拝受しました・拝受いたしましたの意味は?メールでの使い方・例文や類語も紹介!

拝受しました・拝受いたしましたの意味は?メールでの使い方・例文や類語も紹介!

「拝受」の意味は何でしょうか?「拝受しました」と「拝受いたしました」のどちらが正しいのでしょうか?「拝受しました」と「拝受いたしました」の使い方とメールで使う場合の例文の他、「拝受」の類語など、「拝受」の正しい意味と使い方を見ていきましょう。

記事の目次

  1. 1.「拝受いたしました」の意味とは?
  2. 2.「拝受しました」の対義語・類語
  3. 3.「拝受しました」の意味の敬語
  4. 4.「拝受しました」の使い方
  5. 5.「拝受しました」と「受領しました」の意味の違い
  6. 6.「拝受しました」を使う際の注意点
  7. 7.「拝受しました」の「拝」を使った言葉
  8. 8.「拝受しました」の英語表現
  9. 9.「拝受いたしました」は「もらう」という意味

「拝受いたしました」の意味とは?

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社会人になり、お礼のメールや手紙を出す機会が増えてきたという人もいるのではないでしょうか?友人同士のフランクな会話ではなく、きちんとした敬語を使ったお礼のメールは、なかなかに難しいものです。

しかし難しいからと書かないわけにもいきません。敬語を間違えないように、気を付けて書かなければいけません。間違った使い方をすると、社会人としてマナーがなっていないと思われてしまいます。

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社会人として恥ずかしくないように、敬語を間違えないようにしてメールや手紙の返信を作っていきましょう。今回取り上げるのは「拝受」という言葉です。あなたは「拝受」や「拝受いたしました」といった言葉を聞いたことがありますか?

日常会話ではほとんど使われない言葉なので、馴染みがない人もいるかもしれません。しかし「拝受いたしました」といった物言いは、ビジネスメールや手紙を書く上で、よく使われる言葉です。

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よく、「拝受いたしました」なのか「拝受しました」なのかで迷う場合があると言われています。「拝受いたしました」と「拝受しました」の違いはどこにあるのでしょうか?「拝受いたしました」は謙譲語のように見えます。いっぽうで「拝受しました」は丁寧語です。

なぜ「拝受いたしました」と「拝受しました」の使い方について悩むのでしょうか?それにはそもそもの「拝受」の意味を知らなければなりません。「拝受」とはどのような意味なのでしょうか?まずは「拝受」の意味について見ていきましょう。

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「拝受いたしました」や「拝受しました」という言葉の意味がわかれば、「拝受」の類語や対義語がわかってきます。「拝受」を使うのもいいですが、類語を知っていると、類語を使って「拝受いたしました」「拝受しました」の言い換えができます。

「拝受」の意味を知り、「拝受」の類語を知っておきましょう。「拝受」の意味を知り、「拝受」の類語を使いこなすことができれば、文章の幅が広がります。「拝受いたしました」「拝受しました」だけでなく類語をうまく使って意味がうまく伝わるようにしていきましょう。

「拝受いたしました」の読み方

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「拝受いたしました」や「拝受しました」で使われる「拝受」という言葉ですが、そもそも、どう読むのでしょうか?馴染みのない言葉なので、よくわからずにいる人もいるかもしれません。「拝受」とは「はいじゅ」と読みます。

「拝受」の「拝」は訓読みにすると「おがむ」となります。音読みにすると「はい」になります。漢字の意味から見ていくと、どうやら「拝受」とは、「おがんでうけとる」といった意味になりそうです。

「拝受いたしました」の意味は「受け取る」の謙譲語

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それでは「拝受」の正式な意味を見ていきましょう。「拝受いたしました」「拝受しました」の意味は、「受け取りました」というものです。しかもただ「受け取りました」の意味ではなく、へりくだって言う時の言葉です。

「拝受」の「拝」は拝む、おじぎをするという意味になります。これは目上の人に敬意を示す言葉になります。この謙譲を表す「拝」に「受け取る」の「受」という漢字を組み合わせたのが「拝受」です。

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「拝」は「頭を下げてお礼をする」「相手をあがめる」「ありがたく受ける」という意味があります。「受」は「うける」「うけいれる」という意味です。「拝受いたしました」「拝受しました」は、「あがめながら受け入れる」という意味になります。

「拝受いたしました」「拝受しました」の意味の言葉で言い換えるとしたら、「受領いたしました」といったものになるでしょう。「拝受」という単語自体にへりくだった意味があるので、「受領しました」よりは「受領いたしました」と謙譲語にしたほうがいいでしょう。

「拝受いたしました」の使い方

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「拝受いたしました」「拝受しました」は、どういった使い方をすればいいのでしょうか?「拝受いたしました」「拝受しました」はビジネスシーンでの使い方が一般的です。具体的な使い方を見ていきましょう。

「例の資料は届きましたか?」といった連絡をメールでもらった場合、「はい、拝受いたしました」といった使い方をします。「拝受しました」「拝受いたしました」は、日常会話での使い方はほとんどされていません。

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コンビニでおつりをもらった時に「拝受しました」といった使い方はしません。それは「拝受いたしました」「拝受しました」が、謙譲語であるからです。

謙譲語は、相手に対してへりくだった使い方をすることを覚えておきましょう。同僚に何か軽く買い物を頼んだ場合も、「拝受しました」という使い方をしたら、かえってふざけているのかと思われる可能性もあります。

「拝受しました」の対義語・類語

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メールや手紙で「拝受いたしました」「拝受しました」と書く前に、「拝受」の類語を見ていきましょう。「拝受いたしました」と記す他に、どういった書き方ができるのかを知っておけば、語彙が広がります。

馬鹿の1つ覚えで「拝受いたしました」と使っているより、類語を使ったほうがいい場面もあります。メールに「拝受いたしました」と書く時、類語も知っておいて、その場の雰囲気によって書き換えてみましょう。

類語①「頂戴」の意味

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「拝受」の類語1つ目は、「頂戴」です。「拝受いたしました」を類語で言い換えるなら「頂戴しました」になります。「頂戴」は「賜る」「いただく」という意味で、「もらう」の謙譲語です。また「頂戴」には、食べることをへりくだって言う意味もあります。

目上の人から物をもらった時に、「頂戴します」という言い方をします。また、「頂戴します」は物のやり取りの際の使い方をします。資料をもらう時や、書類を回収する時、名刺交換の時に「頂戴します」という使い方をします。また、メールやファックスの受信確認の時の使い方もできます。

気をつけなければいけないのは名刺交換の時などに「お名前を頂戴する」という使い方は間違いです。名前は物ではなく、また目上の人から名前をもらうことはできません。この場合は「お名前をお聞かせください」「お名前をお教えください」が正しい使い方になります。

類語②「頂く」の意味

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「拝受」の類語2つ目は、「頂く」です。「頂く」は「頭の上に物を載せる」という意味の他に、「もらうの謙譲語」といった意味もあります。さらに「食べる、飲むの謙譲語」といった意味もあります。

ただ「食べる、飲むの謙譲語」の場合は、ひらがなで「いただく」という使い方をするのが一般的です。また「もらうの謙譲語」としての使い方をする場合は、「動作をしてもらうこと」である点も注意が必要です。

「いただく」という言葉には「頂く」の他に「戴く」という漢字も使われます。ビジネスシーンやメールのやり取りでは、どちらが正しいのでしょうか?「頂く」は常用漢字であり、「戴く」は常用外漢字です。ビジネスメールでは「頂く」を使い、「戴く」は避けましょう。

類語③「拝領」の意味

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「拝受」の類語3つ目は、「拝領」です。「拝領」も、「拝受」同様、人から物をもらうことですが、特に「貴人や目上の人から物をいただくこと」とされています。「拝領」には、受け取ることをへりくだって言う意味があります。

「拝領」の例文として、「殿様より拝領の刀」というものがあります。また「諸国の荘園を拝領した」といった使い方もあります。どちらも高貴な人から物をもらった時に使われます。「受領」などと違って、相手にへりくだる意味があります。

類語④「受信」の意味

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「拝受」の類語4つ目は、「受信」です。「受信」の意味は、「メールなど他からの通信を受け取ること」です。例文としては「ただいま御社からのメールを確かに受信いたしました」といったものとなります。

「受信」は物を受け取った時ではなく、メールやファックスを受け取った時に使います。「受信」は「拝受」の類語ではありますが、丁寧語でも謙譲語でもありません。したがって「拝受」のように、相手への敬意を持って受け取るという意味はありません。

「受信しました」自体には、敬意が含まれません。「拝受」と同じ意味で「受信」を使う場合、「受信いたしました」といった具合に「いたす」の言葉をプラスして、謙譲の意味を付け加えるようにしましょう。

「拝受しました」の対義語

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それでは「拝受いたしました」の対義語はどんな言葉なのでしょうか?「拝受」の対義語は「拝辞」です。「拝辞」とは、「辞退すること」「いとまごいをすること」をへりくだって言う言葉です。

謙譲語なので、「拝辞いたします」は「つつしんで辞退します」という意味になります。普通に断る言葉の「辞退します」よりも、かしこまった感じの敬語になります。例文としては、「申し訳ありませんが、内定を拝辞いたいします」といったものがあります。

また別の例文として「せっかくのご指名ですが、拝辞いたします」といったものもあります。どちらも「辞退します」よりも、しっかりした断るイメージであり、丁寧な言葉になります。使う相手は社内の上司や先輩の他、社外に対するビジネスメールなどでも使うことができる言葉です。

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「拝受」の対義語の2つ目は「遠慮」です。「遠慮」の意味は、「相手に対して控えめに行動すること」「遠回しに断ること」「事情を判断して止めること」です。例文としては「せっかくのお誘いですが、遠慮させていただきます」といったものがあります。

また、「拝受」が「受け取ること」といった意味であることから、反対語は「受け取らない」の意味を持つ言葉になります。「受領」の対義語は「提出」となります。これに謙譲を表す言葉を添えて「提出させていただきます」といった例文があります。

「拝受しました」の意味の敬語

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ここまで「拝受いたしました」の意味、類語、反対語を見てきました。次に、「拝受」に関する敬語について見ていきましょう。「拝受いたしました」の「拝受」そのものが、敬語であり、謙譲語です。自分がへりくだることで、相手への敬意を表します。

「拝受しました」は謙譲語

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「拝受いたしました」という敬語は、ビジネスシーンでメールや手紙で多く使われます。例文として「例の資料は届きましたか?」という問いに、「はい、拝受いたしました」といったものが挙げられます。

「拝受いたしました」という敬語は、とてもかしこまった言葉です。そのため、メールや手紙で使う時も、やや堅苦しく感じる人もいるようです。そのように感じられう場合は、「拝受」という敬語ではなく「受領いたしました」という言葉を使うといいでしょう。

「拝受いたしました」の意味

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先程から「拝受いたしました」と「拝受しました」を並列して語ってきましたが、「拝受いたしました」に関して、「間違いではないのか?」と考える人もいます。理由としては、「拝受」自体が謙譲語であり、「いたしました」という言葉も謙譲語であるからです。

「拝受いたしました」という言い方をすると、二重敬語になりはしないかという問題があります。厳密に言えば、「拝受いたしました」という言葉は二重敬語に当たります。それでは「拝受いたしました」は間違った使い方なのでしょうか?

ビジネスシーンやメールで「拝受いたしました」という言葉は、慣習的によく使われています。誤りだから使用してはいけないというものではありません。「拝受いたしました」を他人が使っている場合も、一般的に受け入れられているものだと把握しておきましょう。

「拝受しました」の使い方

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「拝受しました」は謙譲語であり、メールなどビジネスシーンでよく使われることがわかりました。それでは「拝受しました」はどういった使い方をするのでしょうか?「拝受」はビジネスシーンで書類、荷物、メールといったものを受け取った時に使います。

さらにビジネスメールをもらった時に、「拝受しました」を使うことができます。「受け取る」のであれば、その内容が何であっても使うことができます。では具体的にどのような場面で、どのように使ったらいいのでしょうか?例文を挙げて見ていきましょう。

「拝受いたしました」の例文①

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「拝受いたしました」「拝受しました」の例文の1つ目は、メールを受け取ったことを知らせるメールの文章です。件名に「メール送付のお礼」などとし、まず「株式会社〇〇総務部〇〇様」と相手の部署と名前を記します。

「お世話になっております。先程、お送りいただいたメールを拝受いたしました。迅速に対応していただき、大変感謝しております。確認させていただき、後程返信させていただきますので、よろしくお願い申し上げます」といった例文はどうでしょうか?

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最後に署名を入れて、メールの文章は完成です。相手のメールに「ご査収ください」とある場合は「受け取って調べてください」という意味になります。ビジネスメールの文末に使われることが多いです。

この言葉に対する返信として「承知いたしました」と返信しても、間違いとは言えません。しかし、「拝受しました」と返事をしたほうが、相手に対してより丁寧な返事とはり、いい印象を与えるでしょう。したがって、「拝受しました」と答えるのがベストではないでしょうか?

「拝受いたしました」の例文②

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「拝受いたしました」「拝受しました」の例文の2つ目は、資料を受け取ったことを知らせるメールです。件名は「資料作成のお礼」等にしましょう。次に「株式会社〇〇総務部〇〇様」と相手の部署と名前を記しましょう。

「平素より大変お世話になっております。株式会社〇〇の△△です。本日、〇〇の資料を拝受いたしましたので、ご報告させていただきます」としましょう。

「この度はこちらの急なお願いにもかかわらず、すぐにお手配くださり、本当にありがとうございました」と相手をねぎらい、感謝の言葉を述べましょう。

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「早速、〇日の会議において使わせていただきます。貴社製品導入の可否については、改めてご連絡させていただきます。しばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。取り急ぎ、受領のご報告と御礼を申し上げます」といったものにしましょう。

最後に自分の部署と署名を記します。取引先や社外の人から資料を受け取った時は「拝受」を用いると、丁寧な印象を与えます。急な依頼ごとに対応してくれた場合は、迅速に対応してくれたことに対する謝意も伝えましょう。

「拝受いたしました」の例文③

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「拝受いたしました」「拝受しました」の例文の3つ目は、請求書を受け取ったことをお知らせするメールです。件名は「請求書到着のご連絡」としましょう。次に相手の会社、部署、名前を記します。以下が具体的な例文です。

「平素より大変お世話になっております。株式会社〇〇の〇〇です。本日、〇月お支払い分の請求書を拝受いたしましたのでご報告申し上げます。

〇日にはお振込み手続きをさせていただきますので、ご確認お願い申し上げます。取り急ぎ、請求書到着のご連絡を申し上げます」とし、最後に、会社、部署と共に自分の署名をつけ、送付しましょう。

「拝受いたしました」の例文④

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「拝受いたしました」「拝受しました」の例文の4つ目は、「拝受しました」のメールに対して返信をする時のものです。資料を送ったメールに対して、相手から「拝受しました」と報告を受けた時に返すメールの例文です。

件名はリターンメールで「Re:資料送付のお礼」としましょう。次に相手の会社名、部署名、氏名を書きます。「お世話になっております。お忙しい中、ご丁寧にご返信いただき誠にありがとうございます。

ご査収くださいますようお願い申し上げます」としましょう。文末に、自分の会社、部署と共に自分の署名をし、メールを送付しましょう。

「拝受しました」と「受領しました」の意味の違い

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「受領」は「拝受」の類語の1つです。「受領しました」は、金品を受け取る時に使います。この「受領」という類語は、堅苦しい言葉に思われますが、敬語ではありません。

したがって、ビジネスシーンでの使い方として、「受領」を入れる文章を敬語表現にしなければなりません。「受領する」」の丁寧語は「受領しました」になります。「受領いたしました」となると謙譲語になります。

取引先や顧客に対しての使い方ができます。相手によっては、堅苦しいイメージになってしまう場合もあるので、「受領しました」と「受領いたしました」は区別した使い方をしていきましょう。

「受領」は敬語ではない

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それでは「拝受いたしました」と「受領しました」の意味の違いは何なのでしょうか?「拝受いたしました」は「受領しました」の謙譲語に当たります。「拝受」は「正式に重要なものを受け取ること」のへりくだった表現です。

同じ意味ではありますが、「受領しました」ではなく「拝受いたしました」と言ったほうが、丁寧な表現になります。ただし「拝受いたしました」は謙譲語なので、頻繁にやり取りをする人であれば、取引先の相手や上司であっても「受領しました」と使っても構いません。

「拝受しました」を使う際の注意点

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「拝受しました」の「拝受」とは、謙譲語という敬語表現です。敬語となると、「うまく使えているだろうか?」と自信がなくなったりするのではないでしょうか?

下手に使って間違えると恥ずかしいからと、敬語を使うことに抵抗がある人もいるかもしれません。「拝受」の使い方で、間違えないようにどういったことに注意をしたらいいのでしょうか?以下に詳しく見ていきましょう。

誰に対して使うのか

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「拝受しました」は謙譲語です。謙譲語とは相手に敬意を示す言葉です。そのため、使い方としては、自分の行為に対して使います。「部長、拝受しておいてください」「社長、拝受されましたか?」といった言い方は不適切です。

相手の行為に対しては、尊敬語を使いましょう。「拝受」は「受領」の意味ですから、「部長、お受け取りください」「社長、お受け取りになりましたか?」といった言い方が適切です。

「拝見しました」との違い

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「拝見しました」は「拝受しました」と同じ「拝」の漢字が入っているので、似た言葉なのだと考えている人もいるかもしれません。しかし「拝見」は類語の中に入っていません。「拝見しました」は「読みました」「見ました」という意味です。

書類やメールといった「見る」もの、「読む」ものについてなら、「拝見いたしました」と言っても問題はありません。しかし、何か物を受け取る時には、「拝受いたしました」「受領いたしました」という言い方が適切ですので、うまく使い分けましょう。

「拝受しました」の「拝」を使った言葉

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「拝見しました」を使う際の注意点として、「拝見しました」という言い方を挙げました。このように「拝受」の「拝」の字を使った単語は他にもあります。基本的に「拝」が付いた言葉は謙譲語です。他にどのような言葉があるのかを見ていきましょう。

「拝覧」

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「拝」を使った言葉の1つ目は、「拝覧」です。「拝覧」は「はいらん」と読みます。「拝覧」の意味は、「拝見」と全く同じで「見る」の謙譲語です。「謹んで見ること」という意味になります。ただし、「拝覧」と「拝見」には違いもあります。

「拝見」は見ることなら何でも使うことができます。しかし「拝覧」は、宗教関係の建物、美術品といったものを観察したり、鑑賞したりする場合に使用します。例文として「ご本尊を拝覧する」「博物館で例の写本を拝覧する」といった使い方をします。

「拝読」

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「拝」を使った言葉の2つ目は、「拝読」です。「拝読」は「はいどく」と読みます。「拝読」の意味は、「読む」の謙譲語です。自分が読む動作をへりくだって言うときに「拝読」と言います。「メールや書類を読んだ」という行動をへりくだって言う言葉です。

また、その文章を書いた本人に敬意を込めて「拝読させていただきました」と言うことができます。例文として「お借りした本を拝読しました」「資料を拝読したところ、疑問点がありましたのでご連絡いたしました」といった使い方をします。

「拝聴」

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「拝」を使った言葉の3つ目は、「拝聴」です。「拝聴」は「はいちょう」と読みます。「拝聴」の意味は、「聞く」の謙譲語です。自分が聞いているという行動をへりくだって言う時に使います。この「拝聴」は、口語ではあまり使われません。

「拝聴」は主に文章で使われています。例文としては「〇〇様のお話を拝聴させていただき、大変感動しております」「有名なピアニストの〇〇様のピアノを直接拝聴させていただくことを楽しみにしております」といった使い方をします。

「拝察」

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「拝」を使った言葉の4つ目は、「拝察」です。「拝察」は「はいさつ」と読みます。「拝察」の意味は「人の心中を察することや推し量ること」の謙譲語です。「拝察」の使い方としては、相手の状況を推察したり、相手の気持ちを思いやったりする場合に使います。

例文として「日頃大変お忙しい中、体調を崩されたのではないかと拝察いたします」「ご多忙のことと拝察します」「ご家族の皆様もお喜びのことと拝察いたします」などといった使い方をします。

「拝謁」

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「拝」を使った言葉の5つ目は、「拝謁」です。「拝謁」は「はいえつ」と読みます。「拝謁」の意味は、「高貴な人や目上の人に会うこと」の謙譲語です。「拝謁」は「お目にかかる」よりも丁寧な表現になります。

「天皇陛下に拝謁できる」といった具合に、身分の高い人に対して使います。例文としては「どうか拝謁を許していただけると嬉しいです」「まさか妃殿下に拝謁できるとは思ってもみませんでした」といった使い方をします。

「拝啓」

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「拝」を使った言葉の6つ目は、「拝啓」です。「拝啓」は「はいけい」と読みます。これは手紙でよく使用されるので、知っている人も多いことでしょう。意味としては「伏して申し上げます」になります。

ビジネスメール以外でも、一般的な手紙でもよく使われています。例文として「拝啓 時下ますますご健勝のこととお慶び申し上げます」といった、手紙の冒頭に使います。

「拝受しました」の英語表現

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ご存じのように、英語には謙譲語というものがありません。「拝受」を英語で表現すると「receiving」や「accepting」になります。「receiving」はメールなどの「受信」や「受け取る」という意味です。「accepting」は「受諾」や「受け取る」という意味になります。

「receiving」は「受け身で受け取る」という意味になります。いっぽう「accepting」は積極的に「同意して受け取る」という意味になります。ビジネスメールなどでは「receiving」のほうが使われます。

例文として「I have received your letter.」は「お手紙を拝受いたしました」になります。より丁寧な言い方にすると「I acknowledged the receipt of your letter.」になります。

「拝受いたしました」は「もらう」という意味

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「拝受いたしました」「拝受しました」は、受け取るという行為をへりくだって言う言い方です。そのため、あなたより目下の人に対しては使わないようにしましょう。「拝受いたしました」「拝受しました」を使うと、「受領しました」と使うよりも、丁寧な表現になります。

相手に対して敬意を払う言い方になります。「拝受いたしました」も正確には二重敬語ですが、一般的に使われています。このような謙譲語の語彙を増やし、ビジネスシーンで表現の幅を広げてみませんか?

橘亜月
ライター

橘亜月

家族にも呆れられる人形オタクです。見る側の気持ちによって表情を変える人形の写真を撮って人形劇ブログを作成するのが何よりの楽しみです。日々の忙しさにブログは休止中ですが、人形への愛は変わりません。

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