トロールの意味とは
インターネットをよく利用する人の中には「トロール」という言葉を目にしたことがあるという人も少なくないでしょう。ですがインターネットをあまり利用しない人には「トロール」という言葉はほとんど知られていません。インターネットにおける「トロール」という言葉は、ちょっと特殊な意味で使われているからです。
なので「トロール」が日本語ではなく英語だろうということはわかっても、「トロール」の意味はわからない人が多いでしょう。それでは、「トロール」という言葉はどのような意味なのかについてご紹介しましょう。
トロールは英語で「荒らし」を意味するスラング
「トロール」の意味の一つ目は、英語で「荒らし」を意味するスラングです。英語のスラングというのはインターネットなどで時々使われていますが、「トロール」というのもそれらと同じような英語のスラングです。インターネットにおける「荒らし」というのは、掲示板やゲームにおいて敵に有利になるようなことを言ったりやったりすることです。
「トロール」はこれらの「荒らし行為」を表す英語のスラングで、海外で使われてきたものが日本に流れてきて定着したものです。スラングというのは「俗語」を表す英語で、あまり良い意味のあるスラングはありません。
ちょっと品のないような言い方をするのがスラングと言われ、英語のスラングは元々アメリカなどの不良っぽい人達が使い始めたもので「トロール」も英語のスラングの一つです。
もともとは「流し釣りをする」を意味する英単語
「トロール」の意味の二つ目は、「流し釣りをする」を意味する英単語です。「トロール」という英語はスラングだと「荒らし」の意味になりますが、もともと「トロール漁船」などという使い方がされてきました。「トロール漁船」は底引き網を引っ張ってカレイなどを捕獲する漁船で、この「流し釣りをする」という英語が「トロール」です。
「流し釣りをする」という意味での英語で「トロール漁船」の他に「トロール漁業」などという使い方がされています。「トロール」の意味は、英語のスラングでは「荒らし」で、もともとは「流し釣りをする」という英語だということです。
トロールの類語や言い換えの意味
「トロール」という言葉の意味についてご紹介しましたので、次は「トロール」の類語や言い換えやその意味についてご紹介します。「トロール」はインターネット上で時々使われる言葉ですので、その類語や言い換えは主にインターネット用語です。インターネットのゲームや掲示板などで使われる言葉が「トロール」の類語や言い換えになります。
「トロール」の意味を知らないという人でも、「トロール」の類語や言い換えの言葉なら、何度も聞いたことがあるという人も少なくないでしょう。それでは「トロール」の類語や言い換えの意味についてご紹介しましょう。
ネット上での「釣り行為」
「トロール」の類語や言い換えの意味の一つ目は、ネット上での「釣り行為」です。ネット上での釣り行為にはさまざまなものがあります。まず、フィッシング詐欺などの行為も「釣り行為」と言われます。甘い広告で人をだまして誘い込むような手口のフィッシング詐欺もネット上の釣り行為の一つです。
他に、動画の再生数を稼ぐための「サムネ詐欺」や「タイトル詐欺」と言われる行為も「釣り行為」と言われています。人々の気を引くような動画のサムネイルやタイトルなのに、内容は違うといった場合にも「釣り行為」だと言われます。
ネットゲームでの「利敵行為」や「チート行為」
「トロール」の類語や言い換えの意味の二つ目は、ネットゲームでの「利敵行為」や「チート行為」です。「利敵行為」というのは敵に有利になるようにわざとミスをしたり負けたりする行為のことで、「チート行為」というのはゲームのプログラムを組み替えてとてつもなく強くなったりする行為のことです。
「利敵行為」は主にチームを組んで行われるゲームで、わざとミスをして負けたりして味方に迷惑をかけることを言いますが、「チート行為」は下手をするとゲームの製作会社などから訴えられる場合もあります。
このような「利敵行為」や「チート行為」も、「トロール」の類語や言い換えの意味になります。
炎上
「トロール」の類語や言い換えの意味の三つ目は、「炎上」です。「炎上」というとツイッターやブログなどでよく聞かれる言葉ですが、わざと「炎上」を誘うような過激な発言をしたりする場合もあれば、悪意なくつぶやいた一言に対して抗議のコメントなどが殺到することが「炎上」につながることもあります。
有名人のツイッターやブログなどの場合、わざと「炎上」を誘うような過激な発言によって閲覧者を集めることがあり、わざと「炎上」を誘うような過激な発言などを「炎上商法」などと言うこともあります。
このようにツイッターやブログなどで時々見受けられる「炎上」も、「トロール」の類語や言い換えだと言うことができます。
トロールの使い方と例文
「トロール」の類語や言い換えの意味についてご紹介しましたので、次は「トロール」の使い方と例文についてご紹介します。「トロール」の意味と類語や言い換えがわかれば、「トロール」の使い方についても理解できるでしょう。ですが実際に「トロール」を使うとなるとどう使えば良いのか使い方がわからないという人もいます。
「トロール」という言葉をどのような場面や状況で使えば良いのか、「トロール」の使い方と例文をご紹介しますが、まずは「トロール」という言葉をどのような状況やどのような人に対して使うのかについてご紹介しましょう。
ネットゲーム上で迷惑行為をしている人によく使う
「トロール」という言葉は主に、ネットゲーム上で迷惑行為をしている人によく使われます。ネットゲームを楽しんでいる人の数はかなり多いですが、ほとんどの人達が普通にゲームを楽しんでいるのに対して、人に迷惑をかけることを楽しんでいるという悪質なプレイヤーも存在しています。
そのようにネットゲーム上で迷惑行為をしている人に出会ってしまったという場合に、「トロール」という言葉を使うことができます。それでは、「トロール」の使い方と例文をいくつかご紹介しましょう。
トロール行為をしている
「トロール」の使い方と例文の一つ目は、「トロール行為をしている」という使い方です。「ネットゲームでチームプレイをしている中に一人、皆の邪魔ばかりするトロール行為をしている人がいる」というように「トロール」という言葉を使うことができます。「トロール」だけでも良いですが、「行為」をつけて使うという使い方もできるということです。
プレイしているパーティのメンバーが全滅したら終わりだというゲームなどにおいて、わざと自滅して他のメンバーに迷惑をかける行為を「トロール行為」と言いますが、実際にこのような迷惑行為をする人もたまにいて、その人に迷惑をかけられる人達も存在しています。
友達同士である場合にはこういった人はあまりいませんが、ネットで一時的にパーティを組む場合などには時々こういう人もいますので、そういった時に「トロール」を使います。
トロールがいる
「トロール」の使い方と例文の二つ目は、「トロールがいる」という使い方です。この場合の「トロール」の使い方は「荒らし」という意味の使い方で、「適当にゲーム部屋に入ってみたけれど、この部屋にはトロールがいる」という例文が挙げられます。「荒らし」は行動を表すだけでなく、「荒らし」をする「人」のことも表します。
そのため、「荒らし」をする人のことを「荒らしをする人」という意味で「トロール」と言う場合もあります。「トロール行為」は「荒らし行為」で「荒らし」は行動を意味しますが、「トロール」の「荒らし」は人を指すということです。
「トロール」という言葉は「荒らし」をする行動に使われることもあれば、「荒らしをする人」自体を示すこともあり、様々な使い方ができると言えます。
トロールかもしれない
「トロール」の使い方と例文の三つ目は、「トロールかもしれない」という使い方です。同じような強さ設定の武器や防具を身につけているのに、一人だけ妙にダメージも食らわず攻撃力も高いといった場合には、「チート行為」という意味で「あの異常な強さはトロールかもしれない」と言うことができます。
ゲームのデータを改造してとんでもない強さに変えているという人のことを「チート」などと言いますが、「トロール」を「チート行為」ではなく単に「チート」の意味で使うという使い方もできます。
一緒にプレイしている人の中に、改造が疑われるほど強い人がいるという場合に「トロールかもしれない」というような「トロール」の使い方をすることもあるということです。
トロールの語源
「トロール」の意味や使い方などについてご紹介してきましたので、次は「トロール」の語源についてもご紹介します。「トロール」は英語で「troll」と書き、基本的には「流し釣りをする」という意味になりますが、実は「トロール」には他にも意味があります。それは意外に日本人にも親しまれている言葉です。
親しまれていると言っても、小説や漫画をよく読む人に親しまれているという程度なので、「トロール」という言葉に親しんでいる人はそう多くはないとも言えます。それでは、「トロール」の語源についてご紹介しましょう。
トロールの語源は「怪物」を意味する
「トロール」の意味の所で「英語のスラング」「流し釣りするという意味の英語」だとご紹介しましたが、実は「トロール」の語源は北欧で、「怪物」を意味しています。ノルウェーの言葉で「トロール」は、深い森の中などに隠れ住んでいる怪物のことを表しますが、怪物と言っても大きな怪物ではありません。
「トロール」は小さな怪物で、知らない間に家の中に潜り込んだりすることもできるサイズだと言われています。
トロールは実は妖精の一種
「トロール」は怪物を意味するノルウェー語だとご紹介しましたが、「トロール」は実は妖精の一種です。体の小さな妖精で、ノルウェーでは可愛らしい「トロール」の人形などが販売されています。家の中の物が何かなくなった場合などには「トロールのいたずら」と言ったり、「トロール」は日常生活に深くなじんでいる存在です。
ムーミンもトロールの一種
「トロール」は妖精の一種だとご紹介しましたが、実は日本でも大人気のとあるキャラクターも「トロール」の一種です。カバのような愛くるしい見た目で人気の「ムーミン」は正しくは「ムーミントロール」と言い、「トロール」の仲間になります。ですが「トロール」とついていても「ムーミン」は妖精ではありません。
作者のトーベ・ヤンソンが「ムーミンは妖精ではない」と言っていますが、妖精ではなくても「トロール」がついているため「ムーミン」も「トロール」の仲間だと言えます。
トロールプレイとはどんなものなのか
次にネットゲームにおける「トロールプレイ」とはどんなものなのかについてご紹介します。ここまでにご紹介してきた「トロール」は、他の人の邪魔をしたりチートプレイをするような悪い人のイメージでしたが、特定のゲームにおける「トロールプレイ」はそれらとはまた少し違います。
ネットゲームにも色々ありますが、頭を使って推理したりしながら見知らぬ人と言葉を交わすゲームもあり、そういったゲームでは「トロールプレイ」が行われます。「トロールプレイ」とはどのようなものなのかについてご紹介しましょう。
「人狼ゲーム」で例えると
一時とても人気が高くなり、今でもプレイしている人は少なくない「人狼ゲーム」というゲームがありますが、この「人狼ゲーム」の中では「トロールプレイ」が行われます。「人狼ゲーム」というのは、村人の中に人狼がこっそり混ざっていて、その人狼をあぶり出せば村人たちの勝利になるというゲームです。
参加している人達は、自分以外の人が人狼なのか村人なのか知りません。それを知る為に色々な質問をしたりして相手の反応を見て、誰が人狼で誰が村人なのかを推理し、釣り出すのが「人狼ゲーム」における「トロールプレイ」になります。
人狼以外の人が人狼を釣り出す
「人狼ゲーム」での「トロールプレイ」では、人狼組と村人組に分かれますが、お互いに相手の正体はわからないため、人狼以外の人達は人狼を釣り出すために自分の身分を偽ったりします。「占い師」を名乗って人狼をだまして釣り出すなどして、何とか村人陣営に勝利をもたらそうとします。
人狼が自分にとって邪魔な相手を釣り出して排除する
「人狼ゲーム」での「トロールプレイ」はもちろん人狼側にもあります。人狼にとっては狩人などが邪魔なので、言葉巧みに他の人達をだまして、狩人を人狼だと思い込ませて排除することもあります。このように頭と言葉を使って他の人を釣り出すようなゲームにおいて、「トロールプレイ」は行われるということです。
トロールはネット上で「荒らし」を意味する
「トロール」という言葉の意味や類語や「トロール」の使い方などについて色々とご紹介してきましたが、如何だったでしょうか。「トロール」には「流し釣りをする」といった意味もありますが、ネットにおける「トロール」は「荒らし」という意味ですので、「荒らし」という意味で「トロール」を覚えておくと良いでしょう。