左様ですか・左様でございますの意味まとめ！使い方や語源・類語もチェック！

ビジネスシーンなどでは今でも「左様ですか」「左様でございます」といった言い方をしますが、「左様ですか」とはいったいどういう意味なのかと疑問を持つ人も少なくありません。左に様と書いて「左様」という言葉はなじみがなく、時代劇の中で武士が「左様」と言っているのを見たことがあるという程度でしょう。

日常生活の中ではあまりなじみのない「左様ですか」とはどういう言葉なのか、その意味や語源などについてまずはご紹介しましょう。

まずは「左様ですか」という言い方は敬語なのかどうかということですが、「左様ですか」は敬語になります。敬語には丁寧語と尊敬語と謙譲語がありますが、「左様ですか」はこれらの敬語の中では何に当たるかというと「丁寧語」に当たります。敬語の中でも尊敬語は相手を立てる敬語で、謙譲語は自分がへりくだる敬語です。

「左様ですか」は相手に対して直接敬意を伝える敬語なので、三種類の敬語の中で言えば丁寧語になります。

「左様」という言葉には実は、二種類の品詞があります。「左様」は一種類の使い方しかできない言葉ではなく、二種類の使い方が出来るということです。まず一つ目の「左様」の品詞は形容動詞です。「左様」に「なり」がついて、「その通り」という意味の形容動詞となります。

形容動詞というのは、意味的には形容詞に近いのに動詞のように活用することができる動詞の一種で、「左様」は「左様なり」という言い方で形容動詞となっています。

次に二つ目の「左様」の品詞についてもご紹介します。「左様」は「なり」をつけて形容動詞として使いますが、その他に感嘆詞としても使えます。時代劇などで「左様」と言うあの言い方は、「そうです」「そうそう」などという肯定や相槌を表す感嘆詞になります。「左様」は形容動詞と感嘆詞だということを覚えておきましょう。

次に「左様」の語源についてご紹介しましょう。「左様」の語源は「然様」で、「然様」の「然」の文字にいつの間にか「左」が当てられていた「当て字説」があります。「然」の意味は「そうある」という意味ですので「然様」は「そうある様」になり、これが「然様」の語源になっています。

また、なぜ「左」の文字が当てられたのかという意味での語源もご紹介します。昔の官職では右より左の方が位が高かったため、経緯を示す意味で「左」を使ったというのも「然様」の語源と言えます。

加えて「左様」は「さようなら」の語源でもあります。「左様ならば」が形を変えて「さようなら」になったので、「左様」は「さようなら」の語源と言えます。

「左様」の語源などをご紹介してきましたが、「左様」は「ひだりざま」と読むことができ、こう読むと違う意味になります。「左様」を「ひだりざま」と読むと、「正しいことに反すること」つまり「悪いこと」という意味になってしまいますので、「ひだりざま」とは読まないよう注意しましょう。

それでは次に、「左様」を使った表現についてご紹介します。時代劇の中などで誰かに何か言われた武士が「左様、拙者は」などと答えるのを聞いたことがある人も少なくありません。こういった「左様」の使い方を見ていれば「左様」を使った表現も自然とわかるでしょう。それでは「左様」を使った表現についてご紹介しましょう。

「左様」という言葉は、相手に対する相槌や賛同の表現として使われる言葉です。相手から言われたことに対して肯定や同意をする時に「左様」という言葉を使って、相槌を打ったり賛同の意を示したりします。「左様」という言葉を相槌や賛同に使うには、どのような使い方をするのかをご紹介しましょう。

「左様」を賛同の意味で使う場合には、相手の言葉に対して「左様でございます」という使い方をします。「あなたのおっしゃる通りです」という意味で「左様でございます」と言う、賛同する意味での「左様」の使い方です。これはビジネスシーンなどでも使えますので、覚えておくと良いでしょう。

ただし何でもかんでも「左様でございます」と言ってしまうと、相手も「本気で敬意を示されているわけではないのではないか」と疑ってしまいますので、「左様でございます」は適度な使い方をしましょう。

「左様」を相槌の意味で使う場合にも、相手の言葉に対して「左様でございます」という使い方をします。つまり賛同であっても相槌であっても、「左様」は「左様でございます」という使い方がされるということです。相槌の場合は「そうです」という意味で「左様でございます」という言い方をします。

相槌の意味での「左様でございます」も使い過ぎるとくどくなってしまいますので、あまり使い過ぎないように注意が必要です。

「左様」を相槌の意味で使う場合にはもう一つの使い方があります。「左様でございます」と同じように「そうですね」という意味で、「左様でございますね」という言い方もできます。「左様でございます」に比べると「左様でございますね」は、より相手に寄り添うような相槌になります。

それでもこれも使い過ぎると逆に相手の機嫌を損ねる場合がありますので、その点には注意しましょう。

「左様」という言葉を使った賛同や相槌の使い方をご紹介しましたので、次は「左様ですか」という言い方の使い方をご紹介します。先に「左様ですか」という言い方は敬語だとご紹介しましたので、「左様ですか」という言い方を使う場面などは自然と想像できるでしょう。それでは「左様ですか」の使い方についてご紹介しましょう。

「左様ですか」の使い方の一つ目は、ビジネスの場合の使い方です。直接上司相手なら「そうですか」でも構いませんが、取引先の相手などに対して「そうですか」という言い方をするのはちょっと失礼です。社会人ならビジネスシーンにおいて、「そうですか」ではなく「左様ですか」という言い方をしましょう。

ですが取引先などの人に対しては「左様ですか」よりもう一段階丁寧な「左様でございますか」を使った方が良いので、この点も覚えておきましょう。

「左様ですか」の使い方の二つ目は、メールの場合の使い方です。ビジネスメールなどにおいてもやはり、実際に話すように「そうですか」ではなく「左様ですか」を使った方が好感が持たれます。相手に対する敬意が見えますし、「そうですか」では少し冷たい印象を与えてしまいますので、メールでも「左様ですか」を使うことをおすすめします。

ですがこちらもやはり「左様ですか」より「左様でございますか」の方がより丁寧になりますので、「左様でございますか」という言い方を使いましょう。

「左様ですか」の使い方の三つ目は、電話の場合の使い方です。電話はメールと同じように相手の顔が見られませんので、やはりより丁寧な対応が必要になります。そのため「左様ですか」や「左様でございますか」といった言い方で、相手に対する敬意を表すと電話もスムーズになります。

次に、「左様ですか」の具体的な使い方の例文をご紹介します。「左様ですか」「左様でございますか」という言い方は、色々な場面で使うことができます。主にビジネスシーンなどで使われる、「左様ですか」「左様でございますか」の使い方の例文をいくつかご紹介しましょう。

「左様ですか」「左様でございますか」の使い方の例文の一つ目は、相手の発言に強く賛同する例文です。相手の言葉に対して強く賛同する場合には「左様でございますね。本当に部長のおっしゃる通りでございます」といった言い方をします。「左様ですか」を強めて言っても良いですが、「左様でございますね」を強く言うとさらに良いでしょう。

「左様ですか」「左様でございますか」の使い方の例文の二つ目は、賛同し意見を確かめる例文です。取引先の相手などに対して、「左様ですか、同じお考えをお持ちでしたか」などという言い方をすれば、相手の意見に賛同してお互いの意見を確かめるという言い方になります。

「左様ですか」「左様でございますか」の使い方の例文の三つ目は、クレーム対応と謝罪の例文です。お客様などからのクレームに対しては真摯に向き合わなければなりません。そういった場合には「左様でございましたか、本当に申し訳ございませんでした」と、相手に敬意と謝意を示す言い方をしましょう。

「左様ですか」「左様でございます」の使い方について色々とご紹介してきましたが、「左様ですか」が敬語なら「左様」に「ございますか」がついた「左様でございますか」は、二重敬語なのではないかと疑問を持つ人もいるでしょう。「左様でございますか」は二重敬語なのかどうかについてもご紹介しましょう。

「左様」に「ございますか」がついた「左様でございますか」は二重敬語ではないかと疑問を持つ人もいますが、「左様でございますか」は実は二重敬語ではありません。「左様ですか」は敬語なのでその点で勘違いする人もいますが、「左様」だけなら敬語ではありませんので「左様でございますか」は二重敬語ではないと言えます。

「左様でございますか」という言い方は「左様」と「ございますか」でできています。「左様」は「そう、その通り」という意味なので「左様でございますか」は「そうですか」という意味の敬語になります。先にもご紹介したように「左様」は形容動詞であり感嘆詞です。それに丁寧語「ございますか」がくっついて「左様でございますか」になっています。

それでは次に「左様ですか」「左様でございますか」の類語についてご紹介します。「左様ですか」「左様でございますか」という言い方はちょっと堅苦しいので、類語があまり思いつかない人もいるでしょう。ですが意外に「左様ですか」「左様でございますか」の類語は多いです。それでは「左様ですか」「左様でございますか」の類語をご紹介しましょう。

「左様ですか」「左様でございますか」の類語の一つ目は、「お察しのとおり」です。ちょっと使われる場面は違いますが、「お察しのとおり」は「お分かりになるように」という意味で相手の考えを肯定する言葉です。なので「お察しのとおり」は「左様ですか」「左様でございますか」の類語だと言うことができます。

「左様ですか」「左様でございますか」の類語の二つ目は、「ご指摘のとおり」です。「ご指摘のとおり」は「あなたが指摘して下さったとおり」という意味で、相手の意見を肯定する言い方です。そのため「ご指摘のとおり」は「左様ですか」「左様でございますか」の類語であると言えます。

「左様ですか」「左様でございますか」の類語の三つ目は、「おっしゃるとおり」です。こちらもやはり相手の言うことを肯定する意味の言い方ですので、「左様ですか」「左様でございますか」の類語であると言えます。他にも相手を肯定する意味の言い方の言葉は、「左様ですか」「左様でございますか」の類語になりますので探してみましょう。

それでは次に「左様ですか」「左様でございますか」の英語表現についてご紹介します。「左様ですか」「左様でございますか」は古い日本語なので対応する英語表現はなさそうですが、意外に「左様ですか」「左様でございますか」に対応する英語表現はあります。結構ある「左様ですか」「左様でございますか」の英語表現についてご紹介しましょう。

「左様ですか」「左様でございますか」の英語表現に当たる言葉ですが、まずは「左様でございます」と相手を肯定する意味の英語表現からご紹介します。「左様でございます」に当たる英語表現には、「あなたが正しい」という意味の「You are right」や「まさにその通り」という意味の「Exactly」などがあります。

「左様ですか」「左様でございますか」の英語表現には他にも、相槌の意味で「Is that so? 」や「I see」という言い方があります。肯定する英語も相槌の意味の英語も、「左様ですか」「左様でございますか」とは少し異なる言い方ですが、ニュアンス的にはとても近い場面で使われる英語です。

そのため、古い日本語である「左様ですか」「左様でございますか」にも、対応する英語がちゃんとあると言えます。

「左様ですか」「左様でございますか」という言い方について、その意味や類語や使い方の例文などをご紹介してきましたが如何だったでしょうか。「左様ですか」「左様でございますか」の使い方を知ってビジネスシーンなどで目上の相手に対して正しく使い、円滑な人間関係に役立てましょう。