スイカを食べると太る=誤解
スイカに限らずフルーツの糖分は、体に吸収されやすい「果糖」なので太る原因になると言われることがあります。しかし、本当にスイカを食べると太るのでしょうか。
人の体が太るのは、必要以上にカロリーを摂取することで起こります。カロリーとはエネルギー(熱量)のことで、人が生きていくためには必ず必要なものです。しかしカロリーを1日に消費する以上に摂取すると、体内で少しずつ脂肪として蓄積されて太る原因になります。
このカロリー(エネルギー)を作り出すのが、主に「糖質」と「脂質」です。そのためダイエットではカロリーと糖質・脂質の取りすぎに注意しています。
スイカの果糖も糖質なので、太る原因になるとよく言われますが、スイカの糖質はパンやご飯、麺類やスナック菓子やケーキよりずっと少ないので、太る原因というのは誤解です。
スイカのカロリーは低いので太ることはない
スイカの糖質は少なく脂質はほとんど含んでいません。つまりカロリーの元になる栄養素が少ないのでスイカのカロリーは低いので太る原因にはなりません。
スイカのカロリーは100gあたり約37kcalです。スイカ1切れを500gとすると1切れのカロリーは約185kcalになります。板チョコ1枚は約130gでカロリーは約759kcalでスイカの4倍強のカロリーがあります。しかもチョコにはダイエットの敵の乳脂肪などの脂質も多く含んでいます。
つまりスイカを食べると太るというのは誤解で、スイカは脂質やカロリーが低いので食べ過ぎない限りは太ることはありません。
スイカの糖質は高めなので寝る前や食べ過ぎは太る原因に
スイカの果糖(糖質)は吸収されやすくカロリーになるので太ると言われますが、スイカの90%は水分です。太る原因になるくらいに摂取するには大量のスイカを食べなければなりません。
しかし、寝る前にスイカを食べることは、朝まで運動しないので消費するカロリーが極端に少なくなります。前にも紹介したように太る原因は、1日に消費するエネルギー以上にカロリーを摂取することです。
スイカのカロリーが少ないと言っても、寝る前に食べると消費するカロリーをオーバーする可能性があるので太る原因になります。
もちろん寝る前だけでなく食べ過ぎればカロリーオーバーになります。これはスイカに限ったことではなく、あらゆる食べ物に言えます。つまり寝る前と食べ過ぎは太る原因になるので注意しましょう。
スイカがダイエットに効果的な理由
スイカは糖質が高いのに、ダイエットに効果があるっていうのは信じられないという方も多いのではないでしょうか。ダイエットはスリムで太らないことを目的にしていますが、そのために健康を害しては何にもなりません。
中には極端な食事制限をして逆にダイエットに失敗することがあります。実は食事は毎日の積み重ねで人の体の健康維持には非常に大事な要素です。太ることを避けるために食べたいものを無理に制限することは、ストレスがたまりダイエットには逆効果になる場合があります。
無理に制限するのではなく、太る要因になるカロリーの高い食品を、ストレスなく食べないで済むようにするのが効果的なダイエットです。スイカはそんな効果がある食品のひとつです。その理由をこれから解説します。
約90%が水分で低カロリー
スイカが低カロリーなのでダイエットに効果があり、食べても太ることがないことがわかっても毎日スイカだけを食べるわけにはいきません。食べ方の工夫をすることでダイエットに効果がでます。
人の健康を維持するには、三大栄養素の「糖質」「タンパク質」「脂質」に加えビタミンやミネラルをバランスよく食べることが必須です。しかし現代の食生活は、肉を主体とした食事が多くなっているので、タンパク質が豊富なことは良いのですが脂質を多く取りすぎる傾向があります。
つまり食事の栄養バランスを崩して、太る原因となるカロリーの取り過ぎをまねいています。スイカは水分量が90%もあり食べれば満足感があります。スイカを食事に取り入れることにより食べ過ぎ(カロリーの取り過ぎ)を防ぎ太ることを避けられます。
むくみ解消効果がある
スイカはカリウムというミネラルを多く含んでいます。カリウムは体内の余計な水分や塩分を排出する役目を持っています。つまり体内の塩分濃度を調節しています。
体の塩分濃度は、体内の水分量の約0.85%が適正と言われています。よく「水太り」という言葉を聞くことがあると思います。塩分を必要以上に取り過ぎてしまうと体は自衛手段として体内に水分をため込もうとします。これがいわゆる「水太り」で、体がむくむ現象です。
足がむくめば体の動きが鈍くなります。運動が鈍くなればエネルギーの消費が少なくなり余ったカロリーが脂肪となり太る原因になります。
スイカを食べることで、スイカに含まれるカリウムが体内にたまった余分な水分を体外に排出するので、むくみを解消する効果があり太る原因も同時に解消するのでダイエットに効果があるのです。
美肌効果がある
ダイエットは単に太ることを避けるだけでは健全ではありません。美容や健康を守りながら太ることを避けるのがベストです。
スイカには、シトルリン・マンノシターゼ・イノシトールなどのアミノ酸や酵素がたくさん含まれています。これらの酵素には体内の老廃物を排泄してくれる効果があります。つまり美容や健康に悪影響を及ぼす老廃物を取り除いて美肌効果をもたらします。
またスイカに含まれるシトルリンは、血管を若返らせ血行を良くする効果があるので、美肌だけでなく、冷え性や肩こり、むくみの改善など健康にも効果があります。
スイカの栄養素と健康効果
ここまでの記事で、スイカを食べると太るというのは勘違いで、むしろダイエットにも効果があるフルーツであることがお分りいただけたのではないでしょうか。
スイカの果肉の90%は水分ですが、その10%の中に人体にとって必要なミネラルやビタミンなどの栄養素が豊富に含まれています。
それでは、重複する部分もありますがスイカに含まれる栄養素・ビタミンやミネラルの特徴や性質、人体に与える健康効果などを詳しく紹介します。
カリウム
スイカに含まれるカリウムはミネラルの1種で、体内の塩分濃度を調節する働きをしています。つまり塩分を摂り過ぎた時には塩分を、水分を摂り過ぎた時には水分と、身体に不必要なものを排出するのを助ける役割があります。
塩分摂り過ぎによるむくみの解消や、水分不足の脱水症状の改善に効果を発揮するミネラルです。つまりスイカのカリウムは熱中症の予防になり太る原因の一つのむくみの解消効果もあります。
ビタミン
スイカにはビタミンB類やビタミンCなど様々なビタミンが含まれています。ビタミンCは野菜やフルーツに多く含まれるビタミンで、コラーゲンの生成に必要なビタミンで、血管の増強や貧血、壊血病、イライラなどに効果があります。
またビタミンCには、メラニン色素の生成を抑え日焼けを防いだり、ストレスや風邪などの病気に対する抵抗力を高める効果があります。
スイカに含まれるビタミンB1は、栄養をエネルギーに変える働きをフォローするビタミンです。不足すると脳や神経に障害を起こします。ビタミンB6は筋肉や血液を作るタンパク質のエネルギーを助ける役目があるので、不足すれば皮膚炎や貧血などの症状を起こします。
つまりスイカに含まれるビタミンには、血管の増強と貧血、皮膚炎や日焼けの防止、風邪などの病気に対する抵抗力を高める効果があるのです。
Bカロテン
スイカに含まれるβカロテンは、緑黄色野菜に多く含まれる栄養素で、体内で必要量だけビタミンAに変換されるカロテンです。特に赤肉のスイカにはβカロテンとリコピンが大量に含まれていて、抗ガン作用や免疫復活作用があるとされています。
また体内で変換されたビタミンAは、髪の健康や視力の維持、粘膜や皮膚の健康維持、喉や肺などの呼吸器を守る働きがあります。スイカに含まれるリコピンは老化防止にも効果があると言われています。
シトルリン
シトルリンは、実はスイカから発見された栄養素の一つで、ウリ科の植物に多く含まれていて「スーパーアミノ酸」とも呼ばれています。
シトルリンは一酸化一酸化窒素の生成を促すことにより、血管を拡張させる効果があり、血流を改善してむくみや冷え性を解消したり、疲労を回復する効果があります。また筋力や精力の増強や美肌の効果なども期待されています。
スイカでのダイエット方法
スイカはカロリーも低くダイエットに活かせるフルーツですが、実際にはどのようにスイカをダイエットに取り入れれば良いのでしょう。
ダイエットに生かすにはスイカをいつどんな風に食べれば良いのでしょう。スイカを食べるタイミングや食べ方、スイカを料理に生かしたレシピなどを紹介します。
夕食前にスイカを食べる
夕食は1日のうちで一番カロリーが多い食材を食べる食卓です。夕食前にスイカを食べるというダイエット法は、食べる前にスイカで満腹感を与え、食欲を減退させて食べる量を減らし太ることを防ぐ方法です。
確かに太る原因のカロリー摂取量が減るので ダイエットには効果があるかもしれませんが、体に大切なタンパク質が不足する可能性もあります。献立内容には注意しましょう。
また、夕食の時間が寝る前に近い場合は、エネルギーを消費しきれずに逆に太る原因になってしまいます。スイカは糖質が高めなので食べ過ぎも太ることにつながるので注意しましょう。
朝食・昼食を置き換えてダイエットする
朝食や昼食の1食分をスイカに置き換える方法はダイエットに効果があるおすすめの方法です。主食になるパンやご飯をスイカに置き換えるダイエット法です。
昼食は職場などの勤務時間内なので、スイカを持っていくのは気がひけるかも知れません。朝食で置き換えダイエットを実行するのが現実的でしょう。夕食ではスイカの糖質をため込みやすく太る原因になるので、あまりおすすめはできません。
スイカをスポーツドリンク・おやつと置き換える
スイカは90%が水分なので、スポーツで汗をかいた時にスポーツドリンクの代わりの水分補給には最適です。スポーツドリンクには意外に砂糖が多く使われています。砂糖は果糖と違って血糖値を急激にあげる性質があり、血糖値が急に上がると脂肪をため込みやすくなるので太る原因になります。
また、おやつに食べるスナック菓子や甘いスイーツの代わりにスイカを置き換える方法もダイエットにはおすすめです。スナック菓子には糖質が多く、スイーツには多量の砂糖と乳脂肪などが多いのでどちらも太る原因になります。スイカをおやつに置き換えるのは有効なダイエット法です。
スイカを食事に取り入れる
スイカのダイエットでは、スイカをそのまま食べることもできますが、それだけでは飽きてしまい長続きしない可能性があります。
スイカを料理の中に取り入れれば、様々なバリエーションが生まれ、飽きることなくスイカダイエットが続けられます。もちろん美味しいからといって寝る前や食べ過ぎは厳禁です。それではスイカを取り入れた料理レシピを紹介します。
スイカとモッツァレラチーズのサラダ
スイカとモッツァレラチーズのサラダは、簡単ですっきりと爽やかなのでおすすめです。スイカは皮をむき種を取って一口大に切ります。モッツァレラチーズはスイカよりも小さめにカットして器に盛ります。
そこに好みでブラックオリーブ(1個を2つ〜3つにカット)を数個と、ミントなどの香草を添えてドレッシングをかければ完成です。ドレッシングはオリーブオイルを主体にしたものがダイエットにはおすすめです。
スイカとトマトのガスパチョ風
スイカの果汁とトマトジュースで作る、ガスパチョ風のスープです。トマトジュースにもスイカと同様に抗酸化作用がある「リコピン」や「βカロテン」が豊富に含まれているので、ダイエットだけでなく美容や健康にも良いレシピです。
種をのぞいて細かくカットしたスイカにトマトジュースを入れ、少量のミジン切りにした胡瓜とレモン果汁にオリーブオイルをたらし攪拌します。仕上げに塩と胡椒で味を調えれば出来上がりです。あとは冷蔵庫で冷やしてお召し上がりください。
スイカの豚しゃぶ
スイカの豚しゃぶもおすすめのレシピです。豚肉は脂質が多いのでダイエットには向かない食材ですが、脂身の少ない豚肉をしゃぶしゃぶにすれば脂肪分が落ちるので、肉が食べたい時におすすめの調理法です。
つけダレにスイカポン酢を使えば、さらにダイエット効果があります。スイカポン酢は、スイカの果汁に市販のポン酢、レモン汁、スイカの皮をすりおろしたものを合わせれば出来上がりです。
ダイエット中でも肉が食べたい時に、スイカの効果でカロリーが抑えられ良質なタンパク質もとれるレシピです。
スイカは食べ方を間違わなければ太る原因にならない
夏の風物詩でもあるスイカは、食べると太ると言われることもありますが、それは誤解でカロリーが少なく、ミネラルやビタミンも豊富で健康にもダイエットにも効果のある果物です。
スイカは糖質が高いので、食べ方や食べ過ぎにさえ注意すれば決して太ることはない食べ物です。スイカに含まれる栄養素の効能や、ダイエットに効果のあるレシピなどを紹介してきました。これらを参考にして健康や美容にも良いスイカダイエットを試してみましょう。