換気扇からのうるさい音は故障とは限らない
換気扇は普通に使っていてもある程度音はしますが、うるさい異音が発生する場合は、故障でもしたのかと考えることもあるでしょう。確かに、故障というケースもありますが、すべてがそうだとは限りません。そこで、その原因を詳しく見てみましょう。
換気扇からうるさい音がする原因
換気扇からうるさい異音が発生すると、かなり気になります。通常よりも大きな異音だと、いったいどうしたのだろうかと不安にもなります。なんとかしたくもなるでしょうが、まずはその原因を探ってみましょう。
油汚れによる異音
換気扇の異音の種類によって原因が違います。「ブォー」「ゴー」という異音なら、油汚れの可能性があります。換気扇が油で汚れると、回転のバランスが少し乱れることがありますが、それが原因でこのような異音となる場合があります。
換気扇のうるさい異音の原因が油汚れの場合、故障ではありませんから修理の必要はないです。それよりもきれいに掃除して油汚れを取ることの方が重要です。それで異音が収まればOKです。
特にキッチンの換気扇は油まみれになることが多いです。料理で油を使うこともあるでしょうからやむをえませんが、できるだけ清潔に使うようにしましょう。
オイル不足による異音
換気扇の異音が「キュキュキュ」「チチチ」のような感じで発生している場合は、オイル不足ということも考えられます。換気扇の軸部分にはオイルが必要で、それがあって初めてスムーズに回るようになります。
この場合も故障ではありませんから、潤滑油を軸部分に塗れば解決します。潤滑油の購入先は、ホームセンターや通販サイトなどです。塗り方は換気扇の羽を取り外し、軸部分を対象にします。ただ、塗りすぎないようにしましょう。
塗りすぎたからと言って、効果が上がるというわけではなく、状況は同じです。むしろ塗りすぎると、換気扇の回転時に油が飛び散り、かえって周囲が汚れてしまいます。
軸ズレによる異音
換気扇が「カラカラから」「カカカ」とうるさい感じがする場合は軸ずれかもしれません。これは換気扇の変形や破損が原因で起きる現象で、この場合はお手入れだけでは済みません。専門家に一度見てもらう必要があり、場合によったら羽根を交換しなければいけません。
軸ずれが起きた換気扇をそのまま使い続けると、本体も故障してしまう場合があります。そうなれば、羽根の交換だけではなく、軸部分の修理もしなければいけないので、うるさい異音がしておかしいと思ったら、使わないようにしましょう。
換気扇内部のサビによる異音
換気扇のモーターはさびることがあります。そのさびが原因で、「ジー」という異音が発生することがあります。特に浴室の換気扇は湿気が多いところにあるので、さびやすいです。
換気扇に水滴が付いている状態で使い続けるのは良くありません。さびが生じやすくなり、異音の原因となります。また、カバーの内側に結露水が溜まり、そこからさびにつながることもあります。
経年劣化による異音
換気扇だけではありませんが、どんなものでも長い間使っていると経年劣化してきます。換気扇の場合は寿命が10年と言われていますが、これくらい時間が経過するとどうしても傷みやすくなります。その場合は、交換の必要がありそうです。
経年劣化の場合、故障ではありませんから修理の必要はないでしょう。異音がして古くなったかなと思った時に交換すれば大丈夫です。早めに対処すれば、大ごとにはなりません。
羽根が傷んでいる
換気扇の羽根が傷んでいたり欠けていたりすると、うるさい異音が発生する場合があります。これは扇風機のようなファンでもあることですが、羽根が一部でも壊れていると、かなりうるさい音がします。
この場合は、故障ではないので、羽根の交換をすれば済みます。と言っても、羽根だけでは入手できない場合もあるので、枠と一緒に購入する場合が多いです。新品の羽根については、電気屋さんに相談してみましょう。
モーターが故障している
換気扇のモーター故障が原因で、異音が生じることがあります。この場合は、換気扇の羽根の交換をしても直りませんから、モーターの修理を電気店にお願いすることになります。少し出費が大きくなりますが、使えない状態のままでは困りますから致し方ないでしょう。
モーター故障の場合、異音がするだけでは収まらず、そのまま動かなくなってしまう場合があります。そうならないためにも、異音に気づき自分では対処できなさそうだと感じたら、早めに修理を依頼しましょう。
異音だけでは判別ができない場合も
換気扇の異音の種類による原因のチェック方法をいくつか見てみましたが、音だけでは正確な判別ができない場合があります。その場合は、まず取り外してみて汚れがないか確認してみるといいでしょう。汚れている場合は、掃除をすれば解決します。
ほかに原因がありそうな場合は、自分では確認できないこともありますから、専門業者を呼んで、調べてもらうといいでしょう。その結果、故障で修理が必要ということなら、そのまま依頼してください。
換気扇からうるさい音がする時の対処法
換気扇からうるさい異音がする場合、どのように対処したらいいのか考えてみましょう。対処法は原因ごとに違いますが、適切な対処を早めにすれば、これまで通り快適に換気扇を使えるようになるでしょう。どんな対処法があるでしょうか。
掃除をする
換気扇のうるさい異音の正体が、油汚れやほこりにあると思われる場合は、掃除をすればいいです。これでうまく異音が収まる場合が多いです。具体的な換気扇の掃除方法は後程紹介しますが、きれいになれば音も静まり、キッチンでも浴室でもトイレでも気分良く使えます。
ただ、掃除をしてもうるさい異音が収まらないという場合もあります。その場合は、別の原因を探って、別の対処法を講じる必要があります。どのような対処法があるかは以下に紹介しましょう。
潤滑油をさす
換気扇の潤滑油不足で異音が発生している場合は潤滑油を塗れば済みます。潤滑油にはオイルタイプやスプレータイプなどがありますが、選び方のポイントは長期間効果を発揮するものを購入することです。そうすれば何度も潤滑油を塗らなくて済みます。
潤滑油が選べたら今度は塗る番ですが、やったことがないという人が大半でしょう。そこで、換気扇への潤滑油の塗り方を簡単に解説します。まず、換気扇に潤滑油を塗る時は、掃除をしてからにします。モーター部分をはじめ、ついでにフィルターやファンもきれいにしておきましょう。
潤滑油を塗る前に、モーターの状態を確認しておいてください。もしさびや焦げ付きがあると、潤滑油を塗っても効果が十分に出ません。むしろそのような状態で使い続けると、発火や故障の原因となる場合があり、修理の必要性も出てきます。
肝心の潤滑油の塗り方ですが、換気扇を分解し、手前に突き出た軸に塗ります。この軸が換気扇の回転に最も重要な部分ですから、しっかり塗ります。ただ、塗りすぎる必要はありません。塗りすぎると、飛び散ってしまい周囲が汚れます。
もう1か所潤滑油を塗る場所があります。それは、ファンの軸です。ここにも塗って、相乗効果により換気扇の回転をスムーズにします、そうすれば、うるさい異音も発生しにくくなります。
部品を交換する
掃除をしても潤滑油を換気扇に塗っても、異音が収まらないケースがあります。その場合は、軸ずれ、ファンの破損や変形などが考えられます。そのような時は部品を交換した方がいいことも多いです。
部品の交換は自分ではうまくできないでしょうから、専門業者に依頼してください。新しい換気扇の部品を買って、無理に取り付けようとして壊してはいけませんから、専門業者に依頼する方が無難です。部品まで交換すれば、異音がなくなる可能性が高いです。
修理業者に頼む
換気扇のモーターなどが故障している場合は、部品交換だけでは済みません。交換しても異音は収まらず、やがて停止してしまいます。故障という場合は自分では手が下せませんから、修理業者を呼びましょう。
信頼できる修理業者なら、丁寧に修理してくれて元のように戻してくれます。修理代もそれほど高額にならないように配慮してくれるでしょうから、思い切って頼んでみましょう。修理さえすれば、ほぼ確実に異音は消えます。
換気扇のうるさい音がした時の掃除方法
換気扇からうるさい異音がした時の最初の対処法は掃除ですが、その具体的な方法を解説しましょう。換気扇の掃除をめったにしないという家ではかなり汚れているでしょうから、入念に掃除する必要があります。
換気扇の掃除は、タイプや設置場所によって異なります。どの種類も同じように掃除をすればいいというのではなく、少しずつ違う手法が必要です。その手法を見てみましょう。
風呂場の換気扇のつけおき洗いの方法
風呂場の換気扇から異音がする場合の掃除方法から見てみましょう。まずブレーカーを切って、感電や予期せぬ回転を防止します。次にフィルターとファンを外します。ファンがうまく外せない場合は、掃除機で汚れを吸引します。
外れた場合は、中性洗剤をスポンジに含ませて、丁寧にこすりましょう。中性洗剤を吹き付けて30分ほどつけ置き洗いしてからにすると、効果が倍増します。つけ置き洗いの方法ですが、シンクにゴミ袋を張ります。
続いて40度から50℃くらいのお湯を入れます。中性洗剤を入れます。袋をもみ、かき混ぜます。そのままつけておき、後はこすり洗いです。掃除が済んだらよく乾かしましょう。
台所の換気扇のつけおき洗いの方法
台所の換気扇から異音がした場合の掃除方法もつけ置き洗いの仕方も風呂場の換気扇と大きくは変わりません。ただ、台所の換気扇にはしつこい油汚れが付着する場合があるので、さらなるお手入れをした方がいい場合があります。
そのお手入れ方法は、水100mlと重曹200gを混ぜて重曹ペーストを作り、汚れがひどい部分に塗って、1時間そのままにしておきます。1時間経ったら、要らなくなった歯ブラシなどでこすり洗いをして完了です。やはりしっかり乾燥させてください。
油汚れにはオキシクリーンが有効
台所の換気扇が油汚れで異音が発生している場合に効果がある酸素系漂白剤があります。オキシクリーンという商品で、粉末をお湯に溶かして、つけ置き洗いするだけでかなりきれいになります。
ただ、アルミ製の換気扇では変色したり錆びたりすることもあるので、使用しない方がいいでしょう。それ以外の換気扇の油汚れはしっかり落ちますから、良さそうだと思ったら使ってみてください。これで異音がばっちり消える場合もあります。
換気扇の外し方
異音がする換気扇を掃除する場合、取り外す必要がありますが、そのやり方を見てみましょう。換気扇の外し方は、プロペラ式かシロッコファン式かで違います。まずプロペラ式の外し方ですが、構造がシンプルなので簡単です。
プロペラ式の場合、最初にカバーと枠を外します。続いて、片手で羽根を押さえ、もう一方の手で中心のつまみを回していけば、外れます。なお、換気扇の種類によって外し方が変わる場合があるので、取り扱い説明書を確認してください。
シロッコファン式の場合もまずフィルターやカバーを外します。次にねじを外し、ファンを引っ張り出せば、完了です。シロッコファン式の場合少しやりにくい部分がありますが、落ち着いて外せば大丈夫です。
換気扇のうるさい音・異音を予防するための掃除方法
換気扇にうるさい異音が発生してから掃除しても解決する場合がありますが。どうせなら異音が出る前からお手入れを行っていきたいところです。つまり異音の予防ということですが、どのように掃除していけば異音が出ないようになるでしょうか。
週に1度は簡単な掃除をする
換気扇の異音防止策として、週に1回くらいは簡単な掃除をしておきましょう。分解までしなくても、付着したほこりや汚れを台所用洗剤を沁み込ませた布やスポンジで拭き取るだけでも効果があります。これだけでも定期的に行うと、異音が発生しにくくなります。
4~6か月に一度は丁寧に掃除をする
ただ、換気扇の簡単な掃除だけでは、いつかは汚れもひどくなり、異音が発生しやすくなります。異音があれば非常に不快でしょうから、今度は4~6か月に一度は丁寧に掃除をしましょう。換気扇掃除は1年に一度大掃除の時だけという家もあるでしょうが、頻度を多くしてみましょう。
4~6か月に一度丁寧に換気扇掃除をすると、かなりきれいな状態が続き、異音が出にくくなります。汚れやほこりの原因以外の異音は掃除では防げませんが、防げるものは自分で工夫して防ぐといいでしょう。
あまりに汚れがひどく異音が発生している場合
換気扇の汚れがあまりにひどく異音が発生するなら、クリーニング業者に掃除を依頼するのも一つの手です。クリーニング業者なら、丁寧に効果的に掃除をしてくれて、異音発生の原因を取り除いてくれる可能性があります。お金は掛かりますが、検討の余地ありです。
クリーニング業者に換気扇掃除を依頼した場合、種類や場所にもよりますが、1回15000円くらいします。自分でやるよりは出費が大きいですが、業者の場合、素人が手に届きにくい部品や部分の掃除もしてくれるので、ピカピカになります。
これで異音も防げるし、清潔な状態で換気扇も使えるしで一石二鳥です。換気扇の異音はかなり気なるものですから、できるだけ手を尽くして防止しましょう。自分で無理なら、業者に任せた方がいい場合も多いです。
換気扇からのうるさい音の対策には掃除が近道!
ここまで、換気扇からうるさい異音がする原因、対処法などについて解説しました。換気扇から異音がする原因はいろいろ考えられ、対処法もいくつかあります。ただ、日ごろから掃除をよくしてきれいにしておくと、異音を防ぐ近道となります。