「代替」の意味とは?
あなたは「代替」という言葉を使ったことがあるのでしょうか?敢えて避けて通っている人が多いかもしれません。その理由は、意味を知らないというものより、読み方の問題かもしれません。「代替」の「替」の字は、読み方が2通りあります。
そのため、どういった読み方をすればいいのか迷ってしまう人もいるかもしれません。「代替」の読み方と共に、「代替」の意味も知っていきましょう。「代替」には2通りの読み方によって、意味が変わってくるのでしょうか?
「代替」の意味をより深く知るためにも、「代替」の類語も見ていきましょう。「代替」という言葉の意味と読み方を知り、ビジネスシーンなどで正確に使いこなせるようにしましょう。
「代替」の読み方
まず「代替」の読み方はどういったものでしょうか?読み方の候補としては、「だいがえ」と「だいたい」があります。要するに「替」という漢字の読み方に迷ってしまうため、読み方に戸惑うのです。「代替」の読み方は「だいたい」です。
「替」を「たい」という読み方をする他の言葉には、「改替」があります。読み方は「かいたい」で、物事や役目を新しく替えるという意味があります。また「造替」もあります。読み方は「ぞうたい」です、社寺を造り替えるという意味があります。
しかし「かえ」と読む単語も多いです。例えば、帳簿上である勘定を他の勘定に移す意味の「振替」は「ふりかえ」という読み方をします。
本物に見せかけて代わりに用いる偽物の意味の「替玉」は「かえだま」という読み方をします。「かえ」という読み方をする単語が多いので、「代替」の読み方に戸惑ってしまうのです。
意味は「他のものに替えること」
次に「代替」の意味を見ていきましょう。「代替」の意味は「他のものに替えること」というものです。この言葉を形成しているのは、2つの漢字、「代」と「替」には両方とも、「かえる」と「かわる」という意味があります。
「代」はもともとあったものを取り除いて、代わりのものを置くという意味があります。また「替」は、取り替えるという意味があります。この両方が合わさったことで、「代わりのものを入れ替える」という意味になります。
「代替」で入れ替えるものは、どういうものなのでしょうか?「代替」で入れ替えるものは、同等の価値があるものです。入れ替えたものが前の者より質が落ちている場合は、「代替」という言い方はしないので注意が必要です。
「代替」の類語
「代替」の読み方と意味がわかったところで、「代替」と似たような意味を持つ類語について見ていきましょう。「代替」の意味は、「代わりのものに替える」という意味でした。この意味に近い「置き換えること」や「物をやり取りすること」といった意味を持つ類語を見ていきましょう。
類語①交換
「代替」と似たような意味を持つ類語の1つ目は、「交換」です。「交換」の読み方は「こうかん」です。意味は「物と物のやり取りをすること」「取り替えっこすること」です。また、物に限らず「意見の交換」や「物々交換」といった使い方もできます。
「代替」の意味の違いはどういうものでしょうか?まず「代替」は替える物が誰が所有しているのかは関係ありません。しかし「交換」の意味は、自分のモノと、他の人の物を入れ替えるというシチュエーションで使われます。
類語②置換
「代替」と似たような意味を持つ類語の2つ目は、「置換」です。読み方は「ちかん」です。「置換」の意味はどういったものでしょうか?「置換」の意味は、文字、記号、データといったものを別のものに置き換えることです。また、場所を移動させる意味でも使います。
コンピューターの世界でExcelやWordなどの「置換機能」というものもこうした意味で使われています。さらに化合物の原子を他の原子に置き換える時にも「置換」は使われます。物ではなく、文字や記号を置き換えるという点が、「代替」の意味との違いです。
類語③交代
「代替」と似たような意味を持つ類語の3つ目は、「交代」です。読み方は「こうたい」になります。「交代」の意味は、「人が役目などを入れ替えること」です。サッカーの試合などで選手が交代する時に使用されます。「代替」の意味と何が違っているのでしょうか?
「代替」は物を入れ替えします。一方で「交代」は、人と人を入れ替えるというものです。明確な意味の違いがあるので、「代替」と「交代」は言い換えができません。「交替」になると、「交代」が何度も続くことを意味になります。
類語④代理
「代替」と似たような意味を持つ類語の4つ目は、「代理」です。読み方は「だいり」です。「代理」の意味は、代わりの人というものです。また、代わって仕事を行うという意味でもあります。
「代替」との意味の違いは、「代替」が物を入れ替えることで、「代理」は人を入れ替えるという違いがあります。このため「代理」と「代替」は言い換えをすることができない類語となります。
「代理」になった人は、その行動や行為に関して、もともとの人と同じ責任を背負わされます。代わった人の迷惑にならないよう気を引き締める必要があるでしょう。
「代替」の使い方・例文
「代替」の意味や似た意味を持つ類語についてわかったところで、次は「代替」の使い方を見ていきましょう。「代替」は具体的にどのような使い方をすればいいのでしょうか?そのためには、例文を挙げて説明する方が、よく理解できるでしょう。例文を参考に「代替」を使いましょう。
例文①代替品
「代替」の使い方の1つ目は、「代替品」というものです。ネットショップなどで買い物をする時、物を実際に手に取って確かめることができないため、送られてきた製品が壊れている場合があります。この場合、新しい別な同じ製品を送ってもらう必要があります。
こう言う場合の例文として、次のようなものがあります。「申し訳ありません。代替品と交換させていただきます」というものです。また次のような例文もあります。「壊れていたので、メーカーに言って代替品と交換しました」というものです。
例文②代替案
「代替」の使い方の2つ目は、「代替案」です。「代替案」の意味は、「1つの案が発表されている中で、それに代わる提案」というものです。もともとの案が決まっていたものの、事情が変わり、その案では上手くいかなくなる場合があります。
その時に別の案を提示するということはよくあるのではないでしょうか?例文としては「日にちの面で問題があるので、代替案として次のものはどうでしょうか?」というものがあります。別の例文をとしては「昨日発表された案の代替案を決めましょう」というものがあります。
例文③代替車
「代替」の使い方の3つ目は、「代替車」です。「代替車」は意味が2つあります。1つ目の意味は、修理などで車が使えない時に借りる代車のことを言います。例文としては「今、車を車検に出しているから、代替車を運転して来たよ」というものです。
「代替車」のもう1つの意味は、以前乗っていた車で車庫証明を取って、新しい車に買い替えて、登録を変更したい時に入れ替える車がある場合、「代替車」と言います。「あなたは車庫証明の申告の度に代替車を申告しなければいけません」といった例文があります。
例文④代替する
「代替」の使い方の4つ目は、「代替する」です。「代替」という言葉は他の単語と合わせて、1つの単語にして使う場合が多いです。
「代替」を動詞にする場合、「代替する」という使い方をします。例文を挙げてみましょう。「ちょうどその時代、路面電車を廃止して、バスに代替するようになっていきました」というものです。
「代替」と「代用」の意味の違い
「代替」の使い方もわかってきたところで、「代替」と似たような言葉との意味の違いについて見ていきましょう。「代替」という言葉は読み方もなんとなくわからないので、あまり使用してこなかったという人もいるかもしれません。それでは「代用」はどうでしょうか?
まず「代用」の意味について、知っていきましょう。「代替」と「代用」は意味にどういった違いがあるのでしょうか?また、意味が違ってくれば、使い方も違ってきます。使い方も含め、以下でしっかり見ていきましょう。
「代用」は「間に合わせに別の物を使う」の意味
「代替」と「代用」にはわずかに意味の違いがあります。「代替」も「代用」も、代わりの別の物を使うという点では同じ意味です。「代替」の場合は、本来使っていたものから、それに見合った代わりのものに取り替えるという意味です。
この時、本来使っていたものを、再登場させるということはありません。しかし「代用」は少し違ってきます。「代用」でも代わりのものを使うのですが、それはとりあえずのことです。つまり、一時しのぎに、代わりのものに取り替えます。
そして後になって、本来使っていたものに戻そうと考えた場合、再度取り替えることができるという意味になります。例文としては「コーヒーが手に入らなくて、代用コーヒーを飲んでいます」というものがあります。
「本物の煙草の箱の中に入っていたのは、代用煙草だった」というものもあります。さらに「代用」は、似たようなものを代わりに使うという意味もあります。
「白ワインの代用に日本酒を使ってください」といった例文が挙げられます。この場合の「代用」は一時的に使うという意味にはなりません。
「代替」と「代替え」の違い
「代替」と「代用」の意味とその違いがわかったところで、もう1つの「代替」と似た単語について考えてみましょう。それは「代替え」です。「代替」を「だいたい」と読むことは、先述した通りです。しかし、「代替」を「だいがえ」と読む場合もあります。
その場合「代替え」という表記がよく見られます。「代替」の本来の読み方は「だいたい」ですが、近年は「だいがえ」という読み方をする人も多く見受けられるようになりました。そのため、「代替」は「だいがえ」と読んでも問題ないだろうという風潮になっています。
「代替え」の読み方は重箱読み
「代替」と「代替え」の違いは、読み方の違いであって、意味は同じです。音読みと訓読みを混ぜて読む読み方はよくあります。音読みの次に訓読みをする読み方を「重箱読み」と言います。逆に訓読みと音読みの順での読み方をする場合は、「湯桶読み」と言います。
「代替え」という単語は、「代」は音読みであり、「替え」は訓読みになります。つまり、重箱読みになります。漢語は音読み、和語は訓読みします。
重箱読みや湯桶読みをする単語は、漢語と和語を合わせた言葉になるので、合成語に分類されたり、和語と分類されたりします。つまり、「代替」は漢語であり、「代替え」は合成語か和語という意味になります。
「代替」の意味の英語表記
最後に「代替」の英語表記について見ていきましょう。せっかく難しい言葉の「代替」を覚えたのですから、英語で何と言うかも知って置きましょう。英語を使うシーンというのはどんどん増えています。ビジネスで英文のメールを書く機会もあるでしょう。
そんな時には「代替」をスマートに英語表記していきましょう。きっと相手に見直されることでしょう。「代替」は英語で、「alternative」や「substitute」と言います。「alternative」は名詞としても、形容詞としても使われます。
「substitute」は名詞です。よく言われる「代替エネルギー資源」とは英語で「alternative energy resources」と言います。「代替品」を英語で言うと、「a substitute」や「a back-up」になります。「a back-up」は緊急時の予備としての代替品を指します。
まず「代替品」の例文を挙げてみましょう。「この部品の代替品はあれです」は英語で「The replacement for part is that.」と言います。また、「コーヒーの代替品を探しています」は英語で「I'm looking for an alternative to coffee.」となります。
さらに「代替案」の例文を見ていきましょう。「彼らは代替案を考えなければなりません」は英語で「They have to come up with an alternative strategy.」と言います。
最後に「代替品」の例文を見ていきましょう。「豆腐はベジタリアン用の料理で、肉の代替品として使うことができます」は英語で「Tofu can be used as a meat substitute in vegetarian recipes.」になります。
このようにさまざまな英語で「代替」という単語を使うことができます。最初からいくつも覚えるのは難しいと考える場合は、仕事の上で一番よく使うであろうフレーズを暗記するといいでしょう。
「代替」とは「他のものに替えること」の意味
「代替」の意味や読み方を知っておくと、普段の会話ですんなりと口にすることができるようになります。ビジネスシーンでスマートに「代替」という言葉が出ると、話もより円滑に進むでしょう。類語との意味の違いや使い方をよく覚えて、普段の会話で使っていきましょう。