「業が深い」の意味と使い方を例文付きで解説!業が深い人の特徴も!

「業が深い」の意味と使い方を例文付きで解説!業が深い人の特徴も!

「業が深い」という表現の正しい意味や使い方をご存知ですか?「業が深い」という表現の由来は、ヒンドゥー教の「輪廻転生」という概念と密接に関係しています。今回は「業が深い」の意味や由来、また例文を使い正しい「業が深い」という表現の使い方を説明します。

記事の目次

  1. 1.「業が深い」の意味とは?
  2. 2.「業が深い」の由来
  3. 3.「業が深い」の特徴
  4. 4.「業が深い」の類語
  5. 5.「業が深い」の使い方
  6. 6.「業が深い」とは「運が悪い」「欲深い」の意味

「業が深い」の意味とは?

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「業が深い」という表現を目にしたり、聞いたりしても何となくの意味は分かっていても、本来の正しい意味を理解している人はそこまで多くないと言えるでしょう。そもそも「業」の意味も様々な捉え方ができ、なかなか説明・理解することが困難な言葉だと言えます。

先ず「業が深い」の読み方ですが、「業が深い」は「ごうがふかい」と読みます。一般的に「業」という漢字は殆どの場合「ぎょう」と読むので、間違えないように注意しましょう。

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現在では「業が深い」という表現は主に「運が悪い」「欲深い」という意味合いで、人の性格や行動を表す際に形容動詞として使われます。従って、「業が深い」という言葉は、基本的にネガティブな表現をする際に使われる言葉だと言えるでしょう。

「業」の意味とは?

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「業が深い」という表現の中にある、「業」とは言葉の意味は、人間が意志を持って行う所作や行動、また実際に心の中で感じている事を意味します。非常に曖昧で分かりづらい言葉だと感じる人も少なくないでしょう。そこで「業」という言葉の意味の由来を説明します。

「業が深い」の由来

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「業が深い」という表現の中で使われている「業」という言葉の意味の由来は、インドが発祥になっているヒンドゥー教から由来しています。因みに日本で親しみのある仏教もヒンドゥー教から派生しており、ヒンドゥー教の信者は現在世界に約11億人以上いるとされています。

「業が深い」という表現の「業」という言葉は、古代インドで使われていたサンスクリット語の「カルマ」という言葉を日本語にしたものです。つまり、「業」と「カルマ」という言葉は意味が全く同じの同義語なのです。

それでは何故、「業が深い」という言葉が、現代で「運が悪い」や「欲が深い」という意味で使われるのか説明します。

「業」の本来の意味は宗教的意味合いが強い

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ヒンドゥー教や仏教には基本的に「輪廻転生」という概念があります。「輪廻転生」の読み方は「りんねてんせい」また「りんねてんしょう」と2つの読み方がありますが、意味に違いはありません。この概念は「人間は死んでも、また何かに生まれ変わり、それを繰り返している」という概念です。

「輪廻転生」の概念の大きな特徴として、今生きている現世での行動や考え方によって、来世でどのような形で生まれ変わるのかが神によって決定されるという宗教的な特徴があります。

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また、この概念のもう1つの特徴として、基本的に今現在の生き様や行動が「善」と見做されれば、良い形で生まれ変わることができ、「悪」であれば人間以外ものに生まれ変わることもある、という特徴があります。

また、ヒンドゥー教に於ける「善」と「悪」の違いは、ヴェーダという紀元前1000年頃から600年頃に作られたヒンドゥー教の聖典によって定められています。

つまり、前世で良い生き方や行動を取っているのと、そうでない場合によって来世の運命にに大きく影響するという宗教的概念が根本としてあるのです。

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インドではこのヒンドゥー教の概念が現代でも採用されている為、所謂「カースト制度」と呼ばれる制度が未だに存在しており、カースト制度に於いて身分の低い人たちは先祖代々「悪事を働いてきた」と見做され、差別の対象になり、そのレッテルは未来永劫続いてしまいます。

従って、本来の「業」または「カルマ」という言葉の意味は、宗教的意味合いが非常に強い言葉だと言えるでしょう。

英語圏でよく使われる「カルマ」の意味

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日本ではあまり使われることのない「カルマ」という言葉ですが、英語圏では「karma」という単語は一般的に使われている単語です。英語で使われる「karma」の意味も日本語の「業」や「カルマ」に似た意味を持ちますが、主に「自業自得」「報い」「宿命」など、より広義的な意味合いで使います。

しかし、意味の根本には「自分の起こした行動は巡り巡って、最終的には自分に帰ってくる。」という根本があり、これは日本語の「因果応報」に似た意味を持っていると言えるでしょう。

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英語圏で「karuma」を使った有名な格言の一つとして「Welcome to Karma! We have no menu. You will get served what you have deserved.」(カルマショップにようこそ。ここにはメニューがありません。あなたの今までの行いに相応しいサービスが提供されます)という格言があります。

英語圏では基本的にキリスト教の概念が尊重されますが、このような格言が誕生する程「カルマ」という言葉は、特に若者の間で浸透しています。 

「業が深い」の特徴

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続いて「業が深い」という表現の特徴について説明します。先述の通り、「業が深い」という表現は主に、特定の人物の性格や表現を表す形容詞としての使い方が一般的です。従って、性格や行動に「欲が深い」などのネガティブな特徴のある人に対してしばしば使われるという言葉です。

「業が深い人」の意味は「運が悪い人」や「欲が深い人」という意味になりますが、厳密に言えば、「前世での行動や思考があまり良くなかったであろう人」という意味になります。その為、「業が深い」は常にネガティブな意味で使われるので、使い方には注意が必要だと言えるでしょう。

「業が深い」の類語

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次に「業が深い」の類語をいくつか紹介します。基本的に「業が深い」という表現の由来は宗教が関連している為、その表現自体に嫌悪感を示す人も少なくありません。従って「業が深い」という表現は無暗に使うべき言葉ではないと言えるでしょう。

その際に、「業が深い」に意味が近い、類語を使って表現することが出来ます。注意点として、先述した通り「業が深い」という表現はネガティブな表現する際に使う言葉である為、「業が深い」の類語も同じ否定的な意味合いを持つ言葉になります。

罰が当たる

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「罰が当たる」という表現は「業が深い」の類語と言えるでしょう。「罰が当たる」の意味は、悪い行動やをした際に、天からそれらの悪事に対し報いを受けるという意味です。「業が深い」は前世での行いに対する報いを意味しますが、「罰が当たる」は現世での悪事に対する報いを意味します。

例文として、「そんな反社会的なことに興味を示すと、いつか罰が当たるぞ。」または「彼は繰り返し、悪事を働いているので、罰が当たって当然だ。」のような例文が考えられます。

また「罰が当たる」の意味を持つ諺として「天罰覿面」という諺があります。「天罰覿面」の読み方は「てんばつてきめん」です。「天罰覿面」の意味も「罰が当たる」と同じ意味で、悪い行動や考え方をしていると、天から罰を下されると言う意味です。

罪深い

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「業が深い」の類語として「罪深い」という言葉も考えられます。「罪深い」の意味は、道徳やモラルに反する行動を重ねている様子を表します。例文として「彼のモラルに欠ける、失礼な行動は、罪深いものだ。」また「人の心を弄ぶ行為は、罪深い行為である。」のような例文が挙げられます。

不道徳的な

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「不道徳的な」という形容詞も「業が深い」に似た意味を持つ類語だと言えるでしょう。「不道徳的な」の意味は、道徳に反していたり、モラルに欠けている行為を表現する際に使われる言葉です。「不道徳的な」の類語として「非倫理的な」や「不行品な」という類語もあります。

「不道徳的な」の使い方として「子供の前でその様な振る舞いをすることは、不道徳的な行為である。」のような使い方が考えられます。

背徳の

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「背徳の」という表現も「業が深い」の類語だと言えるでしょう。「背徳」の読み方は「はいとく」です。また「背徳」という漢字は稀に「悖徳」と表記されることもありますが意味は同じです。「背徳の」の意味は道徳に背いている様子を表します。

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また、「背徳」を使った四文字熟語で「背徳没倫」という言葉があります。「背徳没倫」の「没倫」の意味の特徴として「人の道を外れること」という非常に強い否定的な意味が含まれているという特徴があります。

また、「背徳」という言葉の特徴として「背徳的」のような形容動詞や「背徳感」のような名詞に変形させて使われることも多い言葉だということが挙げられます。

「背徳な」を使った例文として、「彼の今回の経費の使い方は、会社に対して背徳的な行為である。」また「多様性が求められている現代社会だからこそ背徳没倫を犯すような事をしてはならない。」などが挙げられます。

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また「背徳感」という言葉は、日常会話でも比較的よく使われる言葉なので、使い方を覚えておくと良いでしょう。意味は「良くないことだと分かっていながら、つい行動に移してしまい、後ろめたさを感じる様子」を表します。

不徳の

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「業が深い」の類語として「不徳の」という言葉も挙げられます。「不徳の」という言葉には主に2つの意味があり、一つは「不徳の致すいたすところで御座います。」のように、謝罪の際に使われるフレーズがありますが、こちらの意味は「業が深い」の類語ではありません。

もう一つの意味として、「道徳的ではない」また「人の道から外れている」のような意味があり、こちらの意味は「業が深い」の類語だと言えるでしょう。

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この様に「業が深い」の意味に似た類語は多数存在しますが、先述の通り「業が深い」の意味は、特徴として「前世での悪行が影響した結果」が「現世での行動に悪影響を及ぼす」という、「前世」という概念が根本にあるという特徴があります。

「前世」という言葉の意味は捉え方によっては宗教的な意味合いになります。理由として、そもそも「前世」というものが存在するのか?という疑問が、科学的に立証出来ていないことが考えられます。

「業が深い」の使い方

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続いて「業が深い」という表現の使い方について説明します。日常会話で「業が深い」という表現はあまり一般的ではないと言えますが、覚えておいて損はない表現だと言えるでしょう。ここでは「業が深い」の使い方をいくつかの例文を織り交ぜながら説明します。

例文①

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初めに「業が深い」という意味を「運が悪い」という意味で使う場合の例文を紹介します。例えば「特に悪いこともしていないのに、悪い事ばかり起きているのは、業が深いのかな?」また「こうも業が深いとは、前世で何か悪事でも働いたのかな?」のような例文が挙げられます。

例文②

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次に「業が深い」の意味を「欲が深い」という意味合いで使った場合の例文を紹介します。例えば「彼は投資であんな大金を稼いでいるにも関わらず、更に投資を続けている、人間とは本当に業が深い生き物だ」のような、皮肉を込めた使い方が考えられます。

例文③

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また、「業が深い」という言葉は「業の深い」または「業の深そうな」のように変形させて使われることもしばしばあります。これらは殆どのケースに於いて「欲深そうな」という意味で使われます。例えば「うちの会社の社長は如何にも業の深そうな顔をしている」という使い方が一般的です。

また「彼女の如何にも業が深そうな顔立ちを見ると、かなり派手な人生を送ってきたのかが窺える。」のような使い方も出来ます。

しかし「業の深い顔」や「業の深そうな顔」という表現は、何の根拠もなく悪意や皮肉が込められた表現だと言えます。従って、本人を目の前にして、このようなことを口にするのは以ての外であり、仲間内で陰口を言うにしても、少しモラルに欠ける表現であると言えるでしょう。

例文④

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最後に「業が深い」を本来の「前世からのカルマ」という宗教的な意味合いを持つ使い方の例文を紹介します。「彼女がいつも不運なのは、恐らく遠い祖先からの業が深いからだ。」また「ここまで不運が続くのは、きっと私の前世は余程業が深いものだったのだろう」のような使い方が出来ます。

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上記で紹介した例文の中には「業が深い」を比喩的表現で使ったり、なんの根拠がないも関わらず、皮肉や嫉妬、あるいは憎しみを込めた表現する際に「業が深い」という言葉を使う例も多いということが分かります。

これらの「業が深い」の使い方は決して間違ってはいませんが、会社などで皮肉を込めた意味合いで「業が深い」という表現を使うことは、特に多様性やハラスメントを重視している傾向の現代社会に於いて、頻繁に使うべき表現ではないと言えるでしょう。

「業が深い」とは「運が悪い」「欲深い」の意味

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「業が深い」という表現について色々説明してきましたが、現在の日本で「業が深い」の意味は「運が悪い」「欲深い」という表現でのみ使われます。また「業」という言葉は難解な言葉ですが、長い歴史の中で形成された言葉であり、更に理解を深める為に掘り下げて調べてみるのも良いでしょう。

しかし、多様性やモラルがより重視されるようになった日本の現代社会に於いて「業が深い」という表現を使う場合はくれぐれも注意しましょう。

Yusuke@117
ライター

Yusuke@117

宜しくお願い致します。

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