ぎっくり腰の時の寝方・対処法を紹介!
突然、激痛とともに動けなくなるぎっくり腰ですが、経験がある方も多いのではないでしょうか。この痛みは経験者じゃないと理解しにくいでしょうが、さっきまで普通に動けていたのに、急に動作を奪われてしまい、途方に暮れてしまいます。ベッドでもその腰の痛みに耐えての体勢が辛いです。
横になってからもうまく寝返りがうてず、モゾモゾとしているうちに夜が明けるという事もあるでしょう。そんなぎっくり腰の時の寝方や対処法を知っていれば、少しは緩和されます。ならずに済めば良いのですが、いつ訪れるか分らない、厄介なぎっくり腰について詳説していきましょう。
ぎっくり腰とは
突然激痛が起こり、動けなくなるぎっくり腰は、一体何なのでしょうか。いきなり重い荷物を腰だけで持ち上げたり、寝起きに勢いよく起き上がったり、不自然な体勢で腰をひねった時などに、グキっとぎっくり腰が起こります。これは、腰椎が捻挫したと思って下さい。
腰をひねる動作で腰に無理な負担がかかり、ぎっくり腰になります。腰の周辺の筋肉が硬くなったり、筋力が低下している人によく見られる症状です。特に急激な運動をした時になりやすいため、準備運動はしっかり行なってから動作に入るよう注意しましょう。
ぎっくり腰になった時に、すぐ病院を受診して適切な処置をしてもらうと治りが早いですが、病院に行こうにも、動く事すらできなくて受診が無理な時の対処法は、まず安静です。治療に関しては、腰の捻挫だから冷やした方が良いという医師と、温めた方が良いという医師に分かれます。
ぎっくり腰の時の対処法は、まず患部を触って熱を持っていれば冷やします。ぎっくり腰をして時間が経っていて、患部に熱は感じないけど痛い時には温めましょう。医師の方々も、きっと患部を触診しての判断ですので、一概にどっちが正しいとかではなく、状況に応じての対処法です。
急性腰痛と慢性腰痛がある
ぎっくり腰は急性腰痛とも言われますが、放置していると慢性の腰痛になる可能性もありますので、ぎっくり腰を侮らず、早めに必ず受診しましょう。腰痛には急性と慢性があり、急性はぎっくり腰などのことを指しますが、腰痛は厄介なもので侮ると危険です。
急性腰痛というのは、ぎっくり腰が代表的ですが他にも急性腰痛はあり、激痛が走るとされるのが、圧迫骨折や椎間板ヘルニアです。圧迫骨折は骨粗しょう症が原因の時には、自覚症状があまりなく、突然激痛に見舞われて、受診したら圧迫骨折をしていたというケースが大半です。
慢性の腰痛は、ぎっくり腰や他の病気で腰痛になった時、その痛みが長く続いている事を指します。慢性化になる痛みの期間は約3ヶ月と言われ、慢性化する背景には、再発するのではという恐怖心から、体を動かす事を怖がり、じっとしていて筋肉が固まり、腰痛を長引かせる結果になる事が多いです。
ぎっくり腰になる原因
ぎっくり腰になる原因は人それぞれですが、大きく分けて3つの原因が考えられます。まず一つ目は、筋肉の疲労が慢性化している事です。ぎっくり腰は突然の痛みに覆われますので、急になったと思われますが、実は普段の生活から筋肉に疲労が蓄積されて、何かのきっかけで発症します。
二つ目の原因は、骨格が歪んでいる事です。普段の生活を見直してみると、立ち仕事であったり、ずっとパソコンの前に座りっぱなしとか、長い時間同じ姿勢や体勢でいる事が多い時には、骨格が歪み、回復する間もなくまた同じ体勢になる事で、徐々に骨格が歪んでいき痛みが出ます。
三つ目の原因は、いきなりの動作です。いきなり高い位置から飛び降りて地面に着地した瞬間や、声を掛けられていきなり振り向いたり、寝起きで反動をつけて勢いよく起き上がったりなどです。もちろん、膝を使わず腰だけで重い荷物を持ち上げようとする瞬間に、グキっといきます。
これは、どれも準備をせずに急に腰に負担をかける事で起こる現象です。この対処法は、考えて動作を行なう事です。高い所からなど飛び降りない、急に振り向かない、寝起きはゆっくり起き上がる、膝を使ってしゃがんでから荷物を持ち上げるなどで回避出来ます。
ぎっくり腰の時の楽な寝方①環境
ぎっくり腰になると、夜寝るのが怖くなるくらい痛みとの闘いになると感じる人も多いでしょう。しかし、睡眠はぎっくり腰から早く逃れるためには必要ですので、質の良い睡眠を取れるよう心がけましょう。では、どのような寝方がぎっくり腰の人には楽ななのか、対処法を詳説しましょう。
まず、寝る時の環境を考えます。あなたはベッド派でしょうか、それとも布団派でしょうか。ぎっくり腰の時にはベッドの方が、横になりやすく起きやすいというメリットがあります。特に介護用のベッドなら柵が付いていますので、寝起きの時の動作に利用できます。
ただ、今まで寝ていた寝具をそうそう簡単には変えられませんので、他の布団や枕などのアイテムで、楽な寝方のできる環境に変えましょう。今の寝具をもう一度見直してみて下さい。ぎっくり腰での寝方では、腰に負担を掛けない寝方をする事が大切です。その対処法は布団の選択です。
硬い寝具で寝るのがおすすめ
ぎっくり腰になった時の寝方には、硬い布団で寝る事をおすすめします。何故なら、柔らかい布団では、体が布団に沈んだ体勢になるため、腰の負担が半端ありません。寝返りをうつときも、沈んだままの体勢では、なかなか寝返りがうてなくて、ジタバタしていると腰に激痛が走ります。
その腰の負担を軽減しようと思えば、硬い布団に寝る事です。硬い布団なら、体は沈まずに寝返りも楽にうて、ジタバタする事なく痛みも出ないでしょう。
柔らかい布団の場合は床に敷くと◎
柔らかい布団しか無い時には、畳や床の上に布団を敷くと良いでしょう。畳なら、適度なクッションがあるため、腰には非常に良い環境になります。フローリングの床の場合には、若干硬い印象があるでしょうが、ベッドのような沈み込みが無く、腰には適していて、寝返りもうちやすいはずです。
ぎっくり腰の時の楽な寝方②姿勢・向き
次に、グキっときてからの痛みを緩和する寝方で、体勢やその方向の詳説です。寝る時の体勢やどっちを向くかは重要です。腰痛になるとどんな体勢でも痛いですから、寝る時には、極力痛くない体勢を探すでしょうが、最初からこの寝方なら痛く無いというのが分れば、安心して眠りにつけます。
横向きでの寝方
ぎっくり腰の人の寝方の姿勢で、一番楽なのが横向きでしょう。仰向けになるのが厳しい時には、無理せず横向きの寝方がおすすめです。腰を圧迫させないように痛みの強い方を上にして寝る寝方です。この横向きの寝方での、抑えておきたいポイントが、枕の高さと足の位置です。
横向きになった時の枕の高さは、布団と平行かそれより少し高い方が楽です。枕が低いと、腰が引っ張られる状態になり、腰が伸びて痛みが増します。いつも使っている枕が低ければ、タオルなどで調整して高くしましょう。
そして足の位置ですが、膝を軽く曲げ、クッションやタオルを膝の間に挟むと腰が楽になります。足をまっすぐ伸ばしても痛く無ければそれでも構いませんが、寝返りをうつことを考えるとクッションやタオルを挟んだ方が寝返りもしやすくなります。
仰向けでの寝方
仰向けでの寝方で、枕の使い方に注意したいポイントがあります。それは枕を首に当てる事です。かまぼこ型の枕があればそれが一番首にフィットして適しています。無ければバスタオルをクルクルと巻いて、枕の代わりにしてその上に首を乗せて休みます。
仰向けになると腰と布団の間に隙間が出来ますので、腰への負担が大きくなります。そこで、膝の下にクッションかクルクル巻いたバスタオルを敷くと、腰への負担が軽減されます。ただ、腰と布団の間に隙間があるからと、腰にクッションやタオルを敷く事は、痛みを増幅させますのでタブーです。
ぎっくり腰の時の楽な寝方③寝返り
ぎっくり腰になった時の楽な寝返りについて詳説します。ぎっくり腰になると何をしても痛みからは逃れられません。ちょっとくしゃみをするだけでも響きます。まず寝る時に横になる体勢に持って行く過程がポイントです。
スッと横にはなれませんので、騙し騙しゆっくりと横になります。向きは横向きが良いでしょう。次に寝返りが問題です。少しの動作で腰に響くため、寝返りをうちたくないと思うでしょうが、同じ姿勢でいると、筋肉が固まってしまい次に動かす時に激痛が走ります。
それを避けるためにも、寝返りは出来るだけ頻繁に行なう方が良いのですが、痛みに耐えながら寝返りをするだけで疲れます。そこで、楽な寝返りの方法を下記に挙げてみますので、一度お試し下さい。極力無理にないように続ける事が大切です。
ベッドの段差を利用した寝返り方法
寝返りをうつときに、ベッドで寝ている場合、ベッドと床との段差を利用します。寝返りをうった後の寝る向きが反対になりますが、楽な寝返りのうち方ですから、やってみましょう。まず、仰向きで寝ている体勢なら横向きになります。横を向く時に注意するポイントは、腰をねじらない事です。
最初に膝を立てます。次に向きたい側と反対の腕を上げ、向きたい方向へ倒す時に、立てた膝も同時に倒します。横向きになれたら、次は足をベッドの下に垂らします。上げた手を体の近くに着き、肘も使いゆっくりと座ります。足は下ろしたままで反対側に体を倒し、次に膝を曲げ足を上げます。
その状態から仰向けの膝立の状態に、ゆっくり動きます。仰向けで膝立が出来たら足をゆっくりと伸ばします。これで寝返りが出来ました。ここで大事なのが、横を向く時に足と腕を同時に動かす事です。バラバラに動かすと腰がねじれて痛みが出ます。全ての行動をゆっくりと行なう事も大事です。
この方法は、寝起きの時にも使えます。腰の痛みは朝の寝起きの時が最も痛いですから、ベッドの下に足を下ろして、ゆっくりと座る動作が寝起きを楽にさせる対処法です。この動作が出来れば、腰痛のある人には寝起きが楽になります。
タオルや滑る素材を使った寝返り方法
ぎっくり腰の状態で、寝返りをうつ時の、次の方法はタオルやゴミ袋など、滑る素材を使った寝返りの方法です。寝る前に、敷き布団の上に滑る素材を敷いて、その上に寝ます。体全体が入る大きさが理想ですが、無ければお尻と腰だけが滑れば大丈夫です。仰向けの状態からの寝返りの方法です。
仰向けで敷き布団の端まで、寝返りをうちたい方向と逆の端まで、お尻を使って滑らせます。下に敷いた滑る素材を動きたい方向へ引っ張っても、お尻はそれに乗って移動出来ます。タオルよりもゴミ袋レジャーシートの方が滑りやすいでしょう。
布団の端まで来たら、膝を曲げて寝返りをしたい反対の腕を上げ、寝返りをうつ方向に足と共に全身を倒します。これで布団の真ん中の位置で、横向きになれているはずです。右から左に寝返りをうつ時も、必ず一度仰向けになってから行うよう注意すると、激痛は走りません。
床に寝ている場合の寝返り方法
ぎっくり腰になった時に、床に寝ている時の寝返りの方法ですが、床だと下が硬いので、腰には非常に良い状態で眠れるでしょう。そこで寝返りをうつ時は、上記にもありますように、体を絶対にねじらない事です。具体的には、仰向けから横向きになりたい場合、膝を立て両手を上で組みます。
その状態でゆっくりと寝返りをしたい方向に足と腕の重みで倒します。それで横向きに寝返りがうてます。横向きから仰向けになりたい時には、今の逆ですが、今度は腕と足の重みを利用出来ませんので、腕は胸の前で交差させ、膝を曲げた状態でゆっくり起こします。
ぎっくり腰の時の寝方の注意点
ぎっくり腰になった時の寝方の注意点がいくつかあり、それを守っていれば痛みが軽減されます。痛くないような方法はなく、痛みを和らげるだけですが、それでも激痛を思うと注意点は必須です。痛いから何もしないでは、悪化させるだけですので、以下の注意点をしっかり理解しましょう。
痛みがあっても必ず寝返りはする!
注意点の一つ目は、痛みがあっても必ず寝返りをすることです。そんなことは出来ないとは言わずに、リハビリだと思ってやりましょう。何故なら、後々の激痛を軽減させるためのリハビリです。長時間同じ体勢の寝方では、腰が硬くなります。
正確には腰の周りの筋肉が硬直するのです。硬くなった筋肉を動かそうとすると、その瞬間激痛を招きます。それを回避する寝返りですから、必ず行ないましょう。筋肉の硬直は、ぎっくり腰から慢性の腰痛を引き起こし兼ねませんので、寝返りは大事な運動、リハビリです。
うつ伏せの寝方は痛みを悪化させる
ぎっくり腰になった人が、意外と多い寝方がうつ伏せです。しかし、このうつ伏せは腰には良くありません。何故なら、うつ伏せは重力が腰に常に掛っている状態だからです。背中の脂肪や筋肉がずっと腰を指圧をしている事になり、反り腰の原因にもなるため避けましょう。
ぎっくり腰で傷みを軽減させるために、うつ伏せの寝方の方は、首にも負担を掛けますので、注意して仰向けか横向きの寝方にします。うつ伏せのままで長時間寝ると、翌朝は起き上がれないほどの激痛が起きます。ただでさえ痛いぎっくり腰の痛みを悪化させるだけですので、注意して下さい。
寝起きに腰痛にならないための対処法
ぎっくり腰の人に限らず、腰痛の経験のない方でも寝起きに腰が痛いのは、寝方が原因と思われます。寝方に問題があると、何でもない人でも腰痛になりますので、寝方は大切です。では、どのような寝方をすれば腰痛にならないのでしょう。以下に挙げましたので、お試し下さい。
仰向けで膝の下に硬い枕などを置く
まず、腰痛にならないための寝方の一つ目は、仰向けで膝の下に丸めたタオルや硬い枕などを置いて寝る事です。足を伸ばした状態での寝方は、骨盤が引っ張られその影響が腰に伝わり痛みが出ます。それを回避するためのアイテムです。柔らかいものではなく、なるべく硬い物を利用します。
病院などでは、寝返り用のクッションなどもありますが、そのような硬めの素材が効果的です。膝の下に物を置くことで、背骨が正しい位置に置かれ、腰痛が起きにくくなり安眠できます。また、寝返りをうつ時にはそのアイテムは、次に出てくる横向きの寝方で利用出来ます。
横向けで膝の間に硬い枕などを挟む
痛みを増幅させないような寝方の二つ目は、横向きでの寝方です。上記にあった丸めたタオルや硬い枕を、横を向いた時に膝を軽く屈折させ、両膝の間に挟みます。長い抱き枕のような物でも構いません。腕の間と膝の間に挟んで抱えるようにしながらの寝方でも腰は楽なはずです。
この時、ぎっくり腰の人は少し丸まった方がもっと楽になるでしょう。ただ、横向けの寝方が楽でも、寝返りは必ずうって下さい。横向きから仰向け、次の反対側の横向きと、頻繁に寝返りをうった方が、翌朝の痛みは楽でしょうから、しっかり寝返りはうちましょう。
楽な寝方でぎっくり腰をしっかり治そう!
ぎっくり腰になったら、何をするのも痛みが伴うため、動きたくなくなります。夜寝る時も、寝返りの度に傷みで目が覚めると、睡眠不足にもなり生活そのものが楽しくないでしょう。しかし、早くぎっくり腰から逃れるためには、楽な寝方や対処法を知って完治へ向けての行動しましょう。