牡丹は別名の多い美しさの代名詞
花の中でも「王様」と呼ばれることのあるのが牡丹です。牡丹には開花時期があり、時期それぞれの牡丹の魅力があります。また、牡丹には多くの呼び名がつけられていることで有名であります。美しさの代名詞としてよく使われる牡丹。
百花の王、富貴草、二十日草、深見草、天香国色などがあります。百花の王とはまさに花の世界の王者たる風格からその名前がつけられました。二十日草は牡丹の花が咲く期間が二十日ほどというところから名づけられたそうです。
天香国色はこの世のものとは思えない香りと国中で最も美しい色から名づけられました。富貴草は豊かな花びらと、高貴な花が咲く姿から名づけられ、深見草は牡丹の深い紅色の美しさを称えたことから名づけられました。どの名称も色味がきれいな牡丹であるからこそ名づけられた名前ばかりです。
牡丹の特徴
さて、上記で記したようにこのような美しいいろいろな名前を持つ牡丹の特徴を見ていきます。すばらしい名前を数多く持つ牡丹には植物としてや季節ごとに特徴があります。季節感で変わる牡丹の花はとてもきれいなものです。
植物としての特徴
牡丹の植物としての特徴は花びらの形状で花そのものの雰囲気が変わってくることにあります。つぼみに関しては少しとがっているように見え、葉っぱはつやのない丸みの帯びたきれいなフォルムをしています。
葉っぱ自体は丸みを帯びているのですが葉の先端部分は切れこみがはいっています。また落葉低木の性質で枝分かれしていきます。
品種ごとの特徴
牡丹は基本的に中国が原産となっています。大きさはおよそ1mくらいで花の色は白、ピンク、赤、オレンジ、黄、紫、緑、茶と色とりどりとなっています。ボタン科ボタン属に分類される植物です。
ボタンの品種は様々であり、現在日本で育てられている品種は「ハイ・ヌーン」、「五大州」、「島錦」、「太陽」、「八千代椿」、「初島」、「村松桜」、「麟鳳」、「花王」、「紫上」、「鎌田藤」、「白王獅子」の12種であります。
日本独自の牡丹から、海外で育てられた品種まで様々な牡丹が日本で育てられています。各種早咲きや遅咲き等の特徴を持ち、一年中いろいろな牡丹の花を楽しむことが出来ます。牡丹の品種や咲き方によって、季節が分かるくらい多種多様であります。
季語としての扱い
牡丹の花昔から人々の生活と密接にかかわってきました。そのため、植物として目で見て楽しむだけでなく、和歌や俳句などにも読まれてきました。和歌や俳句として通常「牡丹」として読まれるときの季語は「夏」を表します。
ですが、牡丹の入ったこと言葉は場面にあった季節を表す季語として読まれるようになりました。「牡丹の芽」と言えば「春」を表し、「冬牡丹」と言えば「冬」を表す季語となります。
牡丹の花言葉
花には必ず花言葉があります。その中でも牡丹の花言葉はとてもいい言葉が多いです。そのため、贈り物にする人も多くいます。
意味を履き違えて、あまりよく思われない場合もありますので、送るときには十分注意して送るようにしてください。
花言葉①王者の風格
中国が原産の牡丹には、中国史を代表する暴君と呼ばれた煬帝が愛した花として有名であります。牡丹は艶やかで大胆、百花の王などと呼ばれ、花言葉として王者の風格が生まれました。とても牡丹にあった言葉であります。
ビジネスで大きなことにチャレンジする方や、何か大きなことを成し遂げた方に送られることが多く、喜ばれる花です。
花言葉②恥じらい・人見知り
また、牡丹の花には恥じらいや人見知りと言った花言葉も存在します。王者の風格と言う花言葉も持ちながらこのような人見知りなどの花言葉は想像できないです。
ですが、諸説ありますが、西洋の人たちが東洋の人たちにどこか奥ゆかしさを感じていることからこのような恥じらいという花言葉がついたとされています。
もう1つの諸説が、植え替えてからすぐには花が咲かないけれども、一度花を咲かすと毎年必ず花を咲かせるので、そのような花言葉がついたとされます。
牡丹の品種別開花時期と見頃の季節
人々と密接な関係を持つ「牡丹」の花。また、牡丹は基本的に春ごろが見頃と言われていますが品種によって開花時期が大きく異なってきます。各季節によっての牡丹の品種と見頃の季節を見ていきます。実は冬にも牡丹を見ることができます。
春牡丹の開花時期と見頃の季節
この春牡丹が一般的に牡丹と呼ばれる花になります。満開になる開花時期は4月~5月と春が終わろうとする初夏の時期に庭や植物園をきれいに彩ります。
この時期になると多くの場所で牡丹祭りと称して、イベントが観光地やお寺で多数行われます。あたり一面牡丹の花で埋め尽くされる様はまさに絶景と言えます。
寒牡丹の開花時期と見頃の季節
牡丹の種類には「寒牡丹」という種類があります。「寒牡丹」とは自然に二季咲くことが出来る性質を遺伝的に持っている牡丹のことです。このボタンの開花時期は春と秋の2回です。
春は春牡丹と同じ4月~5月頃に開花し、一回しぼんで、もう一度10月~1月ごろに開花します。この「寒牡丹」は花を秋から充実させたい場合は春に蕾を摘み取っておいたほうがいいです。
また、「寒牡丹」に関しては気候条件がとても重要になり、一回しか咲かない場合も年によってはある年度もあります。この牡丹には葉っぱがなく、花だけ咲かせる珍しい牡丹です。
冬牡丹の開花時期と見頃の季節
この「冬牡丹」は自然と開花する「寒牡丹」とは違い、人間の手によって意図的に開花時期を変えられた品種の牡丹です。もともとは春牡丹の一種だったのですが、春牡丹が育っている環境を気温調整させることで開花時期を変える育成方法となります。
基本的には冬場に温室で春牡丹を育てて、環境を春と錯覚させて開花させます。見る人にとってはきれいな牡丹が咲いているので、春牡丹と変わらぬ美しさであります。
牡丹と芍薬の見分け方
牡丹と芍薬に関しては、二つともボタン科の植物であり、一見ぱっと見るだけでは見分けることは難しいです。しかし、同じなのはボタン科というだけであり花の形は似てはいますが、そもそも植物として異なります。では、どのような違いがあるのでしょうか。ひとつずつ見ていきます。
木・草・樹高・草丈が違う
まず、牡丹と芍薬では、木や草の形が違います。牡丹は落葉小低木、芍薬は多年草となっています。小低木とは一定の高さ以下の植物を指していて、多年草は同じ株から何年も枯れずに花を咲かせる植物となっています。
冬になると、牡丹には枝が残りますが、芍薬はすべて枯れてしまい何も残りません。そして、牡丹は樹木であるため枝が分かれていきますが、芍薬は草なので伸びた茎の先に花をつけます。
このことから有名なことわざ、「立てば芍薬、座れば牡丹」という女性の美しさを表す表現が生まれたとされています。
開花時期・見頃の季節が違う
牡丹と芍薬では開花時期が異なります。牡丹の花は、品種によって季節問わず一年中咲き誇っていますが、一般的に牡丹といわれる春牡丹の開花は4月~5月頃とされています。芍薬の開花時期は春牡丹が開花した後5月~6月頃です。
上記より、牡丹と芍薬では開花時期が少しずれてきます。5月に咲く花はどちらか見分けるのは少し難しいですが、一般的に4月に咲いた花は牡丹、6月に咲いた花は芍薬と見分けることが出来ます。
つぼみ・葉の形が違う
また、牡丹と芍薬ではつぼみの形が大きく異なってきます。牡丹も芍薬もつぼみじたいはきれいな丸い形をしていますが、牡丹のほうのつぼみは芍薬と比べてすこし先端がとがっています。この形により牡丹と芍薬を見分けることが出来ます。
また、葉の形で見分けることも出来ます。つぼみで見分けるよりも大きな差がはっきり出てきます。牡丹の葉はとても薄くて、つやがなく葉っぱにギザギザの切れ込みが入っています。芍薬のほうは厚みがあってとてもつやっぽく、切れ込みがはいっていません。
薄くてギザギザしているほうが牡丹、厚くてギザギザしていないほうが芍薬と見た目で判断できる方法であると言えます。
花の香りがちがう
ボタンと芍薬では花の香りも違っています。牡丹は基本的に花の香りがありません。品種によって香りの強い花もありますので注意が必要ですが、基本的に無臭となっています。
一方、芍薬のほうは薔薇に近い甘い匂いが漂ってきます。同じボタン科の植物でもこんなに違いがあります花だけで判断できない場合は匂いを嗅いでもわかります。
牡丹は品種が多く見頃の時期が違う
日本でも昔から人に親しまれている花、牡丹。一般的な見頃は4月~5月の春先になっていますが、品種によっては秋や冬にも見ることができるので、一年中牡丹を楽しむことが出来ます。また、牡丹の花言葉もオシャレなものが多いので、送る花におすすめです。