生ハムのカロリーは高い?ダイエット中も食べれる?
ダイエットにはカロリーや糖質の高摂取が天敵です。生ハムのパッケージに表示されているカロリーは、247kcalと確かに低カロリーというわけではありません。しかし表示されているカロリー量は100gあたりのカロリーなので勘違いをする方が多いのです。
市販されている生ハムは通常1パック50g〜70g入りが多いので、1パック全部食べても表示されているカロリーを摂取したことにはなりません。また生ハムは超薄切りで味もしっかり付いているので、生ハムだけをむしゃむしゃと食べることはほとんどありません。
生ハムは味が濃いので他の野菜などと合わせて食べることが多い食品です。つまり実際に食べる量や摂取するカロリーは意外に少ないのでダイエット中でも工夫すれば食べることができるおすすめの食品です。
生ハムのカロリーと糖質
生ハムは豚肉を塩漬けにして燻煙(くんえん)し、低温で1〜2年間熟成させた食品で、通常はそのまま火を通さずに薄切りにして食べます。原材料が豚肉そのものなので、ダイエット中の人には当然カロリーが気になります。
カロリーとは食品を食べた時に発するエネルギー量(熱量)のことで、人が1日に必要とするカロリー以上に摂取すると体内で脂肪に変化して蓄積され肥満の原因になります。このカロリー(エネルギー)を作る栄養素が糖質と脂質とタンパク質です。
このうちタンパク質のカロリーは体の筋肉や組織を作るのに使われますが、糖質と脂質のカロリーは体を動かすエネルギーなので糖質と脂質を必要以上に摂取すると体脂肪として蓄積されダイエットの敵になります。それでは生ハムのカロリーと糖質などの栄養素を調べてみましょう。
生ハム100gあたりのカロリーと糖質
カロリーは通常100gを摂取した時のエネルギー量「kcal(キロカロリー)」で表示されます。糖質などの栄養素は100g中に含まれる重さ「g(グラム)」で表示されます。
生ハム100gのカロリーは247kcal、糖質0.5g 脂質6g、タンパク質24gとカロリーは決して低いほうではありませんが、糖質は0.5gと低い値です。生ハムは肉類なので脂質やタンパク質は多くなります。
しかしこの成分表はあくまで生ハム100gを摂取した時の値で1枚(約6g)のカロリー量ではありません。ダイエットでは実際に摂取する量と運動で消費するエネルギー量とのバランスが大切です。
ハム・ベーコン・ソーセージとの比較
それでは生ハム以外の肉製品100gと比較してみましょう。ロースハムのカロリーは196kcal、糖質1.3g、脂質9g、タンパク質10gでカロリーとタンパク質は生ハムより低いけれど糖質と脂質は高い数値です。
ベーコンではカロリーが405kcalとかなり高くなりますが、糖質は逆に0.3gと低いです。しかし脂質は39.1gとかなり高く、タンパク質も12.9gと高い数値です。ウインナーソーセージはカロリーが321kcal、糖質3.0g、脂質13g、タンパク質5gでタンパク質以外は生ハムより高い数値です。
これらの肉製品はメーカーによってデータにバラツキはありますが、およその目安として捉えてください。ダイエット中の人はカロリーと糖質をよく気にしますが、脂質もかなり影響するので注意しておきましょう。
生ハム1枚のカロリー・糖質は?
ここまでは100g中に含まれるカロリーと栄養素を比べてきましたが、生ハム1枚当たりのカロリーと糖質を調べてみましょう。生ハムは薄切りにしてあるので1枚の重さは約6gです。
1枚当たりのカロリーは、100gで247kcalなので6g(1枚)では約15kcalになり糖質は100gで0.5gなので6gでは約0g(厳密には0.03g)になります。長期熟成した生ハムでは水分量が減るので多少高い数値になります。また逆にメーカーにより水分の多い製品では低くなります。
ロースハムは1枚約10gくらいなので1枚当たりのカロリーは19.6kcalで生ハムより高くなります。つまり100gで比べると生ハムの方がカロリーは高いのですが、1枚当たりで比べると生ハムの方が低くなります。
生ハムはダイエット中もおすすめ?
平均的な成人の1日の摂取カロリー量(基礎代謝量)は1800kcal〜2200kcalと言われています。もちろん個人差があり男女・年齢・体格や運動量によっても変わりますが、この基礎代謝量以上のカロリーを摂取すると体内に皮下脂肪として蓄積されてダイエットの敵になります。
つまりダイエットするとは基礎代謝量以下の食事制限をするか、運動量を増やしてエネルギーを消費することです。しかし過激な食事制限をすれば体重は減りますが体調に変調をきたす恐れもあります。
生ハムは100g中のカロリーが比較的高い食品なので、ダイエットには向かない食品なのでしょうか。実は意外にも生ハムはダイエットに効果的なおすすめの食べ物なのです。それではダイエットという観点から生ハムのカロリーや栄養素を分析してみましょう。
カロリー・糖質が低い
生ハム100gでみれば確かに247kcalもあるので、カロリーが低いとは言えませんが、実際には薄切りにしてあり1枚が5〜6gで味付けもしっかり付いているので1日に100g(17〜20枚)も食べることはまずできません。
生ハムは味付けが濃いのでカロリーの低い野菜やフルーツなどと一緒に食べることが多いので結果的に摂取するカロリーは低くなります。また糖質も100g中に0.5gしか含まれていないので実際に摂取する糖質はゼロに近くなります。
つまり生ハムは実際に食べる量では、カロリーや糖質が低くダイエットに効果があるおすすめの食品と言えます。野菜だけ食べてダイエットをしようとすれば栄養障害やストレスがたまります。ちょっと肉類を食べたい時に無理なダイエットを解消するためにも生ハムは優れた効果を発揮します。
タンパク質が高い
ダイエットは単に痩せることが目的ではありません。健康的でスリムな体型を作るのがベストです。そのためにはカロリーや糖質を抑えながら筋肉や臓器を作るタンパク質が必要になります。
生ハムには100g中24gと他の肉製品と比べると非常に豊富なタンパク質を含んでいるのがダイエットにおすすめの理由です。タンパク質を多く含む食品には鶏のささみやローストビーフ、牛もも肉などがありますが、生ハムはそれらより高いタンパク質を含んでいます。
もちろん食べる量は違いますが、他の肉類では同時に多量の脂質も摂取することになりカロリーオーバーになります。生ハムは少量で効率よくタンパク質をとれ脂質や糖質が少ないのでダイエットにおすすめの食品と言えます。
生ハムのダイエット・健康効果
生ハムのダイエットのおすすめの理由には、高タンパクというだけでなく健康に与える効果があります。タンパク質は体の筋肉や臓器を作る大切な栄養素で肉類に多く含まれています。成長期の若者には多量に必要ですが、ある程度年齢が進んだ成人の場合には少量で質の良いタンパク質の摂取が必要になります。
タンパク質の中に含まれるアミノ酸の質によっては、過剰摂取によりコレステロールなど成人病やモタボの誘発にもつながります。つまりタンパク質の質がダイエットに影響するのです。それでは生ハムの栄養効果を検証してみましょう。
便秘解消効果
便秘は健康にもダイエットにもよくありません。ところが生ハムにはオレイン酸が含まれているので便秘の解消に効果があります。オレイン酸とはオリーブオイルの原料になる物質です。
オリーブオイルが健康に良いオイルと言われるように、生ハムのオレイン酸は腸の動きを活発にし胃液の分泌を促し消化を促進してくれるので便秘が解消されやすくなります。
疲労回復効果
生ハムにはビタミンB1が含まれていて疲労回復や美容にも効果があると言われています。ビタミンB1は疲労するとたまる乳酸を減らす効果があるので疲労回復に効果があるのです。
またビタミンB1は食欲不振や手足のしびれ、むくみなどを解消するので美容にも効果があります。ビタミンB1は水溶性なので洗ったりすると流れ出してしまいますが、生ハムは洗うことがないのでそのまま摂取することができます。
血液サラサラ効果
もう一つ生ハムに含まれるアミノ酸には、血液をサラサラにする効果があります。アミノ酸はタンパク質を構成する要素ですが、生ハムには他の肉製品と比べるとアミノ酸の量が格段に多いのです。
アミノ酸は。健康に良いだけでなく食品を旨くする効果があります。また。タンパク質は熟成するとアミノ酸が増えると言われています。熟成した肉が旨いのは、アミノ酸が増えているからです。生ハムは、塩漬けの豚肉を燻煙して1〜2年も長期間熟成した食品なので、アミノ酸を多量に含んでいます。
生ハムのダイエット中におすすめの食べ方
ダイエットはスリムな体型を作るのが目的ですが、活力が減退する不健康なダイエットはおすすめできません。生ハムはタンパク質が豊富で糖質が少ないダイエットにはおすすめの食品ですが、食べ方によっては逆効果になる場合があります。
生ハムは100gあたりのカロリー量や脂質は決して低いものではありません。むしろ高い部類の食品なので食べ方に注意しないとカロリーを取り過ぎてしまうことにもなりかねません。それではダイエット中におすすめの食べ方を紹介します。
生野菜と一緒に食べる
生ハムはしっかり味が付いているので、生野菜と一緒にサラダで食べるのがおすすめです。野菜類は低カロリーで豊富なビタミンやミネラルを含んでいるのでダイエットにも健康にも非常に良い食べ方です。
ただしドレッシングは要注意です。市販のドレッシングオイルやマヨネーズはカロリーが高いので、オリーブオイルと白ワインビネガーでシンプルな手作りがおすすめです。
オリーブオイルに含まれるオレイン酸はコレステロールを減らす作用があり、味がシンプルなので生ハムの塩気と旨味で野菜をたっぷり食べることができます。ダイエットに効果的な食べ方です。
果物と一緒に食べる
生ハムは塩分が効いているので、フルーツの甘みとよく合います。生ハムメロンが有名ですが、そのほか桃、柿、パインなどもよく合います。ただ果物には野菜より糖分(糖質)が多いので美味しいからといって食べ過ぎには注意しましょう。
一般的に果物も低カロリーなのでダイエットにおすすめの食べ方なのですが、中にはカロリーが高いものがあります。特にアボガドやバナナは高カロリーなので食べ過ぎないように注意しましょう。
低カロリーの生ハムの注意点
生ハムは1枚当たりや食べる量で換算すれば低カロリーなのですが、もともと持っているカロリーは低い食品ではありません。つまり食べ方に注意しないと高カロリーを摂取してしまう可能性がある食品でもあります。
生ハムは高タンパクですが、同時に脂質や塩分も多く含んでいます。それでは生ハムを食べる時の注意点をこれから紹介します。
塩分が多く食欲が増進
生ハムは塩漬けの豚肉なので、塩分や旨み成分のアミノ酸を多く含んでいます。塩分には食欲を増進させる効果があり、旨み成分のアミノ酸との相乗効果で食べ過ぎにつながる可能性があります。塩分は高血圧にもよくないので塩分量を制限している人は要注意です。
また生ハムそのものをたくさん食べなくても、塩分が多いことでご飯やパンなどの炭水化物(糖質)をつい多めに食べてしまいます。そのためには前述のように野菜やフルーツを合わせる食べ方で塩分を感じさせないようにすることが大切です。
腹持ちが悪くすぐお腹がすく
生ハムは炭水化物(糖質)の量が低いために消化吸収が早く、腹持ちが悪くすぐにお腹がすいてしまいます。お腹がすいて間食が増えてはダイエットを台無しにしてしまいます。
それを防ぐには適度な量の炭水化物(ご飯・パン・パスタ)を一緒に食べることをおすすめします。ただし過度な量にならないように注意しましょう。
生ハムは脂質も高い
生ハムは糖質は非常に少ないのですが、タンパク質や脂質は多く含んでいます。生ハムの脂質はオレイン酸を中心にした良質の不飽和脂肪酸で便秘解消やコレステロール値を下げる効果があります。
しかし脂質はカロリーが高いので食べ過ぎはダイエットにはよくありません。生ハムの脂質が良質で体に良いといっても食べ過ぎはよくないので注意しましょう。
生ハムは低カロリーでも食べ過ぎには注意!
ここまでの記事で、生ハムが低カロリーで糖質がほとんどなくダイエットにも向いています。旨み成分のアミノ酸が豊富なので美味しい食品であることがお分りいただけたのではないでしょうか。
しかし生ハムは塩分や脂質も多いので食べ過ぎには注意しましょう。昔から健康には「腹八分目」と言われるように、美味しいからといって食べ過ぎてしまうと体に悪影響を与えてしまうので注意しましょう。