大学院の卒業には何年必要?修士課程・博士課程の違いも詳しく解説!

大学院の卒業には何年必要?修士課程・博士課程の違いも詳しく解説!

一般的に大学生が大学に通う期間は4年間ですが、将来は大学院への進学を考えている人もいるでしょう。その場合は卒業まで何年かかるのでしょうか。今回は、大学院の卒業には何年必要になるのか、最長で何年通えるのか、修士課程や博士課程の違いについても解説していきます。

記事の目次

  1. 1.大学院の卒業年数は学位の種類で変わる
  2. 2.大学・大学院で取得できる学位の特徴
  3. 3.学部別の大学院の卒業に平均何年かかる?
  4. 4.大学院には最長何年通えるのか
  5. 5.大学院の卒業後の進路
  6. 6.大学院は最短2年・最長5年かけて卒業する

大学院の卒業年数は学位の種類で変わる

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一般的には大学生が大学に通う期間は4年間となり、卒業後の進路は大きく分けて就職をするか大学院に進学するかの2つになります。専門的な内容を学習するために進学したい人や教授を志す人は、大学院に進学するという進路を選びます。

大学で学んだ内容をさらに深く学びたい人や、学位を取らないと就けない教授職になりたい学生などが大学院を目指しますが、大学院を卒業するまでに何年かかるのでしょうか。

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実は、大学院の卒業までに何年かかるのかは、学位の種類で異なってきます。大学院には主に「修士課程」と「博士課程」の2種類があり、研究したい内容や希望する進学先でどちらかを選択できます。

今回は、大学院の「修士課程」と「博士課程」が卒業までに最短何年かかるのか、最長で何年ほど在籍可能なのか、文系・理系の大学院生が卒業後にどういった職業に就くのかも併せて解説していきます。

修士課程なら最短2年間

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修士課程は大学を卒業してから最短で2年間通います。「修士」については後述しますが、修士課程を修了した人に与えられる学位のことです。修士課程ではこれまでの大学生活と同じように授業に出席して単位を取ることがメインの活動となります。

また、「修士」の学位をもらうためには、試験に合格して認定してもらわないといけません。一般的には「大学院生の間に行った研究内容についての論文」が認定試験の課題となることが多いようです。この試験に合格しないと「修士」を名乗ることができません。

博士課程なら最短5年間

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博士課程は修士課程を修了し、博士課程の入試試験に合格すると3年間通えます。卒業までに修士課程と合計して最短で5年間通うことになります。修士と博士の違いは、「自立して研究を行えるかどうか」という所にあります。

修士課程では授業に出て単位を取るのがメインでしたが、博士課程は論文の作成が主な活動となります。大学に所属して研究活動を行う大学教授になるためには博士課程を修めることが必要になります。大学院生の間で研究活動を自立して行える力を身に付けるために修士課程があるのです。

また、博士課程も修士課程と同じように試験に合格しないと「博士」の学位を認定してもらえません。試験内容も同じように「大学院生の間に行った研究内容についての論文」が課題となることが多いようです。

大学・大学院で取得できる学位の特徴

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大学や大学院を卒業した際に認定される学位は3つあります。まず、4年制大学の学部を卒業することで与えられる学位は「学士」です。

それに対して、大学院で得ることができる学位は「修士」と「博士」です。大学院で修士課程を修了すれば「修士」の学位を受けられ、博士課程を修了すれば「博士」の学位を受けられます。

3つの学位をご紹介しましたが、それぞれの学位についての違いはあるのでしょうか。ここからは「学士」、「修士」、「博士」の3つの学位について解説していきます。

4年制大学を出ただけならば学士

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大学を卒業することで与えられる一般的な学位が「学士」です。「学士」は大学で決められた教育課程で単位を取得して卒業することで学士と認められます。

また、大学を卒業すること以外にも学位を取得する方法があります。独立行政法人 「大学改革支援・学位授与機構」が実施している試験を受けて合格すれば「学士」と認められます。

修士は専門分野に深い知識を持っている

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「修士」とは、大学院の修士課程を修了することで与えられる学位のことです。また、修士課程は「博士前期課程」とも呼ばれており、博士課程に進む前の課程となります。「修士」は「博士」に次いで位の高い学位として位置づけられています。

「修士」の認定には、所属する大学で試験が実施され、合格することで認定がされます。修士とは専門分野に対する深い造詣を持ち、高度な専門性が必要な職業に就くことが可能な人材のことを指します。

なお、修士課程が修了した後の進路は、引き続き3年間大学院に通って博士課程を修めるか、就職するかのどちらかを選択することができます。

博士は大学教授などの研究職を目指せる

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「博士」は、学位のなかで最も位の高い学位となります。博士として認められるには2パターンの方法があり、ひとつは大学院の博士課程が修了した場合で、もうひとつが大学院に提出した論文が、論文審査で認められた場合となります。

また、博士課程を修了した場合の博士のことを「課程博士」と呼び、論文審査によって認められた博士のことを「論文博士」と呼びます。

修士課程と同じように認定には試験が存在します。また、博士は専攻分野に対し、自立して研究活動を行うことが出来る人材のことを指します。博士課程が修了した後の進路は、大学教授になるかそれ以外の職業に就くかを選ぶことができます。

学部別の大学院の卒業に平均何年かかる?

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大学院の卒業までにかかる年数や学位が修士課程・博士課程で異なることが理解できたところで、ここからは各学部での卒業までに何年かかるのか、平均年数について解説していきます。

大学院の卒業までに何年かかるは、学部によって異なってきます。大学院を卒業すると、就職して社会に出ていくことになります。何歳くらいで就職をして社会に出るのかを逆算して将来について考えることも大切です。

なお、これから解説する卒業までの年数は平均年数のため、研究する内容や自身の能力によって実際に卒業するまでに何年かかるかは異なります。ひとつの目安として参考にしてください。

薬学部の平均は何年か

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薬学部には、4年制課程と6年制課程の2種類があります。このうち6年制課程を修了すると、薬剤師の国家試験を受ける資格を得られます。また、6年制課程を修了すると「学士」として認められます。これは一般の大学院における修士相当の扱いとなります。

修了後に博士課程に進むと卒業までに何年かかるかというと、薬学部の博士課程は4年間かかり、一般的な博士課程と比べて3年も長くなります。それだけ学ぶことが多い学部ということです。

6年生の学部とあわせて薬学の博士号を取得するためには、10年という長い期間がかかります。また、4年制課程の場合の博士課程は、3年で修了することができます。

歯学部の平均は何年か

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歯学部も薬学部と同じように学部は6年制になります。歯学部を修了すると、修士課程を修了したのと同等の扱いになります。こちらも薬学部同様に、それだけ長い期間の勉強が必要になるということです。

大学院では何年で博士課程を修了できるかというと、こちらも薬学部と同じく4年制になり、じっくりと研究に取り組むことが可能です。歯科医師の国家試験を受けるためには「学士」の学位が必要になります。そのため、6年制の学部を修了して、試験に合格することで歯科医師になることができます。

合格した後は、歯科医師として勤務したり開業したりする人と、大学院に進学して博士号を志す人に別れます。博士課程では6年生の学部と比較して、さらに高度で専門的な研究を行えますが、臨床経験も必要となってきます。

医学部の平均は何年か

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医学部の学部は何年制かというと、6年制になります。修了すると医師の国家試験を受けることができ、医師としての免許を取得後に大学院へ行こうと考えた場合、卒業までに何年かかるのでしょうか。

大学院自体は4年制となります。しかし、通常は大学院に進学する前に初期研修というものが2年あり、研修医として現場での臨床経験を得ます。その後、大学院に進学する人もいれば、後期研修に移行し2~4年間の臨床経験を積む人もいます。

また、大学院への進学そのものの入学が非常に難しいため、何年も浪人する人も少なくないようです。ストレートに合格したとしても、学部で6年、初期研修に2年、大学院に4年で卒業までに合計12年はかかることになります。

工学部の平均は何年か

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工学部の場合は、卒業までに何年を要するのでしょうか。修士課程が2年間、博士課程が3年間の合計で5年間というところが多いです。

大学院の卒業までは最短で5年となりますが、中には海外の最先端技術を学ぶために休学をして留学をするという人も多いために、実際には7年間から10年間近くの長期間で院生を続けている人もいます。

また、大学院で高度な知識や研究実績を残したのちに、修了後は一般企業での研究職に就職するというものが通常の流れのようです。20代後半~30代前半で社会人としての第一歩を踏み出すことも珍しくない学部です。

臨床心理士などの平均は何年か

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臨床心理士になるために最も一般的な方法としては、指定されている大学院を修了し所定の条件を満たしていることが求められています。では、臨床心理士になるための大学院は、卒業までに何年かかるのでしょうか。

通常、臨床心理士の大学院は2年課程となります。また、私立の通信制に通う場合は3年になります。臨床心理士の場合は、働きながら資格を取るために勉強するという人もいます。

なお、指定されている大学院に入学するためには、4年制の大学を卒業していることが必須条件となります。

大学院には最長何年通えるのか

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大学院は、これまでの解説してきたように「修士課程」と「博士課程」のふたつに分かれています。修士課程を修了しないと博士課程に進むことはできないため、修士課程のことを前期、博士課程のことを後期とも呼ばれています。

大学院の課程や学部によっての卒業まで何年かかるかの期間は理解できましたが、大学院は最長で何年間通えるのでしょうか。

修士課程は4年平均・博士課程は6年平均

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大学院は最長で何年通えるのかということについてですが、修士課程の場合はおよそ4年間としているところが多いようです。また、博士課程は6年間としているのが多いようです。

通える上限年数が何年なのかはそれぞれの大学や学部によって異なるため、もし大学院への進学を考えているのであれば、自分が行きたい大学院は最長で何年間通えるのかを事前に確認するようにしましょう。

大学院の卒業後の進路

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大学院を卒業するまでに何年かかるのか、最長で何年通えるのかといったことは理解できました。しかし、将来のことを考えると、大学院を卒業後の就職事情はどうなっているのか気になっている方もいるでしょう。特に大学院の進学を考えている人には、修了後の進路も気になるところです。

「大学を出ている方が就職に有利だ」や「就職の為に大学院に進学する」といった言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。はたして、大学院を卒業すると就職は有利になるのでしょうか。ここからは、大学院を卒業後の進路についてご紹介していきます。

理系大学院生の場合

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理系大学院生の場合は、修士卒では企業の「技術職」や「開発職」、中には「公務員」などになる人もいるようです。博士課程を修了した人は、これらの仕事のほかに、大学や公的な研究機関で「研究員」となる人もいます。

そのほかには、「建設業」や「通信業」などの会社も理系大学院生の採用割合が多いようで、自分の学んだ専攻分野を社会に出てもそのまま生かせる、あるいは社会から求められている傾向が強い分野なことが理系の大学院生の特徴と言えるでしょう。

文系大学院生の場合

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一方で、文系大学院生が実際に就職している業界は「教育業界」が最も多いようで、続いて「学術研究」、「専門・技術サービス業」、「公務員」などになっています。文系の大学院生であっても、自分が学んだ専門分野を生かせる仕事に就いているという人は多いようです。

また、「医療・福祉」や「情報通信業」、「製造業」など、専門分野がそのまま直結する業界ではなく、「情報を適切な方法で集め、論理的に分析をする」などといった大学院で培ったスキルを活かして、専門分野以外の業種での就職をする人も多いようです。

文系の中でも法律関係の専攻を選んだ大学院生は専門的な知識を活かせる業種が多いため就活では比較的有利ですが、文化学などを専攻した学生の就職先は就職先も少ないため就活がやや不利となっているようです。

大学院は最短2年・最長5年かけて卒業する

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大学院は、修士課程で修了する場合は2年間大学院に通い、修士課程を終了後に博士課程も修了する場合は5年間大学院に通うことになります。

また、在籍する学部によって卒業までの期間が異なるため、卒業までに10年以上かかる学部もあることや、卒業後は専門分野や研究を通じて得られた能力が活かせる職場が多くあることも理解できました。

大学院へ進学することは簡単なことではありません。なりたい職業に就くために多くの時間を要する場合もあるでしょう。実際には異なる職種に就いた方もいますが、大学院で学んだことは決して無駄にはなりません。

学生の間だけに限らず、人生は勉強の連続となります。自分のなりたい職業に就くためには大学院への進学をするべきなのか、卒業までに何年かかるのかを考えて将来設計を建てていきましょう。

あずき
ライター

あずき

ライティング業務は初めての試みです。たくさんのジャンルに触れて自分の知識の幅を増やせたらと思います。

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