フランス語の素敵な名言いくつ知ってる?
人は悩んでいる時ちょっとした一言で、暗闇の中から抜け出すことが出来たりするものです。その、ちょっとした一言が、いわゆる名言であるという事は多いのではないでしょうか。
日本にも古くから多くの名言があります。「必死にいきてこそ、その生涯は光りを放つ」は、織田信長の言葉であり、「過ちがないことではなく、過ちがあることを重んじよ」は、吉田松陰の名言です。日本の名言には重厚感がありますが、どこか堅苦しいイメージの言葉が多く見られます。
一方、フランス語の名言には情緒的で哲学的なものが数多くあります。フランス語のエスプリが効いた名言を、皆さんはいくつご存知でしょうか。今回の記事では、おしゃれで素敵なフランス語の名言をご紹介していきますので、人生や恋愛で迷った時の参考にしてみて下さい。
フランス語のおすすめ名言【ことわざ】
フランス語のおすすめの名言として、まず初めにご紹介するのは「ことわざ編」です。名言と「こたわざ」には明確な違いはありませんが、名言とは「物事の本質をうまく捉えた言葉」「すぐれた言葉」となります。
そして、「ことわざ」は「古くから言い伝えられている、教訓・風刺の意味を含んだ短い言葉」であり、生活体験をふまえた社会常識を示すものです。
他にも「格言」「慣用句」などもありますが、「ことわざ」「格言」「慣用句」は、すべて「名言」の中に含まれると考えられます。これは、フランス語においても同じことが言えます。
世界は早起きする人々のものだ
「Le monde appartient à ceux qui se lèvent tôt.」こちらのフランス語は、日本にも同じ意味合いのことわざがあります。それは、「早起きは三文の徳」というものですが、フランス語の方がスケールの大きさが感じられます。
もう一つフ、ランス語の早起きに関することわざで、「L’avenir appartient à ceux qui se lèvent tôt.」というものもあり、こちらは、「未来は早起きする人のもの」という意味です。どちらの言葉も、早起きにポジティブなイメージを抱ける素敵なことわざではないでしょうか。
早起きをして世界や未来が手に入るなら、早起きをしてみようという気になるもの。最近は朝活も流行っていますので、集中力の高まる朝に勉強したり、体を動かしたりするのもおすすめです。
教養はジャムのようなもの。少なければ少ないほど、人ってそれをひけらかすの。
これをフランス語にすると、「La culture, C’est comme la confiture, moins on en a, plus on l’étale.」となります。これは「悲しみよこんにちは」の著者、フランソワーズ・サガンの言葉です。
ジャムは買ったばかりの頃は、たっぷりとパンに塗るものですが、最後の方になると、少ない量をなるべく薄く伸ばして塗ろうとします。教養の少ない人ほど、薄っぺらい知識をひけらかすというフランス語の皮肉が効いたことわざです。
たしかに、誰かに「物を教えてあげる」という態度は、あまり感じの良いものではありません。教養のある人が、控えめにしている方が素敵な印象を与えます。似たような日本のことわざに、「能ある鷹は爪を隠す」というものがあります。
良い天気は雨のあとに来る
「Après la pluie, le beau temps.」というフランス語のことわざは、苦しい・悲しい物事の後には、嬉しい・喜ばしい物事がやってくるという意味です。
日本語の「やまない雨はない」に、ニュアンスが似ているフランス語の名言です。人は辛い状況にある時、その状況がずっと続くような暗い気持ちになりますが、そこを耐えれば明るく楽しいこともやってくるもの。苦しい状態の時にこそ、思い出したい素敵なことわざです。
フランス語のおすすめ名言【恋愛】
フランス語にはロマンティックな言葉が大変多く、おすすめ名言の中にも「恋愛」に関するものが数多くあります。日本人には、なかなか思いつかないよう名言もありますが、せっかくなら参考にして、照れずに口にしてみたいもの。こちらでは、素敵な恋愛の名言を見ていきましょう。
どんなにたくさん愛しても、愛しすぎということはない
フランス語で「En amour trop n’est même pas assez.」という、恋愛に関する名言。フランスの男性は愛情表現が豊かで、女性を優先する気持ちが強いので、こんな言葉もサラッと言えてしまうのかもしれません。
恋愛中の日本人男性が、恋人にこの言葉を口にするのは難しそうですが、女性としては人生に一度だけでも、こんな言葉を言ってもらえたら嬉しいもの。
また、このフランス語名言には「どんなに愛されても十分な気がしない」とい意味もあるので、女性から男性に向かって、この言葉を投げかけるのも素敵です。
人はつねに初恋に戻る
「On revient toujours à ses premières amours.」という、フランス語のこの名言は、初恋を懐かしむという意味ではありません。
現在のパートナーに出会った頃の気持ちを、思い出すという意味のフランス語なのです。心から、この人の事が好きだと感じた日に戻るというニュアンスのフランス語です。
この名言は16世紀のパリの詩人、エチエンヌ・ジョデルの言葉です。愛する人を一途に想い、その気持ちを真っすぐに表現した素敵なフランス語名言です。
僕はきみのものだよ
フランス語で、シンプルに「愛している」といえば「Je t’aime.」。もう少し熱烈な愛情表現としては、「Je t’aime à mourir.」(死ぬほど愛している)や、「Je t’aime à la folie.」(狂おしいほどに愛している)などのフランス語があります。
恋愛中の恋人同士が、もっと日常的に使う言葉が、「Je suis à toi.」(僕はきみのものだよ)というフランス語なのです。恋愛中の恋人から言われたら、思わずキュンとくるような素敵な言葉です。
他にも、恋愛中の二人が日常的に使う言葉としておすすめのフランス語には、「Ta voix me manque.(君の声が恋しい)」「Tu me fais craquer.(君に夢中)」「Tu es mon trésor.(君は僕の宝物)」など、ロマンティックな名言が数えきれないほどたくさんあります。
愛は文明の奇跡である
「L'amour est le miracle de la civilisation.」このフランス語は、「赤と黒」の著者であるフランスの作家スタンダールの名言です。
スタンダールは「恋愛論」という随筆集も出しており、恋愛に関するフランス語名言を数多く書いていますが、人生の機微を冷静な目で見た名言も残しています。「En France, les hommes qui ont perdu leur femme sont tristes, les veuves au contraire gaies et heureuses.」
このフランス語の意味は、「妻を失った夫は悲しみに暮れ、夫を失った妻達は陽気で幸せに暮らす」というものですし、「es larmes sont l'extrême sourire.(涙は究極の微笑みである)」という言葉もあります。
愛はただ感情であるだけではない。芸術でもある
「L’amour n’est pas seulement un sentiment, il est un art aussi.」こちらのフランス語も、有名な小説家であるオノレ・ド・バルザックの名言です。
バルザックはドストエフスキーらに影響を与えた小説家ですが、生後すぐに乳母に預けられ寄宿学校で過ごすなど、母親からの愛情に飢えた孤独な状態で育ちました。この環境がバルザックの恋愛に影響を与えたと思われ、のちに様々な女性との恋愛遍歴に繋がっていったのです。
小説家であるバルザックにとって、芸術は人生そのもののはずですが、愛もただの感情なのではなく、芸術にまで昇華させて表現しています。このように、フランス語の名言には、フランス独特の恋愛観を表す名言が数多く存在します。
フランス語のおすすめ名言【人生】
フランス語のおすすめ名言として次にご紹介するのは、「人生編」です。人は人生の中で、悩んだ時に名言からアドバイスを得るものです。また、幸せな人生を送りたいと願う時や、もっと人生を楽しんでみたいと思う時にも、フランス語の名言は大変おすすめです。
人生において、私たちはやらなかったことに後悔する。
「Dans la vie on ne regrette que ce qu’on n’a pas fait.」このフランス語の名言は、「やったことの後悔より、やらなかったことに対する後悔の方が大きい」という意味です。
人というのは失敗を恐れる面も持ち、「失敗する位なら、やらないでおこう」と考えてしまうことも多々あります。しかし、実際に行動を起こして失敗してしまったとしても、案外すぐに忘れてしまうものですし、たとえ失敗したとしても、その失敗を糧にすれば良いのではないでしょうか。
でも、「やはり行動しておけば良かった」という事に対しての後悔は、なかなか忘れられないものです。人生で何か決意をして、行動を起こさなければならない場面で、背中を押してくれるような素敵なフランス語名言です。
生きることを学び直すのに年齢なんて関係ないわ。一生できることよ。
「Il n’y a pas d’âge pour réapprendre à vivre. On ne fait que ça toute sa vie.」このフランス語の名言からは、「人生をやり直すには、年齢は関係なく、いつからでもやり直すことができる」というポジティブさが感じられます。
日本では若いという事に重きが置かれる傾向がありますが、フランスでは「若さ」にあまり価値を置いていません。年齢からくる賢明さや経験も含め、年齢を重ねること自体が魅力的だと考えられているのです。
そのような考え方を持つフランス語の名言だからこそ、このことばは説得力を持っているのではないでしょうか。いつでも、前向きに進んでいこうという、おすすめのフランス語名言です。
お金の傷で死ぬことはない
「Plaie d’argent n’est pas mortelle.」こちらのフランス語は、「一番重要なことはお金ではない」という意味の名言です。「お金の傷」は、経済的な痛手を指しており、たとえ困窮していたとしても、いつか問題は解決され精神的な苦痛は消えていくものだと表しています。
もちろんお金は大切なもので、経済的に困窮している時は、お金ばかりに意識が向いてしまうものです。しかし、そんな時にこそ、本当に自分に大切なものは何なのか、いま自分に何ができるのかを考えることが重要です。また、命があれば、道は開けていくという意味も含んでいます。
人生において、お金が全てではないということを再認識させてくれ、家族や友人など自分にとって大切な存在に気付かせてくれる、おすすめのフランス語名言です。
失敗なんて事は有り得ないと思っている人が成功するものなのよ。
「La réussite sourit souvent à ceux qui ignoraient que l’echec était inéluctable.」このフランス語が表しているものは、「自分は失敗などするはずがない」と思っている人達が、成功を収めることがあるというポジティブな意味合いです。
日本人は奥ゆかしさ・謙虚さを美徳とする面があるので、あまり自信満々な態度は良く思われないものですが、強い自信を持つ事こそが成功への近道だと教えてくれている名言です。
ナポレオンの「Impossible n’est pas français.(我が辞書に不可能の文字はない)」や、テレビドラマの「私、失敗しないので」を彷彿とさせる言葉でもあります。失敗しないための準備・努力をした事を感じさせてくれる、強い信念を持った素敵なフランス語名言です。
それが人生。
「C’est la vie.」このフランス語は、聞いたことがある人も多いかもしれません。フランス人がよく使う言葉で、「人生なんて、こんなもの」「仕方ない」などに該当するフランス語です。
この名言を題した、作品名や店名は世界中に数多く存在しています。目の前で起こる様々な物事を、そんなに深刻にならずに、寛容に受け止めようという意味の素敵なフランス語名言です。
努力が実らなかった時、思いが届かなかった時など、人生では自分の力ではどうしようもない出来事にぶつかる事もあるものです。そんな時、このフランス語名言を思い出し、悲しみや落胆の感情に蓋をして、自分を守ることも大切なのです。
フランス語のおすすめ名言【食事】
世界の三大料理といえば中華料理・トルコ料理、そしてフランス料理が挙げられます。どの国の料理も宮廷料理として発展した、名前通りのバラエティー豊かな料理です。
中でもフランス料理は、フォアグラ・トリュフなどの素材にソースを組み合わせ、複雑な奥行きを持たせた洗練されたものです。その食に対する意識の高さが、フランス語独特の名言を数多く生んできました。こちらでは「美味礼賛」という書籍の中の、食に関するフランス語名言をご紹介します。
「美味礼賛」の著者であるジャン・アンテルム・ブリヤ=サヴァラン。彼は美食家としても有名な法律家であり、学問としての美食について「美味礼賛」の中にフランス語名言を残しています。
食は全ての礎なり
まず、「食は全ての礎なり」という意味を持つ、フランス語の名言を二つほどご紹介しましょう。
「Dis-moi ce que tu manges, je te dirai ce que tu es.(貴方が食べている物を言ってごらん。貴方がどのような人物か当ててみよう)」。食べている物で、人間の質が分かるという意味のフランス語。
「La destinée des nations dépend de la manière dont elles se nourrissent.(国の運命は、国民の食生活次第である)」。こちらは、食生活によって国の運命までが決められてしまうという、大きなスケールのフランス語の名言です。
チーズを欠いたデザートは、片目のない美女のようなもの
「Un dessert sans fromage est une belle à qui il manque un œil.」このフランス語の名言は、「片目のない美女」という独特な比喩を使って、チーズがフランス料理において、どれだけ重要で欠かせない存在なのかを表現したフランス語の名言です。
新しい料理の発見は人類の幸せとって恒星の発見以上のものをもたらす
「La découverte d’un mets nouveau fait plus pour le bonheur du genre humain que la découverte d’une étoile.」こちらも、料理は星よりも幸福をもたらすという壮大な意味のフランス語名言。この言葉は、帝国ホテルにある「Les Saison」のエントランスにも掲げられています。
フランス語の名言で人生を見つめなおそう
ここまでお話してきたように、フランス語の名言には、人生に悩んだ時・人生を楽しみたい時にぴったりな素敵な言葉が数多く存在します。
また、恋愛先進国であるフランスには、日本人には照れてしまって口に出来ないような、ロマンティックな愛の名言もあります。そして、「美食の国フランス」と言われるだけあって、食に関する興味深いフランス語の名言もあるのです。
日本にも素晴らしい名言はありますが、フランス語のおしゃれで素敵な名言を知っておくと、いつもとは違う視点で人生を見つめ直すことが出来るはず。今回の記事では、「ことわざ・恋愛・人生・食事」に分けて、おすすめの名言をご紹介していますので、ぜひ参考になさってみてください。