「踏襲」の意味とは?
「踏襲」の読み方は「とうしゅう」という読み方をします。「踏襲」の意味は「それまでのやり方をそのまま受け継ぐ」という意味になるのです。今回は、「踏襲」の詳しい意味や正しい使い方、類義語や対義語、英語表現をご紹介しながら「踏襲」について解説していきます。
意味「それまでのやり方をそのまま受け継ぐ」
「踏襲」の意味には「それまでのやり方をそのまま受け継ぐ」「そのままの形で伝える」という2つの意味があります。「踏襲」の読み方で「ふしゅう」「ふんしゅう」は間違った読み方になるので、使わないようにしましょう。正しい読み方は「とうしゅう」です。
「踏襲」の由来
「踏襲」は、「踏」と「襲」の字でできています。「踏」の意味には「足を踏み鳴らす」という意味があります。これが「同じ道を歩む」という意味に転じて「踏襲」の由来につながるのです。一方「踏襲」の「襲」の字には「重ねる」「継ぐ」という意味の漢字になります。
「襲」の字にはどうしても「おそう」の印象が強いのですが、本来の意味はこちらになるのです。「襲」の字は「龍」と「衣」という漢字でできていて、昔は龍の模様がついた衣があって、その衣を重ねて着たことが由来となって「重ねる」の意味ともつことになりました。
そして、その衣が位の意味があったことから、それを着る人は「その位を継ぐ」という意味になり「継ぐ」の意味をもつようになったのです。この2つの漢字が組み合わさって「踏襲」という言葉ができ「前任の位や任務、やり方を受け継ぎ同じ道を歩む」という意味になったことが由来になっているのです。
「踏襲」の特徴
「踏襲」と似たような言葉として「継承」があります。「踏襲」と「継承」の意味の違いについてご説明していきましょう。「踏襲」と「継承」には明らかな違いがあるので、2つの違いをしっかりと理解して使い分けていくことができます。「継承」の意味についてみていきましょう。
「継承」の意味
「継承」の意味には「前人の身分や財産、任務などを受け継ぐ」という意味です。「継承」は、考え方ややり方をいう意味はなく「地位」「財産」を受け継ぐ意味になります。
「踏襲」は、「地位や財産といったものも受け継ぐ」という意味はありません。使い方としては「彼女は王位継承者です」という使い方になるのです。「踏襲」で受け継ぐものは「考え方」「やり方」です。ここが「踏襲」と「継承」の違いになります。
「踏襲」の類義語
それでは、「踏襲」の類義語をご紹介していきます。「踏襲」の類義語とは、「踏襲」と同じ意味の言葉という意味で「踏襲」のいい買え表現としても使うことができる表現です。「踏襲」の類義語を知っているとより、「踏襲」への理解を進めることができます。
類義語「倣う」の意味と使い方
「踏襲」の類義語に「倣う」があります。「踏襲」の類義語「倣う」の読み方は「ならう」という読み方をし、意味は「あることを手本として同様に行うこと」という意味があるのです。「倣う」の使い方は、必ず対象となると事柄があり、それに近づけようとすることを「○○に倣う」というように使います。
「踏襲」の意味には「受け継ぐ」という意味があります。しかし、「倣う」には「受け継ぐ」という意味はないので注意しましょう。「踏襲」は代々受け継がれてきたものを引き継ぐ意味で、「倣う」は一時的に真似をする意味になります。「○○社の戦力に習って、我が社も方向展開するべきだ」という使い方になるのです。
類義語「受け継ぐ」の意味と使い方
「踏襲」の類義語として「受け継ぐ」があります。「踏襲」の類義語「受け継ぐ」の意味には「前任の仕事、志を引き継ぐ」という意味があります。「踏襲」には「相続」を引き継ぐという意味はありません。
「受け継ぐ」には、「相続」を引き継ぐ場合に使う使い方があります。「相続を受け継ぐことになりました」「伝統を受け継ぐ責任が私達にはあるのです」という使い方になります。
「踏襲」の対義語
「踏襲」の対義語についてもご紹介していきましょう。「踏襲」の対義語とは類義語とは反対に、「踏襲」と反対の意味がある言葉になります。「踏襲」とは反対の意味になるので、類義語とともに対義語を知っているととても役立ちます。それでは、「踏襲」の対義語をご紹介していきましょう。
対義語「刷新」の意味と使い方
「踏襲」の対義語には「刷新」があります。「踏襲」の対義語「刷新」の読み方は「さっしん」という読み方をし、意味は「事態を改めて全く新しいものにする」という意味があるのです。「刷新」の意味には「よくない状態を取り払って、全く新しいものにすること」という意味があり「組織」「制度」などに使う使い方になります。
「踏襲」の対義語「刷新」の使い方として「選挙制度は刷新されるべきです」「我が社の経営のために経営陣を刷新することにします」という使い方になります。
「踏襲」の英語表現
「踏襲」の英語表現をいくつかご紹介していきましょう。「踏襲」の英語表現として「follow」「hand over」という2つの英語表現があります。「踏襲」の英語表現の使い方を例文付きでご紹介していくので参考してみて下さい。ビジネスでは英語も必要になってくるのでしっかりとチェックしましょう。
follow
「踏襲」の英語表現として「follow」があります。「踏襲」の英語表現「follow」には「従来のやり方をそのまま引き継ぐ」という意味合いで使われる英語表現です。
「follow」は日本語にすると「従う」と訳されることが多くなります。「私は前任者のやり方を踏襲することはしたくありません」という英語表現は「I don’t want to just follow my predecessor’s way.」となります。
hand over
「踏襲」の英語表現として「hand over」があります。「踏襲」の英語表現「hand over」の意味には「引き継ぐ」「引き渡す」という意味合いがあります。
英語で「hand over」の場合は、「責任」「権力」を引き継ぐ場合に使われる英語表現になるのです。「私は彼女に私の業務を踏襲します」という英語表現は「I will hand over my duties to her.」となります。
「踏襲」の使い方
それでは、「踏襲」の正しい使い方について例文を挙げながらご紹介していきます。「踏襲」の使い方として4つの例文をご紹介します。「踏襲」はビジネスでも使うことがある言葉でもあるので、しっかりと理解しておくことが必要です。「踏襲」の使い方例文①からご紹介していきましょう。
例文①
「踏襲」の使い方例文①「踏襲する」「踏襲した」があります。この「踏襲」の使い方には「方法を踏襲する」「考え方を踏襲する」という意味合いがあるのです。例文でご説明します「このやり方は前任者が作り上げてそのまま踏襲しています」「部長の考えを踏襲し、今後も業務に当たります」という使い方になります。
例文②
「踏襲」の使い方例文②として「前例踏襲主義」があります。「前例踏襲主義」の意味には「学問、仕事において前例を踏襲する」という意味があります。また、「学問、仕事で前例の踏襲を第一にするやり方」という意味です。この言葉は悪い意味でも使われる使い方でもあるので注意しましょう。
もしもいい意味で使いたい場合は「前例踏襲主義の姿勢があるので、我が社の成績はアップしました」となります。逆に悪い意味の場合は「前例踏襲主義でいつまでも成長できません」という使い方になるのです。
例文③
「踏襲」の使い方例文③「踏襲している」があります。「踏襲している」の使い方として「このやり方は前任者は始めて導入して、引き継いだあとも踏襲しているやり方です」「踏襲しているやり方はこういったやり方になります」という使い方ができるのです。
例文④
「踏襲」の使い方例文④「現行踏襲」があります。「今までのやり方でやっていれば上手くいくはずだ」という意味で使われる言葉でもあります。「現行踏襲でやっていれば大丈夫でしょう」「私は、新しいやり方に挑戦したいと思っているので現行踏襲にしたくありません」という使い方ができるのです。
「踏襲」は「それまでのやり方をそのまま受け継ぐ」という意味
「踏襲」の意味についてご説明してきました。「踏襲」の意味には「それまでのやり方をそのまま受け継ぐ」という意味があり、「踏襲した」「踏襲する」「前例踏襲主義」「現行踏襲」という使い方になります。
「踏襲」には、対義語や類義語があってそれぞれ「踏襲」と同じ意味合いや反対の意味合いになるので違いを理解して使い分けるようにして下さい。