依拠の意味とは?使い方・例文・類語や準拠との違い・著作権用語なども解説

依拠の意味とは?使い方・例文・類語や準拠との違い・著作権用語なども解説

普段の日常において様々なシーンで、「依拠」と言う言葉は使用されていますが、そのものの意味をしっかりと把握している人は少ないのではないでしょうか。このページでは、その「依拠」の意味や使い方、間違えやすい用語などを詳しくご紹介して行きます。

記事の目次

  1. 1.依拠の意味とは?
  2. 2.「依拠」の対義語・類義語 
  3. 3.「依拠」の使い方・例文
  4. 4.「依拠」を使う際の注意点
  5. 5.「依拠」はよりどころとするという意味

依拠の意味とは?

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公的な文章などでは、この「依拠」と言う文字をたびたび目にします。しかしこの言葉自体の意味をしっかりと把握している方は少ないのではないでしょうか。

今回はこの「依拠」という難しい言葉の意味にスポットを当て、例文を交えた具体的な使い方や、意味、良く似た「準拠」との意味の違いや、著作権との関係性や類語の意味などを、詳しくご紹介して行きます。

よりどころとすることの意味

「依拠」の言葉を一般的な辞書などで検索すると、物、事に対して「よりどころ」とするという意味が記載されています。

「依拠」の漢字を分解すると、「依」は訓読みで「よ(る)」と読む事が出来、「依存」や「依頼」など馴染みの深い意味の熟語が沢山あります。

一方「拠」では、「処」の漢字と良く似ていて、読みも同じく「ところ」と読むことが出来るのです。

つまり、漢字一文字ずつをそのまま読むことで「よりどころ」となり、そのままの意味になるという事が出来るのです。

「依拠」の対義語・類義語 

これまで辞書の意味をそのままご紹介しただけではありますが、大まかな意味はつかめたのではないでしょうか。続いては、「依拠」の漢字の意味や使い方を深く知るために類語、対義語をご紹介して行きます。

「依拠」の対義語

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上記の様に「依拠」の意味とは、物や事に対して、よりどころとなることを意味します。では、その反対の意味はどういう風に表現するべきなのでしょうか。

結論を言うと、「依拠」という熟語に関しての明確な対義語は存在しないと言えます。しかし、「よりどころが必要無い」と言う意味合いでは、「独立」や「単独」などと言った意味の表現や、「孤高」、「孤独」などといったい意味の表現がニュアンス的には近いと言えます。

この様に、何に対しても「依る」必要がない、と言った意味の熟語が意味としては正しいものになるのではないでしょうか。

「依拠」の類語

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続いては、「依拠」の類語についてご紹介して行きます。上記の対義語では明らかに対となる意味の単語、熟語はありませんでしたが、類語の場合はどうでしょうか。

「依拠」の言葉と良く似た意味を持ち、間違えやすい熟語としては、「準拠」が知られています。どちらも少し難しい表現で、公的な文書や物事を説明する際の語句としての使い方をすることが多くあります。

「準拠」とは、ある基準や決まりに対して、「それをよりどころとし、従う事」を意味します。普通は、法律や共通規格などに対して、そのガイドラインに沿って、しっかりと従っている。という事を意味しているのです。

そのほかの類語

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上記の「準拠」は「従う」という意味合いを強く含んだ使い方をしますが、このほかの類語としては、馴染み深いものとしては、「根拠」や「論拠」なども類語としての使い方が出来ると言えます。

また、「よりどころとする」という事をもっと広く捉えると、「足場」や「土台」など、一見無関係にも見える言葉も意味合いとしては同じため、類語としての使い方が出来ると言えます。

これだけでなく、「依存」と言う意味もよりどころとなっていると言える上、「則する」と言った表現も意味として類語になり得ると言えます。

用語としての「依拠」

これまでの対義語や類語のご紹介で、「依拠」の言葉の意味、使い方がより深く理解が出来る様になります。

ここからは、「依拠」の言葉をもう少し深堀りして、用語して頻出している使い方をご紹介して行きます。

著作権についての「依拠性」の意味とは

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これまでご紹介してきた「依拠」と言う言葉の派生語で、「依拠性」という用語があります。「依拠性」の意味とは、他人の著作権に対して、「その内容に基づいて著作権を生み出したかどうか」を表しています。

これだけ聞くとすごく分かりにくい表現に聞こえますが、これまでの依拠の言葉の説明に当てはめると、「依拠性」とは、他人の著作権に対してコピーしたり、トレースするなど、依拠してその作品を生み出したかどうか、を意味しているのです。

著作権法では、この「依拠性」により法に触れるかどうかの判断材料としての意味で考えられています。著作権の範囲や定義が決められ、それに基づき、依拠性を判断するのです。

「依拠」の使い方・例文

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それでは、これまでのご紹介、ご説明を踏まえて、この「依拠」の使い方をより深く知るために実際のシーンに依拠した例文をご紹介して行きます。

上記にもある様に、意味や使い方を理解すると、色々な場面で使うことが出来るため、把握しておきましょう。

例文① 「先例に依拠した仕組みづくりを行う。」

先ずは、「先例に依拠した仕組みづくりを行う。」の例文をご紹介します。この例文では、先例をよりどころとし、参考にしたうえで、新しい仕組みを作る。という意味の表現を表すことが出来ます。

従来の製品のアイデアや、意匠などを参考にし、ものづくりを行う事が大切であり、そのため上記の例文のような、進歩させる、発展させる、といったような意味で使用する事が出来ます。

例文② 「彼に依拠した発言を行う。」

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続いては、用法としては同じような、「彼に依拠した発言を行う。」の例文をご紹介します。一つ目の例文では、過去をよりどころとし、現在の行動に反映させる、と言う意味でしたが、この分では、よりどころの対象が第三者になっています。

この様な例文であれば、当事者の行った発言は、前段階の彼の発言にのっとって、概ね同じような意見である、という事が推測出来ます。

この様に、よりどころとなる対象は、過去の物事や周りの物事に対しての使い方をすることが出来るのです。

例文③ 「この製品には依拠性が認められない。」

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続いて、派生語である「依拠性」を使用した、「この製品には依拠性が認められない。」という例文をご紹介します。

依拠性が認められない、という事は、その製品が完全にオリジナルであることが疑いがない、という事が分かります。著作権の保護の観点から、この様な依拠性というものは大切な指標であり、商品を作る上では最も注意するべき点のひとつである、と言えます。

例文④ 「彼が依拠を否定したからといって、依拠性が直ちに否定されるとは限らない。」

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続いて、同じ「依拠性」を使用した例文である、「彼が依拠を否定したからといって、依拠性が直ちに否定されるとは限らない。」という例文をご紹介します。

この例文により、依拠性が認められるかどうかは、生産した本人であるとは限らない。という事がわかります。そのため、裁判で争点になり得るという事が多く、なかなか明確に答えが出ない点でもあります。

著作権として保護されている範囲というものをしっかりと把握し、あからさまに依拠性が認められるものをオリジナルとして世に送り出すことは正しくないと言えます。

「依拠」と「準拠」の違い

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ここでは、良く間違われると言われている「準拠」の言葉を交えて、「依拠」の言葉の理解を深めていきましょう。

前述の様に、「準拠」では、ある規格やガイドラインに従っていく、という意味合いが強く含まれています。

「準拠」は従うという意味

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「依拠」との違いはこの上記の点で違いがあり、「従う」というニュアンスを強く含むかどうか、によって「依拠」を使うか、「準拠」を使うかを判断する材料となるのです。

そのため、準拠する対象は、規格やガイドラインになることが多いと言えます。例えば、国際標準化機構の「ISO」や、規則や法律、が対象になり得るのです。

「依拠」を使う際の注意点

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ここからは、「依拠」を実際に使用する際に、間違いとなり得てしまう注意点をご紹介して行きます。

例えば、前述の類語でご紹介した「依存」という言葉と混同してしまうと、誤った意味となってしまいます。

「依拠」はよりどころとしている物や人、事が対象となりますが、その対象がないと意味が崩れてしまう場合などは「依存」の方が正しい使い方であると言えます。

人や物、事以外には使えない

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これまでご紹介した通り、よりどころとなる対象は人や物、事と幅広くありますが、逆に表現するとこれら以外で使うと意味が少しおかしくなる場合もあるため、注意が必要です。

又、よりどころとしている程度でも語句の使い方が変わるため、その点にも注意が必要となります。よりどころとしている程度が重く、それなしでは成立しなければ「依存」の方が意味合いとして適していると言えます。

その他にも、逆に程度が軽ければ、単に「則した」という語句の方が意味的にしっくりくる場合もあります。この様に微妙に違う意味の類語が多くある為、語句ごとの違いをしっかり把握し、使い分ける事がポイントとなります。

「依拠」はよりどころとするという意味

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これまでご紹介した通り、「依拠」という言葉にはシーンごとの使い分けによって、様々な類語に置き換える事が可能な言葉であるという事がわかります。それぞれの意味の違いに留意し、正しい使い方で「依拠」の言葉を活用していくことが大切です。

建人
ライター

建人

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