「ご期待に添えず」の意味とは?
「ご期待に添えず」という言葉を聞いたことはあっても、実際詳しい意味はあまり分かっていないという方もいらっしゃるかもしれません。まず「期待」という言葉は「ある望みが実現するだろうと心待ちにすること」という意味になります。
そして、「ご期待に添う」という言葉の意味は「心待ちにしていたことを叶えること」です。それが「ご期待に添えず」に変わるので、「心待ちにしていたことを叶えられずに」という意味になります。
また「添う」という意味ですが、「そばに離れずにいる」という意味を指します。他にも「あるものに対して別の物が加わる」という意味も持っています。
今回、「ご期待に添えず」の意味だけでなく、ビジネスシーンでも使える例文や英語での表記や類語などをお伝えしていきます。
「ご期待に添えず」の類語
「ご期待に添えず」の意味をお伝えしましたが、「ご期待に添えず」の類語は存在するのか気になるところです。実際に意味を考えると類語は多く存在しそうです。ここからはそんな「ご期待に添えず」の類語をご紹介していきます。類語もビジネスで使えるので要チェックです。
類語①「ご要望に沿えず」
「ご期待に添えず」の類語として「ご要望に沿えず」という言葉があります。この表現もビジネスシーンでよく使われる表現です。まず、「要望」という言葉の意味ですが、「物事に対しての実現を望むこと」になります。
それが「ご要望に沿えず」に変わるので、「物事に対して実現を望んでいたことが叶えられず」という意味になるのです。例文として「ご要望に沿えず申し訳ございません」という表現ができます。というわけで、「ご期待に沿えず」の類語だと言えるのです。
類語②「ご希望に沿えず」
続いての「ご期待に沿えず」の類語ですが、「ご希望に沿えず」という表現があります。この言葉もビジネスシーンで取引先の相手や、お客様に対して使われる言葉です。「希望」の意味は「好ましい物事の実現を望むこと」を表します。
それが「好ましい物事の実現を望んでいたことが叶えられず」という意味になるのです。こちらも例文で「ご希望に沿えず申し訳ございません」という風に使うことができるのです。
「ご期待に添えず」の使い方・例文
「ご期待に添えず」という言葉は意味を考えると、決まった使い方になることが予想されますが、ここからは「ご期待に添えず」の使い方と例文をご紹介していきます。基本的にビジネスシーンで使えるものが多いので、参考にしてみてください。
例文①
「ご期待に添えず」を使った例文をご紹介していきます。「この度はご応募頂き、誠にありがとうございました。検討しましたが、今回は見送らせて頂く形になりました。ご期待に添えず申し訳ございません。」という使い方ができます。断る際に使われることが多い表現です。
シチュエーションとしましては、コンペで応募をしてきた方に断りのメールや電話をしている場面です。応募した方の期待は「コンペで応募したものが採用されること」になります。なので、その期待に添うことができなかったので「ご期待に添えず」になるのです。
例文②
次にご紹介する「ご期待に添えず」を使った例文ですが、「近日中には作品が完成するとお伝えしたにもかかわらず、時間がかかってしまい、ご期待に添えずご迷惑をおかけしました」という使い方ができます。ここでも謝罪を伝える際に使われていることが分かります。
ここでの「ご期待に添えず」は「近日中に完成する作品」が、「時間通りに出来上がらなかったこと」を示しています。なので、その期待に添えることができなくて謝罪しているという場面になるのです。
例文③
「ご期待に添えず」の例文はまだ他にもあります。「ご期待に添えず、ご容赦くださいませ」という使い方ができます。よくビジネス用語には、相手との関係性を悪くしないようなクッション言葉が使われますが、「ご期待に添えず」はクッション言葉としても使えます。
特に、交渉事に関して断わざるを得ない時に、はっきりと断ってしまうと、相手側は良い気持ちがしないでしょう。こんな時に、相手を配慮した言い方や言葉の使い方が必要になってきます。そこで「ご期待に添えず」という言葉が断る言葉を柔らかい印象にしてくれるのです。
例文④
次の「ご期待に添えず」を使った例文は少し長いです。「ネットからのお申込みありがとうございました。その日のご予約状況をお調べしたところ、既に満席となっておりました。別の日でしたら、ご予約が可能ですがいかがでしょうか。ご期待に添えず申し訳ございません。」
このような使い方ができます。「ご期待に添えず」は会話としても使うことができますが、メールや文章でも使うことができます。この時の「ご期待に添えず」は「希望日の予約が取れない」ということです。そこに対して謝罪しているという場面になります。
相手は希望日に予約ができるかもしれないという「期待」があり、その期待に添うことができなかったという場面を示しています。謝罪文なしに他の日の提案だけだと印象が悪いです。
「ご期待に添えず」と「ご期待に沿えず」の違い
「ご期待に添えず」の意味をお伝えしていますが、「ご期待に沿えず」と同じ意味なのか気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここからは「ご期待に添えず」と「ご期待に沿えず」の違いについてご紹介していきます。先に結論をお伝えしますが意味は同じです。
先程「ご期待に添えず」の「添う」について意味をお伝えしましたが、「沿う」の意味についてもお伝えしていきます。細かく見ると、微妙に違いはありますが、大筋は同じ意味なのであまり気にしなくて良いと言えます。
「沿う」は「長く続くものに離れない」という意味
「ご期待に添えず」と似ている「ご期待に沿えず」という言葉ですが、「添う」と「沿う」の意味は同じなのでしょうか。最初の方で「添う」は「そばに離れずにいる」という意味だとお伝えしましたが、「沿う」は「長く続くものに離れない」状態を保った意味を表します。
よって、「ご期待に添えず」は「期待している従っていたものから離れてしまう」となり、「ご期待に沿えず」は「期待していることから離れてしまう」という意味になるのです。ここから、「ご期待に添えず」と「ご期待に沿えず」は同じ意味であるということが分かります。
なので、どちらを使っても間違いではないということです。ニュアンスは若干違いはあるので、使い方として意味が大きく離れていなければどちらでも構わないと言えます。
「ご期待に添えず」を使う際の注意点
「ご期待に添えず」の意味や使い方や例文、類語をご紹介してきましたが、ここからは「ご期待に添えず」を使う際の注意点をご紹介していきます。「ご期待に添えず」は「相手が心待ちにしていたものが叶えられず」という意味ですが、謝罪する場面で使われます。
これが、謝罪が必要のないものや、相手の希望が変わった場合、「ご期待に添えず」は不適切だと言えます。そこについてお伝えしていきます。
相手の希望が変わった場合は使えない
「ご期待に添えず」を使う際の注意点ですが、要望していた相手からキャンセルの依頼があった場合などに関しては使えません。例えば、「本日、19時から予約している○○ですが、都合が悪くなりキャンセルします」という場合、「ご期待に添えず」は使えません。
もし、これが「○○ですが、20時だったら案内できるということでしたが、その時間は予定があるのでキャンセルします」であれば、「かしこまりました。ご期待に添えず申し訳ございません」と使うことができます。つまり相手の要望が通っているものは使えないということです。
相手の希望に添っていない場合に「ご期待に添えず」が使えるわけなので、相手の希望が変わった時は、謝罪は必要ないということになります。
「ご期待に添えず」の英語表記
ビジネスシーンで使える「ご期待に添えず」の意味や例文をお伝えしましたが、ここからは「ご期待に添えず」の英語についてご紹介していきます。まず「私達はあなたのご期待に添えず申し訳ございません」という例文を元に英語で表記していきます。
「we are terribly sorry for not being able to your expectations.」という表現になります。ビジネスなど、お客様やクライアントに対して使える例文なので、参考にしてみてください。
「ご期待に添えず」は「期待から離れる」という意味
「ご期待に添えず」の言葉についてお伝えしましたが、英語表記でも表すことができたのは、意外だったのではないでしょうか。また、英語でもビジネスシーンで使えることが分かりました。「ご期待に添えず」は「期待から離れる」ような意味として解釈できます。
なので、相手に対して謝罪や、謝る時のクッション言葉としての使い方ができるということです。英語での表現は少し難しいと思われるかもしれませんが、日本語であればすぐに使える言葉だと言えます。是非、使える時は使ってみてください。