富裕層の定義や意味とは?年収や資産など日本と世界における特徴を調査!

富裕層の定義や意味とは?年収や資産など日本と世界における特徴を調査!

巷で良く耳にする富裕層とは、一体どの様な人々を指すのでしょうか。このページでは、知っているようで良く知られていない富裕層の定義をご紹介すると共に、日本での特徴や日本独自の定義の他、世界水準での定義の違いなど、富裕層の意味に関して詳しくご紹介して行きます。

記事の目次

  1. 1.富裕層の定義と意味
  2. 2.富裕層の年収と試算
  3. 3.日本富裕層の特徴
  4. 4.日本の富裕層の割合
  5. 5.世界の富裕層のランキング
  6. 6.富裕層は年収ではなく資産で定義される

富裕層の定義と意味

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「富裕層」と言う言葉がありますが、この「富裕層」とは一体どの様な意味、特徴があるのでしょうか。これは、言葉の意味から人々が所有する資産状況によって決められている、という事を想像する事が出来ます。

しかし、この「富裕層」の具体的な特徴や意味になると、しっかり把握している方は少ないのではないでしょうか。

今回はこの様な実はあまり知られていない「富裕層」という言葉の意味や特徴、日本と世界の定義の違いや、資産に大きく影響している年収という言葉も交え、余すことなくご紹介していきます。

1億円以上の資産があれば富裕層と定義される

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例えば、ある方が所有している全財産が1憶円以上、資産として所有している場合、その人は果たして富裕層とは言えるのでしょうか。

現在の日本円に対する一般的な感覚を持っている方なら、多くの人は、その人を「富裕層である」と考えるでしょう。現在、日本人の一般的な生涯賃金は、およそ3億円前後だと言われています。このことから、その人の年齢を無視した状態でも、生涯賃金の3分の1にあたる1憶円を所有している人は、一般的な感覚として「富裕層である」という事が言えます。

資産別の富裕層分類の定義

日本には「野村総合研究所」という世界に誇るシンクタンクが存在します。「野村総研」という略称で親しまれ、金融業界のコンサルティングを主な商品とながらも、緻密な調査、研究に定評があります。

その超有名企業である「野村総合研究所」が裕福層の定義も明らかにしています。それによると、日本における「富裕層」とは、所有している資産が1憶円~5憶円未満を所有している層であると、定義しています。

又、5憶円以上の資産を所有している人は、「超富裕層」と定義し、逆に1憶円未満で、5000万円以上所有している人は、「準富裕層」と定義しています。

そこから下には、5000万円未満を所有している「アッパーマス層」と呼ばれ、3000万円未満の資産を有している人は「マス層」と呼ばれています。

富裕層の年収と試算

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上記でご紹介した富裕層の定義は、あくまでも大手シンクタンクの調査の結果である、という事は忘れてはいけません。「富裕層に属している」という事の定義は、個人により様々で見解が分かれるのが自然とも言えるのです。

ここからは、「富裕層」を定義付けとなる特徴や、基準となる年収を始めとした収入を踏まえ、ご紹介して行きます。

年収2000万円以上なら富裕層との意見がある

年収というのは、その人が富裕層にあたるかどうかを判断する一つの指標になり得ると言えるでしょう。例えば、年収が2000万円以上ある人は、その人が富裕層であると考える人は多くいるでしょう。

年収の突破ラインの一つの段階として、「1000万プレイヤー」と呼ばれることがあります。これは、年収が1000万円を超えている人に対して使われ、ある程度富裕層に近い豊かな生活を送る事が出来るため、この様に表現されるのです。

現在この国では、年収が1000万円を超えている人は全体の人口の5%程だとも言われており、全体からすると非常に少ない事がわかります。

年収のみでは資産1億円には届かない

多くの人々は、収入という資産の増加に対して、いくらかの貯蓄を行い、資産に組み込んだ残りの収入を趣味や生活と言った消費に回していきます。

ここで貯蓄に回した分が資産となるのですが、前述のように、大手シンクタンクは保有資産が1憶円を突破した人を富裕層であると定義しています。

日々の生活水準にもよるのですが、年収が2000万ある人が保有資産1憶円を突破するには、収入の大部分を貯蓄に回し、質素倹約に努めてやっと到達できるラインだとも言われています。このことからも、保有資産が1憶円を突破する事は並大抵のことでは難しく。富裕層であると言えるでしょう。

富裕層は資産運用で資産を増やしている

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この様に年収のみを頼っていては1憶円の資産を有する事は非常にハードであると感じますが、収入以外にも資産を増加させる手段は他にもあります。

この手段のうち、最も代表的なものは「投資」つまり資産運用だと言えます。お金を使いお金を増やしてもらう、という手法は現在非常に一般的となっている資産を増加させる方法です。

資産運用では、多くの場合掛金に対して利率が上乗せされてお金が返ってきます。つまり、1000円を資産運用に回すよりも、1000万円を資産運用に回す方が大幅に効率的に資産を増加させることが出来るのです。

投資によって資産を増やす

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上記の様な資産運用を行い、雪だるま式に資産を増やしながら、こつこつ働き年収が上がっていくと、自然と富裕層への道のりは見えてくるでしょう。しかし、世界の国々に比べ、日本ではあまり資産運用恩恵を享受できている人が少ない、と言う特徴があります。

これは、投資を行う人の心理として、少しでも存在する元本割れのリスク、つまり資産運用によって資産が逆に目減りしてしまうというリスクを恐れているためであると言われています。バブル経済崩壊から20年以上経ちますが、この様な形で傷跡は未だ残っています。

様々な資産運用

そのため、政府主導でNISAやIDECOなどをはじめ、貯蓄から投資を促進させるような政策を推し進めています。取扱商品の幅も広がり、ソーシャルレンディングの様な、新興国への投資も非常に気軽に行えるようになりました。

もちろん、株、為替などの信用取引や、仮想通貨を介した取引になると、大幅にリスクは増大するため、注意が必要です。しかし逆に言えば、ワンチャンスで富裕層になれる手段でもあり、「億り人」という造語が生まれる程、話題にもなりました。

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日本富裕層の特徴

ここで、わが国における富裕層と定義付けされている人の、日本特有の特徴をご紹介して行きます。世界の中でも特に日本では、広がり続ける所得の格差が問題となっており、その規模は日を追うごとに深刻になっています。

かつては、「総中流社会」と形容される程、日本には富裕層未満でありながらも十分に豊かな生活を送ることが出来る人が多くいましたが、現在ではすごく豊かな暮らしを送る事が出来る「富裕層」と、人として最低限度の文化的な生活を辛うじて送る事の出来る貧困層の二極化が広がっています。

もちろん、その問題を解決するために様々な施策を政府は打ち出し、富裕層は順調に増加して行っています。しかし、それよりも圧倒的に速いスピードで農村部の過疎化は広がり、貧困にあえぐ人々が増加しています。

日本は50人に1人が富裕層と定義されている

それでは現在の日本において、富裕層は一体どのくらいの人数が富裕層として存在しているのでしょうか。

大手シンクタンクの調査では、富裕層にあたる世帯に属している人というのは、富裕層と超富裕層を合わせて2.3%程であると発表しています。つまりざっくり言うと、日本人50人に対して1人が富裕層以上の資産、年収を持ち合わせてる人か、もしくは身内の方がそれに該当する人だと言う事が出来ます。

これは、もちろん47都道府県、つまり日本全体での数字となっています。2,3%を多いとみるか、少ないとみるかは、個人によって違うものになりますが、それでは都市別で見るとどうなるでしょうか。

東京・大阪で富裕層と定義されている人数

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続いては地域差についても見ていきましょう。日本の首都である東京においては、超富裕層以上だと定義される人は6700人程いると言われています。これに対して大阪では、2700人ほどであると言われています。

当然ながら首都である東京の方がはるかに富裕層の人が多く住んでいるという特徴があるという事がわかります。ちなみに日本全体では、18000人にものぼります。

忘れてはならないのは、これは「超富裕層」にあたる人々の数字となります。つまり、富裕層もカウントすると全てにおいてもっと数字は伸びる事が容易に想像できます。

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日本の富裕層の割合

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上記の様に、日本における経済力の世帯格差は大きく広がっているのが現状です。現在日本の税制の特徴として、累進課税が所得などに対して課税されています。

これはつまり、年収がギリギリ1000万円に到達した人というのは、税金や積立金がそこから引かれるため、実際に労働者の手に渡るのはやや目減りしてしまうという事を意味しています。

したがって、前述したように富裕層と定義できる世帯は日本全人口に対する2%程ですが、手取り額で到達できている人というのは、もっともっと少なくなってしまうのです。

富裕層の世帯数と比率

Photo byGiovanni_cg

これまで富裕層と言われる人口や割合などの特徴をご紹介して行きましたが、前述の大手シンクタンクの調査は、その収入を得ている個人だけでなく、世帯として数えている特徴があります。

これには意味があり、前述の調査では富裕層の割合は日本の全人口の2.3%とありましたが、それは収入を得ている本人の他にはその人と同居している家族や、親戚も含めての数字なのです。

日本の富裕層は年々増加している

日本の社会の古くからの慣例として、年功序列というものがあります。現在日本において人口が急増した60年代以降に就職をした人々が、こつこつと労働を続け年収も上がり。定年を迎え多額の退職金を手にして富裕層の仲間入りをするケースも多く、富裕層の世帯数は徐々に増加して行っています。

このことから、富裕層と定義できる程の資産を持っている人は、定年を迎えた65歳以上の元会社員が多く、20〜30代の比較的若い人々が富裕層のハードルを越えるにはかなり高いと言えます。

つまり、そう簡単に富裕層の仲間入りは出来ない、という事です。現在20〜30代の方で、富裕層を目指している方は焦らず、じっくりと資産や収入を増やす方法を考えましょう。

富裕層は目指すべきか

これまで、富裕層の定義や意味などをご紹介して行きましたが、この資本主義経済の中では、半ばあきらめている人も多いかも知れませんが、この富裕層を夢見て日々仕事に打ち込んでいる人も多いのではないでしょうか。

もちろん、前提として資産は潤沢にあればゆとりのある生活を送る事が出来ます。富裕層の人々は毎月のカードの支払いの心配などしていないでしょうし、衝動買いのスケールも桁外れなものに違いありません。

多くの人々が目指している富裕層は、本当に人々が目指すべきラインなのでしょうか。これには、人々が感じる「価値観」と深い関係があります。

価値観の多様化

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現代においては、資産の大きさをそのまま幸せの指標としている人は少しずつ減っているとも言われます。その理由の最も大きなものが「価値観の多様化」です。

インターネットが各家庭に普及し、情報社会と言われる現代では、商品に対する価値は価格だけではないという考えが急速に広まっているのです。

もちろん、高品質な商品はどんなものでも高価なものであるのが当たり前ですが、同時にお金を使っても作り出せない価値を見出すという考えが広がっている事を意味しています。

高級なレストランで希少な食材を贅沢に使用し優雅な食事をとる、と聞くと非常に羨ましく感じますが、自分自身で土地を開墾し、丹精込めて育てた作物を苦労して収穫し、料理した時の感動は、前述の高級レストランでは決して味わう事の出来ない満足感と感動が得られるはずです。

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世界の富裕層のランキング

ここまで、日本における富裕層の特徴や資産状況などをご紹介してきましたが、海外にももちろん富裕層は存在し、日本のそれとは大きくかけ離れたスケールの資産をもって人も珍しくありません。ここからは、世界での富裕層の特徴や意味などをご紹介して行きます。

上記の様に、日本での富裕層と言われている人々は、総資産1憶円以上、または年収2000万円以上の世帯でしたが、世界でもっとも流通量の多い米ドルでは、一体いくらくらいなのでしょうか。

潤沢な資産を持っている富裕層は、海外ではしばしばセレブなどと称されますが、そのラインは米ドルで約100万ドルだとも言われています。日本円に換算すると大体1億3000万円以上となり、日本での使われている基準と似通った数字、意味になることがわかります。

日本の富裕層人口は世界3位

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ちなみに、世界で最も富裕層の多い国であるアメリカでの富裕層の人口は、約8万人にも上ると言われています。日本全体では18000人でしたので、これよりもはるかに高い数字であることが分かります。

中国にも、15000人以上の富裕層がおり、現在では日本より多いとも言われています。しかし、世界中で見ても3位以内に入るという事は、世界で見ても経済規模が非常に大きく、それだけ豊かな人が多く暮らすことが出来ていると言えます。

富裕層は年収ではなく資産で定義される

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この様に、富裕層と言われる人々は、年収だけでなく、保有資産も莫大な量の資産を保有しており、その人々は今後ますます増えていくことが予想されると言えます。バブル経済の崩壊後、日本においては、資産運用というのは嫌厭されがちですが、豊かなことには間違いないため、それだけ希望が持てる調査結果となっているのです。

建人
ライター

建人

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