顕著の意味とは?
「顕著」という言葉はよく耳にします。例えば「顕著にあらわれる」といった使い方をします。この顕著とは実際のどのような意味や由来、特徴のある言葉なのでしょうか?今回は、顕著という言葉について深掘りしていく特集です。
他にも顕著についての類義語や対義語、英語表現もご紹介します。頻繁に使用されている言葉なので、ここで意味などの理解を深めておきましょう。
顕著の意味
顕著の読み方は「けんちょ」です。この意味は「際立って目につく様子」「明らかではっきりとしていること」です。 「顕」という漢字には「きらびやか、明らか、際立つ」といった意味があります。 訓読みする場合には「顕す(あらわす)」となります。
そして 「著」という漢字は、「著しい(いちじるしい)」という訓読みができます。 この意味は「あらわれる、明らかになる、書きあらわす」 という顕と似た意味があります。 この2つの組み合わせでより強調された熟語として完成されています。
顕著の由来
顕著という熟語の由来についてはあまり明らかになっていませんが、この言葉を漢字ごとに分解すると、そのルーツ性が見えてきます。顕という漢字の部首は、陽の光と「より糸」を意味し、それを「大きな目の人」が見ている事を指しています。
そこからはっきりしている意味をあらわすようになりました。一方、著という漢字は「並び生えた草」の象形です。台の上に芝を集めて火を焚くという由来があり、たくさん集めてはっきりした形にする意味が成り立っています。
顕著の特徴
顕著という熟語は、一見するとちょっと難しい漢字が二つ並んでいる言葉です。そんな顕著という言葉にはどのような特徴があるのでしょうか?しかも「顕す」と「著しい」という同じような類似語動詞を、なぜわざわざ重複して使うのでしょうか?ここでは顕著という言葉の変わった特徴をご紹介します。
物事が歴然としている状態のこと
顕著というのは、明確で歴然としている様子のことを意味します。簡単に言ってしまえば、一目見ただけでその様子が理解でいるという意味を含んでいます。誤魔化しやぼやけていない、区別ができることでなくてはなりません。
顕著と顕著にではやや意味が違う
よく「顕著にあらわれる」という使い方をしますが。この表現は二重な意味が続いていないかという説が浮上しがちです。「顕著」と「あらわれる」がダブルになるのはおかしいとよく思われています。しかし「顕著にあらわれる」という使い方は間違っていません。
顕著だけでもうはっきりしているのに、なぜ「あらわれる」という言葉が続いても間違いじゃないのかという点ですが、顕著と「顕著に」とでは意味が少し異なってくるからです。 「顕著に」とは明らかに、はっきりといった意味があります。
ところが「顕著」という場合は、際立って目につくといった意味です。 よって「顕著にあらわれる」とは「はっきり際立ってとあらわれる」という意味になります。
顕著の類義語
顕著という言葉には、際立って明らかな状態の意味がります。ではこの顕著という言葉と意味が近い類義語にはどのようなものがあるのでしょうか?ここでは顕著と同じ意味に近い言葉や類義語についてご紹介します。
顕著の類義語①明瞭
顕著の類義語としてまず思い浮かべる言葉は「明瞭」です。その意味は、「明らかであること、はっきりとしていること」です。漢字の並びでもわかりやすく、明るくてはっきりと視野が開けているような場所や状況を言い表す時によく用いられます。
顕著の類義語②明確
顕著の意味と近い類義語の中に「明確」という言葉があります。この言葉もよく使われているので馴染みがあります。明確の意味としては、「明らかで確実なこと、間違いのないこと」です。はっきりとした正解が見えているような状態を指しています。
顕著の類義語③めぼしい
顕著と似ている類義語として「めぼしい」という言葉もあります。この意味は、「特に目立っている、注目に値する」ような状態を指します。他の周辺のものと比較した場合に、それだけ突出して目につくような時に用いられる言葉です。
顕著の対義語
顕著という言葉にいくつも類義語があるのに対して、やはりその反対を意味する対義語もいくつか存在します。これらも顕著と同じくらい頻繁にさまざまなドキュメントや対話の中で活用されています。では、顕著とは反対の意味を成す対義語についてご紹介します。
顕著の対義語①隠微
顕著の対義語として代表的な言葉に「隠微(いんび)」があります。あまり日常的には使われませんが、顕著の反対の意味という際には登場します。
この隠微という言葉の意味は、「かすかで分かりにくい、表沙汰にならない微妙なこと」です。奥深さがありなかなか容易には判明しない様子のことを意味します。
顕著の対義語②不明瞭
顕著という言葉の意味が明瞭さや明確さに近いということから、「不明瞭」という言葉が対義語の一つになります。この意味は、明らかではない状態、はっきりしないような状態を指します。おぼろげで輪郭がぼやけているといってもよいでしょう。
顕著の対義語③漠然
顕著の対義語の一つとして「漠然」もあります。その意味は、「考え方や気持ちがぼんやりしていること」を指します。ものごとに対する捉え方が希薄でポリシーがない場合や、はっきりとした思案を表現できないタイプの人物などについて、この言葉を用いて言い表すことがあります。
顕著の英語表現
普段の生活ではそれほど顕著という言葉に接する機会も少ないでしょうけど、仕事上ではよく登場する言葉です。もし英語で顕著の意味を表現したい時にはどのような英語を使えばよいのでしょうか?ここでは顕著の英語表記についてご紹介します。
顕著の英語にはremarkableなどがある
顕著を英語で表記するには「remarkable」をよく使います。remarkableの意味は「注目すべき、目立った、顕著な」などがあげられます。この英語を使う際、「It is remarkable」といった熟語にします。
他にも顕著には、「prominently」という英語もあります。これは「appear prominently in(顕著にみられる)」「be prominently visible in(~で顕著に現れる)」という熟語で使用します。
顕著の使い方
顕著は色々な場面や状態で使われている言葉です。 人の表情や態度、あるいはまったく無機質なものにも使えます。例えば数字や物事の描写としてです。ただしどこから見ても明らかなことでなくてはなりません。では、顕著という言葉を使った簡単な例文をいくつかご紹介します。
例文①顕著である
顕著とは明らかに見て取れる状態の時に用いる言葉で、中でも「顕著である」とか「顕著だ」という表現が頻繁に登場する使い方です。特に図解やグラフなど数字を使うようなケースや表情や動作などに用いることがあります。
例文としては「どう見ても対戦チームとの力の差は顕著である」「A表の数値でも顕著だ」といった目で確認できることが対象となります。
例文②顕著に現れる
「顕著に現れる」という表現も頻繁な使い方の一つです。すでに顕著という言葉に現れているという意味は含まれています。ところが顕著に現れるという文脈は二重表現にはなりません。
この場合の顕著とは、明らかにはっきりという意味で使用されていて、全体的に「はっきりと現れる」という意味で成立しています。
例文としては、「毎日の練習の成果が顕著に現れた」「そろそろ仕事への取り組み方も顕著に現れる頃だ」といったものがあります。
例文③顕著に見られる
「顕著に見られる」という表現もよく使用されます。特にビジネスの世界で見聞きする文脈です。この「見られる」という意味は、判定や理解、読み取れる状態などを表現しています。
これで「はっきりと判定できる」という意味合いになっています。例文としては、「今回のリサーチの結果によって成功が顕著に見られている」といった使い方ができます。
顕著の注意点
顕著という言葉は特にビジネスなどのシーンで使われるケースが多いため、使い方をしっかりと把握しておかないと、ダメ出しをされてしまう可能性があります。あまりうる覚えで使わないよう注意点を確認しておくことです。以下のような点に注意しておきましょう。
顕著と如実は意味が混同されがちになる
顕著と似ている「如実」という漢字に、よく意味を混同しがちです。どちらも「顕著にあらわれる」や「如実にあらわれる」という使い方をするからです。しかし顕著と如実は類似語ではなく意味も少し違います。
如実とは、「実際のとおり」「現実や事実のとおり」という意味があります。なので、如実にあらわれるの意味は、「実際にありのままあらわれる」です。
例えば、問題が顕著にあらわれるだと、問題がはっきりとあらわれることを指し、問題が如実にあらわれるなら、問題がありのままあらわれている状態です。
顕著は明らかという意味
顕著とは、誰がどこから眺めてもはっきりと明らかな状態であること意味して表現する言葉です。なので一転の曇りもない状態です。日常会話の中ではあまり使い慣れない言葉ではありますが、ビジネスのシーンでは割と登場する頻度が高い言葉です。使い方や意味を間違えず正しく扱うように心がけるようにしましょう。