「連係」「連携」の意味とは?
「連係」と「連携」の意味をご存知ですか?今回は、「連係」と「連携」の使い方や違いを紹介します。また、「連繋」との違いも詳しく解説します。「連係」と「連携」の意味を理解し、正しく使い分けましょう。
「連係」「連携」の由来
「連係」と「連携」の由来を紹介します。「連係」と「連携」はどちらも「れんけい」と読み、同じ読み方ですが、ニュアンスが違います。「連係」と「連携」の由来を知ることで、ニュアンスの違いも少しずつ見えてくるでしょう。
「連係」の由来
まず始めに「連係」の由来を紹介します。「連係」の「連」は、音読みで「れん」、訓読みで「つらなる」と読みます。「連」は「つらなり、つながり、なかま、引き続いて」という意味を持っています。
そして「連係」の「係」は、音読みで「けい」、訓読みで「かかる」、「かかり」、「かかわる」と読みます。「係」は「かかわる、つなぐ、つながり」という意味を持っています。
このように「連」と「係」は、似たような意味を持っています。そして「連係」は、「物事と物事、又は人と人の繋がり」、「他との密接な関連を持つこと」を意味します。
「連携」の由来
続いては「連携」の由来を紹介します。「連携」の「携」は、音読みは「けい」で、訓読みは「たずさえる、たずさわる」と読みます。「携」は「たずさえる、身に付ける、関連する、手をつなぐ」という意味を持っています。
そして「連携」は、「同じ目的を持つ者同士が連絡を取り合い、目的を果たすこと」という意味を持っています。「連携」は比較的、新しくできた言葉で、「連絡、提携」の略語であると言われています。
「連繋」の由来
「連携」と「連係」と同じ読み方をする「連繋」の由来も紹介します。「連繋」の「繋」は、音読みが「けい」で、訓読みが「つなぐ」、「つながる」、「きずな」と読みます。「繋」は「つながる、かかわる、きずな、とらえる」という意味を持っています。
また、「連繋」は「何かと何かの間につながりがあること」という意味を持っています。「連係」と「連携」と「連繋」の意味の違いや使い分けについては、後ほど紹介します。
「連係」「連携」の特徴
「連係」と「連携」はそれぞれ、どのような場面で使うのでしょうか?「連係」と「連携」のそれぞれの特徴と使い方などを紹介します。「連係」と「連携」の特徴を知ることで、それぞれの意味を深く理解することが出来るでしょう。
「連係」の特徴
まず「連係」の特徴を紹介します。「連係」は先ほども紹介しましたが、「互いの間につながりがあること」という意味を持っています。「連係」は物や人など、お互いに密の繋がりがあることを表しています。
「連携」の特徴
続いては「連携」の特徴を紹介します。「連携」は先ほども紹介しましたが、「互いに連絡を取って物事を協力して行うこと」を意味しています。つまり「連携」は、同じ目的を持っている者同士が協力することを表します。
「連係」「連携」の違い
「連係」と「連携」の意味を理解したところで、続いては「連係」と「連携」の違いについて紹介します。「連係」と「連携」の違いを知ることで、「連係」と「連携」の使い方をマスターすることが出来るでしょう。更に先ほど由来を紹介した「連繋」の使い方についても紹介します。
「連係」と「連携」の使い方が違う
「連係」と「連携」の違いを紹介します。「連係」と「連携」の特徴のところで紹介しましたが、「連係」は互いの「関係」を表していて、「連携」は協力するという「行動」を表しているという違いがあります。
「連係」と「連携」どちらも似たような意味ですが、関係の親密さは「連携」よりも「かかわり」を表す「連係」の方が上になります。
「連係」と「連繋」は同じ意味
続いて「連繋」について紹介します。今まで解説してきた「連係」や「連携」と同じ読みをする「連繋」ですが、どのような違いがあり、どのような使い方をするのでしょうか?「連繋」の「繋」も「つながり」を表します。
「連繋」は戦前から使われている古い言葉になります。戦後の常用漢字の改定の際、「連繋」は難読漢字だとされ、「連繋」を「連係」と記述することが決定されました。つまり、「連係」を戦前の形で表すと「連繋」となります。
意味も「連係」と全く同じで、協力し合う関係性を表します。常用漢字で「連繋」が「連係」と改定されたことから、戦後において「連繋」を使うことは無くなり、「連係」が主流になったと考えられます。「連繋」は間違えた言葉ではありませんが、最近ではあまり見られない言葉になっています。
「連係」「連携」の使い方
「連係」と「連携」の意味が分かったところで、「連係」と「連携」の使い方について例文を使って紹介します。「連係」と「連携」の例文を知ることで、「連係」と「連携」の違いについて深く理解することが出来るでしょう。
例文①
まず最初の「連係」の例文は、「クラスの連係を密にする」です。この例文は、クラスに所属する人たちの「関係」を深めるという意味で「連係」が使われています。このように「連係」は、人と人との関係性を表すことに使えます。
この文章は、「連係」の「互いのつながり」という意味を使った使い方をしている例文になっています。この例文で「連携」を使うと、クラスに所属する人たちが協力し合うことを密にするという意味が分からない文章になるため、「連係」を使うことが正しいと言えます。
例文②
2つ目の「連係」の例文は「社長の解任に連係し、上司たちも降格した」です。この例文は、社長の解任という事実に影響を受けて、上司たちの役職が下がってしまったという意味になります。
この場合は、社長の解任と上司の降格の関係性を表した「連係」の使い方になっています。このように「連係」は、2つの事実の関係を繋げるような使い方もできます。
例文③
3つ目の「連係」を使った例文は、「彼らには何の連係もなく、これが仕事でのミスへと繋がった」です。彼らが互いに連絡を取り合うなどの密の関係が無かったため、ミスをしてしまったことを表す例文になっています。
このように「連係」は密な関係を表すだけでなく、「連係」を否定することで、密な関係が無いという使い方もできます。
例文④
続いて紹介する「連係」を使った例文は、「内野と外野の巧みな連係プレーが、チームを勝利へと導いた」です。この例文は、内野手が外野手から打者が打ったボールを受取り、アウトを勝ち取るという内野手と外野手の互いのつながりを表しています。
このように、「連係」は内野手と外野手の繋がりによって、勝利を得るという意味で使うことができます。しかし、この例文では、「内野と外野の巧みな連携プレーが、チームを勝利へと導いた」と言う様に「連携」を使うこともできます。
「連携」が使える理由は、「連携」は同じ目的を持つ者同士が協力し合うときに使うことができ、この場合、内野手と外野手が互いに協力し合い、アウトを取るために行動していると考えられるからです。つまり、この例文では、「連携」と「連係」、どちらでも使うことができます。
例文⑤
ここからは、「連携」を使った例文を紹介します。「連携」を使った例文一つ目は、「会社の同僚と連携して、プロジェクトを進める」です。この例文で「連携」は、会社の同僚と同じ目的に向かって互いに努力し合うことを意味しています。
例文⑥
2つ目に紹介する「連携」の例文は、「災害時は県と市の連携が大切だ」です。この例文は、県と市が連絡を取り合い、互いに力を合わせることが大切であるという意味になります。
この例文では、県と市の密の関係では無く、互いに協力することが大切であることを伝えたい例文となっているため、「連係」ではなく「連携」を使います。
例文⑦
3つ目に紹介する「連携」を使った例文は「仕事でのトラブル回避のために連携を深める」です。この例文の「連携」は、トラブルを避けるために互いに連絡を取り合うなど密の関係を作るという意味で使われています。
互いにトラブル回避という目的のために協力し合い、連絡を取るなどの努力を行うという意味からも「連携」を使うのが正しいと言えるでしょう。
「連係」「連携」は「互いに助け合う」という意味
「連係」と「連携」は、「互いに助け合う」という意味を持っていて、一見同じに見えます。しかし、「連係」は「互いに助け合う関係性」を表し、「連携」は「互いに助け合う行動」を表すので、使い方が少し異なります。「連係」と「連携」を正しく使い分けましょう。