ロードバイクの乗り方を押さえよう!
ロードバイクは、速さを競うレースやイベントなどが多数開かれている自転車です。アクティブに自転車を楽しみたい人にはぴったりですが、シティサイクルやクロスバイク、マウンテンバイクとはちょっと乗り方が違います。
ロードバイクを存分に楽しむなら、しっかりとした乗り方を覚えて乗ることが重要。体幹やペダリングは基本中の基本です。今回は、初心者必見の座り方やハンドルの握り方など基本のロードバイクの乗り方について詳しくご紹介します。ロードバイクをかっこよく乗るためのテクニックも必見です。
ロードバイクの乗り方の重要性
ロードバイクを本格的に楽しむ場合、乗り方がとても重要になってきます。間違った乗り方をすると、ロードバイクが持っている本来の機能を十分に発揮することはできませんし、颯爽とかっこよく走るロードバイカーにはなれません。
ロードバイクに正しい姿勢で乗ることの重要性を3つのポイントで説明します。これから本格的にロードバイクに乗ろうと思っている方、ロードバイク初心者の方は、ぜひチェックしておきましょう。
速度に関係する
ロードバイクはスピードを競う競技に使われている自転車です。ロードバイクを本格的に楽しもうと思った場合、正しい乗り方をすることは、直接速度に関係してきます。
シティサイクルと違い、前傾姿勢で乗るのはもちろんですが、それ以外にも気を付けなければならないポイントがいくつかあり、ポイントをおさえた乗り方をしないと、速度を上げて乗ることはできません。
つまり、ロードバイクの乗り方ひとつで、速度を出してかっこよく乗れるかどうかが決まってくるというわけです。
疲れ具合に関係する
ロードバイクの乗り方は、身体の疲れ具合にも関係してきます。ロードバイクは、ドロップハンドルで、前傾姿勢をとって乗る自転車です。シティサイクルに慣れていると、初めはとても疲れる前傾姿勢ですが、長時間ロードバイクに乗って走行する場合は、前傾姿勢の方が格段に楽になります。
長距離のスピードを競うイベントや競技が多いロードバイクでは、極力体力の消耗を抑えた姿勢で乗ることがとても重要です。長時間なるべく疲れずに同じペースでペダルを回すことが上位入賞への近道になり、持久力を確保するためにも正しい乗り方が重要になります。
見た目にも関係する
ロードバイクの人気のひとつに、乗っている姿がかっこいいという理由が挙げられます。前傾姿勢で、ヘルメットをつけ、引き締まった肉体でロードバイクを乗りこなす姿は思わず見入ってしまいます。
しかし、このカッコよさも、ロードバイクに正しい乗り方をしているが故であり、適当な乗り方では様になりません。かっこよくロードバイクを乗りこなすためにも、ぜひ正しい姿勢で乗るようにしましょう。
ロードバイクの乗り方で重要なこと
速度や疲れ具合、かっこよさなどに大きく関係してくるロードバイクの乗り方ですが、初心者のロードバイクの乗り方で重要なポイントとなるのは何なのでしょうか。
ロードバイクを乗る時に抑えておきたい2つの重要なポイントについて詳しく説明します。ロードバイク初心者はぜひチェックしておきましょう。
ペダリングの仕方
ロードバイク初心者が抑えておきたい乗り方のひとつめのポイントは、ペダリングです。ロードバイクはシティサイクルやマウンテンバイクと大きくペダリングの仕方が違います。
ロードバイクでレース云々の前に、しっかりと基本のペダリングを身に着けることが重要です。ペダリングとは股関節の曲げ伸ばしに伴って、股関節と足関節が連鎖しながらペダルを円上で回すことで、ロードバイクの場合決して足でペダルを漕いで進むのではありません。
ペダリングは、股関節を主体にして膝関節、足首と連動させるようにしてペダルを回すようなイメージです。ペダルを下ろす時の半円と上げる時の半円、2つの半円を股関節で描くようなイメージで行います。
大切なのはつま先や膝を意識するのではなく、股関節を上手に使うこと。漕ぐという意識ではなく、回すイメージをもつことです。
ロードバイクの乗り方で大切なペダリングに関してもう少し詳しく説明しましょう。ロードバイクのタイヤを時計になぞらえ、それぞれの時間帯の位置にペダルがある時の体の動きと意識について説明していきます。
まずは11時から1時の場所にペダルがある時のペダリング方法は、つま先を円上に滑らすために1回膝を伸ばす必要があります。ももの付け根を意識し、しっかり足の位置を定めます。
1時から4時の位置のペダリングでは、股関節から順番に股関節から膝の順番で伸ばしペダルに真っすぐパワーを伝えます。お尻からもも裏を意識しましょう。4時から7時の位置のペダリングは、動きとしてペダルを持ち上げることになります。
股関節を伸ばしながら膝の曲がりを始めますが、位置するのは脱力です。ポイントはペダルからかかとが落ちないようにすることです。最後7時から11時のペダリングは、引き脚です。ももの付け根を意識し、股関節と膝を曲げます。
体幹
ペダリングが重要なロードバイクは手や足、足首などのパーツを使って乗るのではなく、体幹を使って乗れるようになることが重要です。腹筋や背筋などの体幹を使うと、手を放した状態でもロードバイクを前に進めることができます。
体幹を使わずにロードバイクに乗った場合、手に荷重がかかりすぎて路面からの振動や肩や首、腰などへの痛みの原因になります。ロードバイクのトレーニングでは、下半身を鍛えることはもちろんですが、体幹を鍛えるトレーニングも行うと良いでしょう。
体幹を使ってロードバイクに乗ると、自然とペダリングも上手にできるようになります。ぜひロードバイクに乗る時には同時に体幹を鍛えるようにしましょう。
ロードバイクの体幹トレーニングはロードバイクのペダリングなどで必要な部分を中心に行います。お尻、腹筋、ハムストリングの強化はもちろん大切ですが、足首回りをほぐすことも大切な体幹トレーニングです。
ロードバイクの初心者がやりがちなNGの乗り方
ロードバイクは普通の自転車と同様に、ペダルを回せば前に進みます。速さなどを気にせずにロードバイクを楽しみたい方はそれでも良いでしょう。
しかし、速さを追求してレースなどへ参加を考えている場合は、NGな乗り方があります。初心者がやりがちなロードバイクのNGな乗り方を3つのポイントで説明していきましょう。
脚を止める
ロードバイクで初心者がやりがちなNGな乗り方のひとつめは、脚を止めることです。長距離で楽しむことが多いロードバイクでは下り坂に入るとペダルを回す脚を止めてしまいがちです。しかし、この乗り方は間違っています。
ロードバイクでは乗っている間、基本的に脚は止めません。常にペダルは回っていて、脚が止まる時はブレーキングとコーナリング、長い下りの時だけです。ちょっとした下り坂や平坦な道では常に脚を動かし、ペダルを回し続けましょう。
下りは休憩時間ではありません。シティサイクルのように下り坂だからといって脚をとめて休んでしまわずに、常に一定の負荷をかけ続けましょう。
変速なしで乗る
ロードバイクで初心者がやりがちなNGな乗り方の2つめは、変速が少なすぎるということです。ロードバイクの変速は20以上あることも多く、色々なペダルの重さで走ることができます。
しかし、初心者は平地では常にこのギア、上りではこのギアと決めがちです。結局20以上あるギアのうち、使っているのは1つか2つという人も多いのではないでしょうか。これは非常にもったいない話です。
変速ギアがそれだけついているということは、そのギアに適した走りが存在するということです。地面の傾斜、風の強さ、路面の状況などその他もろもろの状況に合わせてしっかりとその状況に対応したギアを設定するのが、上級者の乗り方です。
ロードバイクに乗る時には、できるだけケイデンスを一定に保つことが重要になります。何も考えずに急激なギアチェンジをすれば、ケイデンスは上がりすぎたり、落ちすぎたりと極端になります。ケイデンスの極端な変動は、直接身体の疲労にも関わってきますのでぜひ避けたいところです。
とはいえ、初心者に最初からケイデンスを一定に保つためのギアチェンジはハードルが高すぎます。普段から色々な道や風などを考慮してこまめにギアチェンジしながら感覚をつかむようにしましょう。
道路状況や体力に合わせたギアチェンジは経験がものを言います。上りだからギアを軽くするという単純なものでもありません。乗っている中で色々と実験し、身体で覚えて行くのがおすすめです。
全力でこぐ
ロードバイクの乗り方で初心者がやりがちなNGな乗り方の最後は、全力で漕いでしまうことです。先の2つに通じることでもありますが、常に100%の力でペダルを回し続けることはできません。重要なのは、高出力を継続して出し続けられるトレーニングと、高スピード低出力の走り方を学ぶことです。
どのくらいのパワーを出したら、自分はどのくらいもつのか、どうしたら極力疲労を抑えつつも速度を維持できるのかという点を意識し、初心者なりに理解しながら走ることが重要です。
一定のケイデンスにこだわることも大切ですが、時には少しケイデンスが上下しても構いません。色々と試しながら、力を抜きながらでも速く走れる方法を身に着けていきましょう。
ロードバイクの乗り方の基本
ロードバイクの乗り方について体幹やペダリングの重要性や初心者がやってしまいがちなNGな乗り方など、様々なポイントをご紹介してきましたが、次は具体的な乗り方の基本について説明していきましょう。
サドルの高さやハンドルの持ち方、サドルへの座り方など、どれも基本中の基本なので、しっかりチェックしてからロードバイクに乗るようにしましょう。
サドルの高さの合わせ方
まずはサドルの高さを合わせましょう。ロードバイクのようなスポーツタイプの自転車では、サドルの高さはとても重要です。走行中の快適性に直接関係するだけでなく、長時間のライドでは身体の疲労具合にも大きく関係してきます。
サドルの高さのおすすめの決め方は、まず自転車を倒れないように固定してサドルにどっしりとのっかります。片側のペダルを下端にし、かかとを乗っけましょう。この時、両足をぴんと真っすぐにします。ペダルが地面と並行位がベストです。
また、計測してサドルの高さを決める方法もあります。直接ロードバイクに乗る必要がなく、自転車を固定する方法がない場合に便利な方法です。
計測の場合、まず厚めの本を股に挟み、メジャーで本の上部から地面までの高さを測ります。採寸下数字に0.86~0.88をかけた数字を出しましょう。その数字がサドルの高さになります。
サドルの高さを変える場合、六角レンチを使ってクランプボトルを緩め、サドルをぐりぐりと左右に回しながら上げていきます。サドルをロードバイクに対して真っすぐにしたらクランプボトルを締めます。
サドルは角度や前後の位置も微調整することができます。角度は地面と平行に保ち、位置は自分の体がしっくりくる場所に合わせましょう。
ハンドルの持ち方
ロードバイクではハンドルの持ち方も重要なポイントになります。ロードバイクにはドロップハンドルがついています。
スピードにのせて走ったり、サドルから腰を浮かせて力を入れて走る時は、ハンドルの下側を持つようにします。ハンドルの下側を持つと、低姿勢となり、空気抵抗も少なく力が入ります。
一方、休憩しながら走ったり、きつい坂を上る時にはハンドル上部を握ります。上部を握ると呼吸が楽になります。
ハンドルの握り方ですが、基本的な握り方は親指と人差し指の間のふくらみがある部分がハンドルに当たるように手を置きます。指がブレーキに届き、きちんとレバーが操作できればOKです。
変速の仕方
ロードバイクに乗る時、変速の仕方を覚えることも重要です。ロードバイクにはブレーキレバーとシフトレバーが一体化しているデュアルコントロールレバーがついていることが多く、変速はブレーキレバーごと内側に押し込んだり、シフトレバーのみ内側に押し込んだりすることによって行います。
左手側のレバーは前車輪のギア変速で、重くする時にはブレーキレバーごと内側にし、軽くする時にはシフトレバーのみ内側にします。
逆に右手側は後車輪のギアで、重くする時にはシフトレバーのみ内側へ、軽くする時にはブレーキレバーごと内側にします。ブレーキレバーを押し込むと自然にシフトレバーも一緒に動きます。
ロードバイクの中にはシフトレバーが存在せず、親指で押すタイプの自転車もあります。そのようなタイプの変速は、左手側は、重くしたい時ブレーキレバーを内側に、軽くしたい時には親指レバーを下へ押し込みましょう。
右手側は、重くする時は親指レバーを下へ押し込み、軽くする時にはブレーキレバーを内側にします。
ギア調整は、頻繁に行うことで足にかかる負担を減らすことができます。変速の仕方をマスターし、頻繁に使うようにしましょう。
正しい姿勢と座り方
ロードバイクは正しい姿勢と座り方も重要なポイントになります。正しい乗り方と座り方には腕と腰の位置が重要です。前傾姿勢で乗るイメージのあるロードバイクですが、ただ姿勢を低い座り方をすればよいというわけでもありません。
体に負担をかけず、ロードバイク本来の高いパフォーマンス力を引き出すには正しい姿勢と座り方がとても大切です。
座り方も含めたロードバイクの正しい姿勢のポイントは、腕を張りすぎないこと。体と肩から腕の角度が80~90度ぐらいになるように肩を落とし、腕は少しだけ曲げて楽なポジションで乗ります。肩をはったり、腕をぴんと伸ばしてしまうと、道路の衝撃を受けやすく、肩や腕にも負担がかかります。
肩を少し落とし、腕を少し曲げて乗ると衝撃を吸収しやすくなりますし、肩や腕に力が入りすぎないので上半身の負担が少なくなります。
座り方は、背中は少し丸めた感じが良いでしょう。背中が伸びきった状態だと、疲れやすく、腰などに負担がかかります。
大げさに丸める必要はありませんが、少し力を抜いて、楽な姿勢の座り方が良いと言われています。
ロードバイクのサドルへの座り方についてですが、実は極端な言い方をしてしまうと、ロードバイクはサドルには座りません。どしんとサドルに腰を下ろした座り方をするというよりは、サドルをお尻でつかんで自転車を支える座り方をします。
サドルに座って体の重さをサドルに預けるのではなく、ペダルに体重をかける座り方をします。この座り方はかなり体幹が必要になります。ぜひトレーニングをして体幹を鍛えましょう。
ロードバイクの乗り方テクニック
最後はロードバイクの乗り方のテクニックをご紹介します。ロードバイクは正しい乗り方で乗るととてもかっこいい自転車です。テクニックを駆使すれば、さらにかっこよく乗りこなすことができます。
信号待ちの姿勢、水分補給の方法、方向転換の方法という3つのポイントでかっこいい乗り方のテクニックを説明していきましょう。ぜひっかっこいいテクニックをマスターして実践してみて下さい。
信号待ちの姿勢
ロードバイクの乗り方のテクニックのひとつめである信号待ちの姿勢について説明します。信号待ちの時間のおすすめのテクニックは、余裕を醸し出し、クールにキメること。
両足を地面についてハンドルに寄りかかって信号を待つのはとても不格好です。乗り出しも時間がかかりますし、ペダルをはめるのに戸惑ってしまいます。
スタートダッシュの遅れは周囲のクルマやライダーの走りだしにも影響が出ますので、右足はペダルにはめ、クランクは2時の位置で膝を曲げます。トップチューブに腰をおろしハンドルの上部に肘をのせれば完璧です。ぜひ信号待ちのかっこいいテクニック、マスターしてください。
水分補給の方法
ロードバイクでの水分補給のテクニックは、脇を締めて飲むのがポイントです。もちろん真っすぐ前を向くのは基本ですが、動作をコンパクトに収めるというのがテクニックのポイントになります。
ボトルを持ったら、脇を締め、口の端で水分を補給します。ボトルを掴む時は、不安定にならないようにボトルの上部をサッと握れるようにしましょう。片手が離れるとどうしてもハンドルは不安定になります。
ボトルを採るために片手を離す時には、トップチューブを腿ではさみ、しっかり固定して逆手でボトルを掴みます。
逆手でボトルを掴むことによって、持ち上げた時自然に脇が締まる状態になります。体幹が必要な動きで、ちょっと難しいテクニックなので、自転車を停めた状態で練習するのがおすすめです。
方向転換の方法
ロードバイクの車輪の特性を利用すれば、バイクの方向転換でもスムーズにかっこよく行うことができます。ロードバイクの方向転換のテクニック方法は、まずハンドルとサドルの端に両手を置き、ハンドルを引き上げると同時にサドルを進行方向へ軽く押します。
こうすると、驚くほど軽く車体が持ち上がります。持ちあがったら、後輪を軸にして、お腹の前にサドルを持っている手を通します。バイクを持ち上げた時に、足先を後輪に差し込むことで、ブレーキもかけずにバイクを固定することができます。かっこいいテクニックなのでぜひマスターしてください!
ロードバイクは正しい乗り方で楽しもう
いかがでしたでしょうか。ロードバイクを速度を出して颯爽と乗るためには、体幹のトレーニングやペダリングの練習がとても大切になってきます。基本の動作を覚えたら、次は正しい乗り方もマスターしましょう。
ぜひロードバイクの正しい乗り方でレースやイベントなどに積極的に参加してみてはいかがでしょう。もちろん普段使いでも、テクニックをマスターしてスマートに乗りこなしてください!