スギナは早めの駆除が大切!
スギナは春から夏ごろにかけて日本全国で増殖するシダ植物の仲間です。何度も駆除してもまた生えてくるため駆除するのがとても大変な雑草で、気づいたらスギナが庭中に繁殖しているなんてこともあるでしょう。
スギナは繁殖する力が強いので、早めに駆除することがとても大切です。そこで今回はスギナの特徴や駆除の方法、繁殖を予防する方法、おすすめの駆除剤などを解説しましょう。
スギナの特徴とは?
まずはスギナの特徴について説明しましょう。先程も述べたようにスギナには「繁殖力が強い」という特徴があり、その他にも「しつこく駆除するのが難しい」や「春先にはつくしになる」といった特徴も持っています。
繁殖力が強い
スギナは繁殖力が強いことで有名な雑草です。山や野原、畑、土手などの農耕地帯だけではなく市街地にも広く繁殖しています。
本来は湿気の多いところを好んで繁殖する雑草ですが、畑などにも繁殖し色々なところでスギナを目にします。繁殖力がとても強いので、少しでも放置しているとどんどん繁殖してしまい大変なことになってしまうでしょう。
しつこく駆除が困難
先程も述べたようにスギナは繁殖力がとても強い雑草です。さらに「何度駆除しても繁殖してくる」という特徴もスギナにはあり、そのしつこさから「地獄草」という別名で呼ばれることもあります。
スギナが何度駆除しても繁殖する理由として「地下茎の生命力の強さ」が挙げられます。地下茎とは根っこのことを差しますが、地下茎が地中で長く伸びているので、地上に出ている葉の部分を刈り取っても地下茎が残っていれば葉をまた伸ばし繁殖してしまいます。
そのためスギナを駆除するためには、地上に出ている葉の部分だけではなく地下茎も含めて駆除しないと、何度も駆除しても繰り返し繁殖する原因となります。
春先につくしを生やす
春になると道端などで目にすることが増えたり、春の旬の食材として料理にされることもあるつくしですが、スギナの特徴のひとつとして「春先にはつくしを生やす」が挙げられます。つまり、つくしとはスギナの一部ということです。
地下茎から葉の部分が成長すると、地上部分では栄養茎と胞子茎に分かれて繁殖していきます。この栄養茎をスギナ、胞子茎をつくしと呼びます。
つくしの先には胞子穂がついていて、この胞子穂から胞子を放出します。胞子を放出した後は胞子茎は枯れていき、次いで栄養茎であるスギナが伸びてきます。つまり、つくしが生えているところには必ずスギナが繁殖してくるということです。
薬草の一面もある
スギナはやっかいな雑草として思われがちですが、栄養が豊富なため昔から薬草として使用されていました。スギナを乾燥させてお茶として飲む人が多く、自分でスギナを採り茶葉を作る人もたくさんいます。
主な効果として「利尿作用」や「血液の浄化作用」「デトックス作用」「自律神経の整調作用」が挙げられます。スギナにはカリウムやナトリウム、カルシウム、リンが豊富に含まれており、「ミネラルの宝庫」とも呼ばれています。
その他にも解熱やアトピー性皮膚炎の改善、糖尿病の予防など、様々な症状の改善や予防の効果が期待できます。
特に女性に嬉しい効果も
スギナには特に女性に嬉しい効果がたくさんあります。コラーゲンの密度を高めるため、肌のハリをよくしたりシワやたるみ、筋肉老化の防止が期待できます。
また、先程も述べたようにスギナにはデトックス効果があるため、むくみの改善やダイエット効果も期待できるでしょう。
その他にも歯のエナメル質や爪の強度を保つ効果や、髪の毛全体に栄養を行き渡らせてツヤのある髪にする効果もあります。
お茶として飲むだけではなくスギナをお風呂にいれる人もたくさんいますが、スギナをお風呂にいれて入浴剤代わりにすることで肌への効果が期待できます。
スギナの効果的な駆除方法6選
続いてスギナの効果的な駆除方法について解説します。スギナの効果的な駆除方法はスギナを抜くことだけではなく除草剤や石灰、塩、肥料など様々です。
スギナは繁殖力が強いため早めに駆除することが重要となります。今回は効果的な駆除方法を厳選して6つ紹介するのでぜひ色々試してみてください。
駆除方法①除草剤
最初に紹介する効果的な駆除方法は除草剤です。「地獄草」と呼ばれているスギナも除草剤の力には勝てません。除草剤を使って根っこの部分まで枯らすことで、スギナを効果的に駆除することができます。
除草剤を使えば手間もかからず効率よく駆除することが可能です。また、根っこ部分まで枯らしているので新たに生えてくる心配もありません。
除草剤の使用方法として「スギナの胞子(つくし)に除草剤をかける」「生えてきたスギナに除草剤をかける」「土に除草剤を染み込ませて駆除する」が挙げられます。
スギナの胞子に除草剤をかける
スギナの一部であるつくしは、少し衝撃を与えるだけでも胞子が放出されます。そのためつくしを刈り取っても刈り取った衝撃で胞子が放出されてしまうため効果的な駆除とは言えません。
胞子が放出されないよう、つくしの胞子の部分に除草剤をかけてから刈り取るようにしましょう。除草剤をかけることで胞子が出る心配も無くなるので、スギナが繁殖することもなくなります。
生えてきたスギナに除草剤をかける
つくしに除草剤をかけて駆除する他にも、つくしが枯れて生えてきたスギナに除草剤をかけるのも効果的です。スギナに除草剤をかけるだけなので、とても簡単に駆除することができます。万が一、また繁殖してきても再度除草剤をまけば駆除することができます。
土に除草剤を染み込ませて駆除する
スギナやつくしが生えてきてから駆除することも効果的な駆除方法のひとつですが、生えてくる前に土に除草剤を染み込ませることでスギナを駆除することもできます。その場合は、土に染み込ませるタイプの除草剤を使うようにしましょう。
駆除方法②地下茎(根茎)や塊茎を抜く
先程も述べたように、スギナは地上に出ている葉の部分だけ駆除しても地中に根っこが残っている限り再び繁殖してきます。そのため、スギナを駆除したい場合は根っこの地下茎や塊茎(根っこについている塊)も駆除しなくてはいけません。
スギナは成長が早く、1週間もすれば再びスギナが生えてきます。そのため、地下茎や塊茎を何度も抜くことで成長することが出来ずに次第に枯れていきます。
できれば毎日スギナの地下茎や塊茎を抜くようにして、スギナの成長を止めましょう。とても手間と時間がかかるので、スコップなど道具を使って効率よく作業することをおすすめします。
駆除方法③石灰
スギナの効果的な駆除方法のひとつとして「石灰」が挙げられます。土に石灰を混ぜて土壌を酸性からアルカリ性へ変えることでスギナが育ちにくくなります。石灰の駆除方法にはコストがあまりかからず簡単にできるというメリットがあります。
石灰で駆除するときの注意点
石灰を使ってスギナを駆除するときにはいくつか注意点があります。まずは、石灰を土にまくときには肌の露出が少ない恰好で作業するようにしましょう。肌に石灰がつくと炎症を起こす可能性があります。できたらマスクや眼鏡を着用することをおすすめします。
そして、ペットや小さなお子さんがいる場合は注意が必要です。肌に石灰がついたり誤って口や目に入ってしまった場合、とても危険なので、なるべくペットやお子さんがいるお家では石灰の使用は避けたほうがいいでしょう。
また、作業の効率化のために肥料と石灰を混ぜてしまう人もいますが、肥料と石灰を同時に使用するとアンモニアガスを発生させる可能性があるので避けるようにしてください。最低でも1週間は間隔を空けて使用するようにしましょう。
駆除方法④熱湯
熱湯をかけることもスギナの効果的な駆除方法です。植物には熱湯をかけられると枯れてしまうという特徴があり、スギナも同様に熱湯がかかると枯れてしまいます。
ただし、あくまでも駆除できるのは地上に出ている部分だけで根っこ部分は残ってしまうので、再びスギナが生えてきたときには再び駆除をする必要があります。
この駆除方法はスギナが繁殖している範囲が広いと大量の熱湯が必要となるので、狭い限られた範囲のスギナを駆除するときにおすすめの方法です。
駆除方法⑤肥料
スギナは栄養が少ない土を好んで繁殖します。そのため肥料をまいて栄養のある土に変えることもスギナを駆除する効果的な方法です。スギナを繁殖させたくないところには肥料をまいて、スギナが生えてこないようにしましょう。
駆除方法⑥塩
最後に紹介するスギナの効果的な駆除方法は、塩を使った駆除方法です。大量の塩もしくは塩水をスギナの根本部分にまくことで、スギナを駆除することができます。おおよそ数日から1週間で効果が出てくるでしょう。
塩で駆除する時の注意点
塩を使ってスギナを駆除する時には注意点があります。塩もしくは塩水を土にかけることでスギナを駆除することができますが、土は塩を簡単に分解することができずそのまま残ってしまいます。
そのため塩もしくは塩水をまいたところには、しばらくの間他の植物も育たなくなってしまいます。もし家庭菜園をしようと考えているところにまいてしまうと作物も育たなくなるので注意しましょう。
また、場合によっては雨によって塩分が周囲に広がり、周辺の植物も枯らしたり配管を劣化させる恐れがあります。このように様々なリスクもあるので、塩をまいてスギナを駆除するときには周辺にも気を付けなくてはいけません。
スギナを生やさない為の予防法とは?
ここまでスギナの効果的な駆除方法について紹介しましたが、そもそもスギナを繁殖させないために予防することも大切です。そこでスギナの予防法についても解説しましょう。スギナの主な予防法として「防草シート」と「中耕」が挙げられます。
防草シートの活用
スギナの予防法として「防草シート」が挙げられます。防草シートとは日光を遮断して植物の成長を遅くしたり繁殖しないように予防するシートで、ホームセンターなどで購入することができます。
スギナを含めて植物は、日光を浴び光合成することで成長していきます。そのため防草シートを敷いて日光を妨げることで、植物の繁殖を予防することが可能です。
なお、スギナの予防のために防草シートを活用するときには、防草シートを敷く前にスギナを駆除するようにしてください。
防草シートを選ぶ時の注意点
防草シートは「織布シート」と「不織布シート」の2種類があります。スギナの予防のために防草シートを使用するときには、必ず不織布シートを購入するようにしましょう。織布シートだと、スギナが防草シートを突き抜けて繁殖するため予防効果がありません。
また、防草シートは値段が安いものから高いものまで様々ですが、しっかりと予防したいときには値段ではなく質で選ぶようにしましょう。質が悪い防草シートだと、予防効果が低かったり劣化しやすいためシート交換の手間が多くなります。
一般的には防草シートの耐用年数は約10年ぐらいのものが多いですが、なかにはもっと短い5年くらいの防草シートもたくさんあります。防草シートを選ぶときには耐用年数を確認してから購入するようにしてください。
中耕をする
畑や花壇の土は、雨が降ったり日々の水やり、そして人が土の上を歩くことで地面が固まり排水性や通気性が悪くなってしまいます。クワやミニスコップなどを使って固まった土を耕し、排水性や通気性をよくすることを「中耕」と言います。
中耕は土を耕すときに雑草の根っこを千切るため、除草の効果も期待できます。そのため、スギナを予防したいときには中耕も効果的な予防法と言えるでしょう。駆除剤やシートを使いたくないという場合は、中耕をしてスギナを予防することをおすすめします。
スギナを放っておくとどうなる?
スギナは繁殖力が強いので駆除しないとどんどん繁殖していきます。スギナをそのまま放っておくと、どんなリスクがあるのでしょうか。続いてスギナを放置しておくと、どういったことが起こるのか解説します。
アレルギー症状が出ることも
スギナは雑草のひとつなので、スギナを放置しておくことで雑草アレルギーを引き起こす可能性があります。雑草アレルギーとは雑草が飛ばす花粉によって鼻水や目のかゆみ、肌荒れといったアレルギー症状を引き起こすことをさします。
雑草アレルギーを引き起こす代表的な雑草はブタクサやスズメノカタビラ、チカラシバなどが挙げられますが、スギナでも雑草アレルギーを引き起こす可能性があるので、アレルギー持ちの人は特に注意が必要です。
虫が寄ってくる
スギナを放置しておくと、虫が寄ってくるというリスクもあります。スギナを好んで食べる虫は少なくスギナを食べてくれるので駆除にはなりますが、やはり虫の数が増えると気持ち悪く感じる人もいるでしょう。
また他の植物や作物にまで被害が及ぶ可能性もあるので、なるべく虫が近寄ってこないように早いうちにスギナを駆除しておくことをおすすめします。
スギナ対策におすすめの駆除剤
スギナを駆除するときには駆除剤を使用するとあまり手間もかからず簡単に駆除することができます。駆除剤の種類は色々ありますが、それらのなかからスギナ対策におすすめの駆除剤をいくつか紹介しましょう。
日産化学・ラウンドアップマックスロードAL
最初に紹介するスギナ対策におすすめの駆除剤は日産化学工業の「ラウンドアップマックスロードAL」です。スギナを駆除するときにはグリホサート系の駆除剤が主に使用されますが、ラウンドアップマックスロードALはそのグリホサート系の駆除剤です。
ラウンドアップマックスロードALは水に薄めずにそのまま撒くことができるので、駆除初心者の人でも簡単に使用することができます。スギナに水やりをするようにラウンドアップマックスロードALを撒けば数日でスギナが枯れ始めます。
ラウンドアップマックスロードALの特徴
ラウンドアップマックスロードALは、葉の部分にかけることで駆除剤の効果が地下茎まで浸透し、地中の根っこから枯らすことができるという特徴があります。
また、ラウンドアップマックスロードALを撒いた後にもし雨が降っても駆除剤の効果はそのまま持続します。天気の悪い日や梅雨の時期に使うにはおすすめの駆除剤です。
このように雨が降っても駆除剤の効果が衰えることはありませんが、ラウンドアップマックスロードALには除草剤の成分が残りにくいという特徴もあります。
葉につくことなく駆除剤が地上に落ちた場合、土の微生物によって炭酸ガスや水などの自然物に分解されます。そのため、駆除剤を撒いたあとでも植物や作物を植えることが可能です。
その他のグリホサート系の駆除剤
ラウンドアップマックスロードAL以外のグリホサート系の駆除剤として「サンフーロン」が挙げられます。サンフーロンはラウンドアップマックスロードALのジェネリック商品のため、安く購入することが可能です。
ラウンドアップマックスロードALとは異なり水で薄めるという手間はかかりますが、しつこい雑草には濃度高めで駆除剤を作って散布することで、より高い効果を期待することができます。
ラウンドアップマックスロードALと同じように葉につかずに土に落ちた駆除剤は分解されるため、畑などにも使用可能です。ただ雨が降ると効果が弱くなってしまうため、梅雨の時期など雨の心配があるときにはラウンドアップマックスロードALの方がおすすめです。
アイリスオーヤマ・除草剤SJS-2L
アイリスオーヤマの「除草剤SJS-2L」もスギナ対策におすすめの駆除剤です。先程紹介したラウンドアップマックスロードALと使い方は同じで、水で薄めることなくそのままスギナに駆除剤をかけることができます。
ボトルがシャワー状になっているので、容器からそのまま直接スギナに駆除剤をかけることが可能です。そのため、花壇や家庭菜園など他の植物にかからないようにピンポイントでスギナを駆除したいときにとても便利です。
除草剤SJS-2Lの特徴
除草剤SJS-2Lの特徴は、基本的にはラウンドアップマックスロードALと同じです。葉に駆除剤が付着すると葉から浸透し、根っこまで枯らすことができます。効果は数日から1週間程度で発現し、速効性のある駆除剤です。
また、土に落ちた駆除剤はラウンドアップマックスロードALと同じように土の微生物によって分解され、他の植物に悪影響を及ぼすことはありません。
フマキラー・オールキラー
ラウンドアップマックスロードALと除草剤SJS-2Lは液体タイプの駆除剤ですが、最後に紹介するフマキラーの「オールキラー」は粒タイプの駆除剤です。スギナを駆除したい個所に粒をパラパラと撒くことで駆除することができます。
一度オールキラーを散布すると約6ヶ月効果が持続します。そのため、スギナの駆除であれば年1回の使用で充分に効果が期待できるでしょう。
オールキラーは土壌近くに薬剤が留まるため、既に生えている雑草だけではなく、新しく生えてくる雑草にも効果が期待でき、予防としても使用可能です。
オールキラーの特徴
駆除剤などの農薬は独特な臭いがする商品が多いですが、オールキラーは嫌な臭いがほとんどしないという特徴があります。また、液体タイプと異なり誤って肌に付着してしまうことも少ないので安心して使用することができます。
オールキラーの注意点
オールキラーはあらゆる植物に効果がある非選択性除草剤のひとつです。そのため雑草だけではなく作物や花なども枯らしてしまいます。また、薬剤は土壌に留まり効果が約6ヶ月間は持続するため、花壇や畑などその他の植物・作物を栽培するところに使用する場合は注意してください。
スギナは自分の環境に合った駆除方法をしよう!
スギナは繁殖力がとても強く、放置しておくとどんどん繁殖していくため、なるべく早めに駆除することが大切です。スギナが生えてくる前、もしくはつくしやスギナが生えてきた早い段階で対策を取るようにしましょう。
花壇や庭、畑など様々な場所にスギナは繁殖しますが、駆除をするときにはその場所にあった方法で駆除をするようにしてください。場合によっては他の作物・植物に悪影響を及ぼす可能性もあるので注意しましょう。
周辺への影響や子供やペットに危険が及ばないか等、色々検討し、スギナを駆除するときにはそれぞれの場所や環境に合った方法で駆除するようにしてください。