「目から鱗」の意味とは?「目から鱗が落ちる」の由来や使い方も紹介!

「目から鱗」の意味とは?「目から鱗が落ちる」の由来や使い方も紹介!

「目から鱗が落ちる」という言葉は、日常的に使っている人もいる馴染みのある慣用句です。「目から鱗が落ちる」の由来や歴史、類語など普段何気なく使っている言葉について掘り下げて詳しくご紹介します。「目から鱗」の情報もあるのでぜひご覧下さい!

記事の目次

  1. 1.「目から鱗が落ちる」の意味とは?
  2. 2.「目から鱗が落ちる」の対義語・類義語
  3. 3.「目から鱗が落ちる」の使い方・例文
  4. 4.「目から鱗が落ちる」と「目が点になる」の違い
  5. 5.「目から鱗が落ちる」を使う際の注意点
  6. 6.「目から鱗が落ちる」の由来・歴史
  7. 7.「目から鱗が落ちる」の英語表記
  8. 8.「目から鱗が落ちる」は迷いから覚め物事の実態がわかるようになるという意味

「目から鱗が落ちる」の意味とは?

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皆さんは「目から鱗」という言葉を使ったことはあるでしょうか。「目から鱗」とは、今までわからなかったことが急に理解できるようになること、迷いから覚め、物事の実態が分かるようになることを意味する言葉です。

日常的に使っている人も多いかもしれませんが、「目から鱗が落ちる」を略した言葉でもあります。しかし、よくよく言葉の意味を考えると目と鱗?とちょっと首をかしげたくなるような組み合わせの言葉であり、ちょっと不思議な感じもします。

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「目から鱗が落ちる」を略した「目から鱗」は、元々聖書の言葉だったものが、ことわざなどで使われるようになったと言われています。

日本人が鱗というと、どちらかというと硬くて大きな海水魚の鱗を想像しがちですが、もともとの由来になっているキリスト教でいうところの鱗は、川魚の薄く小さな鱗を指しているとされていて、そんな事実もまさに「目から鱗」です。

今回はそんな「目から鱗」という言葉についてまとめてご紹介します。読み終わった後は目から鱗の事実がいっぱいです!ぜひ「目から鱗」という言葉を知ってる方もそうでない方も、最後までチェックしてみて下さい。

「目から鱗が落ちる」の対義語・類義語

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「目から鱗」の類語としては、「ハッとする」「目が開かれる」「悟る」「インスパイアされる」「思わず膝を打つ」などがあるでしょう。

他にも「腹に落ちる」、「はっきりする」、「固定観念が覆される」、「視界が開ける」、「明瞭になる」、「腑に落ちる」、「開眼する」なども類語といえます。一方、対義語は特に当てはまる言葉はありません。

「目から鱗」、「目から鱗が落ちる」の類語である「ハッとする」は、急に思いついたり、急に我に返る、驚くという意味で使われる言葉です。

言葉だけを聞くと目から鱗とは少々違った印象を受けがちですが、例文を挙げると、「ニーチェの言葉にハッとさせられる」などがあり、「目から鱗」と同じような使われ方をしていることが分かります。

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また、「目が開かれる」という類語は、知識を得て新たな境地を知ること、真理を悟って新たな境地に至ることという意味があり、まさに「目から鱗」に近い意味をもった類語といえるでしょう。

「悟る」という言葉もまたはっきりと理解する、心の迷いから抜け出し心理にたどりつく、という意味があり、物事をはっきり理解したり、見抜いたりすることを言い、「目から鱗」と似たような意味合いがあります。

「インスパイアされる」という言葉はある特定の思想や感情がふきこまれることを意味し、ニュアンス的には「目から鱗」とはちょっと違っていますが、類語の部類に入るでしょう。

「膝を打つ」という言葉は、「感心した」、「納得した」という意味があり、膝をポンと叩く動作をすることが由来になっています。「先輩のアイデアを聞いて思わず膝を打った」などといった使い方をし、「目から鱗」に近い類語であることが分かります。

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「目から鱗」の類語の「腑に落ちる」という言葉は、納得できる、理解できるという意味で使われる表現です。主に否定形で「腑に落ちない」という形で使われることが多く、腑とは、内臓やはらわたの事です。

古い時代には腑には心が宿ると考えられていて、腑に落ちるとは、つまり心の底に落ちるという意味であり、頭だけでなく、身体全体で深く納得できたという感情を表す言葉です。

「目から鱗」も「腑に落ちる」も身体の一部が含まれる表現で、どちらもより深くわかったという意味ではかなり近い意味を持つ類語と言えるかもしれません。

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「目から鱗」と同じ「目」を意味する言葉を使った類語に「開眼する」という言葉もあります。のちに詳しくご紹介しますが、「目から鱗」は聖書に由来のある言葉であるのに対し、「開眼する」は仏教からきている言葉です。

「開眼する」は、新作の仏像・仏画を供養し、眼を転じて魂を迎え入れることやその物議、さらに真理を悟ること、特に技術、芸能の道で神髄を悟り、極致を極めること、またコツを会得することを意味します。

「目から鱗」は技術、芸能の道で神髄を悟ることではあまり使われない言葉ですが、ニュアンスとしては近いものがあり、「目から鱗」の類語と言うことができるでしょう。

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「目から鱗が落ちる」の使い方・例文

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日常的にも良く使われる「目から鱗」という言葉ですが、実際にどんな使い方があるのか、使い方の簡単な例文をご紹介していきましょう。日常的に使える「目から鱗」の例文を4つご紹介しますので、使い方がよくわからないという方はぜひチェックしてください。

例文①

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「目から鱗」もしくは「目から鱗が落ちる」の使い方の例文のひとつめとして、「はっきりと指摘してもらったおかげで目から鱗が落ちました」を挙げましょう。

先輩などから受けた指摘によって、自分で思い込んでいたことが間違っていたと気づき、新しい実態が見えるようになった時などに使う言葉で、直接相手に言う時には感謝の意味も込められています。日常の生活の中では比較的使われることも多い「目から鱗が落ちる」の言い回しです。

例文②

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「目から鱗」もしくは「目から鱗が落ちる」の使い方の例文の2つめとして、「雑学本を読むと、目から鱗が落ちる知識ばかりだ」を挙げましょう。

この例文では、「目から鱗」が今までわからなかったことが、急にわかるようになるといった意味で使われていて、今まで見えなかった新しい発見に、世界が開けている様子がうかがえます。

友人に本を薦める時など「目から鱗ばかりの本だから」などと言った使い方もあります。先にも説明している通り「目から鱗」は「目から鱗が落ちる」という意味も含まれているので、このような使い方ができるということも併せて覚えておくと良いでしょう。

例文③

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「目から鱗」もしくは「目から鱗が落ちる」の使い方の例文の3つめとして、「防災アプリがいざという時には使えないという事実を知り、多くの人は目から鱗が落ちるような思いをした」を挙げましょう。

ここで使われている「目から鱗」は、類義語の「ハッとする」という意味に近いニュアンスともとることができます。信じていた事実が、そうでないことが分かり、ハッとさせられたといった感じです。

目から鱗が落ちるような思いをするという独特の言い回しですが、実際に目から鱗がおちたのではなく、それに近い感情を抱いたという意味で使われています。

例文④

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「目から鱗」もしくは「目から鱗が落ちる」の使い方の例文の4つめとして、「それぐらいの話では目から鱗はおちないな」を挙げましょう。

ここで使われている「目から鱗」は、類義語の「ハッとする」「開眼する」などとも置き換えることができます。その程度の話は、目から鱗が落ちるほどの大した話ではないという意味があります。

「目から鱗が落ちる」と「目が点になる」の違い

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「目から鱗が落ちる」で使われている「目」を使った慣用句は沢山あります。例えば、「目は口ほどに物を言う」「目から火が出る」「目も当てられない」「目が飛び出る」「目が利く」「目が離せない」「目を三角にする」「目を伏せる」など、挙げればキリがないほどです。

その中のひとつ「目が点になる」と「目から鱗が落ちる」との違いについて簡単に説明しておきましょう。あまり間違えることはないかもしれませんが、「目」を使った慣用句の一つとして、参考までにご紹介します。

「目が点になる」は驚きあきれ返った表情になるという意味

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「目から鱗が落ちる」と同じ「目」を使った慣用句のひとつ、「目が点になる」は驚きあきれ返った表情になるという意味があります。

非常に驚いた様子を表した言葉で、漫画などで目を点のように描いて驚きの表情を表すことから、1960年から1970年頃に生まれた言葉といわれています。

「目から鱗が落ちる」が新約聖書が由来になっていることを考えると、かなり言葉の生まれた時代にギャップがあり、この言葉を多く使っているのは40代から50代が多いと言われ、10代や70代ではほとんど使われていない慣用句でもあります。

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例文として、「非常識な奇行を見て、周囲の全員の目が点になってしまった。」「彼の奇抜な格好に目が点になる。」などが挙げられます。

「目が点になる」は「目から鱗が落ちる」とは全く違う時代に生まれた言葉であり、意味も違います。「目が点になる」は、意味と同時に、意外に知らない人も多い慣用句であるということを覚えておくと良いでしょう。

「目から鱗が落ちる」を使う際の注意点

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「目から鱗が落ちる」という言葉を使う時には、注意点があります。ついやってしまいがちな「目から鱗が落ちる」の使い方の注意点について説明します。くれぐれも、知ったかぶりして恥ずかしい間違いをしないようにしましょう。

「目から鱗が取れる」は使えない

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「目から鱗が落ちる」と「目から鱗が取れる」の落ちると取れるは、一見似たような言葉ではありますが、この言葉の使い方は間違いです。

「落ちる」でも「取れる」でもそれ自体の言葉は単体で、どちらを使っても通じる場面が多いですが、「目から鱗」と合わせて使う時には、「落ちる」とは言わず「取れる」を使うようにしましょう。

また、「目」は「眼」でもないという点も注意したいところです。「目」は形や働い、状態を表すのに対し、「眼」は医学的や物理的に使われることが多く、医療など専門的な用語として使われます。

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さらに余談ですが、人間の目から鱗が落ちたり、取れることは実際にはありませんが、蛇は脱皮の際に実際目から鱗が落ちたり、取れたりするのだそうです。

そのことから「目から鱗」の語源になっている新約聖書では、サウロは邪悪の化身である蛇と位置付けられ、目から鱗が落ちたのだろうと言われることもあります。

「目から鱗が落ちる」の由来・歴史

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「目から鱗」という言葉の由来は聖書にあることは先のところでも何度か説明していますが、さらに詳しい「目から鱗」という言葉の由来、歴史について紹介していきましょう。まさしく「目から鱗」の事実はぜひチェックです!

由来

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「目から鱗」という言葉の由来は新約聖書にあることは先にも少し触れたところですが、「目から鱗」は、新約聖書の使徒行伝にある一節に由来しています。

「すると、たちまち目からうろこのようなものが落ち、サウロは元どおり見えるようになった(第9章18節)」という故事からきているのが、「目から鱗」の慣用句です。

歴史

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「目から鱗」の新約聖書に書かれている話は次の通りです。あるところに大宣教師・使徒パウル(サウロはかつてパウルという名前であった)という人間がいて、彼はキリスト教の信者を迫害するリーダー的存在でした。

信者たちを追っていた旅の途中でイエスの霊に遭遇したパウルは、強い光で3日のあいだ視力を失ってしまいました。しかし、イエスの弟子がパウルのもとに遣わされると、「目から鱗」のようなものが落ち視界がはっきりするようになったと記載されています。

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「目から鱗」という慣用句がそこまで古い歴史のある言葉ということは、まさに「目から鱗」の事実です。日本で使われるようになったのは、新約聖書やキリスト教が伝来してからになるので、時代的には16~17世紀ころの事でしょう。

新約聖書にあるエピソードからもわかるように、本来は「迷いから覚める」という意味で使われていたものですが、日本では何らかのきっかけで急に視野が開け、物事の事実が理解できるようになるという意味になったようです。

「目から鱗が落ちる」の英語表記

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「目から鱗」の英語表現は「Scale from the eye」、「目から鱗が落ちる」の英語表現は「The scales fall from one's eyes」です。もともと聖書からきている「目から鱗」は、キリスト教の本場バチカンで使われるイタリア語表記なので、イタリア語の表記もご紹介しておきます。


「目から鱗」は、イタリア語で「Scala dall’occhi」  と表記し、「目から鱗が落ちる」は「Le squame cadono dagli occhi」 と表記します。

Scaleという単数形の単語は鱗という意味がありますが、scalesという複数形の単語になると、目をかすませるものという意味があるため、目から、目をかすませるものが落ちる、つまり誤りを悟るという解釈ができます。

「目から鱗が落ちる」は迷いから覚め物事の実態がわかるようになるという意味

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いかがでしたでしょうか。「目から鱗が落ちる」は、迷いから覚め、物事の実態が分かるようになるという意味のある言葉です。

普段何気なく使っていた方も、実は聖書が由来になっていたということは目から鱗だったのではないでしょうか。ぜひ、「目から鱗が落ちる」という言葉を日常の中で上手に使ってみてはいかがでしょう。

nyaokaka
ライター

nyaokaka

趣味は料理、旅行、家庭菜園、音楽等々。日常の色々なことを分かりやすい文章でお届けします。

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