フランス国旗の特徴・由来・歴史をまとめて紹介!色に関する知識もあり!

フランス国旗の特徴・由来・歴史をまとめて紹介!色に関する知識もあり!

世界の国々は国歌や国鳥などを持っており、国旗は特にその国の歴史や特色を表している。その中でよく目にする国旗の一つであるフランス国旗の歴史や、その由来、使用されている色の意味について調べてみた。またフランス国旗と類似する国旗も併せて紹介する。

記事の目次

  1. 1.フランス国旗の特徴
  2. 2.フランス国旗の意味
  3. 3.フランス国旗の由来
  4. 4.フランス国旗の歴史
  5. 5.類似する国旗
  6. 6.フランスの国の特色・人種構成
  7. 7.フランス国旗は革命後の理念を意味している

フランス国旗の特徴

エッフェル塔と凱旋門とトリコロールカラーのフランスのイラスト
Photo bystux

世界の国旗の中でも、最も多くの人に認知されていると言っても過言ではないフランスの国旗だが、その歴史や、込められた意味などは知られることは少ない。

トリコロール(tricolore)とも呼ばれるフランス国旗の特色と言えば赤白青だが、デザイン的にも配色を見ても最もスタンダードとも言える。

このトリコロールがいかにして生まれたのか、その背景と、使われている色の意味をフランスの歴代の国旗とその歴史を、フランス史を紐解きながら確認していく。そして、フランスそのものの特色と、フランス国旗と似たデザインを持つ国旗についても調べてみた。

通称はトリコロール

トリコロールの国旗
Photo bysaskiaclauss

トリコロールはフランス国旗を表す言葉として有名で、一般にこの3色を使った場合にも用いられるが、意味合いとしては「3色」であり、本来は色の指定があるわけではなく、日本の「日の丸」と同じ見た目をそのまま示した言葉である。

つまり、「“赤白青の”トリコロール」がフランス国旗であり、オランダ国旗も同じと見ることもできる。そして、極論イタリア国旗もドイツ国旗もギニアもイエメンもある意味「“色違い”のトリコロール」であると言える。

トリコロールの起源

ナポレオンの肖像画
Photo byWikiImages

フランス革命の際、市民軍の中心となったパリ市の市旗として用いられていた赤と青の色に、ブルボン朝の象徴である白百合に由来する白を加えたものがルーツとされる。赤と青はパリの市民軍が帽子に掲げた帽章の色にも使われている。因みに青は、厳密には藍であるとも言われている。

フランス国旗の意味

スピーチする人形
Photo by3dman_eu

フランス革命の指導者のラファイエットと、或いは革命政府において初代パリ市長に選ばれたバイイによって「君主と民衆の崇高かつ永遠なる同盟のしるし」として制定された現国旗だが、使われている色には由来や意味があり、象徴する花も存在する。それらについて解説していく。

色で自由・平等・博愛を意味している

古い本の写真
Photo byTama66

左から青白赤の配色のフランス国旗は、フランスの憲法において国の標語である「自由、平等、友愛」を規定している。「青は自由、白は平等、赤は友愛を表す」という俗説をよく耳にするが、それぞれの色に標語を充てる明確な根拠はなく、この説は日本の学校教育の影響があると推測されている。

藍は自由を示す

空の写真
Photo by Kentaro Ohno

左端の藍または青は、元々はフランス王家の伝統色であり、パリの市旗にも使われている。その後、フランス革命時には市民軍の帽子の帽章の色にも採用された。イメージとなる花は矢車菊である。似た配色の国旗でも「空」等を意味することも多く、「自由」をイメージされる特色がある。

赤は友愛を示す

仲の良い友達の2ショット
Photo by 任笑

同じく革命軍の帽章の色となった逆サイドの赤は、パリ市の紋章の色がルーツにあり、ひなげしで表せられる。フランス国旗では友愛・博愛を示すとされる一方で、多くの国では「革命の為に流れた血」と、ある意味真逆の特色にとれなくもないが、裏を返せば表裏一体であるとの見方もできる。

白は平等を司る

天秤のシルエットのイラスト
Photo bymohamed_hassan

中央の白は、ブルボン王朝の白百合に由来する。フランス革命を制した市民軍の中心だったパリ市旗に「古代フランスの色」を混ぜる事で王政と市政との融合をアピールすることで、多くの国民に受け入れらるきっかけになった。マーガレットの花で表現され、平等を表すとされる。

フランス国旗の由来

絵画風のトリコロール
Photo byComfreak

フランスはかつて王政を敷いており、現在の旗とは違う王国旗が国旗として掲げられていた。しかし、その後王政に反発する勢力との争いが起こり、王政が敗れ現在の旗へと移行していく。フランスだけではなく世界に影響を与えたそのきっかけと、この配色が選ばれた経緯について解説する。

フランス革命後に国旗が変わった

民衆を導く自由の女神の絵画
Photo byWikiImages

18世紀後半におきた市民革命運動が起こり、「アンシャン・レジーム」と呼ばれる身分階級が崩壊した「フランス革命」をきっかけにフランスに大きな転換期が訪れる。マリーアントワネットやナポレオンが活躍した時代であり、戦火の中心は首都パリだった。

その時パリの市民軍が掲げた帽章の色がそのまま残り、更にフランス王国由来の青と、ブルボン王朝の白百合の白がそれぞれ採用されたとされる。革命時のスローガンとされた「自由・平等・友愛」という言葉は今でもフランス国家の理念として掲げられている。

フランス国旗の歴史

はためくトリコロール
Photo byjackmac34

フランスの国旗は主に2パターンが存在する。一つはお馴染みのトリコロールの3色旗、そしてもう一つが王国時代の「王国旗」だ。それぞれの国旗には意味が込められており、時代と共に変化してきた。2種類のフランス国旗の由来とどのように変容していったかについて解説していく。

革命前は王家の紋章が由来だった

フランス王国の紋章のイラスト
Photo byClker-Free-Vector-Images

王政時代のデザインは、王家由来の青色の下地に王家の紋章である百合をあしらったものである。12~13世紀頃は小粒な柄が多く並ぶものだったが、16世紀頃までは一部を切り取ったような大粒3つに変更されている。

その後百合をモチーフとしたヌーベルフランス旗を基に、紋章の下地に初期の柄を白にしたものを加え、最終的には紋章を外して、最初の白ヴァージョンとなる。また、フランス革命時には、16世紀の旗を白にしたものが使われている。

王政復古期間以外はトリコロール

フランス国旗
Photo byMurlocCra4ler

1794年に現在の形になり、1814年から1830年の王政復古時を除いて、フランスはこの3色旗を使用している。1940~44年にかけて、改変が見られ、デザインは変わらないが中央の白の部分に斧や、星をあしらった時期もある。

他にも若干の混乱が見られた時期もあり、現在と逆の配列だった時代や、90度角度を変えて「縦じまが横じまになる」というオランダ国旗と同じ柄となることもあった。

類似する国旗

万国旗のイラスト
Photo byekochin_6262

ヨーロッパでは、3色のしま模様のデザインを採用した国旗が多い。横じま(縦並び)のものと、縦じま(横並び)があるが、縦じま三色旗はフランス国旗を元にしていると言われ、トリコロールに倣い右側に赤を配置されているとされる。類似する国旗の色合いや並び、その意味と歴史にも触れてみよう。

オランダ国旗(上から赤白青)

オランダ国旗
Photo byOpenClipart-Vectors

青は祖国への変わらぬ忠誠心、白は神への信仰心、赤は国民の勇気を示すとされる。元々国色のオレンジ色だったのが、変色しやすいことや、見つけづらいなどの理由から、赤に変更されたと言われている。世界最古のトリコロールとされ、多くの国の国旗に影響を与えた。

1792年はフランスもこのデザインの国旗を掲げていた時期があり、逆にフランスに占領された時期はオランダが90度逆に掲げていたこともある。以後、何度か国旗の変更があるものの、1815年の独立後に復活し1937年に国旗として制定された。

イタリア国旗(左から緑白赤)

イタリア国旗
Photo byOpenClipart-Vectors

イタリア国旗の配色は、フランスを模倣しているとされ、国旗に込められた意味もフランス国旗に倣い、青が緑に置き換わり自由を、後は同じく白は平等、赤は友愛ともされるが、緑は国土を、白は雪・正義・平和を示し、赤は愛国者の血とも言われる。

起源はナポレオンがイタリア遠征で征服した北イタリアのトランスパダーナ共和国の市民軍の制服の緑と白と、装飾品の赤を使い軍機が作られ、それが国旗となった。ナポレオン失脚後、一度は廃止されるも、何度かの変更を経て1946年の王制廃止に伴い復活した。

ロシア国旗(上から白青赤)

ロシア国旗
Photo byOpenClipart-Vectors

ロシア国旗の由来は諸説あり、ロシア帝国の前身「モスクワ大公国」の紋章の図柄が基であるとも、ロシアの守護聖人・聖母マリヤのまとっていたローブの色であるともいわれているが、公式には説明されていない。またはオランダの国旗をヒントにしたという話もある。

元々この国旗の3色は、白は高貴と率直の白ロシア人(ベラルーシ人)を、青は名誉と純潔性の小ロシア人(ウクライナ人)を、赤は愛と勇気の大ロシア人(民族ロシア人)を表す汎スラヴ色としてロシアやその周辺にある多くの国々も採用している。

ルクセンブルク国旗(上から赤白青)

ルクセンブルク国旗
Photo byOpenClipart-Vectors

青と白が横に交互に織りなす縞じま模様の中心に赤い「リンブルグライオン」を描く13世紀以来のルクセンブルク公家の紋章に由来しており、赤はライオン、白と青は銀の台を表わす。その特色のある紋章のデザインは現在でも商船旗に引き継がれている。

現在の国旗のデザインは、1830年のベルギー独立革命の際、初めてこれらの三色が使用された。正式に制定されたのは1972年と近代になってからである。なお、紋章に使われている色は厳密には水色と銀色であり、国旗も赤白水色がより正しい表現となる。

番外編

沢山の国旗のイラスト
Photo byTayebMEZAHDIA

番外編として3本のしま模様以外の「赤白青の3色旗」を持つ国と、その国旗の持つ意味や歴史をいくつか紹介する。デザインが違うので、これらを見て「トリコロールの様な特色がある」という感じではないが、それぞれフランス国旗と違った歴史的意味や特色を持っている。

パラグアイ国旗(上から赤白青)

パラグアイ国旗
Photo bytarcisioefbarbosa0

オランダ国旗に酷似しているが、中央に表には国章が、裏にはライオンと自由の帽子が配置した国庫証印があり、裏表でデザインが異なるという大きな特色がある。1813年頃は証印無しで、上下逆状態だった時もある。赤は正義を、白は平和を、青は自由を表しているとされる。

タイ国旗(上から赤白青白赤)

タイ国旗
Photo byOpenClipart-Vectors

3色が交互に縦に並ぶ5段の横じまの国旗である。現在のデザインは1917年であり、その前までは赤地に信仰の対象である白象を配したものだった。これらの色は国家、仏教、王室を示しており、赤は国民、青はチャクリ王朝、白は国のシンボルである白象の代わりと言われている。

コスタリカ国旗(上から青白赤白青)

コスタリカ国旗
Photo byOpenClipart-Vectors

タイの色違いの様なものだが、色の順番が異なる。本来は3つの火山の紋章が付くが民間で使用するときは紋章を外すこともある。赤は自由を勝ち取るために流された血、白は平和、青は澄みわたる空を表わす。独立時は青と白を基調としたデザインを使っていた時期もある。

チェコ国旗(左に青・上に白・下に赤)

チェコ国旗
Photo byOpenClipart-Vectors

ボヘミア王国の紋章に由来する赤白で上下に2分した下地のポーランドと同じデザインに、チェコ東部のモラビアとスロバキアを表す「青の三角形」を左端に加えた国旗だ。チョコスロバキア時代から使われており、青は空、白は清潔、赤は自由のために流された血を意味している。

その他3色旗

ドイツ国旗
Photo byOpenClipart-Vectors

他にもチャドやベルギー、ルーマニアなども縦じまの3色旗だが、カラーリングが違うので割愛する。また、クロアチアや、チェコ、スロバニア、スロベニアなどもロシアに近い横じま国旗ではあるが、大きく紋章が入るなど、フランス国旗とは異なるのでこちらも省いている。

カナダ国旗にカエデが使われている意味は?由来や色の特徴も紹介! | 副業・暮らし・キャリアに関するライフスタイルメディア
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フランスの国の特色・人種構成

エッフェル塔の写真
Photo bynuno_lopes

フランスの国旗に込められた意味を理解したところで、フランス自体の特色について見てみよう。世界屈指の大国であり、芸術やワイン、スポーツなど幅広く活躍するが、案外その歴史や文化、特色について知らないことも多いのではないだろうか。ここではフランスについて少し掘り下げてみる。

フランスの概要

凱旋門の写真
Photo byherryway

一般に呼ばれる“フランス(France)”は“通称”であり、正式にはフランス語で「République française(レピュブリク・フランセーズ)」である。当て字で「仏(沸)蘭西」とされ、「仏(沸)」と略称で表される。

ヨーロッパの西部を占め、大西洋と地中海に面する。人口は6700万人近く、首都はパリ。国の歴史としては11世紀のフランク王国にまで遡り、1789年のフランス革命にて王政が崩壊し、紆余曲折を経て、1958年半大統領制の共和制となった。

その面積は54万4000平方キロメートルあり、西ヨーロッパ最大であり、フランス本土だけで日本の1.5倍、本土の他に地中海や、南米、カリブ海、インド洋の海外県、オセアニアの属領をも含む可住地の広さは日本のおよそ3.5倍にも達する。

フランスの特色

トリコロールカラーのフランス本土のシルエット
Photo byTumisu

フランス本土は六角形に近い形状をしており、フランス語で“l'Hexagone(レグザゴーヌ)”は本来は「六角形」の意味だが、転じて「フランス本土」を示す語となっている。

気候は西部から北西部が温帯多雨気候、東部は大陸性気候、南部は地中海性気候と広大な大地らしく土地によって様々な特色を持つ。ヨーロッパ最大の農業国で穀物・酪農製品を輸出している。

小麦やブドウ・チーズの生産が盛んで、ブドウから作られるワインは世界屈指でボルドーなどが有名だ。パリは芸術の都として名高く、ルーブル美術館をはじめ多くの美術館や世界遺産が国内に点在している。大部分がカトリック教を信仰している。

フランスの人種

色々な人種を描くイラスト
Photo byClker-Free-Vector-Images

基本的には民族の多くはラテン系フランス人からなるが、本土ではケルト人・ラテン人・ゲルマン系のフランク人などの混成民族である。

ブルターニュではケルト系のブルトン人、スペインとの国境付近にはバスク人、アルザスにはドイツ系のアルザス人などの少数民族が存在する。本土以外の領土では、イタリア人に近い民族のコルシカ人が中心のコルシカ島や、非白人の市民が多い海外県や海外領土もある。

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フランス国旗は革命後の理念を意味している

はためくトリコロール
Photo byHreisho

各国国旗には歴史的背景からくる意味合いを持ち、日本も古くからの太陽信仰からなるように、国家としての特色を色濃く反映している。フランス国旗も同様に、現在のフランスが生まれるきっかけとなったフランス革命にルーツを見ることができた。

革命軍が掲げていた「自由への色」である青と赤、そしてフランク王国からの伝統からなる青と白とが癒合した現国旗は、まさに長い歴史と、新たな時代とを併せ持った特色を持つフランス国旗は、「自由、平等、友愛」を謳う「自由への国旗」であると言える。

KTY
ライター

KTY

気の向くままに多方面にアンテナを伸ばしております。ジャンルを問うことなくのんびり幅広く執筆していきたいと思っています。読んでいただいた人が愉しく、また少し為になるようなおもしろい記事をお届けできることを目指して、ゆるりとマイペースに頑張ります!

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