スベリヒユの特徴や見分け方を紹介!味や旬やおすすめレシピも必見

スベリヒユの特徴や見分け方を紹介!味や旬やおすすめレシピも必見

放っておくと、速効庭一帯を覆ってしまう、雑草のスベリヒユが、実は栄養価の高い食材だという事をご存じの方は少ないようです。夏に鮮明な花が人気のポーチュラカと類似し、見分け方に戸惑うスベリヒユの特徴や、旬の食材としてのレシピなどもお届けします。

記事の目次

  1. 1.スイベリヒユは栄養のある野菜!
  2. 2.スベリヒユの特徴とは?
  3. 3.スベリヒユの仲間
  4. 4.スベリヒユの見分け方
  5. 5.スベリヒユのおすすめのレシピ
  6. 6.スベリヒユを食べる時の注意点
  7. 7.スベリヒユを雑草として除草
  8. 8.美味しく栄養のあるスベリヒユを食べてみよう!

スイベリヒユは栄養のある野菜!

スベリヒユ
Photo by saksan

空き地や庭に、どこからともなくやって来て、自生してしまうという特徴のスベリヒユは、雑草として厄介だと、刈り取られる事も多く、どこにでも生えている雑草ですが、その雑草が食べられると話題にもなりました。

実はそのスベリヒユは栄養価が高く、旬に収穫すると食材になり、古くから食されていました。今注目を浴びているオメガ3脂肪酸なども含まれて、ビタミン、マグネシウムやカルシウムなど、多数の栄養を含むのが特徴的な山菜なのです。

スベリヒユ販売
Photo by Phil Roeder

スベリヒユは日本だけに限らず、世界中に分布している雑草ですが、カナダやオーストラリアなど、世界でも栄養のあるスーパーフードとして、販売されています。山形では「ひょう」と称して販売され、茹でて辛子醤油が定番で、干しても栄養が損なわれず、保存食でも活用される特徴があります。

スベリヒユ
Photo by Arria Belli

雑草のスベリヒユが栄養豊富といわれますが、どのように役立つのでしょうか。まずカロリーが低いので、ダイエットにはおすすめ出来ます。血圧を下げるカリウムも含まれ、コレステロールの数値を下げるオメガ3脂肪酸もあり、グルタチオンという成分が抗酸化物質のため肝臓を強めます。

鉄とコッペルで貧血を防ぎ、血液の循環も良くし、カルシウムとマグネシウムで強い骨が作られ、骨粗鬆症の予防にもなり、便秘にも効果があり、オメガ3脂肪酸は自閉症や発達障害の予防にも役立ちます。これだけの栄養素が含まれるスベリヒユは、雑草と言えども是非食べるべきです。

スベリヒユの特徴とは?

スベリヒユ
Photo by nutrilover

スベリヒユの特徴は、見た目は紛れもない雑草で、庭に放置していると凄まじい繁殖力で増えていく特徴があり、熱帯地方原産で、スベリヒユ科でスベリヒユ属の、寒さが苦手な多年草と言われていますが、日本では越冬が難しいため、一年草として扱われる事の多い植物です。

和名では、五行草とも言われ、地方では、トンボグサやチギリグサと呼ばれるところもあり、イギリスではパースレイン、フランスではプルピエ、中国ではばしけん、山形ではひょう、沖縄ではニンブトゥカーと、世界各国で複数の名前を持つ植物です。

料理では、茹でるとねばり気が出て、オクラやモロヘイヤなどのようなぬめりが特徴的で、その粘りに栄養が凝縮されています。茎と葉の生長が早く、花は夏場に小さく黄色い花を付けるのが特徴で、フランス料理の付け合わせや、トルコ料理ではサラダや鍋物として使われています。

スベリヒユの生態

スベリヒユ
Photo by James St. John

スベリヒユの生態は、茎と葉は肉厚で、毛は無く、赤紫がかった茎は地面を這うように生長する特徴を持ちます。葉は丸みを帯びていて小さく、楕円形の葉がプクッとして肉厚です。花は日が当たっているうちは開いていますが、暗くなると閉じる特徴があり、花が終わると実を付け種を作ります。

スベリヒユは他の植物とは違う「CAM型光合成」という光合成の方法を用いる特徴があるため、乾燥に強く、砂漠でも生き延びられるように、液胞という部分に蓄積された水分が、生で食べた時に酸っぱさを感じ、茹でるとぬめりが生じ、これが栄養分の象徴にもなります。

スベリヒユの花
Photo by tonrulkens

スベリヒユの花は、咲かないと思われている事が多いのですが、日光が当たると咲き、日が陰ると閉じますから、午前中に見る事が出来るでしょう。ただ、ポーチュラカのように密集して咲かず、茎の端に付いた葉の中心に1輪小さな黄色い花を付けるのが特徴で、開花の時期は7月から9月の夏場です。

スベリヒユの花
Photo by jacilluch

スベリヒユの花には面白い特徴があり、雌しべをペンなどの細いもので触ると、その触った方向にめしべが倒れてきます。何度やっても雌しべは寄ってきます。これは、花にやって来た昆虫などが、花粉を付けやすいようにと、自らが動くのだと言われています。

茎・葉

スベリヒユの茎・葉葉
Photo by judywitts

スベリヒユの茎は緑から赤紫色に変化していき、地面に沿って這いながら生長し、斜めに分かれて増えていきます。葉は長い楕円形のヘラの様な形状で、肉厚です。付き方は、茎に沿ってズレた互生という付き方で、根を引き抜いても茎も葉も簡単には枯れません。一般的には多肉植物の扱いです。

生命力旺盛という特徴があるため、少々引っこ抜いたくらいでは、すぐにまた生長し始めますので、根こそぎ始末しないと再生します。雑草として生き延びてきただけあり、かなり手強い雑草ですので、除草=収穫と考えて、食べてしまった方が庭を美しくするには効果的でしょう。

スベリヒユの種は黒い小さな種で、無数に作られます。花が終わって実を付けて種が出来るのですが、実は蓋を被せたような形状で、自生していれば自然に乾燥して散布され芽を出しますが、人工的に種を確保するなら、実の付いたスベリヒユを根っこから引き抜いて乾燥させます。

自宅なら、引き抜かなくても、自然に放置しておけば、こぼれ種で毎年生長しますが、生長の範囲を制限しないと、止めどなく伸びますので、適宜刈り取る事も必要です。旬になって食用に収穫する時に、全部採らずに少し残すと、残りは冬には枯れ、実に付いた種は落ち、春に再度芽を出します。

採れる場所

スベリヒユ
Photo by kengi2000

スベリヒユが採れる場所は、基本雑草ですので、乾燥気味の空き地や庭、あぜ道など、割とどこにでも生息する特徴があるため、どこでも採れます。マンホールの脇やコンクリートのすき間から芽を出しているのも見かけます。

日光の当たる所なら、場所を選ばないスベリヒユですが、食用として確保するなら、農薬のかかっていない場所や、犬の散歩コースから外れたところが良いでしょう。庭で収穫するなら、根は残して花の付く前の柔らかい茎や葉を切り取って収穫します。

旬の時期

スベリヒユ
Photo by bhamsandwich

旬の時期というのは、通常食品に対しての旬を意味しますので、スベリヒユの開花の時期は夏ですから、花の咲く前に収穫しようとすると、その時期が旬になるため、旬は夏になります。ところがその花が咲く前というのがポイントですので、かなり限られてきます。

スベリヒユの花が咲いてしまうと、茎や葉は硬くなりますので、花の咲く前の茎や葉が柔らかい時期に収穫するには、開花の前の蕾が付いた時点で、収穫すれば、柔らかい状態で料理に使えます。茎や葉が柔らかいうちにたくさん収穫して、余ったら乾燥させて保存しておきましょう。

スベリヒユの仲間

スベリヒユ
Photo by pellaea

スベリヒユの仲間には、何種類かあり、基本スベリヒユ科から分かれた品種なので、類似は否めません。スベリヒユ科の中には、スベリヒユ、ハナスベリヒユ、ハゼランなどありますが、最もポピュラーな2種類を抜粋して特徴や生態の違いなどを詳説してみましょう。

また、見分け方のポイントも抑えましょう。スベリヒユ科の植物は、比較的見分け方は簡単と言われますが、次に出てくるポーチュラカとの見分け方は難しいかも知れません。個々に特徴が微妙に違うため、細かく見ていくと分ってきます。見分け方を身につけると、食材としての収穫も楽でしょう。

ポーチュラカ

ポーチュラカ
Photo by Lil Rose

ポーチュラカは、スベリヒユ科の中でも人気の植物で、夏の時期に鮮明な色を提供してくれる花として扱われます。スベリヒユとも類似している理由は、ポーチュラカの別名がハナスベリヒユだからでしょう。開花の時期も夏場で、葉や茎の形状も類似しているため、見分け方が難しい植物です。

ポーチュラカも最近ではメジャーになりましたが、元々は雑草の仲間になり、花のサイズはポーチュラカのサイズの方が大きく、スベリヒユはポーチュラカほど大きくありません。葉も同じようにポーチュラカの方が丸くて大きいサイズです。違いの見分け方は、後半に詳説します。

マツバボタン

マツバボタン
Photo byyanbo6728

もう一つの仲間は、マツバボタンで、こちらも元は雑草で、花の形状は類似していますが、葉は全く違い見分け方は簡単です。名前からも分るように松の様な尖った葉をしているのが特徴で、開花時期もスベリヒユやポーチュラカと同時期の、6月頃~9月頃までで、乾燥に強く手間がかかりません。

スベリヒユの見分け方

スベリヒユ
Photo by Dinesh Valke

ポーチュラカとマツバボタンとスベリヒユの見分け方は、何を基準にすれば良いのでしょうか。まず、ポーチュラカとの見分け方は「花」での見分け方をします。花が大きく群生するのがポーチュラカで、色とりどりで鮮明です。

スベリヒユは小さな地味な黄色い花を1つの茎に1輪咲かすだけで、ポーチュラのように群生しないので見分け方は簡単です。葉の形状は類似していますが、ポーチュラカの方が若干大きく丸く、スベリヒユは楕円形ですが、とても微妙なため、花が付かないと見分け方は難しいです。

ポーチュラカの葉
Photo by anro0002

マツバボタンとの見分け方は、葉の形状でしょう。上記にも記載した通り、マツバボタンの葉は針状です。スベリヒユは長い楕円形ですから、見分け方は簡単です。花での見分け方はどちらも一重の非常に類似した形状の花ですので、その辺りは見分け方が少し難しいかも知れません。

スベリヒユ
Photo by katunchik

ポーチュラカやマツバボタンなどの花との見分け方もそうですが、もっと気を付けるのが他の雑草との見分け方で、スベリヒユと似た毒を持つ雑草も存在しますので、注意しましょう。見分け方は、スベリヒユは葉がつるっとし、葉の形が楕円形で肉厚と覚えておいて、良く見て判断しましょう。

最も似ている「ポーチュラカ」との違い

スベリヒユ
Photo by kengi2000

最も似ていると言われるポーチュラカとの違いは何なのでしょうか。これも先ほど記載しましたが、花の群生具合なのですが、見分け方にもうひとつあり、それは開花している時間です。1日のうち、スベリヒユは天気の良い午前中だけという特徴ですが、ポーチュラカは1日中開花しています。

ポーチュラカ
Photo byauntmasako

ポーチュラカも以前は日が落ちると閉じていましたが、品種改良で日が落ちても花は開いたままの状態を保てるようになったのです。そして、見分け方は花や葉の大きさで、ポーチュラカの方が大きい花や葉を付けます。また茎の色も違い、スベリヒユは赤紫で、ポーチュラカは緑なのが特徴です。

スベリヒユのおすすめのレシピ

雑草ですが栄養のあるスベリヒユを食してみましょう。ここからは、スベリヒユを使ったレシピをいくつかお届けします。基本、スベリヒユが綺麗な状態で収穫されたと前提しての事です。収穫したスベリヒユは、どこに生息していたか不明な事が多い雑草なため、必ず水洗いをしてから使います。

スベリヒユのレシピには、各家庭で様々なレシピがあるでしょうが、雑草とはいえ、山形や沖縄で郷土食があるほど、栄養分に注目されたメジャーな食材になりますので、旬の時期に仕入れたスベリヒユを使用して、いろんなレシピの参考にしてみて下さい。

レシピ①

まず料理をする前に、柔らかい茎の栄養たっぷりの旬のスベリヒユを引っこ抜いて、水洗いで土やゴミを落とし、まずレシピの1番目は、おひたしにしましょう。5㎝くらいにカットしてから、たっぷりのお湯で約1分茹でます。

茹でたら冷水に浸してあら熱を取り、軽く絞ってめんつゆを絡めて鰹節を振りかけると、スベリヒユのおひたしが出来上がります。ゆで時間をあまり長くすると、ぬめりが強くなりますから軽めに茹でるのがポイントです。栄養たっぷりの旬の美味しいスベリヒユをおひたしにしました。

また、おひたしの味付けは、めんつゆ以外にも辛子醤油でも定番とされる食べ方です。もうひとつ、おひたしではありませんが、辛子マヨネーズで和えるとサラダのように頂けます。辛子の辛みと旬のスベリヒユの酸味の相性が良いので、食が進みます。

おひたしではなく和え物で、旬のスベリヒユをサッと茹でオクラと和えます。スベリヒユの粘りと酸味が、オクラとの相性も良く、醤油とみりんで味付けすると、和風の一品になります。彩りに黄色のトマトを入れると見た目も綺麗でしょう。味にインパクトを付けるために、大葉も入っています。

レシピ②

旬に頂く栄養たっぷりのスベリヒユは生食でもOKですが、シュウ酸が成分に含まれていますので、大量に生で食すと結石の原因になりかねません。サラダにする時には少量に留めておきましょう。

2番目のレシピは、サラダです。生のスベリヒユを適当にカットして、ツナ缶をほぐして入れて、めんつゆと和え、サッパリとした食感で爽やかに味わいます。ごま風味も相性が良いですから、お好みでドレッシングを変えても美味しく頂けます。

サラダの材料は、色々と好みで選んで、調味料を変えるだけでも美味しく頂けます。生のスベリヒユを食すには、酸味を考えた調味料を選びましょう。画像は、ささみをほぐしてきゅうりをスライスし酢味噌ダレで、さっぱり仕上がったサラダです。

スベリヒユにアボカドやトマト、きゅうり、豆腐の材料で、酢(ホワイトビネガー)、ハーブソルト、醤油、昆布だし、オリーブオイルの味付けで全体にざっくりとまぶしてサラダにしました。酸味のあるスベリヒユに、あえて酢を使うのは、お互いの旨味が相まって意外と美味しいものです。

サラダとして食すには、様々な方法があるのですが、トルコではヨーグルトを使う事が定番のようで、こちらのサラダも、スベリヒユの上にヨーグルトをかけて頂く料理で、ヨーグルトの中には、ニンニク、ターメリック、胡椒、オリーブオイル、塩、亜麻仁が入っています。

レシピ③

3番目のレシピは、ご飯の上に乗せると栄養満載の美味しいご飯のお供です。茎の部分を多めに使用した方が食感が楽しめます。サッと茹でて、適当な食べやすい大きさにカットして、ごま油で炒めます。味付けは醤油で、炒めたら鰹節を振りかけると、旬のご飯のお供として美味しく頂けます。

山形には、夏野菜を使った「だし」という、ご飯のお供が郷土料理にもなっていますが、そのだしをスベリヒユを使って作ったものが、画像のスベリヒユだしです。材料の夏野菜は、キュウリやナス、ミョウガなどとスベリヒユ、生姜、大葉、などお好みで選びます。

味付けには、醤油大さじ3、みりん小さじ2、酢大さじ1/2、砂糖小さじ1と刻み昆布です。作り方は、野菜を細かく刻んで、ナス以外は合わせてボウルに入れ、ナスは水に2~3分さらして、別のボウルに入れて、合わせた調味料の大さじ1をナスと混ぜ、余分な水分は捨て、他の野菜と合わせます。

野菜が全て合わさったら、刻み昆布と調味料を加えて混ぜ合わせ、ラップをして冷蔵庫で最低1時間は置いておきます。1時間以上経ったら、もう一度混ぜ合わせて、出来上がりです。ご飯のお供や冷や奴、納豆などに合います。これは、保存容器に入れて保存すると、3日程度は日持ちします。

レシピ④

旬の栄養満点のスベリヒユを使った4番目のレシピは、天ぷらです。スベリヒユの天ぷらは、カラッと揚げるのがポイントで、天ぷらの衣にくぐらす前に、茹でても構いませんが、生のまま衣をくぐらせると、食感がシャキッとします。

天ぷらの揚げ方は、通常の野菜の天ぷらの手順と同じですが、スベリヒユの味そのものは、あまり感じられず、衣で封じ込められたぬめりが、噛んだ瞬間に出てきて、旬の栄養を感じます。比較的あっさりとした野菜の天ぷらで、モロヘイヤの天ぷらとも類似しています。

スベリヒユの天ぷらは、スベリヒユだけを使っても美味しいですが、他の野菜と組み合わせてかき揚げにするのもオツなものです。ゴボウなどの根菜類や、インゲンなどの豆類と合わせても美味しいです。スベリヒユは茎の太めのを使った方が食感が良く、衣は薄めに付けるのがポイントです。

揚げ物もいいですが、炒め物も簡単に出来るレシピに入れておきましょう。食材は何でも構いませんが、スベリヒユとごま油の相性が良いですので、炒める時の油はごま油を使うと香りも良く、美味しく頂けます。また、生のまま炒めるより、一度茹でてから炒めた方が、アクが無くておすすめです。

レシピ⑤

5番目のレシピはスムージーです。グリーンスムージーは栄養価抜群ですから、旬のスベリヒユを生のまま活用します。バナナ、キウイ、パインにヨーグルトを加えて一気に撹拌します。スムージーに入れるくらいのスベリヒユの量なら、シュウ酸も気にならず、スベリヒユの酸味が絶妙に合います。

スベリヒユのスムージーを使った応用編のスムージーボウルで、フルーツも苺とバナナで、可愛くデザインして、食べるのが惜しいようなスムージーボウルです。スベリヒユはスムージーしにてもしっかりとした味わいで、見た目もグリーンが鮮やかですから、とても映えます。

レシピ⑥

6番目のレシピは、旬の水茄子の焼き浸しとスベリヒユと枝豆の煮浸しです。スベリヒユと枝豆はサッと茹でておき、だし汁にうすくち醤油を入れて浸し液を作り、茹でたスベリヒユと枝豆をつけておきます。水茄子に、好みで切れ目を入れて4等分にします。

フライパンに少し多めの油を熱し、茄子を皮から焼いて断面も同様に焼き、断面にはは焼き色をつけます。焼けたらそのまま浸し液に投入し、冷ましてから盛り付けると出来上がりです。和食の一品として、箸休めになり、スベリヒユの栄養分のぬめりも少し出て、旬を美味しく頂けます。

こちらは煮浸しではなく、炒め煮で、豚肉とニンジン、スベリヒユをめんつゆとマスタードソースで炒め、煮詰めます。つゆを多めに残し、食べる時につゆも一緒に頂くと美味しいです。スベリヒユは煮ますから、前もって茹でなくても構いません。豚肉は筋切りをすると柔らかく仕上がります。

レシピ⑦

山形でのひょうを干したレシピの前の乾燥させる段階の干し方は、旬の間に収穫して、茹でてから天日に干します。生のまま乾燥させるより、茹でてからの方が、後で使いやすいため、サッと茹でます。天気の良い日にトタンの上のような日差しが強く当たる場所で乾燥させると良いでしょう。

完全に乾燥したら、冬の食卓用に保存して、縁起物として、翌年のお正月に頂きます。何でも、山形では「ひょっ(ひょう)として良いことがあるように」と願いながら1月6日の無病の日に頂く風習があるようで、山形では雑草という概念は無いようです。

ひょう干しは、まずひょう干しを水で戻すところからで、ボウルに水を張ってそこにひょう干しを浸し、一晩そのまま置いておきます。翌朝に、水を2~3回替えて洗い、軽く絞って調理します。ひょう干しに合う食材は、雪国の保存食でもある打豆という、大豆を石臼で潰し乾燥させたものです。

この打豆がひょう干しと合い、山形を離れた方には絶品の郷土料理のようです。油揚げ、ニンジン、ちくわと戻したひょうを油で炒めてから、酒、砂糖、塩、だし汁で煮付けると、山形の郷土料理、ひょう干しの煮物が出来上がります。山形の人には懐かしい味でしょう。

ひょう干しの煮物で、一晩水に浸ける時間の無い時には、ひょうを戻す時に水ではなくお湯を使います。レシピは、ひょう干し50g、ニンジン小1本、糸こんにゃく1袋、油揚げ3枚、水150cc、めんつゆ50cc、みりん20ccで5人分です。

鍋にたっぷりの水とひょうを入れ火にかけ、沸騰寸前に火を止めて冷ましながら戻し、冷めてきたら数回水を替えます。

ニンジンと油揚げは細切りにし、糸こんにゃくは適当な長さに切って乾煎りし、ニンジンと油揚げを加え、水、めんつゆ、みりんを加えて煮ていきます。沸騰したら弱火で柔らかく煮えたら出来上がりです。山形の郷土料理で、どこのお宅でも1月6日には、無病を願って頂きます。

スベリヒユを食べる時の注意点

スベリヒユは雑草ですから、食材にするにはいくつか注意点があり、そこをしっかり抑えておけば、美味しい食材として楽しめます。前記にもありますが、収穫する場所を選ぶ事は大事です。道の駅などでは、食材としての販売もされていますので、手に入れてからの注意点を挙げてみます。

下処理

スベリヒユという雑草を食すという事を念頭に置いて、サッと茹でる事が望ましいでしょう。スベリヒユには多数の栄養素が含まれていますので、その中のシュウ酸には注意が必要です。シュウ酸は食べると、歯がギシッとする食感があり、これはほうれん草でも同じで経験した方も多いでしょう。

また、前記にもあるように、シュウ酸の摂り過ぎは、結石の原因になりますので、生で食べるのは少量にしましょう。加熱するとシュウ酸は抜けますので、加熱してからの方が気にせずに口に出来るでしょう。

下処理の時に茹でますが、ゆで時間も約1分前後で、それ以上はドロドロになるためおすすめ出来ません。茹でる時に重曹や塩を加えると、独特なアクが取れて、重曹を入れて茹でた時には茎の赤紫色が、より鮮明になり美味しそうです。茹でたあとは冷水に浸けると引き締まって美味しく頂けます。

農薬の注意点

スベリヒユに虫
Photo by harefoot1066

スベリヒユを収穫する際に、農薬が使われている場所での収穫は止めましょう。スベリヒユが生息する場所には、畑などの近辺もあり、畑の野菜に農薬を散布しているなら、その側に生えているスベリヒユは、収穫しないなど、スベリヒユの生息地に気を付けましょう。

スベリヒユを雑草として除草

スベリヒユの群衆
Photo by D.Eickhoff

スベリヒユを収穫して食べようとしても、それほどたくさんは食べられませんので、ある程度収穫したら、他のスベリヒユは必要ないでしょう。そのまま放置しておくには、見映えも良くなく、除草したいと感じたら、除草剤を使うのではなく、引き抜くことをおすすめします。

除草剤使用時の注意点

どうしても、除草剤を使う場合には、周りに畑が無いか、子供やペットたちの散歩コースに入っていないかなど、除草剤で被害を出さない様に、注意が必要です。もし周りにそのような危害が出そうな場合には、除草剤を使っての駆除は、諦めた方が無難です。

その他除草対策

除草剤を使わずに、手で引き抜くにも、スベリヒユは生命力が半端なく旺盛なため、こぼれ種や、千切れた茎などから、発芽しすぐに広がりますので、一つ一つ引き抜くのも大変です。そこで、農具を使って除草しましょう。土ごと掘り返して、土の中に埋めてしまいます。

スベリヒユは、日光が届かなければ、生長は出来ませんので、土の中に埋めてしまえば、そのまま土になるしかなくなります。鍬などを使い、土を掘り返してスベリヒユを全て埋めてしまいます。土を掘り返すのも大変ですが、三角鍬が手に入りやすく使いやすいでしょう。

防草シート
Photo by masahiko

もう一つの方法として、防草シートを敷き詰めることをおすすめします。これは除草剤とは違い、薬品を使いませんので、環境にはとても優しい駆除の仕方です。光をシャットアウトして、芽を出させない方法で、スベリヒユの生えてきそうな地面一面に使います。

ただ、ホームセンターなどで販売されている格安の防草シートは、シートが薄く、スベリヒユの発芽の力が優ってしまうと、効き目はありません。スベリヒユは生命力が強いですから、少しでも光を察すると、そこから発芽しますので、厚手の防草シートで覆うと良いでしょう。

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美味しく栄養のあるスベリヒユを食べてみよう!

スベリヒユ料理
Photo by avlxyz

スベリヒユは、類似した植物もあり、紛らわしいかも知れませんが、食べられるという意外性が面白い植物です。雑草として嫌がられてばかりではなく、栄養価が高く簡単に調理も出来る万能な植物ですので、スベリヒユのレシピを色々と増やして、美味しくて栄養豊富なスベリヒユを食べましょう。

vivikoma
ライター

vivikoma

楽しく情報配信します。色々なジャンルのライターとしての技術を磨きたいと思っています。 特に花屋務めが長かったため、ガーデニングや植物に関する知識はある方です。 分かりやすい文章を書くことを心がけています。

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