「君の瞳に乾杯」とは?
「君の瞳に乾杯」は冗談のように使われることが多く、実際に言うことや言われることは少ない台詞です。そのためか、「君の瞳に乾杯」という台詞を知ってはいても、その意味や元ネタとなる映画は知らない人が多くいます。
しかし、「君の瞳に乾杯」という台詞自体はとても素敵なものです。この台詞の元ネタとなった映画や英語表現を理解し、使い方をマスターすればその場の雰囲気をより盛り上げることができます!
また、「君の瞳に乾杯」と言われた時の場面ごとの返し方や「君の瞳に乾杯」と言われた時の印象も紹介します。恋人や好きな人とのデートの時、または仲の良い友達との飲み会の時などに役立ててください。
元ネタは映画『カサブランカ』
「君の瞳に乾杯」という台詞の元ネタとなった映画は、1942年に制作された『カサブランカ』というアメリカ映画です。年代からも分かるように、『カサブランカ』は第二次世界大戦の最中に公開された映画で、内容も戦争が背景にあります。
舞台はドイツの支配下に置かれたフランス領モロッコの都市、カサブランカ。映画の内容は、ここで運命的な再会を果たしたアメリカ人男性とその元恋人の女性とのラブロマンスになっています。
この映画内で主人公のリックがヒロインのイルザに言った台詞の一つが、「君の瞳に乾杯」です。古い映画ではありますが、「君の瞳に乾杯」という台詞を言う場面や映画のストーリがとてもロマンチックです。見たことがない方はぜひ一度ご覧になってください。
英語表現
「君の瞳に乾杯」という台詞の元ネタとなった映画はアメリカ映画なので、本来の台詞はもちろん英語です。映画中に言われた英語表現は、「Here's looking at you,kid.」というものになります。
この台詞を翻訳家である高瀬鎮夫さんが「君の瞳に乾杯」と日本語に訳したことから、日本で「君の瞳に乾杯」という台詞が広まりました。高瀬鎮夫さんは、他にも洋画の翻訳で英語から日本語へと素晴らしい名訳を残しています。
例えば、『ある愛の詩』という恋愛映画では「Love means never having to say you're sorry.」を「愛とは決して後悔しないこと」と訳し、『ジョルスン物語』では「You ain't heard nothin' yet.」を「お楽しみはこれからだ」と訳しています。
本来の意味
それでは、「君の瞳に乾杯」の本来の意味とはどういった意味なのでしょうか?「君の瞳に乾杯」の英語表現である「Here's looking at you,kid.」を直訳すると、「子猫ちゃん、君を見つめて乾杯」という意味になります。
このように、直訳では「瞳」という言葉は出てきません。しかし、直訳でも意味は分かりますが、「君の瞳に乾杯」という台詞の方が英語の直訳より『カサブランカ』という映画へロマンチックな印象を与えてくれます。
「君の瞳に乾杯」は直訳の「子猫ちゃん、君を見つめて乾杯」より短く、相手への愛情にあふれた台詞です。「君の瞳に乾杯」という台詞は映画で一度だけでなく、何度か登場します。だからこそ視聴者の印象に残り、現代でも名訳と言われています。
「君の瞳に乾杯」と言われた時の返し方【本命】
では、実際に誰かから「君の瞳に乾杯」と言われた時の返し方を紹介します。まずは、自分の好きな人、本命の相手から「君の瞳に乾杯」と言われた時の返し方です。これは、元ネタとなった映画『カサブランカ』のヒロインであるイルザのように、かなり胸がときめく場面です。返し方を間違えないようにしましょう!
①あなたの瞳に乾杯
有名な映画が元ネタになっているとあって、いくら気障な台詞でもロマンチックなディナーの席でこの台詞を言いたい男性はいないとは言い切れません。もし、本命の相手に「君の瞳に乾杯」と言われたら、1つの返し方として「あなたの瞳に乾杯」と言いましょう。
元ネタとなった映画『カサブランカ』の主人公であるリックのように自信満々と言ってくる男性は少ないですから、あなたがそっと台詞に合わせてくれることで安心してくれるでしょう。その後の食事中の会話もスムーズに楽しく話せるようになります。
相手も気障な台詞と分かっていて言ってくれているのですから、少なからず恥ずかしい気持ちがあります。そこであなたが茶化さずにきちんとした返しすることで、相手があなたに好感を持ち、心の距離も縮まります。
②無言で微笑む
同じような言葉を返すのが恥ずかしい場合は、無言で微笑むだけでも大丈夫です。ただ、冗談だと思って大笑いするのはいけません。
相手が真面目に言っている場合、大笑いという返し方では相手のプライド傷つけてしまうからです。優しく微笑み返すことで、その場の雰囲気を壊さずに相手と話を続けられます。
「君の瞳に乾杯」と言われた時の返し方【本命未満】
次に、本命未満の相手に「君の瞳に乾杯」と言われた時の返し方です。本命ではなく、本命未満だと返し方も難しいものになります。気障な台詞に引いているけれども、相手を傷つけたくないという人が多いでしょう。そのような場面にちょうどいい返し方を紹介していきます。
①明るく乾杯
「君の瞳に乾杯」という台詞はロマンチックなものではありますが、お酒や飲み物を持って「乾杯しよう」という意味には違いありません。ですから、あなたもグラスを持って明るく「乾杯!」と言ってあげましょう。
相手が真面目に言っているのであれ、冗談で言っているのであれ、「君の瞳に乾杯」に「乾杯!」と明るい返しをしてあげれば相手は返事をしてくれたことに安堵します。ですから、どちらにせよ相手を傷つけることにはなりません。
恥ずかしながらも、「君の瞳に乾杯」という気障な台詞を言ってくれたことに感謝しましょう。元ネタを知っていたのだとしたら、ふざけていたとしても相手にはかなりの勇気が必要です。あなたが明るく返してあげることでその場の雰囲気も和やかになります。
②あなたの◯◯に乾杯
他には、「あなたの〇〇に乾杯」という返し方もあります。「〇〇」には相手の体の部位や相手の服などを入れてみてください。例えば、「あなたの頭脳に乾杯」と言えば「君の瞳に乾杯」という古い名台詞を知っていることを褒めることになります。
または、「あなたの素敵なジャケットに乾杯」と言えば「君の瞳に乾杯」という言葉に合わせて相手を褒められ、その場の空気を壊さずに済みます。相手がふざけて言っていたのであれば、「あなたの頭に乾杯」とブラックジョークをとばすのもいいでしょう。
大切なのはその場の空気や雰囲気を壊さない態度で、返事を返すことです。本命未満だとしても、これからも良好な関係を続けていきたい相手であることには変わりありません。相手が冗談でも本気でも、相手を傷つけない返し方にしましょう。
「君の瞳に乾杯」と言われた時の返し方【論外】
最後に、好きな人でもなくちょっと気になっている人でもない、ただの友人から「君の瞳に乾杯」と言われた時や明らかに冗談で言っている時の返し方について紹介します。飲み会やパーティーで「君の瞳に乾杯」という台詞を使う人は少ないでしょうが、冗談で言う人もいます。そんな時に、相手に対してどのような返し方が適当なのか見ていきましょう。
「何それー!」と笑う
相手がその場を盛り上げようとして「君の瞳に乾杯」という台詞を使ったならば、あなたは「何それー!」と笑ってあげましょう。黙っていたり、引いた態度をあからさまにするのは相手に失礼です。冗談にせよ、真面目にせよ、相手はその場の雰囲気を盛り上げようとして言ったのでしょう。その意図を汲んで、あなたも笑ってその場を盛り上げてみてください。
「君の瞳に乾杯」と言われた時の印象
それでは、「君の瞳に乾杯」と言われた時の印象について紹介しましょう。洋画や古い映画、名台詞集などに詳しい人ならば、「君の瞳に乾杯」と言われてもあまり驚きはしないでしょう。「ああ、あの台詞を使っているんだな」と思うくらいです。
しかし、現代の人々、特に若者は「君の瞳に乾杯」という台詞を知ってはいてもその意味までは知らないことが多いです。中には、「君の瞳に乾杯」という台詞自体知らない人もいるでしょう。元ネタとなった映画『カサブランカ』についても知らないかもしれません。
また、この台詞の元ネタや意味を知ってはいても、たいていの人が「気障な台詞」と思い、引いてしまいます。そんな「君の瞳に乾杯」と言われた時の印象について詳しく見ていきましょう。台詞の印象を知っていれば、この台詞の使い方もより分かりやすくなります。
①冗談なのか分からない
まず、「君の瞳に乾杯」と言われた時の印象として一番に挙げられるのは「冗談なのか分からない」ということです。これは、「君の瞳に乾杯」という台詞の意味を知っていても知らなくても思うことになります。
台詞の意味が分からなくても、なんとなくこの台詞は「褒めている」「口説いている」という台詞だとは伝わるでしょう。そうなると、問題は「冗談なのか、本気なのか」ということになります。恋人や親しい相手ならば、冗談か本気かの区別はつくはずです。
しかし、あまり親しくない人や友達の友達のような人に言われたら「冗談なのか、本気なのか」という区別はつきにくいものです。冗談で言っていたならば笑って済ませることもできますが、本気ならばそうはいきません。この台詞の印象としてとても難しいところです。
②古い・何のことかわからない
次の印象としては、「君の瞳に乾杯」という台詞が「古くて何のことかわからない」という場合です。上記でも述べたように、「君の瞳に乾杯」の元ネタとなった映画『カサブランカ』を知らなければこの台詞の正しい意味はわからないでしょう。
「君の瞳に乾杯」という台詞はストレートな告白の台詞とは言えません。なんとなく「褒めている」「口説いている」ような台詞とまではわかっても、本当の意味は分かりかねるという人もいます。相手がそこまで親しくない人であればなおさらです。
または、元ネタを知っていても古い映画ですから、「古い台詞だな」と感じる人もいるでしょう。親しい相手ならば、「この人は古い映画が好きだった」という情報があることで納得します。ですが、親しくない相手にはそうはいきません。使い方に気をつけましょう。
③キザ・格好つけている
最後に紹介する「君の瞳に乾杯」という台詞の印象は、「キザ・格好つけている」です。相手がごく自然な気持ちで言ってしまったとしても、言われた方からしてみれば、キザすぎる格好つけた台詞という印象しか残らない場合があります。
これは、「君の瞳に乾杯」という台詞の意味を知っていても知らなくても感じてしまう印象の一つです。元ネタの映画『カサブランカ』の中のように、現実はうまくいきません。言われた方は、ときめくより引いてしまう恐れもあります。
ですが、冗談で言っていると分かれば、その「キザで格好つけた」台詞を楽しめばいいのです。「君の瞳に乾杯」と言われた時の返し方でも紹介したように、その場の雰囲気に合わせていれば「キザ・格好つけている」という印象を持たれても相手は気にしません。
「君の瞳に乾杯」の使い方
では、「君の瞳に乾杯」の使い方について紹介していきます。上記で述べてきたように、「君の瞳に乾杯」という台詞を使うときはかなりの勇気とタイミングが重要になってきます。使い方を間違えるとその場をしらけさせてしまうことになりかねません。ここで、しっかりと「君の瞳に乾杯」の使い方を押さえておきましょう。
①相手との関係を見極めてから
まず大切なのは、「相手との関係を見極めてから」使うということです。印象の点でも述べたように、あまり親しくない相手に言ってしまうと、「冗談なのか、本気なのか」が分からず困らせてしまう場合があります。「君の瞳に乾杯」を使う時は相手との関係を慎重に見極めてから使いましょう。
②冗談とわかるようにする
次に使い方の重要なポイントとして、「冗談とわかるようにする」を心がけましょう。「古いキザな人」といった印象を緩和するためにも、冗談だと分かりやすいように使うことがポイントです。本気とも思われないし、場を盛り上げてくれたんだと理解してくれます。言い終わった後に、元ネタや英語表現などを教えてあげれば話もより弾むことでしょう。
③リアクションを求めない
そして、最後に覚えておきたいのは「リアクションを求めない」ことです。リアクションを求めてしつこく言えば、相手に不快な思いを抱かせかねません。「君の瞳に乾杯」という素晴らしい台詞も悪い印象として残ってしまう可能性もあります。相手のリアクションを求めず、その場の雰囲気を大切にした使い方をしましょう。
君の瞳に乾杯にぴったりの場面と飲み物
「君の瞳に乾杯」という台詞を使う時には、その場の雰囲気がとても重要になってきます。そこで、「君の瞳に乾杯」という台詞にぴったりの場面を紹介します。また、それに合わせておすすめの飲み物も見ていきましょう。キザな台詞でも、とっておきの場面と飲み物があれば雰囲気によって相手をときめかせることができます!
夜景が見えるレストランやおしゃれなバー
ロマンチックな演出にするためには、やはり夜景の見えるレストランでのディナーが定番でしょう。きらめく明かりの中で、そっと「君の瞳に乾杯」と囁けばキザな台詞でもかなりかっこよく決まります。レストランは少しハードルが高いという方は、おしゃれなバーでもよいでしょう。みんなが思い思いにお酒を楽しんでいる場ですから、言いやすい環境です。
飲み物はカクテルかシャンパンで
「君の瞳に乾杯」という素敵で品のある台詞ですから、ビールなどよりもカクテルやシャンパンの方が良いでしょう。元ネタとなった映画『カサブランカ』にも登場した「シャンパン・カクテル」やピンクの「モエ・エ・シャンドン」などがおすすめです。映画に出てくるお酒なら、それをきっかけにして話を弾ませることもできます。
「君の瞳に乾杯」は相手を選んで使おう!
「君の瞳に乾杯」は、元々はアメリカ映画の英語表現を翻訳した台詞です。今日では、英語の授業などの時にしか頻繁には聞くことのない台詞でしょう。しかし、「君の瞳に乾杯」という台詞は使い方をきちんとわきまえて使えば現代でも十分に使える台詞です。
これまで紹介してきた、「君の瞳に乾杯」の元ネタとなった映画や台詞の意味、英語表現、言われた時の返し方などを頭に入れておけば、今でもちゃんと使うことができます。ただし、相手を選んで使うことも重要です。
恋人や自分と親しい相手、冗談で言っても笑ってその場を盛り上げてくれる人たちに対して使うべきでしょう。あまり親しくない相手にいきなり使うと相手を困らせてしまいます。使い方を間違えないようにして、「君の瞳に乾杯」という台詞を楽しんでください。