クロスバイクのタイヤ交換ってどうやるの?
クロスバイクは、マウンテンバイクとロードバイクの良いところを掛け合わせた万能な自転車です。変速ギヤが多いので小さな力でも前へ進み、軽量なのでスピードもしっかりでます。タイヤが通常より太めなのでクッション性が高く、乗り手への負担が小さくて済みます。
クロスバイクは通勤通学などの普段使いや、休日のサイクリングにも使用できる万能な自転車となっています。そんなクロスバイクですが、使用しているとタイヤは摩耗と劣化が進んでいきます。乗り手の安全を守るにはタイヤ交換は必須のメンテナンスとなっています。
クロスバイクのタイヤ交換はどのように行えばよいでしょうか。タイヤ交換のメンテナンスはなぜ必要なのか、頻度と目安、そして必要な道具と交換方法を踏まえ紹介していきましょう。
クロスバイクのタイヤ交換の必要性
クロスバイクを使用しているとタイヤは摩耗と劣化が進んでいきます。最近では通勤通学でクロスバイクを使用している方も多いです。クロスバイクは、時間通りに到着するための重要な移動手段となっています。
通勤通学ではクロスバイクを毎日使うことになるため、乗り手の安全を確保することがとても重要なことになります。特に路面に接するタイヤは気に掛けなければならないパーツです。
クロスバイクのタイヤ交換はなぜ必要なのか、どのようなタイミングで行えばよいかメンテナンスの頻度と目安を具体的に紹介していきましょう。
安全な走行のために必要
クロスバイクのタイヤ交換は、乗り手の安全走行のために必要なメンテナンスです。なぜなら、タイヤ交換をおこなわないとタイヤ表面の摩耗や劣化によって走行中のスリップやパンクなどを引き起こす可能性があるからです。
クロスバイクはスリップしてしまうとすぐには止まれず、転倒もしくは道路へ飛び出してしまい車や歩行者へ衝突してしまう危険性が生まれます。
次にクロスバイクのタイヤがパンクしてしまった場合を考えてみましょう。例えばサイクリング中であったならば、林道に自転車修理をおこなってくれるお店など皆無の可能性があり、道中クロスバイクを押して戻ることにもなりかねません。
クロスバイクのタイヤ交換は、乗り手が継続的な安全走行をするために重要なメンテナンス項目といえるのです。自分だけの問題ではなく、相手を危険に晒してしまうことも考慮しなくてはなりません。
摩耗してきたら交換する
クロスバイクのタイヤ交換の頻度の目安として摩耗があります。タイヤの摩耗とは、走行を繰り返しているうちにタイヤの表面が削れて溝が無くなっている状態を指します。
タイヤの摩耗は走行距離が長ければ長いほど進んでいくものです。タイヤが摩耗すると路上の突起物によってタイヤがパンクしてしまう可能性や、雨天時の走行によってスリップを引き起こしてしまう場合が考えられます。
クロスバイクのタイヤの表面を確認し、溝が無くなっている場合はタイヤ交換のメンテナンスが必要です。乗る前や乗り終わったあとにタイヤの溝を確認するようにしましょう。
クロスバイクのタイヤは種類によっては元々溝がないものがあります。そのようなタイヤにはスリップサインという窪みがありますので、窪みが浅くなっていたり、触ってみてタイヤ表面と見分けが付かない場合は摩耗が進んでいる証拠になります。
タイヤが劣化したら交換する
クロスバイクのタイヤが劣化していたらタイヤ交換のメンテナンスが必要となります。タイヤの劣化はクロスバイクを毎日使用しても、たまにしか乗らずガレージに放置していても進んでしまいます。
クロスバイクのタイヤにひび割れが生じていたり、タイヤを触ってみてゴムが硬くなっている場合は劣化している証拠になります。タイヤの劣化の原因は、紫外線と空気中に含まれる酸素やオゾンによる酸化です。タイヤに付着した雨水や泥、油脂も大きく関わっており、温度や湿度も影響を及ぼします。
劣化によってタイヤにひびが生じ、そのひびに水や湿気が伴うと劣化はますます進んでいきます。タイヤの強度が失われてしまいパンクを引き起こす原因となるのです。ひびが見つかった場合は、メンテンナンス頻度のサインとなりますので必ず目視で確認をおこなっていきましょう。
メンテナンスの頻度の目安
クロスバイクのタイヤ交換の頻度について説明をします。タイヤ交換のメンテナンス頻度ですが、1年から1年半に1回とされています。走行距離でいうと約3,000キロから約4,000キロ程度となり、これらの周期を目途としてタイヤ交換のメンテナンス頻度を決定してください。
いつタイヤ交換のメンテナンスを実施したか忘れてしまうことも多いので、携帯アプリのカレンダーに打ち込んでおき、アラームを設定しておくことをおすすめします。
クロスバイクの後輪は前輪と比べて負荷がかかるため、摩耗が早くなる傾向にあります。そのため後輪のメンテナンス頻度は前輪とずれてしまう場合があります。後輪は約3,000キロに1回を頻度にタイヤ交換のメンテナンスを施しましょう。
クロスバイクのタイヤ交換に必要な物
クロスバイクのタイヤ交換に必要なものを紹介していきます。タイヤ交換には必ず必要なものが存在しています。車体に関わるものから作業に関わるものまで、事前にしっかり準備をおこないメンテナンスを施していきましょう。
新しいタイヤ
まずは入れ替えをおこなう新品のタイヤを用意します。自転車のタイヤには規格にWOとHEという規格があり、クロスバイクのタイヤはWOの表記がされているものを選択してください。クロスバイクのタイヤ交換は基本的に前回使用していた同じサイズのタイヤを付け替えるようにしましょう。
費用はなるべく抑えたいものですが、あまり安価なタイヤを購入すると摩耗や劣化が早く、結果的に費用が多くかかってしまう可能性があります。おおよそですが1本3000円から4000円くらいのものをおすすめします。
クロスバイクのタイヤには赤などの色が付いているものがあり、見栄えは良くみえますが耐久性に欠けることが多いです。カラータイヤにはカーボンが入っていないので摩耗や劣化が早まるためです。総合的な費用を考慮し新品タイヤを選択購入していきましょう。
チューブ
クロスバイクのタイヤ交換に必要であるチューブについて説明していきます。チューブはタイヤの内側に入れるいわば風船です。空気をいれて膨らませてタイヤの形状をキープする役割を果たします。
チューブを選ぶ際には空気口とサイズ、そしてリム高に注意して選択してください。空気口は仏式や米式、英式に分かれています。現在使用しているクロスバイクの空気口がどの種類なのか把握しておきましょう。
タイヤのサイズはタイヤ側面に表記されている同じサイズを選択してください。タイヤのサイズとホイールのが外径が分かります。リム高はメジャーを使用して目読みで測ります。
リム高が30ミリ以内であれば50ミリ前後の空気口のチューブを選択するとよいです。もし30ミリ以上の場合は、リム高より20ミリ以上長い空気口のチューブを選ぶようにしましょう。
リムテープ
クロスバイクのタイヤ交換に必要なリムテープについて説明します。リムテープはタイヤのパンク防止のための役割を果たす重要なものです。
チューブ内の空気圧は高圧で、チューブを守るリムテープも次第に劣化していきます。そのためタイヤ交換をする頻度で一緒に交換をする必要があります。新しいタイヤとチューブだけを交換してもパンクをしてしまったら意味がありません。
リムテープは基本ホイールサイズに合わせて選択しますが、テープタイプのリムテープであればホイールサイズは気にせずとも使用できます。但し、テープ式は粘着部分がホイールに残るため異物が付着する可能性があります。張替えをする際は粘着物をしっかり除去してから張り替えをおこないましょう。
タイヤレバー
クロスバイクのタイヤ交換に必要なのがタイヤレバーとなります。タイヤレバーは、ホイールとタイヤ、チューブを分けるための道具になります。タイヤ交換には欠かせない重要なアイテムとなります。
費用としては3本で500円程度で購入することができます。1本だけでは外せないので最低3本は用意するようにしましょう。メーカーによって形状や素材もことなるので、実際手に取ってみて、自分の手に馴染み使いやすいものを選択してください。
空気入れ
クロスバイクのタイヤ交換に必要な道具として、空気入れも重要です。新しく購入したチューブを膨らませるには空気入れが必要なためです。
ご自分が使用しているクロスバイクの空気口の種類を確認しましょう。仏式や米式、英式と分かれているので空気入れもその形状に合ったものを選択する必要があります。アタッチメント付きでどの空気口にも対応できる商品もあります。
タイヤの空気圧には適正空気圧があり、タイヤ側面に印字されています。そのため空気圧が目で見てわかるようにメーターが付いている空気入れをおすすめします。
タイヤに適正空気圧ではなく、最大空気圧と印字されている場合には、その数字の90パーセント程度の空気圧で調整をおこなってください。空気を入れる頻度としては1週間に1度をおすすめします。クロスバイクの空気圧は他と比べ高いため、毎日少しづつ外へ抜け出ているためです。
軍手
クロスバイクのタイヤ交換の際に軍手が必要となります。タイヤをフレームから外すときにタイヤレバーを使用します。ある程度の力も必要となるので素手でおこなうと怪我をしてしまう可能性があるからです。
タイヤには汚れも付着しているため、手を汚さないようにするのにも軍手は役立ちます。表面は綿でも手のひらにゴムが張られているものをおすすめします。ゴムが張られているとグリップ力が増し力がしっかりと伝わるからです。
もしタイヤが汚れていたとしても、ゴム部分だけならすぐに洗い落とすことができ乾きも早いです。費用としては1ダース(12双)で400円程度で購入することができます。
クロスバイクのタイヤ交換費用
クロスバイクのタイヤ交換時の費用について説明をしていきます。クロスバイクのタイヤ交換は自転車ショップのプロに依頼をするか、ご自分でおこなうかの二者択一となります。それぞれどのくらいの費用がかかるのか具体的に紹介していきましょう。
自分で行う場合
自分でクロスバイクのタイヤ交換を行う場合の費用は、新品タイヤ代と新品チューブ、リムテープの費用となります。タイヤレバーや空気入れ、軍手など一式も含めると総額は約12,000円の費用がかかる見込みです。
但し、タイヤ交換2回目からは新品のタイヤとチューブ、リムテープとなるので8,500円程度の費用に抑えることが可能です。
依頼する場合
自転車ショップのプロショップなどに依頼する場合はどうでしょうか。自分で行わず、プロのスタッフにお願いをすると1回あたり約15,000円程度の費用がかかります。
自分で行う場合と依頼する場合の差額は、1回あたり約6,500円の費用となります。この費用の差は工賃とパーツ代となります。
自分で行う場合はタイヤ交換の技術力が必要となり、プロショップへ依頼する場合はショップに直接持ち込む手間が生まれます。ショップによっては引取りサービスをおこなっている場合がありますが、その場合別途費用が生じることがほとんどです。
クロスバイクのタイヤ交換方法
クロスバイクのタイヤ交換の方法について紹介をしていきます。自分でタイヤ交換をする場合には、しっかりとした手順を知っておく必要があります。
クロスバイクには様々なパーツが組み合わされており、手順を間違ってしまうと元通りに戻すことができなかったり、走行時の不具合を生じてしまう可能性もあります。
クロスバイクに限らず自転車の前輪と後輪では機構が異なっているので、タイヤの外し方は同じでも、周囲のパーツに気を付ける必要があります。どのように前輪後輪のタイヤ交換をすればよいか具体的な方法を紹介します。前輪と後輪をそれぞれ分けてわかりやすくみていきましょう。
前輪の場合
クロスバイクの前輪のタイヤを外すには、車軸とブレーキを外す必要があります。V字ブレーキであればブレーキアーチを両側から抑えて金具を外すことが可能です。キャリパーブレーキの場合にはアーチに付いているレバーを上げるだけで外すことが可能です。
ブレーキを外すと前輪ホイールを取り外すことができます。傷が付かないように大きめのタオルかダンボールの上に置くようにします。
次にタイヤの空気を抜き、タイヤレバーを前輪ホイールと前輪タイヤの間に挟み込んで外します。タイヤレバーをチューブに入れるとパンクの可能性もあるので力を入れ過ぎないようにしてください。
新品のタイヤをはめ込む際には矢印の向きに注意して、チューブもねじれないよう入れていきます。前輪ホイールと前輪タイヤの隙間にチューブが挟まれていないか確認をして空気を入れれば終了です。
後輪の場合
クロスバイクの後輪タイヤの交換は、前輪と同じく車軸とブレーキを外すことから行います。車軸のバネは無くす可能性があるので分かるようにしておきましょう。
後輪は前輪と違いギアの機構が付いています。複雑なパーツなのでギア部分を地面に付けることはしないでください。変形してしまうとギア変更ができないばかりか、走行時に危険を伴う可能性があります。
ブレーキを外しフレームからタイヤを取り出したら新品の後輪タイヤとチューブを入れ込んでいきます。チューブのねじれを起こさないようにするコツとしては、2回から3回程度空気をいれておくことです。
チューブを入れる際も空気口をあらかじめホイールの穴に入れて固定するとスムーズに行うことができます。後輪もフレームと後輪タイヤの隙間にチューブが挟み込まれていないか確認してください。
クロスバイクは適切にタイヤ交換を行おう
クロスバイクのタイヤ交換は適切に行いましょう。頻度としては1年から1年半に1回、走行距離に換算すると3,000キロから4,000キロとなります。タイヤの摩耗と劣化の度合いを確認し実施してください。
タイヤ交換はクロスバイクの安全走行にとって重要なメンテナンスです。自分の身を守るだけではなく、歩行者に怪我を負わすことのないようしっかり実施していきましょう。
クロスバイクのタイヤ交換には必要な道具があり、タイヤ交換方法にも前輪後輪それぞれ注意する項目があります。ご自分でクロスバイクのタイヤ交換を行う際には、しっかりした知識と技術が必要となります。慣れるまではプロショップに依頼し、技術を身に付けてから行うようにしましょう。