「言伝(ことづて)」の意味とは?
「言伝(ことづて)」という言葉を使ったことはありますか?「言伝(ことづて)」という言葉を使うには、「言伝(ことづて)」の意味を知らなければなりません。なんとなくわかった気がしているだけではないでしょうか?これを機会に「言伝(ことづて)」の意味を知りましょう。
「言伝(ことづて)」という言葉は、ビジネスシーンでよく使われます。意味を知り、ビジネスシーンでうまく活用できれば、仕事の上でも役立つでしょう。しかし間違えた使い方をしてしまうと、ビジネスが円滑に進まないだけでなく、大きな失敗をしかねません。
ビジネスでの使い方を覚える上で、英語での表記方法も一緒の覚えていきましょう。日常でも英語を使う機会も増えました。ビジネスでも英語を上手に使いこなしていきましょう。本当の意味を知り、英語で使うには類語を一緒に覚えることも効果的です。
「言伝(ことづて)」の正しい使い方を知る上で、例文を見るのは効果的です。類語や正しい使い方など、例文を使って正しく覚えていきましょう。「言伝(ことづて)」の意味を正確に知れば、ビジネスでも日常でも言葉の世界が広がるでしょう。
意味①第三者に伝えてもらうこと
ここから詳しく「言伝(ことづて)」の意味について見ていきましょう。「言伝(ことづて)」の意味の1つ目は、「伝えたい内容を第三者に取り次いでもらうこと」というものです。この場合の「言伝(ことづて)」は、伝言と言い換えることもできます。
大事なことを自分が直接聞かず、まったく関係ない他人の口から聞く時、「言伝(ことづて)をもらった」や「言伝(ことづて)を聞きました」といった言い方をするのが通常です。
意味②見たわけでないものの話を聞くこと
「言伝(ことづて)」の意味の2つ目は、「それを実際に見たのではなく、人から聞いた話のこと」というものです。よく「人伝てに聞く」という言葉があります。これも「言伝(ことづて)」と同じ意味になります。「人伝て」は「ひとづて」と読みます。
実際にその事柄を当人から聞いたわけでもなく、実際に現場を目撃したわけでもなく、他人の口から聞いた話という意味です。よく「また聞きの話なので、確かではないけれど」という話をすることがあるでしょう。「言伝(ことづて)」にはこの「また聞き」の意味でもあります。
意味③用件を伝えること・伝えた内容
「言伝(ことづて)」の意味の3つ目は、「相手に用件を伝えること、またはその言葉や文書」というものです。この「言伝(ことづて)」は物事を連絡したり、通達したりすることを指します。また、そうして伝えられた文書や言葉も「言伝(ことづて)」の意味になります。
ここで注意しなければならない点は、「言伝(ことづて)」は何かの依頼や要望を伝えるという意味はありません。単なる伝言をお願いすることにとどめるのが「言伝(ことづて)」です。言ったことをそのまま伝えて欲しい場合に「言伝(ことづて)」が適しています。
「言伝(ことづて)」の類語
ここまで、「言伝(ことづて)」の意味について見てきました。「言伝(ことづて)」には、言い伝えることと、言い伝えた内容の両方の意味があります。次に「言伝(ことづて)」の類語について見ていきましょう。
わかりにくい「言伝(ことづて)」の意味ですが、類語を知ることによって、意味がはっきりしてくる場合があります。「言伝(ことづて)」の意味は3種類あるので、それぞれの意味の代表となる類語を挙げてみました。詳しく見ていきましょう。
類語①伝言
「言伝(ことづて)」の類語の1つ目は、「伝言」です。伝言は、人に頼んで相手に用件を伝えることです。つまりダイレクトに伝えるのではなく、第三者を仲介して、言葉を伝えるというものです。この「伝言」を使った例文を見ていきましょう。
「この件については、彼には妹から伝言してもらおうと思います」というものです。彼に直接言うのではなく、妹を介して用件を伝えるという意味です。また次のような例文もあります。「少し時間がかかりそうだ。彼には遅れると伝言をしておいてくれ」というものです。
これは遅刻しそうな人が、先に出発して彼に会うことができる人に、遅れるという言葉を託すというものです。これと同じ類語には、「言付け」や「託け」といったものがあります。
類語②伝聞
「言伝(ことづて)」の類語の2つ目は、「伝聞」です。この「伝聞」という類語は、見たわけではないものを、人を介して聞いたことという意味です。この「伝聞」はどういった使い方をするのでしょうか?例文を挙げてみましょう。
「伝聞する限りは、君の言うおとりだろう」というものです。人から伝え聞いたことを述べる言い方も、伝聞の意味になります。口語では「そうだ」という助動詞が付きます。
文語では「なり」という助動詞が付きます。同じ意味の類語に、「また聞き」「聞き伝え」「風の噂」といったものがあります。
類語③メッセージ
「言伝(ことづて)」の類語の3つ目は、「メッセージ」です。この類語は、相手に用件を伝えることや伝えた内容である言葉や文書を意味しています。「伝えたいこと」や「訴えたいこと」という意味でもあります。この類語と同じ意味になるのは「通達」「通知」といったものがあります。
「言伝(ことづて)」の使い方
ここまで「言伝(ことづて)」の意味と、その意味に相当する類語について見てきました。類語を知ることで、「言伝(ことづて)」の意味がよりわかったことでしょう。
次に「言伝(ことづて)」の正しい使い方を見ていきましょう。「言伝(ことづて)」は古くは「ことつて」と発音されていました。ここからは「言伝(ことづて)」の使い方を例文を挙げながら説明していきます。
例文①ことづてをお願いします
「言伝(ことづて)」の使い方の例文の1つ目は、「ことづてをお願いします」というものです。これはこちら側から依頼をする場合の使い方で、ビジネスシーンでよく使われます。伝える内容が単なる伝言だけである場合は、「ことづてをお願いします」で充分です。
しかしビジネスなどで相手への依頼や要望などを含んでいる場合は、「ことづてをお願いします」ではなく「ことづけをお願いします」のほうがいいでしょう。「ことづて」と「ことづけ」の一字違いですが、ここには大きな違いがあります。
例文とを挙げてみましょう。「ご不在とのことですので、ことづてをお願いしたいのですがよろしいでしょうか?」というものです。
例文②おことづけをお願いします
「言伝(ことづて)」の使い方の例文の2つ目は、「おことづてをお願いします」というものです。先述した「ことづてをお願いします」の敬語表現になります。例文を挙げてみましょう。「そうしましたら、おことづてをお願いすることは可能でしょうか?」というものです。
相手を尊重する意味で、控えめな表現をするのが一般的です。ここで注意しなければいけないのは、「おことづてをお願いすることはできますでしょうか?」という例文です。
この例文は「ます」と「でしょうか」の二重敬語になります。正しい例文は「おことづてはできないでしょうか?」か「おことづては可能でしょうか?」といったものになります。
例文③ことづてをお伝えください
「言伝(ことづて)」の使い方の例文の3つ目は、「ことづてをお伝えください」というものです。ことづての内容が簡単なものの場合、ビジネスでよく使用されます。例文とを挙げてみましょう。「〇〇様へ、了解した旨、ことづてをお伝えください」というものです。
この他、「ことづてをお伝えいただけますでしょうか?」というものや「ことづてをお伝えいただくことは可能でしょうか?」といった例文もあります。この例文は相手に伝えたいという願いが強い場合に使われます。
例文④ことづてがございます
「言伝(ことづて)」の使い方の例文の4つ目は、「ことづてがございます」というものです。この例文は、ビジネスシーンで電話の応対でよく使われるものです。例文として「〇〇から、ことづてがございます」というものです。
この言葉に続けて、ことづての内容を説明することで、ことづてが可能になります。丁寧な言い方をしたいからと「おことづてがございます」と言ってしまうと、自分に対して尊敬語を使うことになるので間違いになるので、注意しましょう。
「言伝(ことづて)」の注意点
ここまで「言伝(ことづて)」の具体的な使い方と例文を見てきました。そこでも少し触れましたが、「ことづて」の他に「言付け(ことづけ)」という非常に似た言葉があります。人によっては「ことづて」と「ことづけ」を同じ言葉と考えている人もいるのではないでしょうか?
自分が「ことづて」と言っているのか、「ことづけ」と言っているのか、あやふやな人もいるのではないでしょうか?ビジネスシーンでよく使われる言葉なので間違いないようにしましょう。「ことづてがあります」と「ことづけがあります」にはどういう違いがあるのでしょうか?
「言伝(ことづて)」と「言付け(ことづけ)」の違い
まず「言付け(ことづけ)」の意味について見ていきましょう。「言付け(ことづけ)」も「人に頼んで取り次いでもらうこと」という意味で、類語には「伝言」といったものがあるなど、「言伝(ことづて)」と同じ使われ方をすることも多いです。
しかし「言付け(ことづけ)」は、何かを依頼したり、要望を相手に伝えたりする時に使用します。もし「言伝(ことづて)」という言葉を使って、相手に対して依頼をしたり要望をしたりする伝言をお願いすることは間違いになります。
逆に、単なる伝言でしかない物に対しては、「言付け(ことづけ)」という言葉を使うより、「言伝(ことづて)」を使うようにしましょう。
「言伝(ことづて)」は単なる伝言
「言伝(ことづて)」と「言付け(ことづけ)」の違いは、「言付け(ことづけ)」が依頼や要望を含んでいるものであるということです。逆に言えば、「言伝(ことづて)」は、依頼や要望を含んでいない、単なる伝言であるということになります。
「言伝(ことづて)」という言葉は伝言に留まるため、ビジネスにおいてはあまり使い勝手のいい言葉とは言えないかもしれません。特に、言ったことをそのまま伝えて欲しい場合は、「言付け(ことづけ)ではなく「言伝(ことづて)」を選ぶのが適切と言えるでしょう。
「言伝(ことづて)」は依頼ではない
このように「言伝(ことづて)」と「言付け(ことづけ)」の違いを見てくると、ビジネスで大事なお願いをする時に、「言伝(ことづて)」を使うのは適切ではないということがわかります。
ビジネスにおいては、相手に伝言を頼む時、相手の手間になることにも関わらず伝言を頼むという意味や重要性を持っています。この場合は、「言伝(ことづて)」より「言付け(ことづけ)」という言葉を選んだほうがいいでしょう。
「言伝(ことづて)」の英語表記
最後に、「言伝(ことづて)」の英語表記について見ていきましょう。「言付け(ことづけ)」は英語でなんというのでしょうか?「言伝(ことづて)」は英語にすると「message」ということになります。また「declaration」という英語もあります。
また「rumour」や「rumor」という英語もあります。英語の例文を挙げて見ていきましょう。「ことづてをお願いします」という文章を英語にすると「Can I leave a message?」となります。これはビジネスシーンでよく使われる英語となるでしょう。
もう少し丁寧いな言い方をする場合もあります。「Would you please take a message? 」というものです。もう1つ別の言い方もあります。「I would like to leave a message.」というものです。これは「ことづてを頼みたいのですが」といった意味になります。
カジュアルな言い方だということを気にする場合は、前か後ろに「please」を付けるといいでしょう。この他の例文を見ていきましょう。「ホテルにあることづてシステム」との英語は「message transmission system for hotel」となります。
また具体的に「言伝(ことづて)」に相当する英語を使わなない場合も、「言伝(ことづて)」を表すことができます。「彼女が亡くなったことを言伝で知りました」の英語は「I heard that she'd died.」となります。
また次のような英語の例文もあります。「全国に清女伝説があります」の英語は「Throughout Japan there are stories of Sei Jo Densetsu.」というものです。
「言伝(ことづて)」とは伝言の意味
「言伝(ことづて)」という言葉はわかっているようでわかっていない人が多い言葉です。「伝言」や「伝聞」といった意味があります。また「言付け(ことづけ)」という言葉と混同してしまう場合が多いです。
「ことづて」と「ことづけ」と一字違いですが、意味は微妙に変わってきます。また、「言伝(ことづて)」の英語表現も「message」の他、さまざまな言い方があります。「言伝(ことづて)」という言葉の深さを知り、ビジネスシーンや日常で上手に利用していきましょう。