サジェストの意味とは?
仕事をする上で使われることの多い、「サジェスト」という言葉。耳にする機会は多いものの、カタカナ用語である「サジェスト」の意味を、実はきちんと理解していないというケースも多いのではないでしょうか?
「サジェスト」は、ビジネス用語とIT用語の2つの使い方がありますが、いずれの場合も「サジェスト」の意味をきちんと理解しておかないと、語弊によるトラブルが発生してしまう場合もあります。
今回は「サジェスト」の意味や使い方について、仕事の場とIT用語の両方から、例文と一緒にご紹介します。「サジェスト」は元々英語圏で生まれた言葉で、日本では仕事の場とIT用語として使われることが多いです。
しかし、ビジネスの場とIT用語とでは、意味合いが少し異なります。まずは、ビジネスの場で使われる「サジェスト」の意味合いから見ていきましょう。
サジェストは提案するという意味
仕事の場で使われる「サジェスト」には、提案をするという意味があります。会議や取引先との交渉の場面で、方法や対策、解決方法などを提案する際に「サジェストする」という使い方をします。
また、「サジェスト」は「示唆をする」という意味もあり、研究結果についての討論や論文など、研究シーンで使われることが多いです。
先ほどの提案するに比べて、示唆をするという言葉は、それほどはっきりと示すわけではなく、それとなく匂わせるといった意味合いが強いです。
サジェストの由来
ビズネスシーンで使われるカタカナ語の「サジェスト」について、意味をご紹介しました。続いては、「サジェスト」の由来についてご紹介しましょう。
「サジェスト」の言葉を見て分かるように、「サジェスト」はカタカナ語で、英語の「suggest」という動詞が由来となっています。英語での「suggest」の意味も日本語と同じく提案するというものなので、意味合いはほぼ同じと考えてもいいでしょう。
サジェストの特徴
カタカナ語として使われる「サジェスト」の意味や、由来となった英語表記での「suggest」の意味をご紹介しました。「サジェスト」は提案するという意味合いが一番大きいですが、元が英語なので、様々な意味合いを含んでいます。
特に仕事の場とIT用語では意味合いが異なるため、今どういった意味合いで「サジェスト」が使われたのかをしっかりと判断する必要があります。続いては、「サジェスト」の特徴をみていきましょう。
英語とカタカナ語では意味合いが少し異なる
カタカナ語としての「サジェスト」とは、会議や打ち合わせの場で自分の考えを提案するという意味を持っています。しかし、英語の「suggest」の場合は、同じ提案するという意味でも、少しニュアンスが異なります。
英語での「suggest」の場合は、「相手の意見も尊重しながらも、自分の意見を提案する」というように、若干控えめな提案をする時に使われることが多い言葉です。「ほのめかす」や「陰にしめす」という意味合いでの提案を表しています。
日本の仕事の場のように、積極的な提案という意味合いでは、結婚の申し込みにも使われる「propose」を使うことが多いです。
ビジネスシーンでは名詞形の表現での使い方もある
英語で「サジェスト」は動詞ですが、名詞形では「suggestion」となります。そのため仕事の場では、提案するという意味で名詞形の「サジェッション」を使うこともあります。
特に目上の人に対して使える言葉になるので、「サジェッションをいただきます」という使い方ができます。
サジェストのIT用語
「サジェスト」の意味や由来、特徴をみていきました。日本では「サジェスト」はカタカナ語として、ビジネス以外にも、IT用語として使われています。続いては、「サジェスト」のIT用語としての意味合いをご紹介します。
意味①サジェストキーワード
IT用語としての「サジェスト」には、勧めるという意味があります。例えばネットで「電車」とキーワード検索をすると、電車乗り継ぎや電車料金など、関連ワードが候補として上がるため、よりリサーチがしやすくなります。
このようにユーザーに「この言葉は、こういった関連ワードで調べられています」と勧めてくれることから、「サジェスト」が使われています。
意味②サジェスト表示
またLINEにも、サジェスト表示という機能があります。これは、LINEで入力した文字に関連したスタンプやデコ文字が候補として表示されるもので、候補としてユーザーに勧めることから、「サジェスト表示」と呼ばれています。
サジェストの使い方
日本のカタカナ用語としての「サジェスト」の意味や、特徴などをご紹介してきました。「サジェスト」はカタカナ用語のため、仕事の場では馴染みのない方もいるでしょうが、IT用語としては聞いたことがあるケースが多いのではないでしょうか?
続いては、「サジェスト」を実際どのように使えばいいのか、様々な「サジェスト」の使い方を、例文と一緒にみていきましょう。
例文①
1つめの例文は、「取引先の要望を叶えるサジェストができた」です。これは、先方が納得する解決策や手段を提案できたという意味合いで、仕事の場において使われます。
「サジェスト」は動詞のため、「できた」に繋げるのは、名詞形である「サジェッション」を使うのが正式です。しかし、カタカナ語としては「サジェストする」という使い方が多いです。
例文②
2つめの例文は、「この結果は以前の論文でサジェストされていた」です。仕事の場よりは、研究シーンで使われることが主で、「この結果は以前の論文で示唆されていた」という意味合いで使われています。
例文③
3つめの例文は、「もっとサジェストキーワードを考えた構成を考えるべきだ」という使い方です。この場合の「サジェスト」とは、先ほどご紹介したIT用語としての「サジェスト」の意味合いをもっています。
「もっと検索したときに関連して表示されるキーワードを考えてサイトを構成する必要がある」という意味で使われます。
例文④
4つめの例文は、「サジェスト表示のおかげで文章が打ちやすい」という使い方です。LINEでメッセージを打っている時に、変換したいスタンプやデコ文字がすぐに候補として表示されるため、変換作業がスムーズにいくという意味合いで使われます。
サジェストの注意点
仕事の場やIT用語として、私たちの日常に深く関わっている「サジェスト」という言葉の使い方を、例文と一緒にご紹介しました。
「サジェスト」にはネガティブな表現が含まれていないため、意味さえ理解してればカタカナ語の中でも使い勝手のいい言葉でしょう。
しかし、「サジェスト」を使うときには注意点があります。続いては、「サジェスト」をよりスムーズに使うための注意点をご紹介します。
相手によって言い換えも大切
「サジェスト」は元々英語だったものが、カタカナ語として使われるようになりました。そのため、カタカナ語に疎い人には通じない可能性もあります。また、目上の人にカタカナ語を使うことに、抵抗があることもあるでしょう。
そんなときには、「サジェスト」を言い換えて使うのがおすすめです。ストレートに「提案」と置き換えても良いですが、目上の方には「ご示唆を頂く」などを使うと良いでしょう。
サジェスト汚染はしない
IT用語として使われるサジェストキーワードは、大勢のインターネット利用者が検索入力したキーワードが表示されます。この機能を悪用した「サジェスト汚染」という行為があります。
例えば、話題の商品名の後に「効果がない」や「まずい」などといったマイナス表現を敢えて入力して、サジェストキーワードとして表示させます。
そうすると、その商品名を入力したときに、マイナスな意味合いをもつサジェストキーワードが表示され、結果的に商品の印象が落ちてしまいます。これが「サジェスト汚染」と呼ばれる行為ですが、マナー違反の行動ですので行ってはいけません。
サジェストは提案するという意味
カタカナ語である「サジェスト」は、うまく利用することでビジネス上スマートな印象を与えることができます。
また、「サジェスト」にはネガティブな表現が含まれていないので、仕事の場とIT用語での意味の違いをきちんと把握して使いこなせば、使い勝手のいい言葉です。
ただし、「サジェスト」を使う前には、相手がカタカナ語をきちんと理解できる相手かどうかの見極めも大切になります。
「サジェスト」を使うときには、正しい意味合いで使うことだけではなく、相手が「サジェスト」の意味をきちんと分かってくれるかどうかを判断し、時には別の言葉で置き換えることで、よりスマートな対応をすることができるでしょう。