「マイノリティ」の意味とは?
「マイノリティ」という言葉は日常の生活においてもたびたび使用されます。では、この「マイノリティ」と言う言葉には一体どの様な意味があるのでしょうか。
今回は一般社会におけるこの「マイノリティ」の意味や使い方、さらに対義語や類語、例文などをご紹介し、この言葉の本当の意味ごご紹介していきます。
「マイノリティ」という言葉を直訳すると、「少ないこと」や「少数派」という意味があります。そのため、ある集合体において少数派に属している部分を「マイノリティ」と良く表現されますが、「マイノリティ」の本来の意味や使い方においては、政治的イデオロギーの一つになります。
社会的な意味が強い
現在、日本を含め、世界中の多くの国々で民主主義といわれる政治思想が浸透しています。一言でいえば多数決です。そのため、「多数派」と「少数派」には、あらゆる事象を決定させるうえで、非常に重要な指標となり得る、と言えるのです。
この、実社会においての「少数派」の重要性から、「マイノリティ」と言う言葉が外来語として一般的な使い方をされるようになり、派生して「少ないこと」に対しても使われるようになった、と考える事が出来ます。
多くの外来語の意味
言うまでもなく「マイノリティ」は、もともとは英語表現で存在している単語です。「minority」と表記するこの単語はほぼそのままの意味で日本に輸入され、現在も「カタカナ英語」として、同じ意味合いでの使い方をするのです。
この様な場合、日本に伝わる過程で英語本来の意味とは少し違った捉え方で輸入され、カタカナ英語では、意味が若干違いものになる単語も良く見受けられますが、「マイノリティ」については、そのような意味の変化はなく、そのままの意味となります。
「マイノリティ」の派生語、熟語
この様な意味を持つ「マイノリティ」ですが、熟語にすることで意味が変わるものがいくつかあります。ここからは、それらの熟語をご紹介して行きます。
この言葉には、隠れたニュアンスも含まれることが多く、あまり気軽に使ってしまうと誤解を受ける恐れがあります。十分に注意してお使いください。
ノイジーマイノリティの意味とは
まず一つ目に、「ノイジーマイノリティ」と言う熟語をご紹介して行きます。これは、社会的少数派に属している人々は、思想や意見といった様々な視点から迫害を受けたり、意見が無視されてきたという、これまでの社会の在り方をきっかけとしています。
近年上記の少数派の思想や意見を平等に尊重しよう、という考え方が浸透してきていますが、過度に保護を求めたり、大きな要求を迫ってくるケースも増えています。
こういった「一般的にやりすぎだと感じる保護」が必要だと声高に騒ぐ人の事を「ノイジーマイノリティ」と表現するのです。
セクシャルマイノリティの意味とは
次に、セクシャルマイノリティについてご紹介します。これは、「一般的とは言えない性的嗜好を持ち合わせている人々」の総称した言葉です。
これは、同性愛者だけでなく、フェチズムの場合もこの様に言い表されています。昔は病や呪いの類だと信じられてきたものが、多様性の浸透により個性と認識されるようになったために出現しました。
「マイノリティ」の対義語・類義語
上記で示した通り、「マイノリティ」と言う言葉は、「少数派」や「少ないこと」を意味しています。つまりは、反対の多数派との対比を前提とした言葉になります。
多くの集合体が存在する上で、ある意味ではイレギュラーともいえる、多くの個々とは違ったかたちの物の集合に対して、「マイノリティ」と意味されるのです。
そのため、「マイノリティ」と言う言葉は、その対義語とセットで把握しておくようにしましょう。
「マイノリティ」の対義語
それでは、「マイノリティ」の対義語とは、一体どの様な意味になるのでしょうか?「多数派」という言葉を英語で表すと「マジョリティ」と言われています。
「minority」が、「minor」つまり「マイナー」であることの対義語として、「マジョリティ」は、「majority」と表記し、「major」の単語を形容詞変化させた単語と言えます。
「マジョリティ」には、「多数派」や、「大多数の」という意味があり、「マイノリティ」と対になる言葉となります。
社会的な側面で見ると、「マジョリティ」である多数派が、民主主義的な考えが広く浸透していることもあり、圧倒的な強者となります。その対義語として、「マイノリティ」すなわち少数派では、弱者として捉えられるような使い方をする事が多くあります。
「マイノリティ」の類義語
では反対に「マイノリティ」の類語とは、一体どの様な単語が言えるのでしょうか。これは、「マイノリティ」という単語の意味や使い方をどの様に捉えるか、と言う点によって類語として様々な単語に置き換える事が出来ます。
例えば、「マイノリティ」と言う言葉を、「メインではない」と言った風に解釈するなら、「オルタナティブ」という言葉は類語になり得ます。
又、「小さい集団の方」と言ったようなニュアンスで解釈するなら、類語は「smaller」と言った単語に置き換える事が出来るでしょう。
「マイノリティ」の使い方・例文
ここまでのご紹介により、ある程度は「マイノリティ」と言う言葉の意味や使い方が、把握できたのではないでしょうか。上記でご紹介した類語では、ニュアンスが変化してしまうため、可能な限り「マイノリティ」という言葉を覚え、使用するようにしましょう。
ここからは、この「マイノリティ」を使用した想像しやすいシーンでの例文をいくつかご紹介して行きます。使い方の一例として是非覚えておきましょう。
例文① 「この提案はマイノリティ的な考えだ。」
先ず、「この提案はマイノリティ的な考えだ。」という例文をご紹介します。「マイノリティ」という単語に「的」というというやや抽象的な表現を付け、「大多数が思いつかないような提案をしてきた。」という風な印象を与える事が出来ます。
ただ、前述のように「マイノリティ」と言う単語の意味には、社会的弱者の様な意味合いも含まれているため、相手にポジティブな印象を与えにくい性質がある事には、注意が必要です。
例文② 「マイノリティの意見は過度に尊重すべきでは無い。」
続いては、上記と同じような使い方で、「マイノリティの意見は過度に尊重すべきでは無い。」という例文をご紹介します。
現代では、世界中のほぼすべての人々がコミュニティを形成し、集団の中で生活しています。そのため、集団での決議を行う際には、多数派の陰に必ず少数派、つまりマイノリティは存在しているのです。
こういった中、これまででは、マイノリティの意見は無下にされがちでしたが、この様な小さい意見も尊重しよう、といった動きが世界中で起こっているのです。
例文③ 「マイノリティグループを含め、皆幸せに暮らしている。」
続いて、「マイノリティ」と言う単語を少し深堀りした例文をご紹介します。例えば「マイノリティグループを含め、皆幸せに暮らしている。」という例文を見てみましょう。
「マイノリティグループ」と表現する事で、「社会的少数派」という若干違った意味で表現する事が可能です。社会的少数派とは、昨今話題に上る「LGBT」や、心や身体に何らかの障がいを持った社会的弱者を意味するのです。
これまでは使われることがあまりなかったこの言い回しですが、今後は時世によりこの様な言葉も頻繁に出てくる様になるのではないでしょうか。
例文④「マイノリティリポート」
最後に、「マイノリティリポート」という非常に有名な一文をご紹介します。例文と言うよりは、「イディオム」と言った方が近い表現にはなりますが、「マイノリティ」と聞くとこの例文を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか。
言うまでもなく、「マイノリティリポート」と言う言葉が世に知られたきっかけは、トムクルーズ主演、スピルバーグ監督が手掛けた近未来SFの映画の事です。劇中では、マイノリティリポートはとある捜査システムの名前でしたが、直訳すると「少数派の報告書」と言えます。
「マイノリティ」の英語表記
前述のように、「マイノリティ」という言葉は、もともとは英語表記の「minority」という単語を輸入する事で、今日まで親しまれています。
「minority」という単語を分解すると、「minor」という単語の後ろに、形容詞へ変化させる「ty」を付けた言葉であることがわかります。
「minor」は「マイナー」とそのまま発音され、同じように外来語として日本でも親しまれています。
「マイノリティ」の漢字
上記の英語表記をご紹介したところで、合わせて漢字表記もご紹介します。前述の様に「マイノリティ」を漢字で表す場合は、「少数派」や、「少数の」と表すことが出来ます。
この他にも当て字により表現される場合がたまにありますが、その場合は読み仮名を小さく付けておく方が望ましいと言えます。
「マイノリティ」は「少数の」や「少数派」という意味
この様に「マイノリティ」は、現代の私たちには大変馴染みの深いものですが、そのものの意味だけではなく、類語や対義語も合わせて学ぶ事で、言葉に隠された細かいニュアンスまで知ることが出来ます。この言葉を使用する際には、あった場面で活用して行きましょう。