「ヤーマン」の意味は?正しい使い方や語源も分かりやすく解説!

「ヤーマン」の意味は?正しい使い方や語源も分かりやすく解説!

「ヤーマン」という言葉の意味をご存知でしょうか?クラブやフェスなどの音楽シーンで聞くことが多いヤーマンですが、語源的にはジャマイカのパトワ語と言われ、レゲエで挨拶の意味で多用されます。ここではヤーマンの意味や使い方についてご紹介します。

記事の目次

  1. 1.ヤーマンの意味とは
  2. 2.ヤーマンの由来
  3. 3.ヤーマンの特徴
  4. 4.ヤーマン以外のパトワ語
  5. 5.ヤーマンの使い方
  6. 6.ヤーマンは挨拶で「調子は?」の意味

ヤーマンの意味とは

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ヤーマンという言葉の意味をご存知でしょうか?まず「ヤーマン」という単語を単独で検索すると、ひょっとすると美容家電の会社がヒットするかも知れませんが、ここで言うヤーマンは音楽シーン、特にレゲエのライブやフェスなどでよく聞かれるワードになります。

ヤーマンの意味としては、軽い挨拶の意味「元気?」「調子はどう?」というような意味で使われます。以下では、ヤーマンの由来や特徴、類似の言葉、使い方などについてご紹介していきます。

ヤーマンの由来

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ヤーマンって、そもそもどこの言葉でしょうか?沖縄の方言にも似た響きの言葉があるようですが、ヤーマンはジャマイカの言葉、パトワ語という英語と現地語の混じったものが語源なのだそうです。

ちなみにパトワ語のパトワとは、もともとフランス語の「訛り」という意味だそうで、要は英語のジャマイカ訛りのような意味合い。ジャマイカが植民地だった時代、奴隷の言葉として、支配階級にわからないようにスラングとして発展したという悲しい歴史があります。

また、後でも述べますがヤーマンはレゲエでよく聞かれる言葉ですが、レゲエもジャマイカの抑圧された時代からの開放を象徴する音楽ですし、貧困の中で明るく振る舞う挨拶の「ヤーマン」という言葉は、能天気なだけではなく深い深い意味があったのでした。

ヤーマンの特徴

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そんなジャマイカの歴史の中で生まれたヤーマンという言葉ですが、どのような特徴があるのでしょうか?ちらっと述べましたが、そもそも音楽シーン、特にレゲエで多用されます。また、意味としては仲間内の軽い挨拶です。では、それぞれもう少し詳しく見ていきましょう。

レゲエで多用される

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ジャマイカといえばレゲエ、レゲエといえばジャマイカ、切っても切れない関係です。当然、パトワ語の挨拶であるヤーマンはよく出てきますし、レゲエのダンスホールやフェスでは掛け声として頻繁に登場するのは当たり前と言えます。

ヤーマンはレゲエでは挨拶以外にも、感嘆や相槌として、呼びかけとしてよく使われます。ジャマイカでは街中でヤーマンという言葉が頻繁に聞かれ、フェス会場などでも同様と言います。レゲエと言えばヤーマン、ヤーマンと言えばレゲエ、こちらも切っても切れません。

レゲエは、人々が愛と平和の精神をゆっくりしたビートに乗せて歌う音楽。明るい曲調やヤーマンと言う明るい挨拶の本当の意味は、抑圧からの開放、政治や宗教的な意味合いも色濃く反映されています。そう考えるとヤーマンという響きも違って聞こえるかも知れません。

挨拶の意味

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もともと英語のYo, man!やYear, man!が変化して「Yahman(ヤーマン)」となったとする説が濃厚です。つまり、Yo, man, what's up?のような感じで親しい間柄の友達どうしで交わすジャマイカ版の挨拶ということになります。

ちょっとおもしろいのは、「ヤーマン!」と言われたら「ヤーマン!」と返すことも多いそうです。つまり「元気?」「元気!」みたいな感じのやり取りなのかも知れません。この気軽さが広く使われてしまう理由なのでしょう。

ちなみにヤーマンと言って挨拶するときには、握手やハイタッチではなく、拳と拳を突き合わせて挨拶をするのがジャマイカ流なのだそうです。覚えておきましょう。

ヤーマン以外のパトワ語

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ヤーマンはパトワ語というジャマイカ訛りの英語が語源でした。そのパトワ語には他にもたくさん特徴的な言葉があります。それらには前述したような歴史的背景があり、深い意味があったりします。以下ではパトワ語のヤーマン以外のいくつかの例に関して少し掘り下げてみます。

バビロンの意味と使い方

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バビロンとは古代に栄えた中東の都市の名前なのですが、旧約聖書にも登場します。半分以上神話の世界なのですが、当時バビロン王朝では人間が傲慢になり、神に近づけると考えて有名な「バベルの塔」を建設し、神から怒りを買うのでした。

このことから、パトワ語のバビロンには人間のエゴや利権、背徳性を暗示する意味合いが含まれるようになりました。これが更に転じて、ヒップホップやレゲエにおいては、権力、悪などを指したり、国家権力や警察権力、邪悪なもの、やばい場所、などを指すパトワ語になりました。

逆の言葉としてはザイオン(あるいはシオン)が使われます。こちらは天国、というような意味です。旧約聖書の「約束の地」から来ています。いずれにしてもヤーマンに比べるとシリアスな言葉たちですが、レゲエなどの音楽シーンではよく使われるので覚えておきましょう。

アヤナイの意味と使い方

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バビロンが少し重ための用語だったので、少し軽めのパトワ語もご紹介します。アヤナイです。これは英語では「I and I」で、「私と私」という意味になりますが、ここからが少し不思議な解釈になっていきます。

わたしとわたし、とは、二人の私ではなく、あなたとわたし、わたしとあなた、どちらも区別がない、相手と自分を分け隔てしない、という意味なのだそうです。つまり、融和、一体化、調和を意味します。

相手とヤーマンと挨拶を交わし、アヤナイで一体化すれば、もうハッピー以外の何物でもありません。人類みな兄弟的な平和な響きです。レゲエの明るい音楽にマッチする意味と言えるでしょう。

ヤーマンの使い方

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ヤーマンはレゲエ、ヒップホップなどの音楽を聴いたり、フェスやライブイベントでよく聞く言葉ではありますが、あまりにヤーマンを頻発されるのでどんな意味で使われるのかは結構曖昧だったりします。以下では、いくつかシチュエーション別にヤーマンの使い方について示して行きます。

例文①

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すでに前述しましたが、ヤーマンが「調子はどう?」の意味で使われるパターンです。英語にすると「Hi!」や「What's up?」に相当する感じの使い方になります。間奏の間のMCのパートなどで軽い挨拶として観客に問われたりします。

当然、それには「最高!」と答えたりするはずですが、そんなときも「ヤーマン!」と答えられるのが便利なところです。

例文②

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先ほどの「調子はどう?」に近いですが、MCから「楽しんでるかい?」「準備はいいかい?」などと聞かれる場合があります。そんなときの返事としてもヤーマンが使えます。つまり英語で「Yes!」に相当する意味で使われるということです。

確かに、「はーい」とか「そうです」とか答えるよりも、「ヤーマン」と答えたほうがノリノリな感じがします。ヤーマンが「Yes」の代わりの意味で使えるということは覚えておくと良さそうです。

例文③

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次は、仲間内での軽いノリでの挨拶として使う使い方です。クラブイベントやフェスなどで、レゲエのリズムに乗って体を揺らしているとき、近くにいる友だち同士で「ヤーマン!」と言い合う場面がよく見られます。

これは特に深い意味はなく、強いて言えば日本語の「イエーイ」に相当するような軽いノリ、相槌のような意味での使い方です。これもよく使われているので、ぜひ真似してみて下さい。

例文④

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最後は日本の音楽シーンの例を見ていきます。2006年にメジャーデビューしたHIBIKILLA(ヒビキラー)というレゲエアーティストが、2009年にCDシングルとして「ヤーマン」という曲を発表しています。

この楽曲にはたくさんのヤーマンという歌詞が出てきます。ただ、ヤーマンという言葉の本当の使い方からはかなり逸脱していて、例えば「俺が歌えば本気ヤーマン、拍手が鳴りヤーマン」などという使い方もしています。

使い方の紹介にはふさわしくないかも知れませんが、面白いので一度聞いてみても良いかも知れません。時間があったらチェックしてみて下さい。

ヤーマンは挨拶で「調子は?」の意味

Photo by allspice1

ヤーマンという言葉について、意味や由来、特徴についてご紹介してきました。レゲエで多用される「調子はどう?」といった挨拶として、また相槌や同意の意味で使われることを説明してきました。

また、背景としてのレゲエ、ジャマイカの歴史、パトワ語という言葉についても説明しました。能天気に思えるレゲエのリズムの裏には、貧困や抑圧、奴隷制度、開放など、深い深い歴史があり、政治や宗教的な意味合いもある中で、愛と平和の精神を音楽にしたのがレゲエなのでした。

そんなレゲエにおいて、クラブシーンやフェスなどでは、明るく、楽しくヤーマンという言葉が飛び交います。レゲエのゆったりしたリズムに体を揺らしながら、愛と平和について考えてみるのも良いかも知れません。

macaoki2001
ライター

macaoki2001

根が理系、乙女チックなところもあり、料理好きだったりする男子です。科学、テクノロジー全般、料理、ファッションなんかが好物です。

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