レモンの木の栽培方法を覚えよう!
レモンの爽やかな酸味はジュースやお菓子、料理などに幅広く利用されています。レモンの黄色い実が付いた木が家庭にあったら、毎日眺めるのが楽しくなることでしょう。その家庭のシンボルツリーとなったら、美しい景色に近所の人も和むことでしょう。
家庭にレモンの木があることは、決して特殊なことではありません。レモンの木の栽培は剪定など難しいと考えられがちですが、実は意外と簡単です。レモンの木の緑の葉を楽しむだけでなく、栽培して、木になった実を収穫することができたら、素晴らしいことです。
あなたもレモンの木を栽培してみませんか?簡単に育てることができるレモンの木を植えてみましょう。家庭で育てたレモンの木を剪定することは、植物を育てる喜びでもあります。木の剪定方法も難しくはありません。剪定を終えたら、間もなく収穫です。
家庭で育てた木からレモンを収穫し、料理やお菓子の材料にしていきましょう。薄切りにしてレモンティーにするのもいいでしょう。あなたの家庭でも簡単に栽培できるレモンの木で豊かな生活を送ってみましょう。
家庭で栽培が簡単なレモンの品種
包丁で切ると、じゅわっと果汁があふれ出す瑞々しいレモンを家庭で簡単に栽培してみましょう。レモンには様々な種類があります。日本に一番流通しているレモンは、リスボンレモンだと言われています。
家庭で簡単に栽培できるレモンの木と言えばリスボンレモンですが、これは品種の名前ではありません。その他にも、ジャンボレモンといったレモンもあります。名前の通り、大きなレモンなのでしょうか?
さらに、最近、苗木で人気だと言われているのが、サイパンレモンです。それぞれのレモンの木にどういった特徴があるのか見ていきましょう。
サイパンレモン
家庭で栽培が簡単なレモンの品種の1つ目は、サイパンレモンです。サイパンレモンはマイヤーレモンと言われるコンパクトでたくさん実をつけることで有名なレモンと同じ系統です。
サイパン島の近くにあるテニアン島という島から輸入され、今では小笠原諸島や八丈島で栽培されているレモンです。一般的に日本で手に入るレモンよりも大きな実になることが特徴です。また、くるんと丸い実をつけるという特徴もあります。
収穫のタイミングは、緑から黄色に変わる時期に行うのがおすすめです。味は酸っぱみが比較的少なく、マイルドな味わいだと言われます。大きくて丸い実のレモンを栽培したいと考えるなら、サイパンレモンの苗木を手に入れてみましょう。
ジャンボレモン
家庭で栽培が簡単なレモンの品種の2つ目は、ジャンボレモンです。せっかく苗木から育てるのだから、変わった品種のレモンの木を栽培したいと考える人におすすめなのが、ジャンボレモンです。
このレモンは、日本のスーパーに売っている一般的なレモンの4倍以上の大きさがあります。上手に育てると、1キログラムを超えるレモンも育てることができます。家庭で育てるのなら400gぐらいを想定しましょう。
見た目は少しごつごつしています。ユニークな見た目から、観葉植物として育てる家庭も多いです。味は普通のレモンより少しマイルドだと言われています。
リスボンレモン
家庭で栽培が簡単なレモンの品種の3つ目は、リスボンレモンです。リスボンレモンは先述した通り、日本でよく目にするポピュラーなレモンです。レモンの中でも最も栽培しやすい品種だと言われています。
寒さに弱い柑橘類が多い中で、リスボンレモンは比較的寒さに強いので、関東より西の地域であれば、屋外で栽培でき、冬を越すことができます。
リスボンレモンは品種名ではなく、リスボン系統のレモンの総称です。スーパーや八百屋、果物屋でよく見かけるレモンを家庭でも育ててみたいと考えるなら、リスボンレモン一択だとも言えるでしょう。
レモンの木の栽培方法・育て方①植え付け
それではさっそくレモンの木を栽培していきましょう。レモンの木の育て方は簡単なので、家庭菜園の初心者でも挑戦することができます。まずはどの品種のレモンの木を育てるかを決めて、レモンの苗木を購入しましょう。
レモンの木の育て方と言えば、畑で育てるイメージなのではないのでしょうか?レモンの木は庭に地植えするだけでなく、鉢植えにする育て方もあります。
鉢植えにすると、寒い冬の時期など、屋内に鉢を入れて冬越えをさせることもできます。地植えの場合はその家庭のシンボルツリーとなって、家族で木の成長を楽しむこともできます。
植え付けの時期
レモンの木の育て方で大事なのは、植え付けの時期です。レモンの木は柑橘系の一種で、蜜柑、キンカン、ゆずの仲間です。温かい地域で育つので、冬の寒さに弱く、過去には育て方が簡単ではなかったとも言われています。
しかし昨今の温暖化の影響で、レモンの木は日本でも育て方が簡単な木となりました。植え付けの時期は暖地で11月から12月ですが、日本では3月から4月の春頃が適当と言えるでしょう。関東より北では鉢植えが適しています。関西位西であれば、庭に地植えにしても大丈夫です。
鉢植えの植え付け方法
まずレモンの木の育て方で、鉢植えの植え付けについて見ていきましょう。レモンの木の植え付けに慣れていない場合は、鉢植えがおすすめです。気温や風によって管理の方法を変えることができるからです。
冬越しをするのも、鉢植えの場合は鉢ごと室内に持ち込むことができるので、寒い地域でも安心です。レモンの木の苗を買ってきたら、鉢の底に軽石を敷きましょう。
そこに鉢の2/3ぐらいの位置まで、果実用の土を注ぎ入れます。次に、購入した苗の根をくずして、鉢の中心に土をかぶせていきましょう。周りに土を入れて苗木を固定します。苗木が倒れないよう支柱を立てて固定しましょう。
地植えの植え付け方法
次にレモンの木の育て方で、地植えの植え付けを見ていきましょう。地植えでレモンの木を育てる場合は、土壌づくりからしっかりとやりましょう。
レモンの木は育てるのが簡単で、挿し木で増やしたものが売られています。地植えは少し難しいので、木の栽培に慣れてきたら、挿し木で増やした木を庭に植えるのもいいでしょう。
苗を地植えする場合は、まず庭に50センチほどの穴をほります。肥料を混ぜた果実用の土を、鉢植えの時と同じように被せていきます。この時、乾燥を防ぐため藁で囲ってあげることがおすすめです。支柱を立てて苗木を補強しましょう。
レモンの木の栽培方法・育て方②土・肥料・水やり
レモンの木の植え付けをする時に大事になるのが、どんな土を使うのかという問題です。地植えだからと庭の土を使うというのでは、レモンの木はうまく育ちません。レモンの木を植える時に使う土について見ていきましょう。また、土と同様に、肥料も大事になります。
レモンの木の栽培には、一般に園芸で使うことができる培養土でいいのでしょうか?レモンの木にはどのような肥料をあげたらいいのかも見ていきましょう。最後に水やりも大事です。鉢植えの場合と地植えの場合、どのように水やりをしたらいいかを見ていきましょう。
土の選び方
レモンの木の育て方で大事なのは、土選びです。レモンの木を栽培する時に使う土は、ホームセンターなどで購入しましょう。野菜栽培用や花栽培用の土もありますが、なるべく果樹用の土を選びましょう。
野菜栽培の時は、収穫後に土を耕し直すので、その際に堆肥などの肥料を入れて土作りをすることができます。しかしレモンの木などの果樹は、いったん植えてしまうと掘り返すことはありません。
そのため、最初に投入する土が非常に大事だということになるのです。果樹用の土の中でも、柑橘類専門の土があるので、それを選ぶようにしましょう。
肥料の選び方
レモンの木の育て方で、肥料の選び方も重要になってきます。レモンの木に肥料を与える時も、土同様に果樹用の肥料を使うようにしましょう。果樹用の肥料は、果実をより甘くしたり、美味しくしたりすることを考えられた肥料成分が入っています。
果樹用の肥料には、油カス、米ぬかなどの有機肥料が多く配合されています。リン酸成分が多いため、花の付きが良く、実も付きやすくなります。レモンの木を植えたなら、やはりレモンを収穫したいと考えるでしょう。美味しいレモンを作るために、肥料も吟味していきましょう。
水やりの仕方
レモンの木の育て方で、水のやり方も重要になってきます。レモンの木を植え付けた後は、しばらくの間は水が絶えないように気つけましょう。土の表面が乾いてきたら、水をたっぷりあげましょう。しかし、普段の水やりで注意が必要なのは冬の時期です。
冬に水をやり過ぎると、根腐れを起こしてしまう危険性があります。地植えのレモンの木には根元に藁を敷いたり、ビートモス、段ボールといったアイテムでマルチングをすると、乾燥を防ぐことができます。さらに寒さに弱いレモンの木を霜からも守ってくれます。
レモンの木の栽培方法・育て方③植え替え
レモンの苗木を鉢に植えて、しばらくたったら植え替えをしましょう。レモンの木の植え替えは、どうして必要なのでしょうか?鉢植えにすると、すぐに根がはり、根詰まりを起こしてしまいます。また、根が密集することで、通気も悪くなってきます。
そうした状態を解消し、すくすくと育てるために、レモンの木を別の鉢に植え替えてあげましょう。レモンの木の植え替えは、いつ頃行うといいのでしょうか?また、植え替えをする時に、何か注意をすることはないのでしょうか?
植え替えの時期
レモンの木の植え替えは、いつ頃に行うといいのでしょうか?一般に、3月から6月の間に植え替えをするといいとされています。ただ、3月4月に植え替えをすると、5月の新芽が出る時期に、葉が黄色くなって落葉してしまうケースもあるので注意が必要です。
低温の時期に植え替えを行うと、根が新しい土に活着しにくくなって、葉まで栄養が行き渡らないという問題が出てくるからです。7月以降になると遅すぎます。レモンの木を植え替えるのに最適な時期は、5月から6月ということが言えるでしょう。
液体肥料を与える
レモンの木を植え替えする場合、基本的に植え付けの時と同じように、適切な土を選んだり水をやったりしていきましょう。ただ大きな鉢に土を入れて入れ替えをするというだけでは充分ではありません。
植え付けの時と同じやり方に加えて、液体肥料をあげるようにしましょう。液体肥料は、野菜と果物用のものがあるので、それがおすすめです。
ミネラルやビタミン、アミノ酸、糖類といった植物由来の天然成分が配合されているので、土壌の菌類などのバランスがよくなり、土質を簡単に改善してくれます。液体肥料のあげ方は、使用説明書の通りに行っていきましょう。
レモンの木の栽培方法・育て方④剪定
レモンの木を栽培するに当たり、剪定は重要な作業になります。剪定は簡単なので、難しく考えないようにしましょう。まず、剪定とはどういったことを言うのでしょうか?剪定とは、レモンの木の枝を切って、形を整えることです。
剪定の作業は、ただ単に見た目を良くする意味だけで行うものではありません。確かに見た目も大切ですが、枝を切ることで、養分が効率よくレモンの木全体に行き渡るようにするためです。
剪定をすることで成長を促し、害虫や病気の繁殖を抑えるといった効果があります。ここからは剪定の時期から剪定の仕方について見ていきましょう。
剪定の時期
レモンの木の剪定は、1年を通じていつでも行っていいというものではありません。レモンの木の剪定にも、適した時期があります。剪定の時期は1年で2回あります。
1回目は春です。春になると葉が生い茂って、レモンの木全体に日が当たらなくなってしまいます。剪定をして葉の量を減らし、全体に光合成ができるようにします。2回目は冬の時期です。
冬の時期、レモンの木は休眠期間に入ります。この時期に剪定をしておくと、木に与えるダメージを最小限に抑えることができます。春の剪定と冬の剪定は剪定する意味が違うので、よく理解した上で行っていきましょう。
剪定方法
それではレモンの木の剪定方法について見ていきましょう。まず、春の剪定の場合です。この場合は、生い茂ってしまった不要な葉を取り除くように、枝を切っていきましょう。
葉全体に日の光が注ぐようにすることがコツになります。次に冬に行う剪定の場合です。冬に剪定を行う目的は、1つ1つのレモンの果実に栄養を集中させられるようにすることです。
そのため、摘果を行います。花が咲き、レモンの果実になり始めたものを減らしていきましょう。そうすることで、残されたレモンの果実が大きくなり、味も濃く、美味しくなります。
レモンの木の栽培方法・育て方⑤収穫
レモンの木を育てていくと、花が咲き、やがて実を付けます。自分の家庭で育てたレモンを食べる喜びは、最高のものです。レモンの花は春に咲き、秋に実を付けます。
レモンの実がなったら、さっそく収穫をしていきましょう。ここで注意したいことは、収穫時期と収穫方法です。実をつけたらすぐに収穫していいというわけではありません。
レモンの実に栄養がしっかり詰まって、美味しくなってから収穫しましょう。普通は実が色づいてから収穫するのが一般的ですが、別の収穫方法もあるので、合わせて見ていきましょう。
収穫時期
レモンの木に実がなって、黄色くなってきたら収穫の準備をしましょう。レモンは春に花をつけ、秋に実を収穫していきます。レモンの実が色づくのは、秋から冬にかけてです。実の色が緑から黄色に変わりつつある時が、ベストな収穫のタイミングになります。
レモンは12月頃に色づきます。ただし品種によって、もっと早く実の色が変わる場合があるので、注意が必要です。また、葉の数が少ないと、実にそれ以上栄養が行き渡らないうちに黄色くなってしまいます。その場合も収穫をしてしまいましょう。
収穫方法
レモンの収穫方法は簡単です。しかし、素手でもぎ取るような収穫方法はおすすめできません。レモンの木の枝には棘があります。手を怪我しないように、手袋をはめて行うようにしましょう。また、ねじってもぎ取ったりせず、剪定ばさみかナイフを使っていきましょう。
基本的に冬に収穫をするのが一般的なレモンですが、もう1つ、9月に収穫をするという選択肢もあることを覚えておきましょう。9月にはレモンの実は緑のままです。これをグリーンレモンと呼びます。レモンのフレッシュな状態を味わうことができるので、人気のレモンになります。
レモンの木の栽培で注意したい病気・害虫
レモンは簡単に育てられて、美味しい実が付く樹木です。しかし、植えて、剪定して、水やりをしていれば自然と健康な実ができるというわけではありません。果樹などの樹木は、病気や虫による被害に晒されることとなります。
病気になったり、虫がついたりしている木を放置していると、最悪の場合、枯れてしまうかもしれません。そうならないためにも、虫はきちんと駆除しましょう。病気にならないような注意も必要です。さらには、虫がつかないように注意を払う必要もあります。
そうか病
レモンの木の栽培で注意したい病気の1つ目は、そうか病です。そうか病はじゃがいもなどでも有名ですが、レモンの場合は、カンキツそうか病という病気にかかります。カンキツそうか病は糸状菌によって引き起こされます。
葉が感染するとその部分が盛り上がり、いぼのようになります。果実に感染すると、いぼやかさぶたのような病斑が発生します。冬越しの時に病気を持った葉は剪定できれいに取ってしまいましょう。
また薬剤を散布する方法も効果的です。サンボルドーと呼ばれる薬剤が効果的です。水で薄めて散布するだけで簡単に解決させることもできます。
うどんこ病
レモンの木の栽培で注意したい病気の2つ目は、うどんこ病です。うどんこ病は名前の通り、葉の表面に白いカビが生えてしまう病気です。
うどんこをまぶしたような葉になってしまうことからこの名前が来ています。レモンの木がウドンコ病になってしまった場合、どのような対策を取ればいいのでしょうか?
葉についている白いものはカビなので、カビを滅菌する必要があります。うどんこ病に効く薬品に、カリグリーンというものがあります。これを水に薄めて散布をすると、病気が改善されていきます。
アブラムシ
レモンの木の栽培で注意したい害虫の1つ目は、アブラムシです。アブラムシは繁殖力が強く、アブラムシの種類によっては単性生殖するので、1匹しか見つからなくても油断はできません。アブラムシがついてしまったら、どうしたらいいのでしょうか?
これは原始的な方法になりますが、見つけたら取り除いたり、つぶしたりしていきましょう。歯ブラシでこそぎ落していくことも有効です。有効な薬品としては、ベニカベジタブルスプレーというものがあります。散布型の薬剤なので簡単に試すことができます。
アオムシ
レモンの木の栽培で注意したい害虫の2つ目は、アオムシです。アオムシもどこにでも発生する厄介な害虫です。アオムシは、葉っぱを食べてしまいます。
その結果、レモンの生育に必要な栄養を作ることができなくなり、被害が増えてしまいます。駆除方法としては、見つけたら取り除く必要があります。
割りばしなどを使って、取り除いていくと、手に触れることなく簡単に駆除することができます。有効な薬剤としては、ベニカ水溶剤という散布型のものがあります。殺虫効果の他、防虫効果もあるので、予防のために散布をしておくのも1つの手です。
カミキリムシ
レモンの木の栽培で注意したい害虫の3つ目は、カミキリムシです。木に穴を空けるのでテッポウムシ(鉄砲虫)とも呼ばれています。カミキリムシは成虫だけでなく、幼虫もレモンの木に害を及ぼします。
カミキリムシがレモンの木に卵を産み付けてしまうと、幼虫が内部で木を食べてしまいます。最悪の場合、木が枯れてしまう事態にもなりかねません。
カミキリムシは早めの駆除が必要です。木の幹に穴が空いていると、カミキリムシが中に入っているのかもしれません。その場合は穴に針金を差し込んで、捕殺しましょう。
レモンの木の栽培に挑戦してみよう!
レモンの木は観葉植物としても育てていて楽しいものです。簡単に栽培できる上、美味しい実をつけてくれます。自分で育てたレモンの木から取った実を使って、ジャムを作ったり、お茶を淹れたり、ケーキを作ったりするのは楽しいものです。
鉢植えでも庭に地植えでも美味しい実がなるので、これから何か植物を育ててみたいと考えている場合は、レモンの木も候補に入れてみてください。