「研鑽」とはどういう意味？使い方の例文や類義語での言い換えもチェック！

あなたは「研鑽」という言葉を知っていますか？「何やら難しい漢字で、よくわからない」という人もいるかもしれません。「普段、使わない言葉だ」と感じる人もいるかもしれません。

確かに、「研鑽」という言葉は、漢字が難しく、日常会話で自然に出てくる言葉ではないかもしれません。しかし、こういった難しそうな言葉を上手に、会話の中で使うことができたら、素晴らしいと思いませんか？

それではまず「研鑽」とはどういう意味なのかを見ていきましょう。「研鑽」とは、「深く研ぎ澄ます」という意味になります。次に漢字の意味も合わせて見ていきましょう。

「研」とは「研ぐ」や「磨く」といった意味から「努力をする」や「その道を究める」という意味を持っています。

また、難しい漢字の「鑽」ですが、「きわめる」や「研究する」といった意味があります。直接的な意味では「たがね」といって「穴を開けるための道具」という意味でもあります。この「たがね」は鋼鉄で作られた、金工用ののみのことを意味します。

「研鑽」とは「深く研ぎ澄ます」という意味から、「ものごとを深く極めること」という意味になります。「ものごと」とは、学問やスポーツの技術などを指します。学問を追求したり、スポーツの技を磨いたりすることから、最終的には「努力して、学問や技術の知識を身につける」という意味に落ち着きます。

では「研鑽」とは、どういう読み方をするのでしょうか？「研鑽」の「研」は、「研究」や「研磨」などの単語によく使われます。意味としては「みがく」「とぐ」「つとめはげむ」というものがあります。読み方は「けん」です。では難しいほうの漢字「鑽」は、なんと読むのでしょうか？意味としては「きわめる、深く調べる」というものがあります。

「鑽」は金へんに「賛成」の「賛」に似たつくりを持ちます。「鑚」という字は「鑽」の異字体です。この漢字は「さん」と読みます。したがって「研鑽」は「けんさん」と読みます。

「鑽」の字のつくりは、「先」に似たものを2つ並べた下に「貝」と書くので注意しましょう。「研鑽」を「研鑚」と書いても正解です。

「研鑽」とは、「深く研ぎ澄ます」という意味ですが、特に、高い境地から真理を追究するといった意味の言葉です。そのため「研鑽」という言葉は気軽な使い方ができないと考えられがちではないでしょうか？そんな時「研鑽」の類義語を知っておくと便利です。「研鑽」の代わりに類義語を使い、気楽に会話に入れてみましょう。

「研鑽」の類義語はいくつかあります。まず1つ目の類義語は「精進」という言葉です。よく相撲力士が出世して、口上を述べる時に、この類義語を使うことから「研鑽」よりは身近に感じられるのではないでしょうか？

類義語の「精進」とは、そもそも仏教的な用語で、身を清め、仏道修行に励むという意味になります。現在はひとつのことに一生懸命に取り組むことを指しています。

類義語の「精進」とは、どんなものに取り組んだり打ち込んだりするか、その対象に重点が置かれている言葉です。技術を上げたり、研究の成果を出したりだけではなく、誘惑に打ち勝って必死に取り組むといった、精神的な部分を大切にした使い方をされる類義語です。

「研鑽」の類義語2つ目は「邁進」です。こちらの類義語も「研鑽」に負けないくらい難しい漢字です。読み方は「まいしん」です。類義語の「邁進」とは、恐れることなくどこまでも突き進むという意味です。

「邁」という字は「励む」「どんどん進む」「優れている」といった意味があります。類義語「邁進」は、努力の途中で行き詰ったとしても、諦めることなく果敢に突き進むといういう時に使うのが、ベストな使い方なのではないでしょうか？

「研鑽」の類義語3つ目は「精励」です。この類義語は「せいれい」と読みます。「精励」とは「勉強などに精を出して励む」という意味の言葉です。類義語「精励」の「精」は「たましい」「ひたむき」「つぶさに」といった意味があります。

つまり、ひたすら魂を込めて励むという時に使う使い方がぴったりでしょう。さらに類義語「精励」は学問やスポーツといったものに限らず、毎日行うルーティーンワークに対しても使うことができます。

研磨の類義語4つ目は「修業」です。「しゅぎょう」と読みます。「芸術、スポーツ、学問について学び、修めること」を意味します。同じ読みで「修行」があるので間違いやすいですが、「修業」は仏教用語から来ています。

「修行」より「修業」」のほうが「研鑽」の類義語としては適当でしょう。例文としては、次のようなものはどうでしょう？「世界的なバイオリニストを目指すため、私はアメリカで修業を積むことにした」というものです。

「研鑽」の類義語5つ目は「鍛錬」です。「たんれん」と読みます。もともとの意味は「金属を打って鍛える」というもので、それが転じて「自分の能力や精神力を鍛えて強くすること」という意味になりました。

例文として次のようなものはどうでしょう？「鍛錬を重ねてきた結果、今の自分があります」というものです。類義語「鍛錬」は「重ねる」や「積む」と一緒に使いましょう。「研鑽」よりやや技術的な面での努力というニュアンスが強く感じられるでしょう。

「研鑽」の類義語6つ目は「修練」です。「しゅうれん」と読みます。「修練」の意味とは「己の精神を鍛え、技術を磨く」というものです。使い方としては「積む」や「励む」などと組み合わせる場合が多いです。

例文を挙げてみましょう。「これからもこの技術の継承のため、修練を積んでいきます」というものです。技術的な知識を深めたり、同時に精神的な成長をしたり、その両方について言いたい時にぴったりの言葉でしょう。

「研鑽」の類義語の7つ目は「研磨」です。読み方は「けんま」で、字の通り「研いで磨く」という意味になります。もともと金属や木材を加工する工程の1つの言葉なので、耳にする機会の多い言葉ではないでしょうか？

例文を挙げてみましょう。「この仕事で培った知識と技術をさらに研磨し、より一層頑張ってまいります」というものです。

「研いで磨く」という意味なので、すでにある程度身についている技術や知識を、さらに深く確実なものにしていくといったニュアンスを出したい時に使うのがおすすめです。

「研鑽」の類義語8つ目は、日常生活でよく使われている「練習」という言葉です。「研鑽」の意味である「学問やスポーツ、芸術などの技術や知識を追求し、身に付ける」ことを簡単に、技術に関しての場合に言い換えるとするなら、「練習」が当てはまります。

例文として「最後の大会のために、力を合わせて一生懸命に練習を積んできました」というものがあります。ただ「練習」はビジネスシーンでにはあまりそぐわない言葉です。「練習」を使うか、「研鑽」を使うか、その場の状況を見て判断していきましょう。

「研鑽」は「ものごとを深くきわめること」という意味ですが、慣れないうちはなかなか使い方が難しい言葉と言えるでしょう。「研鑽」を使いたいけれど大袈裟な気がして躊躇してしまうこともあるのではないでしょうか？

そんな時に言い換えができる四文字熟語を知っておくと便利です。「研鑽」を言い換えると、どんな四文字熟語になるのでしょうか？

さっそく「研鑽」を言い換えてみましょう。まず1つ目の言い換えができる熟語は「切磋琢磨」です。言い換えの「切磋琢磨」は互いに競いながら、いっしょに上へ向かっていくという意味での使い方がされます。

この言い換えの「切磋琢磨」はもともと、象牙、玉、石といったものを加工して価値を高めるという意味でした。つまり「価値あるものをさらに向上させる」ということになり、「研鑽」の言い換えにぴったりの言葉と言えるでしょう。

「研鑽」の言い換えは他の言葉でもできるのでしょうか？「研鑽」を言い換える2つ目の言葉が「鋭意努力」です。この言い換えの「鋭意努力」は、集中して努力するという意味での使い方ができます。

「鋭」の字には「一点に集中する」という意味があります。つまりこの言い換えの「鋭意努力」は、意識を他にそらすことなく、集中して努力するという意味になります。深く追求して極める「研鑽」の言い換えにふさわしい言葉といえるでしょう。

「研鑽」を言い換える3つ目の言葉が「刻苦勉励」です。この言い換えの熟語は「こっくべんれい」と読みます。「刻苦」とは「大変な苦労」という意味です。「勉励」は「勉強に励む」という意味です。

この2つの言葉を組み合わせた熟語で「研鑽」を言い換えることができます。この言い換えの言葉をさらに詳しく見ると「刻」には「けずる」「きざむ」「時間」の意味があります。

その他「きびしい」「ひどい」といった意味もあります。「励」は「はげます」「努力する」「つとめる」といった意味があります。

この「研鑽」という一見難しく見える言葉を、英語にしたらどうなるのでしょうか？「研鑽」を普通に英訳すると「study」という単語になります。誰もが中学時代に習う「勉強する」という単語です。

しかし、ただ「study」だけでは「研鑽」に比べて、意味が弱く、ニュアンスがうまく伝わらない可能性があります。「研鑽」にもっとふさわしい英語表現はないものでしょうか？

「研鑽」の意味に忠実に英訳する場合、「diligent study」とするほうが良いのでしょう。「diligent」とは「勤勉な」「まじめな」といった意味になります。

さらに「研鑽」の英訳として、レベルを向上させるという意味合いにする場合は「improve」や「improvement」といった単語を使うといいでしょう。

「improve」には「上達する」「改善する」「進歩させる」といった意味があるので、「研鑽」の意味に近づくのではないでしょうか？「研鑽」を使った熟語「自己研鑽」の場合は、「self improvement」が英訳になることが多いようです。

「研鑽」の使い方の例文として「研鑚を積む」という言葉があります。この「研鑚を積む」を英語で言うと、「devote oneself to one's studies」になります。この英文を直訳すると「勉強に熱中する」や「研究に打ち込む」とになります。

これを意訳すると「研鑚を積む」という意味になります。「devote oneself to～」という熟語は「～に専念する」や「～に身をささげる」といった意味になります。この熟語に「one's study」を加えて、「研鑚を積む」という表現になります。

ちょうど「自己研鑽」という言葉が出てきたので、次はこの言葉について見ていきましょう。「研鑽」という言葉だけより「自己研鑽」という言葉で使われる機会が多いのではないでしょうか？

「自己研鑽」とは、自分自身について強くアピールできる言葉と言えます。それ以外でも、意外にいろいろなシチュエーションで使うことができるので、使い方や例文を知っておくと、何かと便利でしょう。

「自己研鑽」とは「自己を研鑽する」ということです。つまり「自分自身を研ぎ澄ます」ことで、学問の知識や技術を身につけることを意味します。ただの「研鑽」より、自発的に研鑽しているという意味合いが強くなるので重宝な使い方ができるようです。

自己評価が求められるビジネスシーンなどでは、自分が努力してきたことを実績と共に提示するケースが多くあるでしょう。

この時ただ「努力をした」と言うより「自己研鑽を積んだ」と言った使い方をしたほうが教養のある人物として評価される可能性が高くなるでしょう。

「自己研鑽」は「研鑽」より使われやすい言葉といえるでしょう。それでは「自己研鑽」の類義語はどんなものがあるのでしょうか？たとえば「自己啓発」「自己改革」「自己改善」といった言葉がまず挙げられます。

その他「自己発展」「自己鍛錬」「自分磨き」といった言葉も「自己研鑽」の類義語として挙げられるでしょう。時に類義語に言葉を変える使い方をしていくことをおすすめします。

「自己研鑽」とは、どのような使い方をするのでしょうか？例文を挙げてみましょう。例文その1として「技術を磨くために、日々、自己研鑽を怠りません」といったものがあります。

例文その2として「グローバルな見識を深めるため、日ごろから外国のことを学んで、自己研鑽に努めています」といったものもあります。

例文その3として「夢の実現のため、自己研鑽に努め、努力しています」といったものもあります。このような例文を参考に、「自己研鑽」という言葉を使ってみませんか？

「自己研鑽」と似た言葉で「自己啓発」という言葉があります。「自己研鑽」も「自己啓発」も、己を鍛えたり、自分を磨くという意味ではベース部分は同じです。しかし、何を対象にするかというところで、使い方に少し違いがあります。

「自己研鑽」とは自分の知識や技術をストレートに磨くことを指しています。いっぽう「自己啓発」は自分の仕事に対する動機付けや目的意識の進展についてを指しています。

「自己研鑽」は技術や知識に関することで、「自己啓発」は自分の精神的な部分の成長に関することであると言えば、わかりやすいのではないでしょうか？

「研鑽」の意味や読み方について、見てきました。次に「研鑽」の使い方について見ていきましょう。「研鑽」とはどういう使い方をすればいいのでしょうか？

まず、芸術、学問、スポーツといった、知識や実力のつくものに対して使われることが多いようです。ちょっとした趣味程度のことに使うと、大袈裟な表現になってしまうので、使い方には気を付けましょう。

「研鑽」という言葉は、日常生活であまり使われることがないと考える人もいるかもしれません。「研鑽」は日常生活よりビジネスシーンで使われることが多い言葉です。さらには文章などに書き記す場合によく使われる言葉でもあります。この時、他人に対してではなく、自分自身について述べる場合に使うのがほとんどでしょう。

たとえばこんな使い方はどうでしょう？「私はこれまで、〇〇に関して深く学び、知識を得てきました」といった表現は、ビジネスシーンでアピールするのに効果的です。しかしこうした物言いでなく「研鑽」という言葉を使ってみてはどうでしょうか？

「私はこれまで〇〇について研鑽を積んできました」という表現にすると、教養が高い人と感じ取ってもらえるでしょう。

これまで「研鑽」の意味、読み方、類義語、英語表現などを見てきました。「研鑽」についてよく知ったところで、実際に使ってみたいと思う人も多いことでしょう。

文章として、どのように「研鑽」を使うのか、例文を挙げて見ていきましょう。「研鑽」は後に続く言葉によって、印象が変わってくる言葉です。いろいろな言い回しを覚えておくと、便利な使い方ができます。それではさっそく例文を見ていきましょう。

1つ目は「研鑽に努める」を使った例文です。「努める」は漢字からもわかる通り、「努力する」とか「力を尽くす」といった意味があります。例文の1つ目は「この会社の人間として、日々研鑽に努めていきます」というものです。

さらに2つ目の例文は「科学の発展に貢献したく、研鑽に努めてまいります」というものです。研究を重ね、知識を得ることについて、より一層の努力をしていくという、しっかりした意思を示すことができます。

2つ目は「研鑽を重ねる」を使った例文です。この「重ねる」は「繰り返し行う」という意味があります。まず例文の1つ目は「長年研鑽を重ねてきた結果、彼は賞を受賞しました」というものです。

例文の2つ目は「研鑽を重ねていくことで、私はキャリアアップを目指していきます」というものです。「研鑽」に「重ねる」と続ける場合、学問や技術の研究を行う頻度を強調するといった効果があると言えるでしょう。

3つ目は「研鑽に励む」を使った例文です。「励む」とは「精進する」や「心を込めて努める」という意味です。これを使った例文その1は次のようなものです。「よりよい作品を生み出すため、これからも研鑽に励んでいきます」というものです。

例文その2は「ご期待にそえるよう、研鑽に励んでいくことを約束いたします」です。こうして例文を見てくると、「研鑽に励む」とは、現在から未来に向けての意思表示をする場合に使うことができると言えるでしょう。

4つ目は「研鑽を積む」を使った例文です。この「積む」には「上に重ねていく」や「物の上にさらに置く」といった意味があります。

これにより「研鑽を積む」は「物事を繰り返す」や「重ねて〇〇する」といったニュアンスを付加させることができます。例文を見ていきましょう。

「希望の大学に進むことができて、さらに研鑽を積みたいと思っています」というのがあります、別の例文としてこのようなものもあります。「いろいろな学会や勉強会に参加させていただき、研鑽を積んでまいりました」というものです。

最後に紹介するのは「研鑽を深める」を使った例文です。「深める」には、ものごとに対する度合いを強くしたり、進化させたりといった意味があります。「研鑽」はそもそも「深く研ぎ澄ます」という意味です。

そこに「深める」という言葉を加えることで、その深さをもっと強調するというニュアンスを付け加えられます。例文の1つ目です。「この勉強会に参加したのは、新しい知識に関しての研鑽を深めようという目的からです」というものです。

もう1つの例文は次のようなものです。「彼の真摯な態度は、より研鑽を深めたいという気持ちに溢れています」というものです。

「研鑽」という言葉について、いろいろな側面から見てきました。日常会話より、ビジネスシーンでよく使用されているのが「研鑽」という言葉です。

「研鑽」という言葉を覚えておくと、説得力のあるビジネス会話ができ、相手に信頼されたり、新たな仕事のチャンスにつながったりするかもしれません。

社会人の常識として、「研鑽」の書き方、読み方、使い方を覚えておき、いざという時にスマートに使えるようにしましょう。