は折り畳めるので場所を取りません。
100均なのでアイテムがよく、数を揃えても安く済むのが嬉しい点です。サイズもいろいろあり、A4サイズ、B4サイズ、コミックサイズ、CDサイズなどが揃っています。A4サイズ以外は、高さが16cmと統一されているので、ラックに並べるときれいに見えます。
セリアのプレンティボックスの注意点は、あまり強度がないので、本など重いものを入れると壊れることがあります。また紙製なので湿気に弱く、適度の換気が必要です。またプレンティボックスは積み上げてしまうと、下の箱が取り出し難くなるので注意しましょう。
ニトリのインボックス
続いて紹介する納戸収納法の実例は、ニトリのインボックスシリーズです。ニトリではお手軽な値段で様々な収納アイテムを販売していますが、こちらのインボックスシリーズは使い勝手がよく、様々な収納アイデアに活用できると人気です。
レギュラーサイズは、幅42cmのニトリのカラーボックスにぴったりと収まります。またハーフサイズや縦ハーフなど全部で4サイズがあり、自由に組み合わせて重ねることができます。
底に小さなキャスターを付けることができるので、ラックに入れた時の出し入れも簡単です。色は6色あり、同じ色で揃えるとすっきりと見えます。
無印良品のファイルボックス
続いて紹介する納戸収納法の実例は、無印良品のファイルボックスです。ファイルボックスという名前が付いていますが、使い勝手がよくアイデア次第でいろいろに活用できます。
無印良品のファイルボックスはポリプロピレン製で、丈夫で長持ちするのが特徴です。シンプルですっきりとしたデザインで、ラックに並べても整然と見えます。A4サイズの書類をはじめ、文房具、トイレットペーパー、ちらばりやすい趣味用品などにも活用できます。
また横に並べて皿やコップを入れたり、タオル入れにしたり、食品やボトルなどを入れたりと、いろいろなアイデアで使うことができます。
セリアフタつき収納ボックス
次に紹介する納戸収納法の実例は、セリアのフタつき収納ボックスです。フタが付いているので、ラックに重ねて収納できるので便利です。
サイズは2種類あり、浅いタイプのMサイズは幅26cm、奥行き19cm、高さ8cmです。深いタイプのLサイズは幅26cm、奥行き19cm、高さ 11.5cmです。フタ付きで100円とコスパがよく、アイデアによって様々に活用できます。
色は白、黒、ブルー、透明、ネイビー、ダークブラウンなど数種類あり、収納したいものに合わせて、色やサイズを組み合わせて使うといいでしょう。
ワゴン
続いてワゴンを使った実例を紹介しましょう。ワゴンは出し入れがしやすいよう、キャスター付きがおすすめです。IKEAやニトリなどで、シンプルで使いやすいワゴンが販売されているので、様々なアイデアで活用してください。
ワゴンには、上で紹介した無印のファイルボックスやニトリのインボックスなどを乗せ、食品や洗剤などのストックを収納するのもおすすめです。また、ワゴンなら楽に移動できるので、少し重い米びつやガラスジャーなども置くことができます。
スチールラック
次に紹介する納戸収納の実例はスチールラックです。スチールラックは、ごちゃごちゃになりがちな納戸をすっきりとまとめてくれる便利なアイテムです。
スチールラックには、小さなものから数段になった大きなものまで、さまざまなサイズのものが出ているので、収納アイデアに合わせて利用することができます。
スチールラックの実例では、ニトリのインボックスや無印のファイルボックスがよく使われています。またセリアのプレンティボックスもおすすめです。
納戸でラックを使う際の注意点としては、納戸の大きさとラックのサイズをきちんと確認してから購入することです。「ラックが大きすぎて納戸に収まらない」「収納したいものがラックに入らない」ということがないようにしましょう。
さらにラックの注意点としては、あまり奥行きにあるラックだと、次から次へと物を入れてしまい、奥の方に置いた物が出し難くなるということがあります。ボックスなどを使って上手に収納することが大切です。
フックやつっぱり棒
続いて紹介する納戸収納の実例はフックやつっぱり棒です。フックやつっぱり棒は様々なアイデアがあり、収納スペースを最大限に活用することができる便利なアイテムです。
つっぱり棒は壁に横にして取り付けて棚にすることもでき、また縦に取り付けてフックを使って服や靴を収納することもできます。つっぱり棒は100均でも販売しており、壁を傷つけることがないので賃貸でも安心して利用できます。
つっぱり棒を収納に利用するときの注意点は強度です。耐荷重量を守らないと落ちてしまうので、重量がある物を収納する時には気を付けてください。
収納だけじゃない!納戸のおすすめ活用アイデア
納戸の実例を紹介しましたが、納戸は収納スペースだけではなく、様々な活用ができます。納戸の活用アイデアとしては、書斎スペースや読書スペースなどがあります。また大きな納戸でしたら、部屋の一部としても利用することができます。
ただし納戸はもともと収納スペースとして作られたスペースなので、窓やコンセントがないこともあります。注意点がいくつかあるので、よく考えてから利用するようにしてください。
収納スペース
納戸はもともと収納スペースとして作られているので、普段使わないものを収納するスペースとして利用するのがおすすめです。初めは少しでも暮らしていくうちに物が増え、特に子供が生まれると部屋が物であふれてきます。そんな時に納戸があると、物を保管できるので、部屋がすっきりします。
また納戸をパントリーとして使っている実例もあります。キッチンに入りきれな食品のストックや調理器具などを収納しておくのにおすすめです。その他、掃除機やアイロン台など、日々使うものを収納しておくのもいいでしょう。
書斎スペース
もし納戸の広さが2畳から3畳あれば、書斎スペースとして活用することができます。狭くてもいいから自分一人のスペースが欲しいという方が納戸を書斎にしている実例がよくあります。
納戸にデスクを持ち込み、ラックを置いたり壁につっぱり棒で棚を作ったりするだけで、落ち着いた書斎スペースにできます。あえてドアを取り外して、開放的な空間にすることもできます。
納戸が3畳あれば、りっぱな書斎スペースになります。少し大きめのデスクを入れ、趣味のワークスペースにしたり、インテリアを工夫して読書スペースにすることもできます。
お部屋の一部として利用
広い納戸がある場合は、お部屋の一部として利用することもできます。特に屋根裏に納戸がある場合は、読書スペースや昼寝スペースなどに活用することができ、納戸というよりはお部屋として使うことができます。
また小さな納戸は子供の勉強スペースにもおすすめです。狭い空間なので、気が散ることが少なく、勉強に集中することができます。
納戸を部屋の一部として利用したい場合は、リフォームするのもおすすめです。納戸とリビングを一体化して広いスペースにすることもできます。また、納戸の壁を取り払い寝室と一体化して、ワークスペースにするのもいいでしょう。
納戸収納・活用の注意点
納戸の収納方法や活用方法を実例とともに紹介しましたが、納戸を使う時に注意点がいくつかあります。収納スペースとして利用する際はもちろん、書斎スペースとして利用する際にも注意点があるのでお伝えしましょう。
カビに注意
納戸の注意点としてまず挙げられるのは、納戸は居室とは認められていないスペースなので、窓がなくあっても小さく、風通しが悪いことです。そのため湿気がこもりやすく、カビが生えやすいという注意点があります。
またエアコンが備わっていないことが多く、換気がしにくいという注意点もあります。書斎として利用するには、湿度や温度管理が必要です。
コンセントがない
納戸の注意点にはもう一つ、コンセントがないということがあります。書斎や子供部屋として納戸を利用する際、コンセントがあったほうが便利です。コンセントがないと、パソコンを持ち込んで仕事をしたり、ワークスペースとして利用したりするのが難しいでしょう。
納戸を部屋として活用する際には、以上のような注意点を考えましょう。コンセントがない場合は、思い切って納戸をリフォームするのもおすすめです。リフォームすることによって、注意点がなくなり使い勝手がよくなります。
納戸収納を上手に活用して生活スペースを広げよう!
納戸はアイデア次第で様々に活用できる便利なスペースです。ここでは収納方法のアイデアや実例などを紹介しました。また、書斎スペースや部屋の一部として利用する際のアイデアや注意点なども紹介しました。納戸を上手に利用して、快適な暮らしを楽しんでください。