「ハイカラ」の意味
響きと語呂がどこか懐かしく、格好よさを感じるハイカラという言葉。現代では、全くと言っていいほど日常会話では、使われていない昔の言葉です。
ハイカラという言葉は、明治時代に流行していた男性の服装である高襟という意味のhigh collar(ハイカラー)が語源とされており、その後日本のジャーナリストが毎日新聞の紙面で使用して、人々に広まった流行語とされています。
1970年代から80年代までアニメと実写化までされた不朽の少女まんが、はいからさんが通るというタイトルからハイカラという言葉を知ったという方も現代人ではいる方も多いはず。卒業式に袴でハーフアップのお嬢さんというのがハイカラな格好というイメージです。
今回紹介するハイカラという言葉は、当時の流行に敏感な人たちの間で使われ、風景や見た目など目新しく格好いいイケてる雰囲気あらわした意味の言葉です。
明治時代の文明開化の流れと共に、海外の文化がはいってくることによって日本人が刺激を受け西洋風の新しい文化を積極的に取り入れていこうという時代の背景や情緒を感じるとても素敵な意味を持った言葉です。
意味①外国人のような
最初のハイカラの意味は、日本に西洋の外国の物や食事が広まってきた明治の文明開化の流れもあり、当時の日本の人々が外国の食事や服装に憧れ、それを真似て外国人のような見た目をしている人や事物をハイカラと言う使い方があります。
西洋の文化に興味を持った人々が、こぞって西洋風の洋装や食べ物などを積極的に生活に取り入れるようになりました。中にはその流行に寛容的ではない人々がネガティブな皮肉っぽい意味でハイカラと言う使い方もありました。
現代の人でも外国人のような身なりや生活に憧れ、真似ている方は多いです。そのような外国風の身なりや風習を真似したいという気持ちが、当時の日本人にもあったということはなんだかとても親近感が湧きます。
意味②流行に敏感な
もう一つのハイカラの意味は、流行に敏感なことを表現しています。明治時代の西洋風の文化を積極的に取り入れている人々の姿は、とてもおしゃれで格好よく素敵といったポジティブな言葉の意味を持っています。
当時の日本にはないアメリカやヨーロッパの西欧風の新しい習慣を取り入れ、流行に敏感で新しいもの好きな人々をあらわした意味の言葉です。
ちなみに、今では懐かしいと感じる出来事はその当時の流行だったりします。ハイカラもそのような懐かしくも、当時の流行を感じさせる時代の言葉でした。
「ハイカラ」の類義語と意味
ハイカラは、流行に敏感で外国人のような姿や形であるという意味で、明治時代で使われた流行語です。しかし、残念ではありますが時代の流れと共に流行語は使われなくなる傾向にありますので、現代ではハイカラという言葉は残念ながらほぼ使う機会がありません。
ハイカラの類義語は、現代の要素をプラスした親しみのある言葉になるので、ハイカラという言葉を知らなかったという方にもとても分かりやすく簡潔に伝えることが出来ます。
では、ハイカラの類義語はどのような言葉があるのでしょうか。類義語とその言葉の意味に関して紹介していきます。
格好良い
現代でも使われている格好良いという言葉は、見た目や仕草などが素敵だと感じる事をあらわした意味の言葉です。また、流行に敏感な人々の事をみて格好良いという言葉を使う事もありますので、ハイカラと同じ意味の類義語となります。
容姿端麗な人、主には男性向けて使われたり尖ったシャープなファッションや風景などを例えた言葉として使われたりすることが多く、世代問わず日常会話で幅広く使われることが多い身近な表現です。
シック
シックの意味は、おしゃれで気が利いたさまやあかぬけているさまを表現したハイカラの類義語です。フランス語のchicという言葉をカタカナ表記にした言葉で、西洋の雰囲気を取り入れた家具や服装などによく使われている意味の言葉です。
例えば、西洋風な雰囲気を感じるときにシンプルで黒を基調としたシックで洗練された家具やカジュアルとは反対の清潔感のあるシックな服装といった感じの意味で使われる言葉です。
ハイカラという言葉にも外国人のようなという意味を含んでいますので、例えるとハイカラと同じ意味の類義語です。
ファッショナブル
ファッショナブルの意味は、服装が流行の先端を行っているさまをあらわした流行に敏感で常に最先端のおしゃれな洋服やアクセサリーなどを纏っている人の事を指して言う意味の言葉です。
流行に敏感な意味をもつハイカラという言葉と同じような意味を持った類義語です。明治時代の日本の和装から、西洋の洋装に移り変わる様子も当時の人々からすると、目新しい新鮮な雰囲気でその有様は現代でいうとファッショナブルという言葉がぴったりです。
「ハイカラ」の対義語と意味
流行に敏感で外国人のような意味をもつ明治時代の流行語として、ハイカラという言葉の意味と類義語を紹介しました。では、ハイカラと反対の意味をもつ対義語には、どのような言葉が使われるのでしょうか。
新しい流行に鈍感であり時代遅れな雰囲気を感じさせる意味を含んだ、ハイカラの反対の意味の対義語とその対義語の意味について紹介していきます。
野暮ったい
野暮ったいという言葉の意味は、言動や身なりがあかぬけていない洗練されていないイメージを表現したハイカラの対義語です。
例えば、よく髪型がぼさぼさできちんとセットされていない、眉毛がぼさぼさできちんと処理していない、全体的な容姿や見た目が無造作である人を例えたときに野暮ったいという言葉の意味の使い方があります。
流行で敏感である人は、常に新しい言葉を使った会話をしていて、きちんとした身なりをしていたりを服装は流行を意識したものを選んでいる人というイメージがありますので、野暮ったいという言葉はハイカラとは反対の意味の対義語と言えます。
田舎っぽい
流行で敏感であるということは、流行の最先端の場所である都会を感じるイメージがあります。この都会的な洗練されているイメージからかけ離れているといった意味の対義語として田舎っぽいという言葉の意味の使い方があります。
よく身なりにおいておしゃれさや流行を感じなかったり、田舎にいそうなダサさを感じさせる物や人の事を指して言う意味の言葉です。この田舎っぽいという言葉は、人の容姿や身なりでちょっと馬鹿にした意味を含む言葉であまりいい意味で使われる事がない言葉です。
ですから、流行から遠いイメージの田舎っぽいという言葉の意味は、流行を追っているハイカラとは反対の意味の対義語という扱いになります。
「ハイカラ」の使い方
ハイカラの意味と類義語や対義語を紹介しましたが、ハイカラは昔の流行語であり現在では日常的に全く使う事がない死語的な扱いの言葉です。しかし、このように消えてしまった流行語はその時代の文化を象徴させるとても良い言葉です。
ハイカラという意味を知っている現代の人たちが、昔を懐かしんで古き良き時代のイメージを感じる風景や身なりなどを表現する場合に意識して使われるほうが、現代に最もマッチしている使い方をしています。
流行を追う人を指す場合に使用
明治の時代に比べて現代は、西洋の文化だけではなく色々な外国の食事やファッションなどがあふれています。いつの時代もそうですが、流行に敏感な人たちの間で生まれる言葉には、ハイカラという意味と同じような言葉が沢山出てきては消えという繰り返しです。
その移り変わる流行の中で生まれた現代の流行語の言葉たちは、昔の時代のハイカラという言葉の意味を含んで進化した言葉ともいえるかもしれません。
現代では、常に新しい情報が目まぐるしく更新されていく若者たちのスマートフォンを使ったSNSでの流行発信なども、当時でいうハイカラで格好良い感じとでもいえます。
「ハイカラ」の例文
当時の人たちの間でハイカラという言葉は、例えばどのようなタイミングで使われていたのでしょうか。今となっては、明治生まれの方から聞くということもできなくなってしまっています。
ですので、現代の人々がイメージするハイカラの使い方とは、明治時代を象徴させるファッションや事物を懐かしむといった意味を込めた感じでハイカラという言葉を使っている感じが否めないところもあります。
ここでは、ハイカラという言葉を使う際の例をいくつか紹介しますので、日常会話で使う機会があればいつもの会話にマンネリしている方にはハイカラな使い方です。
ハイカラを意識
明治時代を意識した少女まんがの名作、はいからさんが通るの少女の格好は可愛い袴にハーフアップのヘアで大きなリボンを付けたスタイルが明治のハイカラを意識した格好です。
こういった流行を意識した最先端のファッションなどに、ハイカラを意識したという言葉を入れる使い方が自然な感じで使えます。ここでは、明治の時代の流行を意識した意味で使われている例です。
但し、ここでのハイカラの使い方は現代の流行を意識した意味で使われるというよりかは、当時の流行にのっている雰囲気を出した使い方の例です。
ハイカラな格好
年配の方がおしゃれをしている孫や子供をみてハイカラな格好をしてるというという場面で例える事があるようです。服装や雰囲気がおしゃれな格好している人を指して言う例が最も使われていた言葉ではないでしょうか。
このように、現代のファッションでも類義語にも出てきた格好良いやファッショナブルなどおしゃれさを感じる場合の意味合いでの使い方もありです。また、たまにハイカラという言葉を使ってきた年配の方に言われるような場面もあるかもしれません。
ハイカラを感じられる場所
今でも、明治時代の西洋風な雰囲気を残したハイカラな場所も日本には残されています。現代での日本のハイカラな風景は、日本の人々のみならず外国人の方にも人気があり様々な国の方に愛されている場所が沢山あります。
日本の様々な場所にスポットをあて当時の時代の流行を綺麗に残した、ハイカラな風景を感じることが出来る場所を紹介していきましょう。
東京・浅草
都会の雰囲気漂う東京にも、ハイカラな時代の風景を残した場所があります。浅草は東京の下町と呼ばれている粋なスポット。
浅草の浅草寺や雷門は日本の古き時代の風情を感じさせ、仲見世通りでは、日本を象徴させるおいしいハイカラ食べ物などがそろっている場所。海外の人にも人気のある観光スポットが沢山あります。
東京は、渋谷のような都会的な雰囲気と浅草のような昔の風情を感じさせる下町の雰囲気が絶妙にマッチしたおしゃれでハイカラな都市。日本の今の流行と昔の流行を感じることができる、ハイカラという言葉があうピッタリの人気の観光地です。
北海道・函館
北海道にもハイカラを感じさせる場所があります。函館を代表する観光地である五稜郭は、江戸時代に建設された西洋風の設計を取り入れた建物です。空中からみた五稜郭は星形になっており、とてもおしゃれでハイカラな風景。
五稜星の夢と呼ばれる冬期の夜間の五稜郭ライトアップは、とても幻想的で素敵な雰囲気を感じさせます。また函館は漁港の街ですので、朝市で函館でとれる新鮮な魚介を堪能した北海道を代表するグルメな観光地としても有名です。
また、平成になって観光電車として復元された箱館ハイカラ號という愛称で呼ばれている函館の路面電車は、函館の西洋風な雰囲気を感じられるハイカラな風景を見ることができます。
兵庫県・神戸市
兵庫県にある神戸にもハイカラを感じる場所があります。神戸牛など美味しいグルメも有名ですが、神戸にある北野異人館はとてもハイカラという言葉にピッタリな風景を感じさせる場所ではないでしょうか。
北野異人館にある西洋風の洋館は、明治時代に建設された建物が多く当時の人々からすると、明治の時代の流行の最先端を行った建物であることは間違いないでしょう。歴史的な建築物の扱いにもなっており、大切に保存された素晴らしい洋館を見ることができます。
現代の日本では全くと言っていいほど見ることが出来なくなった、貴重な明治の雰囲気を残した場所で趣がある素敵な観光地です。
「ハイカラ」は流行に敏感な事を意味する言葉
今回は、明治時代に生まれた流行語であるハイカラという言葉の意味と類義語や対義語について紹介しました。現代では、日常の会話で全く使う事が少なくなった言葉ですが、西洋的で流行に敏感な事をあらわした意味の言葉として当時の人々が良く使っていた流行語です。
現代で使われるハイカラとは、明治の時代の古き良き時代の雰囲気を表現し例えた意味の言葉として使われていることが多いです。ハイカラは明治時代の文明開化を象徴させる言葉であり、とても素敵な言葉として現代でもある一定の場所や事物に使われている言葉です。
ハイカラという言葉の意味を紐解いていくと、明治時代の古き良き時代の日本文化を思ってみたり、知るきっかけとなるような魅力がある言葉。今回で紹介した日本のハイカラなスポットにも足を運んでみて下さい。