マジパンってなに?特徴や作り方を紹介!
ケーキのデコレーションでよく見かける美しい飾り細工、それは「マジパン」から作られています。美味しい自家製のケーキに、マジパン細工でデコレーションができたら素敵だと思う人もいるでしょう。
マジパンは、家庭でも生地から簡単に作ることができます。今回はマジパンとは何からできているのか、その特徴や作り方をお伝えいたします。
マジパンとは
一体、マジパンは何からできているのでしょうか?マジパンは、砂糖とアーモンド粉末を練り合わせた洋菓子で、ヨーロッパでは伝統菓子として高い人気があります。マジパンは英語読みですが、ドイツ語読みのマルチパンと呼ぶ場合もあります。
日本ではマジパンといえば、ケーキのデコレーションというイメージが強いのですが、ドイツをはじめヨーロッパ伝統菓子のマジパンは、そのまま主役として食べたり、焼き菓子やチョコレートに入れたりなど様々な用途があります。作り方を覚えるととても便利です。
マジパンの特徴
マジパンは、アーモンド粉末と砂糖のペースト状の生地から、その柔らかさを生かして、粘土細工のように色々なモチーフを題材として形を作ることができ、そして、実際にその細工を食べることができることが特徴です。
また、マジパンはマジパン細工だけでなく、焼き菓子にも使います。マジパン細工と焼き菓子に使うマジパンの種類の違いについては後半にお伝えしますが、焼き菓子にマジパンを入れると、アーモンドの風味だけでなく、しっとりとした美味しい仕上がりになる特徴もあります。
マジパンの味
マジパンの味は、砂糖とアーモンドの粉末が主原料で練ったペーストなので、砂糖にアーモンドの風味がついた味です。食感は和菓子の練りきりに似ています。焼き菓子に入っているマジパンの中には、少しアーモンドの粒子の食感があるものもあります。
マジパンの歴史
ヨーロッツパで伝統菓子とされるマジパン起源は、中世にアーモンドと砂糖が手に入りやすくなった、中東で発明されたのが始まりだと言われています。
ヨーロッパには、トルコ人によって東ヨーロッパ経由でドイツに伝わったルートと、南からイベリア半島やシチリアに伝わったルートの二つがあります。
ドイツでは、1407年にリューベックが飢饉に陥った際に、市の倉庫に大量に眠っているアーモンドを使って、何か食べるものを作って欲しいとパン職人に依頼して作らせたのが、マジパンの起源と伝えられています。伝統的なウェディングやクリスマスケーキにはマルチパンが使われます。
シチリアでは、復活祭の折りに教会を訪問した大司教を驚かせるために、果物そっくりの形のマルチパンが発明されたと言われています。伝統行事にはマルチパンを食べたり、贈ったりする習慣があります。
ドイツの伝統菓子「シュトーレン」にも使われる
ドイツでクリスマスに食べる伝統菓子の一つシュトーレンには、マジパンが欠かせません。ドイツでは、このシュトーレンをクリスマスを待つ4週間のアドヴェントという期間に、少しずつ切って食べる習慣があります。
マジパンを入れて焼かれるシュトーレン。マジパンが日毎に熟成されていき、アーモンドの風味や甘みがシュトーレンに馴染んでいくことで、しっとりとした美味しさに変化していきます。日々美味しさが増していくシュトーレンにクリスマスが待ち遠しくなるでしょう。
マジパンの種類
マジパンには、2種類の分類があります。ドイツ伝統菓子シュトーレンのような焼き菓子の中に入れる用途の「ローマジパン」、もう一つはデコレーションの用途とする「マジパン細工用」です。その二つの特徴をご紹介します。
ローマジパン
ローマジパンは、ドイツの伝統菓子のシュトーレンをはじめ、バームクーヘンやタルト、ケーキなど、主に焼き菓子などに混ぜ込んで使用するマジパンです。
砂糖とアーモンドを1:2の割合で混ぜ合わせます。焼き菓子の生地にローマジパンを練りこむことで、しっとり感に加え風味も増し、質の良い美味しいお菓子に仕上がります。
細工用に使われるマジパン
一方、マジパン細工で使われるマジパンは、砂糖とアーモンドの粉末を1:1の割合で混ぜ合わせよく練ります。ローマジパンに比べ滑らかさがあり、ザラザラ感はありません。粘土のように柔らかく、丸めたり、伸ばしたりしながら自由に形を作ることが出来ます。
美味しいマジパンの作り方
マジパンは、市販されてもいますが量が多いので、少しだけ作る場合は手作りするのが一番です。マジパンは、家庭でも簡単に美味しい味に作れます。自家製ケーキのデコレーションのマジパンも、生地から作ってみましょう。ここからは、美味しいマジパンの作り方について解説します。
用意する材料・道具
基本の材料はアーモンドの粉末(アーモンドプードル)、粉砂糖、卵白です。卵アレルギーがある場合は、卵白を牛乳または水に置き換えると良いでしょう。色付けをきれいに出すためには、アーモンドの粉末は皮なしで砕いた白いタイプのものを選びましょう。
色付けには、食用色素の他、ココアやジャム・フルーツパウダー・抹茶なども、自然食材の美味しい風味がついて良いでしょう。細工をする際に使う道具として、マジパンスティックがあると便利ですが、無い場合は爪楊枝、クッキー型など代用できるものを探しましょう。
マジパンペーストの作り方
それでは、マジパンペースト作り方をご紹介します。作りやすい量として、アーモンドの粉末100gと粉砂糖100gをビニール袋に入れて混ぜ合わせます。アーモンドの粉末に塊があった場合は潰しておきます。そこに、卵白1個分(または牛乳か水大さじ2)を少しずつく加えながら、よく練ります。
ペースト状になり、耳たぶほどの固さになったら完成です。次に、色付け作業に移ります。ペーストをいくつかに分けてビニール袋に入れます。様子を見ながら、ほんの少量ずつ色素を揉み込んでいきます。色付けの終えた生地は、ラップでしっかり包むことを忘れないようにしましょう。
マジパン細工の作り方
では、ここから、いよいよマジパン細工の基本的な作り方を説明します。今回は、デコレーションとして華やかになる薔薇と動物の作り方をご紹介します。
動物で丸みのある細工を覚えることによって、他の形への応用もできていきます。作る際には、使う分だけの生地を取り出すようにします。
薔薇の作り方
ケーキに薔薇を一輪飾るだけでも、とても華やかになります。薔薇の作り方は一見ハードルが高そうですが、意外と簡単に作れます。まず、マジパンを小さく丸めたものを9個作ります。一つだけ芯用に残し、丸めたものをラップで挟みます。並べて挟むと作業が早く進みます。
上から手の平で押さえて、丸く平らに伸ばします。花びら上になる部分を指で少し薄く伸ばして花びらしくします。芯にするマジパンを涙型に丸め、それを芯にして花びらを巻きつけ蕾のようにします。蕾に他の花びらを前の花びらに半分重なるようにして巻いていくと薔薇になります。
動物の作り方
動物の作り方の基本は、丸い形のマジパンの組み合わせで作ります。マジパンを丸めるときは両手で挟んで転がしながら作ります。表面につややかになるように転がしましょう。顔は、目をつける場所をへこませてくぼみを作り、口はヘラをぐっと押し込んでしっかり線をつけます。
ポイントは、凹凸をしっかりつけることで、さらにかわいく仕上がります。動物の基本の丸い形に、それぞれ動物に合わせた耳の形をつけたり、うさぎやネズミならば前歯、ライオンならばたてがみをつけたりするなど、特徴に合わせて付け加えていくだけです。
マジパン細工を作る際のポイント
マジパン細工の作り方がわかったところで、ここからはマジパン細工を作る際の注意点やポイントをご説明します。簡単に作れるとはいえ、マジパン細工を失敗せずに綺麗に作るには、いくつかの大切な注意点があります。
事前にデザインを決めておく
デザインは事前に決めておきましょう。マジパンは、薄く伸ばすと乾燥してひび割れしやすくなり、また、時間がかかってしまうと作っているうちに乾燥してしまい崩れやすくなります。
成形をなるべく早く仕上げるためにも、あらかじめデザインを描いたり、配色も決めておいて、作り方を頭に入れておくとスムーズに作業が進みます。
マジパンを指で触り過ぎない
綺麗な仕上がりにするには、マジパン成形する際に指で触りすぎないことです。指の先で触りすぎると、せっかくのマジパン細工に指の跡や指紋がついてしまいます。
指先ではなく、手の平や指の腹の部分を使って成形するようにしましょう。万が一、指紋がついた場合は、その表面を優しく撫でるようにして消します。
乾燥しないようにする
マジパンペーストは乾燥しやすいので、空気に触れないようにラップで包み乾燥を防ぎましょう。色付けし終わったとき毎に、しっかりラップで包みます。成形する際には、使う分だけの生地を取り出します。
不純物が入らないように注意する
マジパン細工の中でも、気をつけなければならない重要ポイントは、マジパンに不純物が入らないようにすることです。練りものであるマジパンは不純物がつきやすいので、注意が必要です。
調理前に手洗いをすることはもちろんですが、しっかりフィットするビニール手袋をして作業するのも、不純物混入の防止策になります。
手作りケーキをマジパンでデコレーションしてみよう!
マジパンの作り方、いかがでしたでしょうか?特別な日に、手作りの美味しいケーキのデコレーションに、マジパン細工が飾られると、さらに場が盛り上がるでしょう。自家製で作るマジパンの美味しさも格別です。ぜひ、ご家庭でマジパン細工を楽しんでみてはいかがですか。