アソシエーションの意味とは?
この記事では「アソシエーション」という外来語を取り上げます。アソシエーションの意味、アソシエーションの由来、アソシエーションの特徴、アソシエーションの原語である英語、アソシエーションの使い方、アソシエーションを使う上での注意点などを取り上げて解説いたします。
外来日本語のアソシエーションは、最近無暗に使われるイノベーションやマニフェストなどの、意味の分かりにくい外来語とは違って、第2次世界大戦の前から日本の社会に定着している外来語です。その意味は大きく分けて2つあります。
アソシエーションの意味①
アソシエーションの第1の意味は、例えば「~協会」と言うような、ある目的の下に集まった組織のことです。大体、外来日本語としてのアソシエーションは、そういう集団的な組織の名前に使われる使い方が多く見られます。
「日外アソシエーション」や「日本オートバイ・アソシエーション」など、またビジネス社会では「日本時計メーカー・アソシエーション」などと言った例が見られます。
また、この意味①の人の集団を表す言葉として「コミュニティ」という外来語もあります。コミュニティの意味とアソシエーションとの違いについては、後程ご説明いたします。
アソシエーションの意味②
アソシエーションの第2の意味は、「関連」、「繋がり」という意味です。第1の意味が「ある目的の下に集まった組織」という具象的な人の集団を指していたのに対して、この第2の意味は「関連」という抽象的な概念を意味しています。
アソシエーションの第2の意味はこういう抽象的な概念ですが、ビジネスの分野、ITの分野、天文学の分野、心理学の分野などで、同じアソシエーションという言葉がそれぞれ独特の意味を持つ使い方をされています。
アソシエーションの由来
前の章では、「アソシエーション」という外来語の意味についてご説明しました。意味は大きく分けて2つありました。1つの意味は「ある目的の下に集まった組織」、もう1つの意味は「関連」というものでした。
この章ではアソシエーションの由来についてご説明いたします。アソシエーションは外来日本語ですから原語があります。外来語の「アソシエーション」と原語の英語「association」に分けて、それぞれの由来をご説明いたします。
外来語「アソシエーション」の由来
外来語「アソシエーション」の由来と言えば原語である英語の「association」です。associationの意味や使い方の使用例については後程、別の章でご説明いたします。
カタカナ書きの外来語はアソシエーションに限らず、明治の文明開化以後に日本に入って来ました。日本に来た外国人教師も外来語の導入に役割を果たしましたが、また日本人の海外留学生も大いに外国の文化を取り入れることに力を尽くしました。
明治時代はまだ多くの人が外国語に馴染んでいなかったので、外国語の音をカタカナ書きで表現したカタカナ外来語は使われていません。アソシエーションのようなカタカナ外来語が使われるようになるのは大正時代以後のことです。
英語「association」の由来
アソシエーションの原語である、英語「association」は英語の動詞「assosiaet (繋がるという意味)」が名詞化して生じた言葉です。現在の英語「association」には多様な意味の使い方がありますが、生まれた時の「association」の意味は「関連」、「連想」ということになります。
そして英語の動詞「associate」の語源は、ラテン語の「associatio(繋がりという意味)」が動詞化した「associo(結びつけるという意味)」です。
アソシエーションの特徴
この記事では、外来カタカナ語「アソシエーション」を取り上げて、その意味、由来、特徴、原語、使い方、使う上での注意点などを解説しています。
初めの章ではアソシエーションには大きく分けて2つの意味があると申しました。この章では、その2つの意味、意味①と意味②のそれぞれについて、その特徴を述べてみます。
意味①の具象性
アソシエーションの意味①は「ある目的の下に人が集まって作られる組織」でした。つまり「~協会」という類の組織を指しています。
この「組織」というものは、人の集まりですから、そのメンバーの姿、本部の事務所の建物、その規約を記した書類、その組織が主催するイベントなどのイメージを思い浮かべることができます。つまり、具象性のある言葉です。この具象性が意味①の特徴です。
意味②の抽象性
アソシエーションの意味②は「関連」や「繋がり」という意味でした。この、意味②が表す言葉「関連」や「繋がり」は抽象的な概念で、イメージを目に浮かべることができる実体はありません。このような抽象性が意味②の特徴です。
アソシエーションの英語
この章ではアソシエーションの原語である英語について、それがどんな意味で使われているか、また使い方の例などを解説いたします。
アソシエーションの英語は「association」です。これは「associate(意味は「結びつける」)」という動詞が名詞化したものです。
語尾を「tion」に変えて名詞化するのは英語によく見られるやり方です。例えば「imitate(意味は「模倣する」)」の語尾を「tion」に変えて「imitation(意味は「模倣」)と名詞化する、という具合です。
英語の意味
英語の「association」の意味も外来日本語の「アソシエーション」と同じく第1の意味は「協会」、「会社」など、「人が集まって作る組織」です。
第2の意味も外来日本語の「アソシエーション」と同じく「関連」、「合同」、「共同」などです。更に第3の意味として「交際」、「付き合い」という意味もあります。これは外来日本語の「アソシエーション」にはないものです。
英語の使い方
英語「association」の第1の意味の使い方の例として、次のものがあります。「The British Association for Adovancement of Science(大英学術振興協会)」です。
英語「association」の第2の意味の使い方の例として次のものがあります。「buyers' association(職員組合)」です。
アソシエーションの使い方
この章では外来日本語「アソシエーション」の使い方を4つの例文を挙げてご説明いたします。第1の意味の例文を1つ、第2の意味の例文をビジネス関係、IT関係、天文学関係、心理学関係からそれぞれ1つずつ挙げてみます。
例文①
アソシエーションの第1の意味の例文として次のものを挙げます。「JFAは、ジャパン・フットボール・アソシエーションの略号です」という例文です。この日本語の名称は「公益社団法人・日本サッカー協会」です。
例文②
アソシエーションの第2の意味の例文として、ビジネス関係の例文を挙げます。「我が社の今年度の基本方針として、関連部門の業種とのアソシエーションを緊密にすることが提案され、重役会議で了承された」という例文です。
例文③
アソシエーションの第2の意味の例文としてIT関係の次の例文を挙げます。「IT業界には「アソシエーション分析」という用語がある」という例文です。これはいろいろなデータの相互の関係を分析するやり方のことです。
例文④
アソシエーションの第2の意味の例文として天文学と心理学に関係する次の例文を挙げます。「天文学において「アソシエーション」は「星の群れ」を意味し、心理学において「アソシエーション」は「連想」を意味する」という例文です。
アソシエーションの注意点
この章では、アソシエーションという外来語を使う上での注意点について解説いたします。アソシエーションと似た意味の外来語の「コミュニティ」という言葉があります。以下に、コミュニティという言葉の意味と、アソシエーションとコミュニティの違いについて述べます。
コミュニティの意味
コミュニティの意味は「地域社会」や「共同体」です。具体的な例を挙げると「~ニュータウン」、「~団地」、「~村」、「~町内」などに当たり、同じ地域に住み、何らかの連帯意識をもって共同する人々の集団という意味です。
ビジネス関連で考えると、会社や企業そのものはコミュニティには当たりません。しかしコミュニティを作るビジネスは存在します。またビジネスの企業などは、その企業が存在するコミュニティとの連携を大切にする必要があります。
アソシエーションとコミュニティの違い
アソシエーションとコミュニティの違いについて解説いたします。アソシエーションとコミュニティのどちらも人の集まりです。その両者の違いはどこにあるのでしょうか?
先ず、アソシエーションは「~協会」というような、ある共通の目的の下に集まった人の集まりです。そのメンバーは同じ地域に住んでいるとは限りません。
これに対してコミュニティは「~ニュータウン」というような、同じ地域に住む人の集まりです。連帯意識はあっても共通の目的というものはありません。ここに両者の違いがあるのです。例えばビジネス社会の企業などはアソシエーションに当たり、コミュニティには当たりません。
アソシエーションは関連という意味
アソシエーションという外来語の意味は大きく分けて2つあります。一つは抽象的な「関連」、「繋がり」という意味です。もう一つは「~協会」というような、「ある目的の下に集まった組織」という意味です。
「アソシエーション」という外来語の意味、由来、特徴、原語の英語、使い方の例文、「コミュニティ」という外来語との違いなどについて解説いたしました。