コンペンセイターとマズルブレーキはほぼ一緒
マズルブレーキとコンペンセイター、いずれも銃口の先端につけるアタッチメントで、銃を撃った時に起こるリコイル(反動)や銃身のブレを抑える目的で取り付けられていて、日本語で別名「銃口制退器」とも呼ばれています。
マズルブレーキもコンペンセイターも共に、発射ガスをセーブすることで、標的に当たる精度をあげ、さらに体へのダメージを軽減することができるメリットがあります。
あえて違いを言えば、競技用のマズルブレーキをコンペンセイターというように呼び分けすることもありますが、一般的にはマズルブレーキとコンペンセイターはほぼ一緒のもの、という認識で大丈夫です。
コンペンセイターとは
コンペンセイターは、銃や砲を撃つ時に出る発射ガスの圧力を、空いている穴から逃がすことで、銃身のブレやリコイル(反動)を軽減する効果があるアタッチメントです。
しかし、コンペンセイターは、排出される発射ガスを弾道以外の多方向へ分散させますが、弾丸のスピードには影響がありません。
その理由は、弾頭はバレル内で加速はしますが、銃口から30~100cmほど出た辺りで最高速度に達し、その後も慣性の法則により飛び続けるため、ガス圧の影響を受けにくいからです。
また、コンペンセイターは競技用のハンドガンに使用されますが、ライフルでも使用されるなど、どちらかというと大型の銃に使用されることが多いです。
また、大型の銃を用いてチームメイトと一緒に射撃する場合は、コンペンセイターに空けられている穴の向きが横又は後方についている種類のものは避けましょう。
なぜなら、射撃で生じた発射ガスが、近くで射撃しているチームメイトに当たってしまうからです。そのため、用途がはっきりしている場合は、コンペンセイターの形状や穴の向きなどをよく吟味することが大切です。
銃のアタッチメント
コンペンセイターは、銃口の先端につけるアタッチメントで、円筒形や箱型をしていて、発射ガスを逃がすための穴が空いています。また、取り付ける銃の大きさや効果、用途に応じて、さまざまな種類があります。
コンペンセイターは、発射ガスを銃口とは違う向きに逃がすことにより、前方に抜けていくガス圧を下げ、その結果リコイルと言われる反動が減り、また銃身のブレを減少させる効果があります。
つまり、コンペンセイターを取り付けることで、射撃の精度を上げ、さらに体への負担も減らすことができます。これは、特に連射が必要な時に重要な役割を果たします。
コンペンセイターの効果や役割
続いて、コンペンセイターの役割と効果について説明します。コンペンセイターは、マズルブレーキと同じ効果があり、銃を発射する際に出る発射ガスをバレルに空いている穴から逃がし、ガス圧を下げることで、リコイル(反動)や銃身のブレを抑えることができます。
つまり、コンペンセイターは銃口の跳ね上がりやリコイル(反動)を制御できるため、精密射撃が可能になり、特に連射する際に大きな役割を果たします。そのため、特に競技などの射撃に精度が必要な場面では、装着するかしないかで、死活問題になることもあります。
また、ライフルはリコイル(反動)が大きいと肩を痛めてしまうことがあるため、体を保護する意味でも、コンペンセイターは大きな役割を担っています。
マズルフラッシュやコンペンセイターとは性能が違いますが、フラッシュハイダーという発火炎を抑えるなど機能を持つアタッチメントがあり、この機能を兼ねているコンペンセイターもあります。
マズルブレーキとの違い
マズルブレーキは、もともと戦車や野砲の砲に使われており、開けられた穴から発射ガスを出し、戦車が後退することを抑制するために装着されていたことが起源になっています。
一方、コンペンセイターは「カッツ・コンペンセイター」と言われる、上方から発射ガスを出し、銃口の跳ね上がりを抑制するアタッチメントの事を指していました。しかし、近年はコンペンセイターとマズルブレーキとの違いは明確に示されていません。
あえて違いを指摘するならば、コンペンセイターは競技用銃のアタッチメントとして使われることが多いです。また、オートマチックハンドガン用のマズルブレーキなど、大型のものを、コンペンセイターということもあります。
フラッシュライダーは別物
フラッシュハイダーは、マズルブレーキやコンペンセイターと同様に、銃口に取り付けられる円筒形のアタッチメントです。しかし、フラッシュハイダーは、コンペンセイターやマズルブレーキとは性能が違います。
フラッシュハイダーは、リコイル(反動)を抑える効果はありません。しかし、銃口から発せられるマズルフラッシュ(発射炎)を抑える効果があります。そのため、暗い中での射撃でも標的を見えやすくなります。
また夜間に発射炎が抑えることができると、標的にこちら側の存在をわかりにくくすることができるため、より確実に標的をしとめることができるようになります。
さらに、フラッシュハイダーは、銃を発射する際に必ず出てしまう射撃音を抑える効果もあるため、射手の耳を保護する性能もあります。
コンペンセイターの種類と性能
コンペンセイターは、大きさや全体の形、空いている穴の位置や向きが違い、それらにより、コンペンセイターの性能や効果にも違いがあります。
そのため、持っている銃にどんな性能を持たせたいのか、またどのような見た目にしたいのか、しっかりと見通しを持ち、カスタマイズすることが大切です。
では、実際にコンペンセイターには、どんな種類と性能があるのか、大型ライフル用マズルブレーキ、競技用コンペンセイター、野砲用マズルブレーキ、フラッシュハイダーと合わさったものを例に挙げながら説明します。
大型ライフル用マズルブレーキ
大型ライフルは、銃の大きさと同様に、扱う弾薬が大きいものになり、当然ながらそれを送り出すための発射ガスの威力も大きなものになります。そのため燃焼ガスを多く抑制する必要があるので、マズルブレーキ自体のサイズも大きいタイプのものが多くなっています。
大型ライフルを射撃した際の燃焼ガスの勢いが大きいため、地面にガスが排出されると、地面の砂や土を吹き飛ばしてしまうほどの勢いがあります。
しかし、砂ぼこりなどが立ってしまうと、自分の視界を遮ってしまうだけでなく、相手に存在が気づかれてしまう可能性があります。
そのため大型ライフル用マズルブレーキは、空ける穴の数を多くしたり、穴を大きくする以外にも、発射ガスがなるべく地面に向かって吹き付けないよう、発射ガスが排出される穴の向きが地面と平行になっている種類のものがたくさんみられます。
競技用コンペンセイター
続いて、競技用コンペンセイターについてです。的を打ち抜く速さを競う競技においては、銃の跳ね上がりやリコイルによるタイムロスや銃身のブレは、結果を左右する大きな打撃となります。
そのため、特に競技用射撃の銃には、コンペンセイターは欠かせない存在と言えます。また、特に競技用コンペンセイターにおいては、跳ね上がりを防ぐ効果を特に求めるため、上部に発射ガスを出すための穴がついている種類のコンペンセイターが多いです。
野砲用マズルブレーキ
野砲用マズルブレーキは、特に第二次世界大戦以前の戦車の砲に使われていました。また、野砲用マズルブレーキは、車体の大きさや砲の威力の大きさに合わせて、大きなサイズのものを使い、戦車の後退や設置面が大きく破壊されてしまうことを防いでいました。
しかしながら、野砲にマズルブレーキをつけることによるデメリットとして、砲を打った後の視界が妨げられるなどがありました。
そのため最近では、リスクの回避や近年の精度が高い車体が増えたなどの理由から、野砲用マズルブレーキはあまり使われなくなりました。
フラッシュハイダーと合わさったものも
フラッシュハイダーは、マズルフラッシュと言われる発火炎を抑えたり、射撃音を抑える効果を目的にされたアタッチメントですが、最近では技術の向上により、マズルブレーキとフラッシュハイダーの機能を兼ね備えた種類のものもあります。
フラッシュハイダーの性能も兼ねているマズルブレーキは、空いている穴の形状や数によって性能が異なりますので、銃に必要な効果や用途を考慮して選びましょう。
コンペンセイターの選び方
コンペンセイターは、さまざまな形、大きさのものや、発射ガスを逃がすための穴の数、穴の大きさ、穴の向きが違うものも多くあり、いったいどれを選べばいいのか迷います。
続いて、実際にコンペンセイターを選ぶにあたり、どんなことに気をつければよいのか、選ぶ時のポイントを3つ紹介します。
①効果で選ぶ
コンペンセイターは、マズルブレーキと同様に、発射ガスをガスポートから逃がすことにより、銃身のブレやリコイルを防ぐ効果があります。
コンペンセイターの多くは、円筒形をしていますが、角ばった形状のものもありますし、発射ガスを逃がすための穴の位置や、数、向きなどに違いがあり、その種類はとてもたくさんあります。また、大きさや形状により、それぞれの性能に違いがあります。
そのため、コンペンセイターを選ぶときには、使っている銃の大きさや威力、そして自分が目指す使い心地や効果などを考慮して選ぶことをおすすめします。
②手入れのしやすさで選ぶ
コンペンセイターを選び方における2つ目のポイントは、「手入れのしやすさ」です。コンペンセイターは、発射ガスを逃がす穴が複数ありますが、この穴の部分にカーボン(炭)がとてもたまりやすいデメリットもあります。
コンペンセイターは、発射ガスを逃がすだけではなく、ガスを穴の開いている方向に勢いよく出すために、内部に室といわれる壁が穴の数だけあります。
当然のことながら、発射ガスを出すための穴にカーボンが詰まってしまうと、コンペンセイター本来の力を発揮できなくなるため、使用後のメンテナンスは非常に重要です。多くの銃を取り扱う軍隊のような場合は、メンテナンスは死活問題になります。
そのため、メンテナンスに多くの時間をかけるのが難しい場合は、発射ガスを出す穴の部分の大きさや数、形状を良く観察し、手入れのしやすいかどうかも選ぶポイントに入れることをおすすめします。
③見た目で選ぶ
そして、コンペンセイターを選ぶポイント3つ目は、「見た目」です。自分好みにカスタマイズできるのも、銃を扱う人にとっての大きな楽しみといえます。
特にエアガンにおいては、発射ガスが少ないため、コンペンセイターとしての効能はあまりないのですが、コンペンセイターを取り付けることにより、本物の銃のような雰囲気を醸し出すなど、見た目に大きな変化があります。
コンペンセイターは、アタッチメントタイプなので、実に多くの種類から選ぶことができるので、機能性と合わせて、デザイン性も選択肢のひとつとして、カスタマイズを楽しんでみてはいかがでしょうか。
エアガンのコンペンセイターはどこで買える?
銃の種類の中でも、エアガンは日常生活の中でやや身近な存在です。ではエアガンのアタッチメントであるコンペンセイターは、いったいどこで買えるのでしょうか。また、あまり身近なところにショップない場合の、おすすめの購入方法についても紹介します。
エアガン専門店で購入する
1つ目のおすすめの購入方法は、エアガン専門店で購入することです。エアガン専門店で購入するメリットは、どれを選んだらいいか悩んだ時、また商品についてあまり知識がない時などに、店員さんにアドバイスをもらいやすいです。
実際に商品として置いてあるエアガンとの相性、また自分が求めている効果や性能に近づけたい時に、どのコンペンセイターをカスタマイズすればよいのか、など知識や経験が豊富な店員さんが、親身に教えてくれるはずです。
ネットショップで購入する
2つ目のおすすめの購入方法は、ネットショップです。これは、身近にエアガン専門店がない場合、あるいはもうすでに銃やカスタマイズに関する知識が深い場合、またもう購入したいものが決まっている時などは、ネットショップがおすすめです。
仕事やプライベートが忙しく、なかなか時間が取れない方でも、365日24時間、いつでも購入可能なのはもちろんですが、定価よりもお得に購入できる可能性もあります。
ネットショップにおいては、専門店が店頭販売と同時にインターネット販売をしている他にも、楽天市場やAmazonにおいても、コンペンセイターを含む銃に関する商品の取り扱いがあるため、とても便利です。
コンペンセイターは見た目や性能を上げるアイテム!
コンペンセイターは、発射ガスを弾道以外の多方向に逃がすことにより、リコイル(反動)や銃身のブレを抑制し、射撃の精度をあげる上で欠かせないアタッチメントです。
また、最近では発射炎や射撃音を抑えるフラッシュハイダーの効果も兼ね備えているコンペンセイターも存在します。
さらに、コンペンセイターの大きさや形状は多種多様であり、取り付けることで銃の性能を高められることはもちろんのこと、見た目も自分好みにしたり、より本格的にできたりするので、求める性能と好みでカスタマイズしてみてはいかがでしょうか。